復刻★泣ける話

このエントリーをはてなブックマークに追加
137ナナシニコフ47
ジャック・ノースロップという男がいた。

全翼機、胴体や尾翼を省いた純粋な「飛行翼」を夢見た彼は
「ノースロップ式全金属製多桁式応力外皮構造」を発表、
全身全霊をかけて全翼式爆撃機を世に送り出そうとした。

しかし、彼の夢はあまりに斬新過ぎた。
XB-35はライバル機B-36との競作に敗北。
起死回生を狙ったジェット爆撃機YB-49は朝鮮戦争の勃発によりキャンセル。

ジャックは失意のままノースロップ社を去り、航空業界から引退した。

それから25年。パーキンソン病で余命いくばくも無い彼のもとに
ノースロップ社からの招待状が届いた。
不審に思いつつノ社に赴いた彼に、あるものが手渡されました。

それは、模型。当時ノ社が極秘裏に開発を進めていたステルス全翼爆撃機、
エンジンナセルも垂直翼も無い、純粋な全翼機、B-2の模型でした。

彼は涙を流しながら『神がなぜ私に25年の余命を与えたもうたのか、今わかった』と
呟いたそうです。

♪語り継ぐ〜人もなく〜吹きすさぶ〜風の中へ〜
 紛〜れ散らばる星の名は〜忘れられーて〜も〜
BGM:ヘッドライト・テールライト(中島みゆき)