[ O-} マジメに語る戦車進化論 第三世代 [-□ ]

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181名無し三等兵
まだド勘違いしている輩が居る模様のため。再出馬。

>>177
>APFSDSもHEATも侵徹力を表す式を見ると装甲側の要素は材質の密度と弾性や圧縮強度だけだから

厳密には衝撃インピーダンスと引っ張り強度。圧縮強度に関しては半分正解(理由は後述)。
定性的にはバルク音速と密度の乗算(音響インピーダンス)を衝撃インピーダンスとして相対的推測が可能であるため、
以下、バルク音速(=(E/ρ)^(1/2))と密度を乗算したした値(音響インピーダンス)を前提に説明を行う。

先のスレッドでも詳細に説明したが、相互作用面の最大速度(=侵徹速度)は着速及び衝撃インピーダンス比から算出される。
そう、Vp=Vo(Z1/(Z1+Z2))である。(Vo:着速、Z1:弾芯衝撃インピーダンス、Z2:標的衝撃インピーダンス)
この式から判るように、着速≠侵徹速度である。そして着速と侵徹速度の差が弾芯のエロージョンを促し、侵徹現象を持続させる。

では、同じ厚さの装甲に対する、侵徹無の違いはどのような条件に起因するものであろうか?
先に説明で既にお分かりの方が居ると思われるが、着速−侵徹速度の差が大きい、要は単位装甲侵徹長に対する弾芯の消耗度が大きければ大きいほど、
より弾芯が消耗される、つまりは侵徹長が短くなるのである。

この説明を元に、セラミックスとDUAは何処に違いがあるかを考える。
セラミックスは密度が低い代わりにヤング率が極めて大きい。即ちバルク音速が高い値を示す材料である。
DUAはヤング率が一般的な鉄材に近い代わり、極めて大きい密度を示す材料である。
つまり、両材料共に衝撃インピーダンスが高いため、効果的に弾芯を消耗させる可能性を有する材料であるということである。

よって、
>APFSDSもHEATも侵徹力を表す式を見ると装甲側の要素は材質の密度と弾性や
>圧縮強度だけだから、侵徹機構の違いは別として装甲材質の性能を決める上では
>同じと言えると思うよ。語弊があったから補足するけれど、セラミックスは圧縮強度
>がベラボーに高くて衝撃で液相化しないという特性があるし、DUAはその密度の
>高さゆえにHEATジェットやAPFSDS弾芯の減衰に対し高い交換比率を持つのが
>利点なんだと認識してるけれど、これで正しいんだろか、、、。

これは大いなる勘違いに基づいた間違いである。

因みに強度項に関して説明すると、如何に効率よく弾芯のエネルギーを吸収させられるか?
というパラメータである。当然ながら、このエネルギー吸収率は引っ張り強度×真破断歪から算出される。

セラミックスが装甲材として有効な理由に関しては、以上の説明を元に各々が推測することを期待する。
それほど難しい問題ではない。(説明していない部分もあるが)

>つっても120mmL55を食い止める正面装甲は現時点でも存在しない事になって_と思うけれど)
貴方の願望に答えられないのが非常に残念である。
今後のMBTはその国が有する基礎工業レベルによって実現可能な重量に大幅な隔たりが生ずるということだけを指摘しておく。