764 :
出土地不明 :05/01/19 03:51:16 ID:bNVN86EY
また、私は他の類人猿でも模倣や学習については人間と同じことが言えると思うので >学習能力などの基本に >ついて、人間とチンパンジーでは重なりがないわけだし とは言えないと思います。(生物学的に) 他の動物も人間と同じで物覚えが良かったり悪かったりの個体差は存在しますし ペットショップとかで子猫とか子犬を見てもらうのが手っ取り早いと思いますけどね。 それから、受精〜誕生においては生物の進化をなぞっているのは有名な話ですが 個人的には幼少時の子供も進化の過程をなぞっている部分があると思います。 たとえば、赤ん坊が鉄棒にぶらさがれるとか、樹上生活のなごりみたいなやつがそうです。 ハイハイから二足で直立歩行していく過程も遺伝プログラムに入ってるのでしょうね。 なので、チンパンジーの知能が人間の子供で言えば3歳児くらいというのも納得がいきます。 そのあたりまでは遺伝子的に重なりがあるのだろうと推察できるからです。 ていうか人間とチンパンジーはDNAで見れば他の動物などと比べて遺伝的には非常に近いとも言えますから。 それから話は変わりますが、人間に飼われたオランウータンで 石鹸で手を洗うやつとか歯磨き粉と歯ブラシで歯磨きをするやつがいますが あれはまさしく模倣ですね。 それをやったことでばい菌から身を守れるとか、虫歯にならないからとか 合理的判断を下してるわけではないですから合理的ではないですけどね。 ネアンの石器の製作は合理性云々を理解したかどうかは別として クロマとの接触によって模倣しただけの可能性もあったり・・・ ってのは私もその可能性までは否定できません。 >チンプは、たとえば、懐中電灯を渡すと、しばらく眺めたあとで、それが >スイッチを押すと、光るということに気がついたとたんに、それを利用して >暗がりを照らして利用する、なんてこともするわけで、音声言語をもって >いたら、携帯電話も使えるようになるかもしれませんぞ。 3歳児並の子供だと思えば確かにそれはそうなんですよね。 でも音声言語を持っているということはすなわちそれはチンパンジーではないですよね。 前頭葉も相当発達して合理的な理解力を持っているはずですから。 イルカとか馬とか犬の話で言えば、人間よりも微妙な音声の違いを聞き分けることができます。 でも、だからといってコミュニケーションが人間よりも発達はしていないわけです。 だから、単純に音声言語を持っていると携帯電話が使えるという話にはならんと思うのです。 脳の進化がまず最初にありきってことだと思います。
765 :
出土地不明 :05/01/19 04:00:58 ID:bNVN86EY
イルカはいろんな周波数のエコーを出せます。 これはすなわち音声言語を持っているわけですよ。 聞き取れる耳も人間なんかより相当に良いもの(微妙な音の違いをききとれる)を持っている。 でもやはり人間みたいなコミュニケーションまではいかない。 それはすなわち脳の発達次第ってことなんですよね。 音声を制御して、それをどれだけ分類して意味づけをできるかっていう脳が必要ってことです。 これは生活環境にもよるのだとは思いますけどね。 音声言語を持っていなくてもチンパンジーが人並みの知能を持っているとすれば 聾唖者のように手話で人間並のコミュニケーションができるようになるはずです。 でも実際には人間の3歳児並の知能でしかないですから無理というものです・・・
766 :
出土地不明 :05/01/19 04:11:21 ID:bNVN86EY
それから、投糞、投石で、思ったんですが 動物の狩猟について考えてみたんですよ。 最初は、相手を捕まえて噛み付いたりってとこがせいぜいだったと思うんです。 でもそれには自分が負傷をする可能性があるというリスクが伴ったはずです。 となると投石でも何でもいいんですが、そこいらへんにあるものを投げてみるとか、 それが組織化して集団で追い込み猟をするとか、霊長類がそういう思考ができるような脳を持つ段になると、 おのずと道具も作ったり使えたりするような偶然も起き得るのかなとふと思ったり・・・ 現代におきかえると、「タイマンのケンカ→弾道ミサイル」、「一本釣り→定置網」とかそんな感じになるんですかね(笑)
767 :
出土地不明 :05/01/19 11:34:48 ID:egEyeaxy
人間の行動のかなりの部分が遺伝的プログラムに支配されてる っていう「社会生物学」的考え方は、 進化学者には否定されてると思ってたが、違うのかな。
768 :
出土地不明 :05/01/19 23:13:31 ID:dN6AKQhz
>>763 チンプが石投げやるのは、類人猿だからです。
サル一般も、ほかの哺乳類もふくめて、肩の関節構造が、類人猿
(人間も含む)とは違うので、ものを投げることができません。
ヒヒとチンプの争いでは、チンプは石投げで、対抗します。
で、
>>762-766 は、もう少し、一般書籍を読んでから投稿してほしい
です。ちょっとこのままだと議論するのに、かったるいです。
769 :
出土地不明 :05/01/19 23:23:11 ID:oJbTtWQ0
>>767 うーんとそのあたり、いろいろ読んだ話の中では、あまり
その否定されたというのはわかりません。たとえば、ハンディキャップ
理論なんかだと、行動がかなり遺伝的、って話になっていますよね。
人間の行動について、心理学者の考えを聞いたところ、85%はいわ
ゆる衝動的、あるいは習慣的行動であって、意志による行動は、15%
程度しかなく、ってのがあります。衝動的行動の多くは、別に遺伝的
なわけではないでしょうが、ふつふつと感情、衝動がわくわけで、その
ような感情、衝動が、特定の心理的履歴と環境によって引き起こされる
理由のある部分については、遺伝的であろうというのが私の考えです。
行動のプログラムといっても、がんじがらめではなくて、特定の状況で
特定の感情をもち、その感情が特定の行動をドライブする、というよう
なものでしょうからね。その連鎖が一連の行動を引き起こす。その
際に、特定の状況(これは状態と履歴でしょうか)に対して、どのよう
な感情をもつべきか、というようなことについて、ある程度遺伝的に
プログラムされていると見ることができようかと。記憶もふくめた
潜在意識とかもふくめて、まあ、難しいです。このあたりはあまりにも
心理学になってしまうのですが。
たとえば、インセストタブーなどは、霊長類もみな持っているわけで、
このあたり、イスラエルのキブツでも統計的にしられていますが、
幼少時を一緒にすごした男女は、一般に友達ではあっても結婚相手には
選ばないとかいうのがあります。チンプでも、妹に交尾を迫った雄が
いると、その妹は必死で逃げるそうです。ふつうチンプは雄からの
交尾の要求はあまり拒まないのですがね。これは、ある種の履歴が、
行動をドライブする感情をもつように遺伝的に組み込まれていると
みるべきでは。こういうのがあることで、進化的に問題行動が避けられ
るようになっていると。
ハンディキャップ理論などではそういうのがたくさんでてきます。
ちょっとやりすぎぐらい。
770 :
出土地不明 :05/01/20 00:55:06 ID:Kbxk6Ogb
>>767 それが否定されてたら、
新生児微笑、夜泣き、赤ん坊の鉄棒ぶら下がりとかの話ってどうなっちゃうんでしょうか?
