死刑確定囚の中から次の執行者を予想希望するスレ3

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123名無しさん@お腹いっぱい。
【二月二十一日 ある死刑囚の記録】
傍聴席から殴りつけ
前代未聞だろう。
二〇〇二年五月二十八日、武藤恵喜(ぶとうけいき)の初公判が開かれた名古屋地裁
九〇三号法廷で“事件”は起きた。
開廷前、須藤正夫(仮名)は傍聴席の最前列で身じろぎもせず、待っていた。
事実婚とはいえ、二十年以上連れ添った二歳下の妻、千葉春江(61)を手に
かけた男がじきに現れる。
春江が殺されて二カ月半。幾度も検察に足を運んでは「必ず死刑に」と願い出た。
当時、二十九歳だった正夫の長女も血のつながらない「母」への思いをこう訴えていた。
「私の子も、母さんを見て『ばあば』と呼んでいました。孫の成長を楽しみにしていた
母さんの人生をすべて奪った。私たち家族からかけがえのない大切な人を奪った」
それが、いったいどんな男なのか。正夫はずっと考え続けていた。
法廷に、刑務官に挟まれた恵喜が連れられ、目の前の被告人席に座る。髪は伸びっぱなし。
背筋を張るでもなく、なで肩が一層、だらんとして見える。
これが? こんなだらしなく、根性も無さそうな男に? 春江、なぜ逃げられんかった…。
「間違いありません」。検事が朗読した強盗殺人のあらましを恵喜はすべて認めた。
さらに詳しくあの日の一部始終が読み上げられる。
「首にマイクコードを二回巻き付け…わいせつ目的と偽装するためスカートの裾をまくり上げ…」

あの朝、現場に駆けつけ、その目で見た光景がよみがえる。雑居ビル、階段、店の入り口、
さえぎろうとする警官、床に転がった女房、変わり果てた姿。正夫は混乱した。

「てめえ、ばかやろう、おれが殺してやる」
叫んだ。左手で拳をつくる。傍聴席の柵から身を乗り出し、一メートル先に座る
恵喜の左頬を背後から殴りつけた。騒然とする廷内。審理は中断し、裁判長は正夫の退廷を命じた。
恵喜にけがが無かったからか、正夫の暴行事件は不起訴とされた。恵喜は後日、牧師の
戸田裕への手紙にこう記している。
「私が原因で罪人をつくったのでは、泣いても泣ききれません。ほっとしています」
正夫はその後も公判に通い、被告人席をにらみ続けた。恵喜が正夫と目を合わせることは一度もなかった。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/feb21/list/CK2014011302000183.html