板金工場で夜勤をしていた芳行さんはいつも夕方6時に家を出て翌朝帰宅する生活、
妻の市子さんも当時パートに出ていた。当時小学2年生のゆきちゃんはこの日、
午後2時頃に友達と別れ、家に帰ってきた。芳行さんがぐっすり眠っている時間である。
普段からゆきちゃんは父親を起こさないように、家に帰ると物音をたてなかったので
芳行さんは帰宅にきづかなかった。
午後2時半には市子さんがパート先から自宅に電話を入れ、この時ゆきちゃんが電話に出ている。
その後、小学6年生の次女が帰ってきたとき、ゆきちゃんの姿はなく、テーブルに上にはまだ暖かいココアが残されていた。
ゆきちゃんはココアが好きで、よく自分で作って飲んでいたという。
午後4時頃、芳行さんが起きてきたが、ゆきちゃんがいないことにはさして気に留めなかった。
いつも帰宅してから友達と待ち合わせて、遊びに行くことが多かったからだ。
やがて長女や市子さんも帰宅してくるが、ゆきちゃんは夜になっても戻ってこなかった。
午後8時には警察に連絡し、家族や小学校の教師らと捜索したが見つからなかった。