なので否定などはされてないと思いますが・・・
情動的な根底の部分では遺伝的プログラミングは当然あるはずですよ。
人間だって原始脳である脳幹を持ってますから。
>>768 >サル一般も、ほかの哺乳類もふくめて、肩の関節構造が、類人猿
>(人間も含む)とは違うので、ものを投げることができません。
動物番組でもよくやってますから誰でも知ってることだと思うんでわざわざ書きませんでしたが
もちろんそれを知った上で書いてます。
投石については、「狩にリスクを負わない知恵」という点から人類の道具の進化を考えてみただけです。
人類がツールを製作したり使ったりするのは
遺伝子にあるのか後天的学習にあるのかって話になってたましたんでね。
私は両方が進化しなければならないと思ってるわけですけど。
>>769 そういえば、笑いの表情というのは人間特有の行動ですけど
あれは元々原始動物でいうところの「恐れ」という感情からきたものらしいですね。
なので人間の行動の根幹もやはり遺伝的プログラムとか、原始生物の時代から派生してきているものだと思います。
ちょっと話はずれますが、ボノボの子殺し(オス猿がメス猿から子供を奪って殺す)もテレビで見ましたが、
何故そのようなことが行われるのかってことって解明されてましたっけ?
ライオンの場合もボノボとは少し違いますが子殺しがあって、他のオスの子を全滅させるそうですが、
これについてはメスの発情期の話からある程度説明がなされているようでした。
あと、自分の身に危険が及ぶのを覚悟の上で危機的状況に陥った同じ種を助けようとするのも
遺伝的プログラミングだというような話もきいたことがあります。(川で溺れてる人を助けるとか)
いずれにしても行動学っていうのは複雑ですね。
「助ける⇔殺す」というように矛盾する行動もあるわけで。
771 :
出土地不明 :05/01/20 01:06:44 ID:ty/EjJrS
いや、だから、行動の多くが感情や衝動でドライブされている わけで、たとえば、ふつう、人間の味覚ってのは、体にいいもの が「おいしい」ようにできているから、甘いものも、あぶらっこい ものも、基本的にエネルギーとして意味あるから、おいしいので あって、それって、かなり遺伝的にプログラムされているわけでしょ。 で、ようするに、身に危険があるとか、毒があるものとかは、 避けるためには、そういうのをみたとき、食べたときに、不味いと 思うとか、気持ち悪いと思うとかいうようにプログラムされている わけでしょ。だから、基本的に、欲望のおもむくままに行動して いると、それで一番うまく生活できるようにできているわけです。 これは、いわゆる五感に対する生理的な意味での感情ですね。 不味いものは食いたくない。気味の悪いものからは逃げるとかね。 これに、さらに過去の履歴がくっついてその履歴と状況から、 衝動が生まれるようにできて、その衝動により、行動が出てくる のも、基本的には遺伝的なものですね。 だから、行動の多くは、直接プログラムはされていないが、状況 と履歴に基づいて、特定の行動への欲求が生まれるようにとか なっている。それが社会とからむとかなり難しいですけれどね。 で、進化は結果論だから、うまくそういうのが機能した場合には、 種は残る。 石器を作るときに、どの程度未来を考えているのか、ですよ。 たとえば、腹減った、ってときに、なんか無性に、そこらの石を 叩き割りたくなる。そういうふうにプログラムされている。 で、石をみると、割り方まで、だいたい「こう割りたい!」と思う ようにできている。とんがったものを押そうとする、とかと同じで ね。それに多少の学習要素もあって、目標がつねに衝動とか欲望 という形で与えられるから、学習がスムースに進むわけです。 そういうことでしょ。
772 :
出土地不明 :05/01/20 01:11:11 ID:Kbxk6Ogb
>>763 で
>しかし、人間が石器を作るという本能を持っていない以上
>石器製作遺伝子は無いだろうと思うわけです。
とコメントしたことの追補ですが、
鳥の渡りの行動学ってありますよね?
