>>650 では、ここでちょっと具体的に考えてみようか。
君は、ある機械化歩兵大隊の大隊長で、旅団から戦車14両編成の戦車中隊、戦闘工兵中隊を一個づつ配属され、臨時に大隊戦闘団を率いることになった。
指揮下の大隊戦闘団は、大隊本部中隊、APC化歩兵中隊3個、戦車中隊1個、戦闘工兵中隊1個、重火器中隊1個であり、120mm口径の重迫6門と、自走重対戦車ミサイル発射機を9両、携行対空ミサイル発射機9基を保有している。
旅団長からの命令は、ある大都市に通じる幹線道路上北を敵の機械化師団が南下中であり、これの突破を防ぎ大都市を防衛するために、敵の前衛の機械化歩兵旅団の進攻を妨害せよ、というものである。
このため、必要に応じて旅団砲兵の155H大隊が全般火力支援をしてくれることになっており、砲兵観測班が支援に来ている。
旅団にはあと機械化歩兵大隊と戦車大隊が1個づつあるが、機械化歩兵大隊は敵の別働隊の迂回に対する警戒と防衛にあたっており、戦車大隊は旅団の予備として後方に拘置されている。
敵味方の制空権は伯仲しており、航空支援は期待できない、と、旅団長からは伝えられている。
敵は、1個機械化旅団を前衛として我の防衛線を突破した後、後方に拘置してある戦車旅団を投入して一気に南下する意図であると、旅団司令部は判断している。
敵の攻撃発起時刻は、48時間後と見積もられている。
敵機械化師団は、攻撃発起と同時にまず師団偵察大隊(機械化)を南下させ、我が方の抵抗が無い場合2〜4時間以内に大都市外縁に到達するものと考えられる。
このとき敵偵察部隊は、君の大隊戦闘団と接触した場合、我が方の防御体勢と意図を把握するために威力偵察を行い、しかる後に後退し師団主力と合流するものと推測される。
そして敵偵察部隊の師団主力と合流後敵機械化歩兵旅団が南下を開始し、君の大隊戦闘団と敵機械化旅団の前衛が接触するまで、敵偵察部隊撤収後1時間以内と考えられる。
敵は、前衛の機械化歩兵中隊が君の戦闘団と接触後、戦車1個中隊を増派された機械化歩兵大隊(歩兵中隊3個編成)で幹線道路を主攻軸として突破を図ってくるであろう。
このとき、もう1個の機械化歩兵大隊(歩兵2個中隊編成)が、君の戦闘団の翼側に攻撃を行い、支援に当たると考えられる。
そして、敵の機械化大隊が君の戦闘団の構築した戦線を突破に成功したならば、後方に拘置してある戦車大隊(戦車2個中隊と歩兵1個中隊で編成)を投入し、大都市へと突破を図るであろう。
敵師団偵察大隊は、戦車10両前後と、装甲偵察車20両強、少数の重迫と重対戦車ミサイル発射機を保有し、機械化歩兵1個中隊相当の歩兵戦力を保有している。
敵機械化旅団は、戦車50両強装備の戦車大隊1個と、各々機関砲搭載歩兵戦闘車40両弱と重迫6門を装備の機械化歩兵大隊2個を基幹としている。
旅団への支援部隊は、戦闘工兵中隊1個と自走式重対戦車ミサイル発射機12両が配属され、砲兵支援として155H1個大隊を直協支援に充て、師団砲兵旅団の155H1個大隊とMLS1個大隊を全般支援に充てるものと予測される。