スターリングラード空輸作戦における輸送機数は、1943/1/13で帳簿上Ju52/
He111/He177/Ju290/Fw200等の各機種合計519機、また他戦線からJu52/He111
が合計して306機が転出途中でしたが、当日の作戦可能な稼働機数は47機ですよ…。
この時期の稼働率は30%代が最高で、下手をすれば上記のように10%を切ります。
よりドイツ空軍の耐寒装備・経験が乏しい1941年冬期に長期間の空輸作戦を行っ
た場合、大型機の稼働率がこれより良くなったとは思えません。実際デミヤン
スク戦時における輸送機の稼働率は精々20〜30%代ですね。
あとデミヤンスク戦時の空輸距離は240km、スターリングラード戦の際空輸距離
は250kmでしたが、400km離れた地点であれば飛行時間・ターンアラウンドの時間、
また長時間飛行に伴う悪天候による飛行作業中断の可能性等を含めて考えれば、
スターリングラード戦時より輸送効率が低下する事は容易に想像できます。スター
リングラード戦で輸送機が同日に複数回作戦飛行が出来た日が数えるほどしか無い
事は、冬期の悪天候下において、より遠い地点に対して行なう同日複数回の輸送が
より困難である事を示しているように思えます。
スターリングラード戦で目標輸送量に達したことは135機が着陸して366トンを
運んだ1942/12/7(当日稼働機134機)と158機が着陸して310トンを運んだ12/31
(稼働機数85機)の二度のみ、というのを良く考えたほうが良いでしょう…。