「ヤクザは世の中にいらぬ」 組員ら2人刺殺容疑、20歳近畿大学生を再逮捕
1994.02.09 読売新聞東京夕刊より引用
大阪市中央区で、先月、暴力団山口組系組員(36)が組事務所で殺害される事件があり、
殺人容疑で逮捕された大阪府内の近畿大一年の男子学生(20)が九日までの府警の調べに対し、
先月十九日に堺市内で起きた暴力団組名のビルに入居しているファッションマッサージ店経営者(56)殺害についても犯行を認めた。
動機を「ヤクザは世の中にいらない」と話して連続殺人だったことを供述しており、
府警は経営者殺しでも再逮捕、背景などを詳しく調べることにしている。
調べによると、組員の事件は先月二十三日午前六時ごろ、のどを鋭利な刃物で切られて死亡。
直後に大阪市北区内の病院で、手のけがの治療を受けたこの大学生が浮かび、
地下鉄東梅田駅構内のゴミ箱から二人の血液が大量に付着したサバイバルナイフを見つけた。
当初、学生は「組事務所なら金があると思い、盗みの目的で侵入した」と自供、
今月一日に逮捕した。
府警は、学生が金に困っていた様子がないため動機を問いただすとともに、
その四日前に起きた堺市内の事件も、首を鋭い刃物で切る手口が似ていたことから追及。
マッサージ店があるビルには、近くにある山口組系の別の組と同じ名称がついており、
学生は「ヤクザならだれでもいいから殺そうと思ってやった」と、連続殺人を認めた。
また、一連の犯行の直前にも、神戸市内の山口組総本部に侵入して組員に袋だたきにされたと話している。
学生は府内の私立高を卒業、一浪して大学に入ったが、クラブ活動もせず目立たない存在だったという。
その後 加害者は心神耗弱で 4ヵ月後 スピード不起訴処分