日本の次世代艦隊の有るべき姿 壱弐番艦

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751True/False ◆ItgMVQehA6
 >693から話を振ってきましたが、私なりにまとめをやってみます。
まず大雑把に艦隊というか、海自の兵力を分けて見ます。
・事前に地理と経済要因から規定されるノードを中心にした固定配備(地方隊、陸上航空集団)
・突発事態に対応する『外洋』機動艦隊(EF、ひょっとするとSFや掃海隊群も)

 ここで言う『外洋』とは、地理的条件ではなく自陣営の支援設備からの距離で分類します。
どこかの沖合い数キロなんて海面であっても、その陸地が敵性国家である場合には『外洋』です。
大洋のど真ん中だが近くの環礁に自陣営の宿営地があり、内地同様のサポートが受けられるなら近海です。

>744氏
>近海対応への特化
「都合の良い想定に基づいて特化してはいけない」WW2において帝国海軍が残した最大の戦訓は
(膨大な人命を費やすまでもなく常識として知っておくべきことですが、帝国海軍においてはこれは
常識ではなかった)忘れてはいけませんね。
 私も忘れたつもりは無いですし、特化を主張しているつもりもないです。
752True/False ◆ItgMVQehA6 :03/12/16 18:28 ID:???
 インド洋〜アラビア海への展開はいつまで続くのか判りません。
 最悪の場合は「我が国が海洋秩序の陣営にあり、かつ中東の石油を利用しつづけ、
さらに中東が自律安定性を得ないままである限り永続的に行う」ことになりましょう。
 まぁとにかくディエゴガルシアに間借りでも何でも良いですから、
「当該海域を近海化し、地方隊や航空集団のような陣容・勤務体制で任務を遂行できる」
体制を組むべきと思います。
 津軽海峡などの特定海面における定期哨戒がそうであるように、
「数年に渡る、固定された海域への展開」
言い換えるならば年単位での海上優勢保持と言うのは地方隊&陸上航空集団のローテーションに
よってこそ本来は行うべきと考えます。

 というか、そのような任務に「外洋作戦部隊」
(まぁなんと呼んでも構いませんが、『支援設備から遠く&長く離れて行動できる』部隊)を
充てるのはリソースの浪費でさえありましょう。
 例えば>473の主張するような、同じ任務へ貼り付けることを考えるならば艦隊の方が
展開持続力があるのは当然です。が、>473の言うように同じ任務をより効率よく行うために
大型艦を保有している=大きな地方隊としてEFが存在しているわけではありません。
753True/False ◆ItgMVQehA6 :03/12/16 18:29 ID:???
 支援体制の整えにくい、あるいは欠落している海域、すなわち『外洋』
(上述のように、地理上の最寄陸地からの距離では無く根拠地との距離で規定)
に短期間の準備で展開させうる柔軟性こそが「機動艦隊」(『遠く&長く離れて行動できる艦隊』)のメリット、
他の兵力では置き換え不可能な要素、すなわち艦隊を保有する意義そのものでしょう。
 もちろん、ハードだけが柔軟性を保証していても意味ありません。新しい状況において
出来ること&すべきことをテキパキこなせる人員が(特に司令部レベルにおいて)不可欠です。
 冷戦終結後何年経っても「シーレーンASW」しかアタマに無いとか、地方隊を見下すことでしか
プライドが維持できないとか言う自称幹部などは論外。

 また、「現在インド洋でEFがやっていることを地方隊&航空集団で置き換える」が出来ないままに
今後数十年を過ごすことになってしまえば、我らがEFが「艦艇と搭載機の陣容だけは立派だが、
新しい事態&海域への対応性(柔軟性)が完全に欠落した艦隊」つまり、帝国海軍連合艦隊の再来に
まで成り下がってしまうと危惧するものです。
 特に人員の思考の面で……
 いや、そもそも今現在、EFを必要とする状況が別の場所で持ち上がったとき、EFは対応できるか?
を考えるとちと悪寒がします。
754True/False ◆ItgMVQehA6 :03/12/16 18:30 ID:???
 そんなわけなんで>698氏、そのオチは最悪に近いパターン、
「外洋を近海化することを諦め(前進根拠地の取得が不可能)、しかし該当海域への固定的な展開を
永続的に強いられる(足抜けも不可能)」
と言う駄目駄目な状況に陥った時に行われることと考えます。

 以前、「海上自衛隊は戦闘艦艇の数に比しての高速補給艦の保有数が米英の海軍より高い」(大意)
と言う書き込みがありました。今居るこのスレッドの過去スレだったかも知れません。
 実際の比率はそれぞれどんなものか私は精査しておりませんが、確かにその傾向はありましょうし、
また当然のことと思います。
「近海」での補給を前提とするならば経済性重視の(つまり海域進入〜補給作業〜離脱に長時間を要する)
補給艦艇運用を行ってもリスクは低いわけです。
 というか、(マトモな)海軍の原初にして最終の目的は直接の護衛など要さずに自陣営の船舶に
経済運行を保証すること、理想的には自陣営の船舶が航行する全ての海域を内海化してしまうことに
ありますから、膨大な数の商船運輸に比べれば誤差に入ってしまうような艦艇補給に経済性を
保証しえないようでは話にならないでしょう。
(ついでに言うと、商船に直接護衛を付けないといけないようならそれは内海化できていないことを意味します。
以前、とあるスレッドに巣食っていたシーレーン厨にはどれだけ説明しても話が通じませんでしたが)
755True/False ◆ItgMVQehA6 :03/12/16 18:31 ID:???
「インド洋を近海化する」
「近海用部隊の哨戒によってフリースタンドを経営できるようにする」
 やっとスレタイに戻ってきました……これが、私の見るところの、
「艦隊の、近い将来においてあるべき姿」です。
 ただし、複数の方々がすでにご指摘のとおりJMSDFに収まる話ではありません。
兵力だけを見ても、もしJMSDFの組織改変&拡張だけで行おうとするなら、陸戦隊と陸上戦術機集団
(哨戒機集団ではなく)を創設する必要がありましょう。
 もちろん、部隊展開においてその出先の国が日本への対価として「集団安全保障」を要求して来た場合の
対応こそ最優先で考えておかないとなりません。
(「他国の軍隊が自国に永続的に展開する事態」を、「集団安全保障」と言う見返りなしに受け入れる国が
 あるとは思っていませんが)

 えーと、スレタイに戻った途端に話が発散しました。お詫びします。
 上述したような「固定された海域での永続的哨戒・海上優勢の保持」という任務に(名前はどうあれ)
機動艦隊そのものであるEFを充てるのは、緊急措置に類する話と思ってます。

 ただ、国策を数十年に渡って変えてしまうこと必至の話なので地方隊や航空集団の進出
(陸・空も随伴しないとならない)によってEFをインド洋から解放するにはまだ数年掛かってしまうことでしょう。
 どんな論議と詭弁を経てそこへたどり着くのか、それともEFが連合艦隊の再来に成り下がるのか
歴史の展開に興味が尽きません。
 というのもさておいて。

まとめると「次世代艦隊はEFのインド洋貼り付けからの解放を目指す」てなところでどうでしょうか。
ああ、長い前振りだった……。

「解放後のEFをどんな編成にしてゆくべきか」を今語るのは、私の能力を超えます。
しばらく勉強させてください。