この前テレビでもやってましたが
人間に育てられるとそれが失われてしまう鳥もいるみたいですね。
でも、地球の磁気、太陽の方角、満潮干潮などを動物が
感じることができるというようなことは色々と研究されてます。
人間の女性の月経周期も満潮干潮、すなわち月の引力と関係があるとか
人間の体内時計の話から地球の自転は昔は今よりも速かったとか、
そういった痕跡についての研究がなされてます。
なので、こういった部分が遺伝子に刷り込まれていくのではないかというのは
感覚的には理にかなっているのだろうと思います。
しかし、もし遺伝子的に石器製作などが刷り込まれているのだとしたら
月経周期や体内時計などと同じように、その痕跡が現代人にもあって然りだと思うわけです。
773 :
出土地不明 :05/01/20 01:19:56 ID:Kbxk6Ogb
>それに多少の学習要素もあって、目標がつねに衝動とか欲望
>という形で与えられるから、学習がスムースに進むわけです。
>そういうことでしょ。
私が言ってることがそれです。
なので誘導されると石器製作遺伝子なるものが開花するというものではないですよね。
学習は色んな方向に向かう可能性があるものですから、
単純に論理的になった脳を最大限に活かす方向に向かうのだと思います。
もちろん、脳幹や扁桃体といった原始脳が人間の行動学の根底にあることは
>>770 や
>>772 でも述べたとおり
否定してはいません。
774 :
出土地不明 :05/01/20 01:28:24 ID:Kbxk6Ogb
>>771 >たとえば、腹減った、ってときに、なんか無性に、そこらの石を
>叩き割りたくなる。そういうふうにプログラムされている。
あー、それは確かにそうですね。
イライラとかストレスってやつですね。
身近な動物なら猫にもそういうのがありますね。
猫を首根っこつかまえて押さえつけたりすると
そのうち尻尾をペタペタと地面にうちつけたりとかしますんで(笑)
なので動物が抑圧されたりストレスを感じると何かしら行動として発現してくるのは分かります。
人間の貧乏ゆすりなんかもそれに近いですからね。
775 :
出土地不明 :05/01/20 01:45:48 ID:Kbxk6Ogb
ネアンは絶滅してしまっていて、 現代人にもネアンの痕跡を見つけることができないわけですが、 ネアンも現存する地球上の生物と同じDNAを持つ生物である以上、 脳幹や扁桃体といった原始脳が動物の行動学の根底にあることは明白なので ネアンの行動学を考える上で現存生物の行動学が大きな助けにはなることは間違いないですね。
776 :
出土地不明 :05/01/20 01:58:27 ID:ty/EjJrS
>>773 いや、石器の割り方なんかについて、そこには学習要素はあるものの、
基本的には、割り方そのものに、遺伝的誘導があるはずだ、という
ことなのだが。そうでなければ、百万年も同じ石器を作り続ける
理由がわからない。ビーバーのダムと同じ。
>>774 のことは、完全に私のいうのを誤解している。
で、ここは、考古学板なので、考古学的にわかる話をしないといけない
と思うですよ。
初期人類は、腐肉性で、つまり、死骸をあさっていたのだ、というのが
最近の一般的な通説です。これは考古学的な証拠があるからで、石器
によるカットマークがついている動物の骨には、カットマークよりも
先にかならずといってよいが、動物の歯形がついているのです。
小動物の狩りは、まあ、チンプがやる程度にはやっていたでしょう。
でも、そういう小動物狩りには、石器なんていらない。チンプも
石器を使ったりせずに、コロブスサル狩りをやる。
ようは、石器は、動物の骨の処理と、骨から肉をはがすためにつかった
らしい。で、どうやら、最初にやったことは、腐肉あさりのときに、
石をもっていったんですね。動物の死骸が転がっているところに、
かならずしも石っころがない場合があるんで、石をもっていって、そこ
で、石で、骨を割るとかしていたらしい。遺跡からそういうことが
わかる。動物の死骸があるところの近所にない岩石が石器として
あったりするわけで。で、石器は使い捨てです。使い捨てでなくなった
のは、後期アシュール式くらいからです。
ようは、腹減った、という状況で、そこらの石を拾いたくなる感情が
あって、それをもって、動物の死骸のところに到着すると、そこで
石で動物の骨をわって、そして食べる。そのうち、その石自体を割って
剥片石器を作るようになる。しかも、一回だけ割るだけ。その割り方
は熟練を要するのですが、でも、そんな石器割を、食欲もなく、腐肉
あさりをするつもりのないときに、練習なんてしていたわけではない
のです。チンプが真剣にアリ釣りやるのも、目の前にアリ塚があると
きです。同じです。だから、そこには行動にすべて、局所的な欲求
があって、その局所的な欲求から派生する別の欲求なり感情なり
衝動があって、それで、石をもっていって、その場で石器つくって
そして、使うんです。
「さあ、お父さんが石器の作り方を教えよう」なんてことが始まった
のは、せいぜい、後期アシュール式の時代以降でしょう。あらかじめ
石器を用意する行動は、そのころから始まっているようだし。
で、その石器を作るときも、石器の形をみると、「ここに石をぶつけ
たい!」という気持ちが誘導されるわけです。「良い切れ味の石器
をつくるにはどうすればよいか」という思考ではなく、「ここを
割る!」ってことなんです。だから、初期の骨格器は、骨が石とは
違う材質なのに、完全に石器を作るときと同じように骨をわって、
石器のように骨格器を作っている。ようするに応用性もなにもないし、
思考を働かせた痕跡がないんです。すべては、その場その場での感情
で動いていたような様子が、みてとれるのが考古学的に、また、
実験考古学的にわかったことなんです。
777 :
出土地不明 :05/01/20 02:06:11 ID:ty/EjJrS
で、あと、オランウータンとかチンプとかもふくめて、人間の 真似をするっていうのがあるけれど、真似なのかどうなのか、 それはよくわからないというのが最近の懐疑的な考えです。 たんに、わけわからんものをわけわからんとおもってやっている だけだが、たまたま人間の行動に似たことをやると、飼育係りが よろこんで、餌が増えたりするんです。それで、そういうことで その行動がだんだんと人間に似た行動になる。それは、ダーウィニズム の考え方です。ニホンザルのイモが芋あらいをして、それが群 に広まったのも、その理由で、他のサルたちがイモが芋あらいを しているのを真似したんではなくて、海岸で、ニホンザルのえづけ をしている人たちがいると、芋あらいをしているサルにはたくさん 芋が配られたので、試行錯誤の末、ってつまりダーウィニズムです が、その行動が一般化しただけだというわけです。これは学習 じゃあない。新大陸のオマキザルは、試行錯誤の天才で、とにかく 頭がよいとされるが、実は理解力なんてぜんぜんないが、とにかく やれるかぎりの試行錯誤をして、なんでも成功するんです。 これは、進化戦略そのもの。で、そのときに成功率が高いものは、 遺伝的に定着する。 たぶん、人間も石器作りがうまいものが生存競争に勝ち残る。そう すると、うまいところに石をあてて、鋭い石器をつくったものの 子孫が繁栄する。それが積み重なったら、石をみただけで、ここを 割りたい!という感情がめばえて、そういうことができるように なった場合に、そのものの子孫が繁栄する。で、それが遺伝的に 定着する。だから、脳容積の拡大にそった形でしか、石器の形式 の進展がないのですよ。すくなくとも、15万年前ごろまではね。
778 :
出土地不明 :05/01/20 02:07:06 ID:Kbxk6Ogb
>>769 >たとえば、インセストタブーなどは、霊長類もみな持っているわけで、
>このあたり、イスラエルのキブツでも統計的にしられていますが、
>幼少時を一緒にすごした男女は、一般に友達ではあっても結婚相手には
>選ばないとかいうのがあります。チンプでも、妹に交尾を迫った雄が
