学生時代、内輪で飲みに行ったときの話。
女の子も2人ほどその中にいたのだが、そのうちの一人がまたエラく美人だった。
明るくて気さくで、俺のようなデブヲタでも付き合いやすい、実にいい子だった。
ああ、こんな子が彼女だったらなぁ、と常々思っていた。
正直に言えば、その子を2,3回オカズにした事もある。
でも、どうせオトコがいるんだろうなぁと思っていたし、高嶺の花だと
思っていたので、すっかり諦めていた。
ところがどうした事か、その子が俺にしつこく酒を勧めてくる。
美人にお酌をしてもらえば悪い気分なわけはないし、ついつい度を過ぎて
飲んでしたたかに酔っ払ってしまった。
んで、いつの間にか恋愛話など始まったわけだが、誰かが俺に話題を振ってきた。
「お前の好みのタイプってどんなの?」
すでに大分訳が分からなくなっていた俺は、開口一番こう宣言した。
「メイドさん!」
コミケで購入した、メイドという職業について詳細に、学術的に解説した
同人誌の知識など踏まえつつ、俺は一席ぶった。
こういう話は得意なほうだ。受けた。みんな笑った。件の彼女以外は。
よく覚えていないが、それ以外のことも色々話したことだろう。
その後、2次会としてカラオケに行ったのだが、件の彼女は帰宅した。
カラオケ屋のトイレで、俺の有人が言った。
「今回の飲み会さぁ……あの子に言われてセッティングしたんだよ。
お前と親しくなりたい、って」
泥酔していたはずなのに、有人の哀れむような声音だけは今もって忘れていない。
初体験の話なんかしてるから思い出しちまったよ! 長文で悪かったな!