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虐殺否定と30万人説は完全に否定されていますね。
捕虜や便衣兵を揚子江沿岸に連行して射殺・刺殺した件に関して。
まず、虐殺否定説では、その論拠である「陸戦ノ法規慣例ニ関スル規則」によって、その殺害は交戦の延長
としての戦闘行為、そして、便衣兵は捕虜の資格がないので殺害しても不法殺害にならない、としている点。
これは、武装解除している捕虜・便衣兵を自己の管理下に置いていながら、それを殺害するのは戦闘の延長
とは言えず、叛乱を起こしていない限り、不法殺害となる。
また、第一線部隊ではその処断権限はなく、軍法会議あるいは軍律会議の判決により処断すべしと言う、国際
的慣習であり、現に上海派遣軍、中支那方面軍、第十軍に軍律会議があるので、勝手に処断できないはず、
と言う論旨。
また、下関付近での包囲撃滅戦、揚子江を船や筏で逃げる兵士を射殺したのは、ハーグ陸戦規則の第23条ハ項
を根拠にしているが、これは、「武器を捨てまたは自衛の手段尽きて降を乞える敵を殺傷すること」を禁じており、
降伏の意思表示を示さずに逃亡する敵兵はこれに当たらない、としている。
続き。
その人数に関しては、「南京地方法院検察処敵人罪行調査報告」での数値を論拠に、30万人説を
打ち出してはいるが、日本側の証言・史料からは、第9師団歩兵第7連隊の安全区掃討作戦による
便衣兵殺害の6,670名、第16師団第33連隊の太平門、下関、獅子山付近の捕虜3,096名の殺害、
山田支隊の幕府山付近に於ける捕虜など数千名、第十六師団第30旅団が南京西部地区警備中に
捕らえた敗残兵数千名、第114師団第66連隊第一大隊が雨花門外で捕らえた捕虜1,657名をそれぞれ
殺害しており、日本側は都合20,000名であり、民間人の死者は、金陵大学のSmythe教授の調査によって
(但し、これは推計の範囲を出ないと注記している)南京市部における暴行死者2,400名、江寧県の被殺者
9,160名。
これに加えて、第16師団歩兵第38連隊の捕らえた捕虜7,200名を南京に護送して収容。
第6歩兵師団歩兵第45連隊第2大隊が5,500名の降伏捕虜を釈放、国崎支隊の歩兵第41連隊が、2,350名の
捕虜を武装解除後、釈放。
また第16師団歩兵第30旅団が2,000名の便衣兵を収容している。
この何割かが死亡したとしても…。
当時、南京にいたのは、中国軍の南京守備隊は実質兵力10万人弱、民間人は避難民が続出して、残っていた
のは15〜30万人。
30万人説だと、南京に誰もいなくなってしまう訳だが、実際には20万人以上の人がいる。
従って、差し引き10万人以上であり、その数割は逃亡したか、中国軍に殺害されたか、病死したかしたとすれば、
数万人というのが妥当な線…(ちなみに、秦氏は4万人説を唱えている)。
後は、埋葬記録の矛盾とか百人切りの虚実についても史料を挙げて反論している。
結果、虐殺はあった。だけど、数十万人規模のものはなかったと言う形です。