もし日本が勝っていたなら Part2.1

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575二式艦戦(川崎AXS)の各型
一一型(AXK1)
 キ−61I〜乙をほぼそのまま、アレスティングフックの追加と翼端部の
折り畳み機構を取り付けて艦上機化した機体。発動機はDB601をベースと
した川崎製の陸軍ハ-40。川崎航空機初の海軍機であり、海軍戦闘機とし
ては初めて12.7粍機銃を採用した機体でもある。内地及びトラックに地上
機として配備され、主に慣熟飛行に使用された。少数運用で、全て川崎製。

一一型甲(AXK1改)
 陸軍キ−61丙。ドイツから輸入されたモーゼル(マウザー)MG151/20を取
り付けた機体だが、モーゼル社はこの機銃のライセンスを発行しなかった
為、少数生産に終わった。うち、海軍に引き渡されたものはわずか5機で、
うち1機のみが愛知製。

一二型(AXK1a)
 ユンカースJumo211の国産・高圧水冷化バージョンである愛知「熱田」
の製造が予想以上に順調だった為、二二型の胴体生産が間に合わず、やむ
を得ず川崎製胴体の発動機架と冷却器覆いを愛知型のものに取替えて完成
させたもの。

二二型(AXK2)
 愛知時計電気にて本格的な艦上機とする為に改修、主翼を14番リブの位
置で折り畳めるようにし、機首機銃を20粍機銃に変更した機体。この時の
20粍機銃は九九式二号FFLであるが、陸軍ホ−103に換装することも可能に
なっている。発動機はJumo211を国産・高圧水冷化した「熱田」一二型(※)。
その為冷却器覆いの形状がキ−61Iとは変更されていて、川崎・土井技師
の得意とする直線的な胴体に、愛知流の丸みを帯びた冷却器覆いがつくミ
スマッチ感が以降の特徴となった。製造は主に愛知で行われたが、陸軍も
キ−61I改として運用している。
576二式艦戦(川崎AXS)の各型:03/07/28 16:29 ID:???
三二型(AXK3)
 陸軍キ−61丁に準じて改修した海軍型で、陸軍ホ−5、海軍名二式二〇
粍航空機銃を搭載する為に機首が20cm延長されている。空技廠では視界悪
化を懸念する評価があったが、実戦では高性能の新20粍機銃が搭乗員の絶
賛を買った。しかし、機体が大型化したことによる性能低下は否めず、
「熱田」二二型の製造開始とともに以降の型に切り替えられた。

三三型(AXK3a)
 1420hpに性能向上した「熱田」二二型を搭載、機体大型化による性能低
下を補ってなお余裕のある性能向上型で、高圧水冷型の最多生産型
(約7,000機、ただし陸軍キ−61は含まず)。第二次ハワイ沖海戦(連合軍呼
称「パルミラ沖海戦」)における、「パルミラの七面鳥撃ち」を果たした
のは本型と七六型である。外観では三二型とほとんど変わらず、製造番号
以外で見分けるのは難しい。本機の登場に前後して陸軍はダイムラーベン
ツDB601の選定が誤りであったことを認め、愛知のライセンスでほぼ同じ
型の川崎ハ−141を採用したが、こちらは冷却系は元のJumo211と同じ形態
で、搭載するキ−61IIも、冷却器覆いは川崎型のままだった。

五八型(AXS11)
 戦後型。「熱田」にかわり、英国製ロールスロイス グリフォン発動機
を搭載した型で、主に輸出用に製造された。グリフォン発動機は当初ロ式
グ号発動機と呼ばれていたが、後に三菱重工がインジェクター化したもの
(海軍呼称「月光」)を逆輸出するようになり、本機も生産途中でそちらに
切り替えられた。武装は三三型とほぼ変わらない他、冷却器覆いも川崎型
となっている。
577二式艦戦(川崎AXS)の各型:03/07/28 16:31 ID:???
六五型(AXS5)
 番号は高いが実際の登場は三二型より先である。キ−61/AXS空冷型の第
一号で、三菱「金星」五四型1300hpを搭載。速度は560km/h程度にまで低
下したが、格闘性能は全シリーズ中もっとも高いとされている。先行試作
的意味合いが強く、同じ発動機を搭載する最終期の零戦が重用された為、
数百機がつくられたに留まった。

七五型(AXK5a)
 三二型同様、ホ−5を搭載した型。ただ高圧水冷型と異なり、全長の短
い空冷発動機を採用していた為、機首の延長はなく、銃機関部覆いのみが
変更された。これがまた、愛知流の涙滴型なのだが、後に七六型相当のキ
−100を採用した陸軍でも、この銃機関部覆いをそのまま使っている。一
方従来の冷却器覆いは川崎型とされ、オイルクーラーを収めていた。

七六型(AXK5b)
 水冷型の三三型にあたる機体で、発動機を「金星」六四型1500hpに変更
した機体。空冷型の最多生産型(甲型含め約5,000機で三三型より少ないが、
七五型、八七型がほぼ同じ構造で3,000機以上生産されているので、総数
では空冷型の方が多い)。陸軍キ−100はほぼ同型である。

七六型甲(AXS5b改)
 米軍の高々度爆撃機、B-17やB-24に手を焼いた海軍が、主翼装備に30粍
機関砲を搭載してこれの迎撃に充てた機体。陸軍のキ−100I乙に相当す
る。しかし搭載の為に主翼下部に銃機関部収容の膨らみが出来、重量増で
運動性は悪化した為、搭乗員には不評だった。空母に搭載され、体当たり
攻撃に対抗した。
578二式艦戦(川崎AXS)の各型:03/07/28 16:32 ID:???
八七型(AXS5改)
 陸軍キ−100II。コクピット下方にターボチャージャー、愛知型冷却器
覆いにインタークーラーを収めた、高々度迎撃仕様。武装は七六型甲と同
じく、主翼に30粍機関砲を搭載している。1000機程製造されたところで終
戦、しかし約200機がパナマに配備され防空に活躍したが、米側はB-26マ
ローダーやA-20ハボックなどで低高度高速侵入を主としたため、せっかく
の高々度性能は生かすことができなかった。全て川崎製で、艦上装備は付
けていない。

九九型(AXS15)
 戦後型。「金星」に変わり三菱「土星」四二型2400hpを搭載した型。五
八型同様、主に輸出用に製造された。中共動乱に「陣風」と共に汪兆銘政
権に貸与され、毛沢東パルチザンへの攻撃に使用された。


(※)……「熱田」一〇型はダイムラーベンツDB600の研究用コピーである。