>いると、その妹は必死で逃げるそうです。ふつうチンプは雄からの
>交尾の要求はあまり拒まないのですがね。これは、ある種の履歴が、
>行動をドライブする感情をもつように遺伝的に組み込まれていると
>みるべきでは。こういうのがあることで、進化的に問題行動が避けられ
>るようになっていると。
面白い話ですね。
しかし、近世日本などでは兄妹どうしの近親婚や
同じ部落内での婚姻はあたりまえのように行われていたりしましたんで
逆もまた真なりといった感じに思えますね。
(妹萌えな人も最近は多いみたいですし、性衝動って難しいですねw)
>ハンディキャップ理論などではそういうのがたくさんでてきます。
>ちょっとやりすぎぐらい。
ということで、やりすぎな部分もあるというのは同意です。
宗教観の違いとか生活様式なども考えないといけないのかなと。
しかし、種の存続を利己的遺伝子的な考えに則って考える場合、
近親婚というのはタブーになるわけですから複雑ですよね。
自分とは違う特徴を持っているものに惹かれるというのは
種としての多様性を保つためにプログラムされた利己的遺伝子による性選択と
言われてますが、どこまでを自由意志と考えるべきか、どこまでをプログラミングと考えるべきか
行動学ってのは線引きが非常に難しい問題ですねぇ。
特に原始的行動から離れた社会性の部分になると、
流行、生活様式、伝統、宗教観なんかも入ってきて難しいです。
美人の基準とかもそうですがw
779 :
出土地不明 :05/01/20 02:15:46 ID:ty/EjJrS
多くの行動が、遺伝的に誘発された上で、多少の経験による 学習で行われるってのは、かなり最近ではわかってきている 部分もある。たとえば、鳥が飛ぶときのあの「く」の字って いうか「へ」の字になって編隊を組んで飛ぶのも、非常に 簡単なルールでいけるそうです。ただ、そういう行動が、 絶対におこるかっていうと、条件がないと起こらない。だから 人間に飼育されて、一回、そういうのにいたる状況が切れると 連鎖的に誘導される行動がされなくなるので、切れてしまう。 まあ、進化心理学的にはそういうことです。 ただ、そのプログラムの仕組みについては、こうい外面的な ことしかわかっていないので、今後はそれが脳レベルで 解明されていかないといけないわけですが。 で、ちなみに、ですが、オルドヴァイ式石器、アシュール式 石器、ルヴァロア技法の間には、完全に関連性があって、 石を一発わって剥片を取り出すオルドヴァイ式の作り方を 一つの石核にたいして、複数やれば、アシュール式の両面 剥片取り去りによる定型の石器ができます。ハンドアックス です。で、ハンドアックスの剥片取り去りを最後にもう一度 大きめに剥片をとるようにすると、それはルヴァロア技法に なります。で、MSAやムスティエ式はこういうルヴァロア 技法です。そこの発展には、系統的な関係がある。ところが、 石刃技法とかのような後期旧石器的なやりかたは、これらと 系統的な関係がありません。石刃技法は、最初に石を細い 棒上のものにわけて、定型の素材をつくり、そこに刃を つけていく方法です。熟練も必要としないし、やりかたが わかればすぐに作れるが、そもそも、もとの石核を複数の 素材に作り替える、っていうのは、それまでの、オルドヴァイ式 やアシュール式、あるいはルヴァロア技法にはありません。 だから、ここに、恐ろしいほどのギャップがあるわけです。 まさに、合理的、論理的思考ってのが関係しているようです。 だから、後期旧石器以降は、進化的ではない方法で、石器が 作られるようになった、とだれもが考えるわけです。
780 :
出土地不明 :05/01/20 02:42:39 ID:ty/EjJrS
>>773 学習はいろんな方向になんかいかないってば。
遺伝的に組み込まれて、誘導される方向にしかいかない。
だから、石器の作り方もずっと同じになってしまうわけ。
だから、それを石器製作遺伝子と呼んでもよかろうと思う。
いわゆる一般知能論と専用知能論みたいなのがあって、
そのあたりは、ミズンのいう説が結構あたっていると思う。
なぜ、チンパンジーはアホなのか、っていう話。
社会的な文脈ではものすごい知能をつかって、だましもすれば、
共闘組んで、敵を倒すとかするし、戦争もするし、すごい
はかりごとをするのに、それがどうして、石器もまともに作れない?
とかいう話がある。一般知能は人間よりも低い。圧倒的に低い。
理解力もない。でも、食べ物に関する知識、社会的な行動における
知識、などなどは人間と変わらないかもしれない。なんにでも
使える汎用的な一般知能はしょうもないけれど、ってわけ。
で、人間はどこが違うか、っていうと、どうも、ミズンの説として、
社会的文脈の知能を、どうも、一般知能と融合したようだ、と
いう。そこに言語が絡んでいるともいう。だから、ものを扱うときに
社会的文脈で、高度な論理的思考が可能だとかね。
これは、心理学的な実験でもいろいろわかっているわけで、このあたり
の進化心理学がいま面白いところだよ。
781 :
出土地不明 :05/01/20 02:51:35 ID:Kbxk6Ogb
>石器の形をみると、「ここに石をぶつけ
>たい!」という気持ちが誘導されるわけです
私が疑問に思うのは現代人や他の霊長類にその痕跡があるのかって部分なんですよ。
>>775 はごくあたりまえなことを書いたわけですけど、それは原始的な行動原理の部分において矛盾はないと思います。
で、100万年も同じ石器を作り続けたのは不思議とのことですが、
これは血液型の話でABO型が残ったのは不思議という話とも関連しますが
別に不思議ではないんじゃないですか?ってことで、逆もまた真なりと思うわけです。
そこで何故、石器製作遺伝子に行き着いてしまうのかってことの方が
突飛な仮説に思えてしまうわけです。スマートではないなと。
そこの穴埋めの部分をもうちょっとしなくちゃいけないんじゃないのかなと。
ABO型が偏ることなく連綿と続いたのなら、
それはきっと偏執することなく交雑(コミュニケーション)していた証拠だし
石器作りだって連綿と他部族へと相伝して続くでしょうと。
ボノボとチンパンジーだって同じだと思うわけです。
私はボノボとチンパンジーは生活様式が違うだけの同種だと思ってますんで、
チンパンジーの赤子をボノボが育てればボノボの生活様式に染まるでしょうし
ボノボの赤子をチンパンジーが育てればチンパンジーの生活様式に染まると考えます。
赤子のままでは自立できませんが、後の学習によって生活様式を学ぶし、
だからこそ文化みたいなもんが続くと思うんです。(ネアンの石器作りにしても)
で、
>>763 でも書きましたがハルマゲドンみたいなこと(内紛の殺し合いでも環境変化でもいいです)がおきたら
石器製作みたいなもんはそうそう続かなかったと思うんです。
アフリカは一番生活しやすかった場所のはずですが、そこから出て行った
冒険者たちが行く先々で衰退していくのは当然でしょう。
アフリカの方が暮らしやすいので、よっぽど知恵をつけてないと行く先々で生き延びるのは無理だからです。
霊長類は赤ん坊のころから自立できて石器を作る能力なんてあるわけがないので
やはり幼児期を一定の群れの中で暮らさなければなりません。
だから、チンパンジーだって人間に育てられればアリ釣りを忘れるし
アマラやカマラだって現代人の生活に適応できなかったわけです。
誘導されるとしたら、それは物が食いたいという衝動でもそれは一向に構わないんですが
私は学習によってなされるものなので、必ずしも石器製作遺伝子が発現したからとはならないと思ってるわけです。
学習はベクトルが色々な方向に可能性が開けている状態です。
オオカミに育てられたアマラとカマラは腹が減ったからといって石器作りなどはしませんでした。
しかも最初の頃は、手を使わずに皿のエサを食べたり、スープをペロペロとなめるのです。
ということで、
>学習はいろんな方向になんかいかないってば。
これは違うなと。
>
>>774 のことは、完全に私のいうのを誤解している。
う〜ん、そうでしょうかね?
