日本と紀元前中国王朝の関係性

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372出土地不明
産経新聞で月曜日に『日本人解剖』という連載記事を載せていますが、現在は「第3章ルーツ」が延々と続いています。
で、問題の弥生時代の古人骨から抽出されたミトコンドリアDNAのハプログループについては、
5月5日の「弥生人の出現C」で、篠田謙一氏の研究が紹介されています。
それによると、高身長・のっぺり顔(北九州・山口型)の五遺跡(福岡県の安徳台、隈・西小田、佐賀県の花浦、托田西分、
奈良県の唐古・鍵遺跡)出土78個体分のmtDNAの情報が、関東縄文人、現代の本土日本人と比較されたものが記載されています。
それによると、N9a(7.1%)、Z(7.1%)、Cが関東縄文人に無いハプロタイプ(グループ)とされていますが、後のハプログループは関東縄文人にも見られます。
そのほか、渡来系弥生人では、D・Gが合わせて50%を占めていますが、関東縄文人では、24%、本土日本人では44.3%となっています。

記事では述べていませんが、mtDNAの、D・Gはさらに多くのサブグループに分類され、Dは東アジアの最大グループです。
日本人には、その中のD4、D5、少数のD6が存在します。
これだけ数が増加すると、D4やD5をさらに細分類することが可能であり、いずれはその方向の研究も行われるでしょう。
その段階で、渡来系弥生人の50%のD・Gと関東縄文人のD・Gが果たして、どの程度共通であったかは判ると思います。
現時点で少なくともD4は、D4a〜nの少なくとも14に細分可能です。
古人骨のmtDNAのデータが、同程度の精度で分類されれば、渡来系弥生人と関東縄文人のmtDNAの相違はもっと見えやすくなると思われます。

>弥生時代に北九州に来たという渡来人がそんなに多くなかったことを
示しているんじゃないでしょうか。

これは、現代韓国人のミトコンドリアDNAの中に、関東縄文人と共通のものが認められていることから、
実は「関東縄文人」の古人骨から抽出されたmtDNAと同じ型のmtDNAを持った渡来系弥生人女性という存在も想定する必要があります。
少なくとも、渡来系弥生人が女性をも伴ってきた事(これは民族移動を想定する私の立場からは当然ですが)、
その後の女性を含めた弥生人のかなり大きな人口増加を想定する必要があるでしょう。
古墳時代以降の半島からの帰化人(亡命者)の伴った女性の繁殖だけでは、説明困難でしょう。