死刑確定囚の中から次の執行者を予想希望するスレ3

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126名無しさん@お腹いっぱい。
【二月二十一日 ある死刑囚の記録】
左腕に残る感触自問
左腕で首を絞めていた。はっきりとした感触がある。覚えのある感触だ。
なのに相手が分からない。いったい、だれを…。
ハッと目が覚めた。目が覚めたはずなのに背後からこんな声がした。
「あんたは神様に救われるかもしれないが、殺された私はどうなるんだ」
自らの手で絞殺したスナックママ、千葉春江(61)。その夫に殴られるという前代未聞
の名古屋地裁での初公判から二カ月余り。二〇〇二年、うだるような猛暑の八月初め、
武藤恵喜(ぶとうけいき)は牧師の戸田裕への手紙で忘れられない一夜の夢を打ち明け、
こうつづった。
「あの首を絞めた時の感触は、この先どのくらい生きれるかわかりませんが、死ぬまで
背負って行く事が被害者への償いと思っています」
恵喜はこのころ、一連の取り調べが終わり、名古屋・中署から名古屋拘置所へと移管されていた。
長い髪を短く切りそろえ、十階の広さ四畳、独居房での暮らし。独りの時間、何を思い、すごしたか。
「死んで償いたい」。戸田との面会や手紙で繰り返した言葉を使わなくなる。
代わりにこんなことを書く。日付は八月十日。「逮捕直後は極刑で楽になりたいという気持ちが
強かったが、今は、何とかして生きて出て教会で神に感謝の祈りをささげたい」
やがて夏が過ぎ、十月八日、四回目の公判だった。
恵喜は弁護士に相談もせず、法廷で突如、それまでの発言を翻す。
「被害者を殺した後に金を奪うことを考えた」。死刑の可能性が高まる強盗殺人ではなく、
殺人だという主張だ。逮捕から一週間後には強殺を認めたはずが「夜遅くまでの取り調べが
続き、もうどうでもいいと思った」と説明した。
その半面、長野と名古屋、二度の人殺しの手口が酷似している点を検事に問われ、こう答える。
「まるっきり同じことをしたということは、またあるんかなという気持ちを持っていることは確かです」
刑を軽くしようとしながら、再犯の可能性に言い及ぶ−。ある意味、支離滅裂。ただ、ひとつ確実
なことは、この後、恵喜は「生きたい」という願いを強めていく。 (敬称略)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/feb21/list/CK2014011402000101.html