「たとえば、腹減った、ってときに、なんか無性に、そこらの石を
叩き割りたくなる。そういうふうにプログラムされている。」と断定的に述べておられましたので
それなら少なくとも現状では
>>774 のような段階まででしか解釈や証明ができないと言ってるわけです。(生物の行動原理として)
もし断定できるとするなら、現代人に石器製作遺伝子の決定的な痕跡を見出すことができるはずなので
それを挙げてほしいというわけです。
782 :
出土地不明 :05/01/20 03:02:19 ID:Kbxk6Ogb
>ということで、 >>学習はいろんな方向になんかいかないってば。 >これは違うなと。 の部分の追補なんですが、石器は遺物として残るから石器を目安として考えるのは正しいです。 でも、石器を製作していたのなら、遺物としては残りにくいですが木だって骨だって加工してたはずです。 そう考えると、色々な方向に学習のベクトルは開けているわけです。 これは現存する(ネアンよりも知能の劣る)生物を見てもそうだし、 チンパンジーよりも知能が上であるはずのネアンがやらないわけがないと。
783 :
出土地不明 :05/01/20 03:32:06 ID:Kbxk6Ogb
>いや、石器の割り方なんかについて、そこには学習要素はあるものの、 >基本的には、割り方そのものに、遺伝的誘導があるはずだ、という >ことなのだが。そうでなければ、百万年も同じ石器を作り続ける >理由がわからない。 これ読んでて思ったんですが、 石の割り方について、これを石器製作文化の伝播以外に他の解釈を考えるとすれば、 「美的感覚につながる部分への誘導」と解釈した方がスマートなんじゃないですか? 別に石器製作遺伝子の発動ではないと思うんです。 それは石器でもやっただろうし、木でも骨でもやってみたと思うんですよ。 でも、高等な霊長類ゆえに自立のできない子供は学習しなければ 最初は石を割ることさえ分かんないと思うわけですけどね。 連綿と続く群れの中で、石を割るということの学習、 そしてその中で遺伝的に刷り込まれた美的感覚のようなものが加わると考えた方が無難です。 もしも元々石器製作の遺伝子を持っているのなら、オオカミに育てられようが、サルに育てられようが、ヒョウに育てられようが その痕跡が現れるはずですから。 で、石を研ぎ澄ますみたいな美的感覚はどういったところが由来なのかって 部分を詰めていけばいいんだと思います。 人間には黄金比率っていう美的感覚がありますよね? これは原始時代に平原・大地をパノラマで見ていたなごりなんじゃないかとか、 石の割り方についてもそういう方向で考えていくならアリなんじゃないかなと。 そうすれば100万年にも及ぶ似たような石器製作について 説が埋まっていくように思います。 もちろん前にもいったとおり私は専門家じゃありませんので、 一般人が「ああ、なるほど」と理解できなけりゃだめでしょって観点から考えてばかりいるわけですけど、 氏はホームページで詳しくまとめてらっしゃるようなので、潰せるところは潰しきって 非の打ち所がないようにまとめてもらえると嬉しいなと思ってここに参加している次第です。 別に反論のための反論をしようとかって考えはないです。
784 :
出土地不明 :05/01/20 03:46:03 ID:Kbxk6Ogb
>で、あと、オランウータンとかチンプとかもふくめて、人間の >真似をするっていうのがあるけれど、真似なのかどうなのか、 >それはよくわからないというのが最近の懐疑的な考えです。 >たんに、わけわからんものをわけわからんとおもってやっている >だけだが、たまたま人間の行動に似たことをやると、飼育係りが >よろこんで、餌が増えたりするんです。 これに対して私は異論ないですよ? 実際に↓のように述べたとおりです。 >それから話は変わりますが、人間に飼われたオランウータンで >石鹸で手を洗うやつとか歯磨き粉と歯ブラシで歯磨きをするやつがいますが >あれはまさしく模倣ですね。 >それをやったことでばい菌から身を守れるとか、虫歯にならないからとか >合理的判断を下してるわけではないですから合理的ではないですけどね。 で、突然変異でもいいですが、合理的な思考ができる脳の進化を伴うと、 単なる模倣ではなく、真似る=なねぶ=学ぶ=学習になっていくはずです。 要するに、因果関係を考える能力ってやつですね。 その点ではチンパンジーの懐中電灯実験も チンパンジーが懐中電灯で暗闇を照らせるという因果関係を 理解してるんで学習といえると思ってますよ。 それ以上の因果関係(物理学とか)を理解する脳は当然持ってないですけどw まぁ、そこがチンパンジーと人間の違いとして、遺伝的に決定的な壁となってる部分なんでしょう。
785 :
出土地不明 :05/01/20 03:59:46 ID:Kbxk6Ogb
>ただ、そのプログラムの仕組みについては、こうい外面的な >ことしかわかっていないので、今後はそれが脳レベルで >解明されていかないといけないわけですが。 そうですね。 現状では行動学などから証明していくしか手段がないですから これには同意です。 先端を研ぎ澄ますとかっていう行動って一体どこから来てるのか、 人間には先端恐怖症なんてのもあるわけですが、 先端が尖ると興奮したり、変に興奮して恐怖を感じたりするんでしょうかね。 他の生物なんかではどうなのかとか、ちと考えてみなきゃならんと思ってます。 性選択に尖ってるものを選択するような行動があるかとか。
786 :
出土地不明 :05/01/20 05:45:54 ID:Kbxk6Ogb
あ、そうそう、 同じ氏が書いたものだと思うのですが、実は違和感を感じていた部分があるのです。 >あと、ネアンデルタール人の子供をいま、ふつうに育てたら、って >話ですが、十分ふつうの子供になるでしょうね。ただ、言葉が不自由 >っていうのは、ネアンデルタール人の言語を話すには問題ないが、 >喉頭の形が違うので、母音のないような子音ばっかりみたいな言葉 >をはなしていた可能性がありますので、日本語を流ちょうにこなす >ようにはならないから、そこがネックですね。それ以外は、ふつうの >子供になるんではないかと思います。 と >学習はいろんな方向になんかいかないってば。 これは矛盾を孕んでいるんじゃないかなと感じるのです。 チンパンジーは普通の子供としては育たない(せいぜい3歳児程度の知能まで)わけですけど ネアンは普通の現代人の子供として、言葉の発声には問題はあるものの 模倣ではなく、様々なベクトルの学習(ケータイ使ったり、パソコン使ったり)をして育つと考えるわけですよね? しかし、後述のネアンの学習が色々な方向に行かないのであれば、 人間の言葉を真似るオウムみたいなもんであり普通の子供ではないということになりますよね? もちろんオウムだって音声の発声や認識は優れてますが、 その脳が言語の分類や意味付けを複雑に行うことができないからこそ人間を超えれないわけで・・・ まぁ、だからこそ私は、言語の発達にしても、文化の発達にしても、 脳の進化(遺伝的進化)と学習(経験・文化・伝統)がミックスして ほぼ同時に並行して進化するのが必然と考えるわけです。 オウムの例もそうですが声帯が複雑な言語を発することができるだけではダメで 論理的な思考ができるようになるにはやっぱり天才遺伝子の出現を待たなければならないだろうと。
787 :
出土地不明 :05/01/20 05:47:00 ID:Kbxk6Ogb
それから、私は天才の出現というのは 単にアインシュタインみたいな天才をさすものではないと考えています。 教育さえ施せばアインシュタインの相対性理論は誰でも理解ができますから それは天才ではなく、あくまでも人間としての潜在能力をどれだけ 使い切ってるかにかかってるだけの話だと思うからです。 相対性理論を理解できるものがアイシュンタインの遺伝子を持った子供なわけじゃないですし 現代人は元々そういった潜在能力を種として持っているわけです。 もちろん、そういったことを発想できるメカニズムってのは大脳生理学とか ホルモン、遺伝子、リンゴが木から落ちるような偶然(笑)、なんかと関ってくることなのかも知れませんけど。 で、私が思うところの進化の過程における天才の出現というのは、 脳の論理的思考能力のキャパシティが突出した突然変異体だと思うのです。 その突然変異が強力な紫外線によるものなのか、ウイルスを媒介としたものなのか それは分かりませんが、その突然変異体は旧種よりも現象に対する因果関係に対する思考力や理解力が優れているので 試行錯誤できたり、原因を追究したり、何か新しい発想をしてみたり、偶然にも何かを発明したり、模倣だけでなく学習ができるようになると思うわけです。 つまり突出した潜在能力を持ち、さらにそれを使い切ることができる個体というわけです。 その時点で声帯が現代人並に進化していれば、複雑な意味づけやコミュニケーションができます。 脳の進化がなければいくら言語発声能力があってもオウムでしかないというわけです。 なので、キャパシティの突出した個体、これがすなわち本来の意味での「とちくるったやつ」ではないかと私は考えるわけです。 その「とちくるったやつ」が現れるのがいつの時代のことなのかとか、出現の頻度、脳の進化の度合いっていうのはまったく分かりませんが、 クロマとかの場合であれば洞窟に動物の壁画などを書いていますし、 その時点で動物の数を数えるような数の概念は理解していたと思うのです。 なので、そういった個体が少数現れ始めた頃というのはもっと遡るのでしょうけど、 言わばスーパーマンですから、多くのメスと交配できる機会を得て 洞窟に壁画を描くころには殆どの個体に同じ遺伝子が行き渡ってたことでしょう。 そして、スーパーマン遺伝子が種に行き渡ると、 種全体として、模倣ではなくもっとすすんだ学習ができるようになる。 その繰り返しが猿〜現代人までの間に枝分かれしたりして連綿と続いて起きたのだろうと。 で、現代文明の発達にしてもそうですが、もし仮にハルマゲドンみたいなことが起きれば 半導体加工技術も何もかもが失われ、せいぜい生き残るのは科学文明に頼らない狩猟民族程度になるだろうと。 で、そこから現代文明にまで文明を戻すのにはものすごく時間がかかると思うのです。 だからこそ、ネアンがムスティエに戻ったとかっていうのは 何かしらハルマゲドン的なことが地域的に起きてレガシーを失ったとも考えられそうだなと思うわけです。 部族同士のホロコーストみたいなことかも知れませんし、環境変化かも知れませんし、伝染病かもしれませんしそれは分からないですけどね。 もしくは、芸術的センスに優れるクロマとの接触によって 新しい石器を無意味に模倣していたグループが存在していたとか 交流の中でクロマから贈答品としていただいたとか、色んなことが考えられるので ここに関しては解は得がたいなとも思いますが。
788 :
出土地不明 :05/01/20 10:54:39 ID:GoE0/ZBU
789 :
出土地不明 :05/01/20 21:51:16 ID:Ffgtb1Qd
なんか、あまりの量に唖然ですが、、。 まず、ボノボはチンプとは別です。骨格がまるで違う。 ついで、異種のものを育てたら?って話ですが、ボノボが チンプに育てられても、たぶん、チンプとは同じにならない でしょう。 前に、アヌビスヒヒとゲラダヒヒのところで述べた通りです。 社会構成がかなり違うこの二つのヒヒは、ごく簡単に交雑して 混血種の群ができますが、その群の社会体制は、まさに、交雑 の度合いで、アヌビスよりかゲラダよりか、になります。この ことは、遺伝的に行動、とくに社会的な行動などはしっかり きまってしまっている、ということでしょう。 でぇ、アフリカ出ていって、無知だから、失敗しちゃうんだったら、 その後、しっかり100万年も生きていることないってば。わかって いますか?ホモ・エレクトスは、180万年前ごろアフリカをでて、 その後、40万年前、場合によっては、1万8千年前(フロレシエン シスの場合)までいたんですよ。 ただし、この連中は、アシューリアンには至らなかったということが わかっているんだけど。 さて、人間でも、人それぞれで能力差がありますね。よくあるように 芸術的な才能。これは、凡人にはないものでして。ただ、現在の多くの 人間は、人間として暮らしていくのに最低限の知能のベースは共有して いるってことがあります。それにオプションがついていて、ある人は 運動神経にすぐれ、スポーツ向きだったり、ある人は、金勘定が、とか あるいは、芸術的才能が、とかいうものです。で、現代人として、 ふつうに暮らしていけるベースはあっても、生活改善とかをしないで だんだんと堕落してく人もいるでしょう。でれーっとしていて、周囲 から(べつに体に障害があるわけでもないのに)支援されないと、 なかなか生きていけないような人もいます。 ネアンデルタール人も、MSA時代の人間も、たぶん、現代人の最低限 のベース部分は押さえていたと思うんですよ。でも、それだけ。 で、オプションの部分は現代人の場合はいろいろな方向があるんだけ れども、ネアンデルタール人やホモ・サピエンスのMSAの人たちは そのあたりのオプションをもっている人がまあ、ほとんどいなかった ということではないかな。 現代人の場合でも、勉強はよくできるけど、勉強したことの応用力が ない人もいるし、教科書に書いてないことについて自分で考えることを せず、ただし、飲み込み早いとかいう人もいる。いろいろいるでしょ。 ただ、オプションの幅は広い。
790 :
出土地不明 :05/01/20 21:52:12 ID:Ffgtb1Qd
だから、たとえば、現代人の中から、独創的とかいろいろな意味での オプションをもっている人たちをどんどん取り除くと、じつにてれー っと文化的な衰退か、停滞が起こるんでは、とおもっちゃいますね。 現実に、最近では、子供たちの中に、いろいろな学習障害があること もわかっている。単に集中力がないという意味でのものもあるし、 特定の空間把握ができない、あるいはそれに時間がかかる人もいる。 ヨーロッパでは、アインシュタインもそうだけど、難読症がある。 これらは、すべて、遺伝的なものがかなり絡んでいるといわれている。 ただし、最低限、人間としてマトモに生きるベースについては、 ほとんどの人が持っているわけでして。そういう意味で、石器を作る のに対して、特定の遺伝的理由で、あまり上手に石器を作ることが できないということもある。アシューリアンがものすごく定型で、 全く同じ形といってよい石器で100万年というのは、そういう石器 を作る遺伝子が固定されていたと考えます。一方、その遺伝子をもつ 前にアフリカを出た、ホモ・エレクトスはそれがないので、オルドヴァイ 式石器段階にとどまったと。で、アシュール式石器がはじまっても、 アフリカでは、オルドヴァイ式石器も作られ続けるわけですから、 そのあたりは、蓄積効果もある。で、それがあるときルヴァロア技法 というものにいきつき、これもまた遺伝的なものでしょう。 で、オルドヴァイ式とアシュール式と後期アシュール式、そして、 ルヴァロア技法には、系統的に改善されていった事がわかる。 ところが、後期旧石器の石刃技法は、まるで違う。ここに遺伝的では ない、「理解して考えて創造された技法」を見るわけです。 で、それと同じときに、芸術が始まり、象徴的なものがつくられはじめ さらに、寒冷地への進出があり、全世界への拡散があり、船の利用が あり、と突然話が違うっていうくらい大きな変革が出てくる。 それはなにか?です。
791 :
出土地不明 :05/01/20 23:29:51 ID:Ffgtb1Qd
すんません。789,790です。しばらくお暇をいただきます。 復活はだいぶ後になりますので、、、。
792 :
出土地不明 :05/01/21 13:24:32 ID:yl56tx3L
>全く同じ形といってよい石器で100万年というのは、そういう石器 を作る遺伝子が固定されていたと考えます 石器インダストリーの展開は、遺伝云々よりも、 ホミニド集団に於けるコミュニケーションの状態を反映してると思います。 勿論、どんな石器を作れるのか、解剖学的に限界はありましょうが、 よしんば天才だか石器名人だかが偶然出現しても、その製法が集団内で模倣 されなければ、また次世代に継承されたり、他集団に伝播しなければ、 あたかも分子レベルの突然変異が淘汰されるように、消滅して痕跡が残らない。 名人が、その技術をちゃんと習得できるよう、他の個体を「教育」しないと。 だからオルドワンにしても、アシューリアン、ルバロワ、ムスチエにしても、 当該ホモニド集団のコミュニケーション能力が如実に反映されているのでは? 100万年間ハンドアックス作り続ける「もどかしさ」は、それ以上の技術を 伝え・保存できなかった「状態」が、100万年続いていた事を示唆し、 その状態からの脱却には、脳の肥大化を含む形質的な進化を前提とした コミュニケーションの向上が不可欠なのでは? してみると、4万年前の創造性の爆発も言語(身振りでない)の著しい発達を 意味しおり、ネアンデルタールとの石器文化に於ける差=言語能力の差では と思いますが、どうかな?常識?
793 :
出土地不明 :05/01/21 20:08:02 ID:T+F6VFyD
お猿は「見よう見まね」で芋洗いを群れ全体に伝えられるが、そこまで。 チンプのアリ釣りも、仲間にアバウトな技は伝播するが、より効率的な方法は 各個体が各々工夫するしかない。 アイちゃんアユム君親子が、販売機にコイン入れられても、 その技術をどこまで伝え残せるか疑問。
794 :
787 :05/01/22 00:28:36 ID:OVAwL6Ph
>>789 どもども。
>でぇ、アフリカ出ていって、無知だから、失敗しちゃうんだったら、
>その後、しっかり100万年も生きていることないってば。
これなんですが、私はネアンのことをいってるんではないですよ。
ネアン、クロマ以前に出アフリカの他の直立歩行の種がものすごく繁栄していたことに対しては異論はないわけですよね?
私もそう思っています。
でもそれら亜種が行く先々で繁栄できずに衰退していってるという事実はあるわけですよね?
要するに出アフリカをして自立できるだけの準備が種として整っていなかったってことなんでしょうね。
ネアンはそこまで未熟ではなかったはずですが、社会的なレガシーを失うことがあったりでムスティエに戻るやつらもいたでしょうって話をしてるだけです。
で、100万年も同じものを作り続けたといっても、それは現代人の考えるエゴがそう感じさせるだけであって、
実際には作り方が精密になっていたりと、彼らなりにはとんでもない進歩や進化をしていってるわけですよ。
その石器の進化のしかたが「遅すぎる!バラエティ性がない!」と一蹴できてしまうなら、それは現代人の感覚で捉えてるからだと思います。
で、話を元に戻すと、チンパンジーという種やゴリラという種だっていったい何万年続いてると思ってますか?
正直、ネアンが100万年続いたなんて程度のオーダーじゃ済まないっすよ?
学習という形で親から子にアリ釣りにしても何にしても受け継がれ続いてきたんです。
高等な霊長類は遺伝によってプログラミングされた部分がだいぶ退化しちゃってる生物ですから、
なおさら文化を相伝しなければ続きっこありませんし、自立もできません。
高等になればなるほど、早産&未熟児であり、幼児期に親が養ってやらんと絶対に自立できないんですからね。
いずれにせよ人間に育てられたチンパンジーはアリ釣りを忘れます。
そりゃそうです。遺伝的にプログラミングされたもんじゃなく、
親から子へ模倣や学習によって長年受け継がれてきたもんなんですから。
795 :
787 :05/01/22 00:58:52 ID:OVAwL6Ph
>前に、アヌビスヒヒとゲラダヒヒのところで述べた通りです。 これなんですが、私はついついホタルの2秒型と4秒型を思い起こしてしまうんですよね。 フォッサマグナあたりでは明滅間隔が(2秒型+4秒型)÷2=3秒型になってたりしますよね。 実験の結果によると、これは遺伝じゃなく郷に入れば郷に従えの理論です。 要するにお互いの発光間隔につられていっちゃうんですね(笑) ホタルの発光間隔ってのは、これは生殖にかかわる社会性なので、言ってみればもっとも原始的なところに位置するもんですよ。 だから、なんだか雰囲気的には、遺伝プログラミングによって2秒型と4秒型の個体が交雑すると3秒型になりそうなもんですが、 実際にはこんなに原始的な行動(生殖行動)ひとつにしても、遺伝ではなく他の個体につられて行われてたりするわけです。 まぁ、アヌビスヒヒとゲラダヒヒも交雑できる以上、 東のホタルと西のホタルみたいな程度の違いしかないと思います。 混血した群れがあっても、その混血児を最初に育てたのは間違いなく ゲラダヒヒの母であったり、アヌビスヒヒの母であったりで、 初期の頃のその社会性は両者のごちゃ混ぜ状態だったはずなんですよね。 その中で両者の平均をとった社会性になっていくということは ホタルの例なんかもある通り、なにも遺伝で考えなくても当然のように起こることだろうってことです。(人間の国際結婚と同じ) よって、ゲラダヒヒとアヌビスヒヒの話だけではあまりにも論拠として弱すぎだと思うのです。 で、ゲラダヒヒとアヌビスヒヒ、ボノボとチンパンジーも交雑ができるんなら、 それは「白人・黒人・黄色人種」といった人種の違いや、「柴犬・ヨークシャーテリア・ダクスフント」といった犬種の違いと 何ら変わらない程度の違いと思うわけです。 犬の雑種を見れば一目瞭然なんですが、父親と母親の骨格が全然ちがう雑種なんてザラですよ? それらをまとめて犬と呼んで、人類はミックスブリーディングをして新種を作ったりなんかもしてきたわけです。 まぁ、ボノボとチンパンジーが交雑できないんなら完全な別種でしょう。 で、ボノボの脳が優れているというのは研究結果などから認めます。 だから、「初期ネアンがチンパンジーで、後期ネアンがボノボ」みたいに考えてもらうと分かりやすいのかもしれないです。 ボノボがチンパンジーよりも進化したものだというのは見た目だけじゃ近年まで気付かなかったのも頷けます。 でも、その程度の違いは犬種の違いと変わらないよってことです。 頭のいい犬種、頭の悪い犬種ってのも実際ありますし、盲導犬に適した犬種とか、狩猟に適した犬種ってのもそれです。
796 :
787 :05/01/22 01:27:27 ID:OVAwL6Ph
で、私も
>>792 氏のような考え方に近いです。ていうかほぼ同意です。
100万年の間、その程度しか脳のキャパシティが進化しなかったとか、
まぁ、レガシーが失われてムスティエに戻ったり、中には運が悪くレガシーを失うだけでなく絶滅までしちゃった部族もいたでしょうって感じでしょうか。
で、100万年のハンドアックスのもどかしさは、
現代人のタイムスケールや現代人のエゴで考えるからもどかしく思うだけであって
彼らにしたらものすごい進歩をしてるはずなんですよ。
>>750 氏が「なんか化石人類に思いを馳せてるとついタイム・スケール感が鈍るというか、つい歴史時代の感覚で考えちゃう」って述べてる通りですね。
実際には100万年の間に作り方はちょっとずつ精密になっていってるわけで、
彼らからしたらちょっと精密になるだけでもものすごい進歩なはずなんですよ。
そこを取り違えて石器製作遺伝子に直結させてしまうのはどうも違和感を感じるのです。
もちろん鳥が渡りを忘れてしまうのを思い出させてあげたりするような試みは
言ってみれば遺伝プログラミングされたものを誘導によって思い出させてやってるものなんで、
そういったことぐらいであれば私も当然あると思ってます。(石器製作に関しては石器製作遺伝子といった痕跡が現代人にはなく、学習でしか覚えないものなので別)
カラスの巣作りなんかみてもそうですけど、最近は木のような天然素材だけでなくハンガーなんかも使いますね。
要するに、巣作りってのは遺伝プログラミングによって誘発されてるものだから、
なんか木にさえ似ていればハンガーのようなものまで誘発されて分け隔てなく利用しちゃうわけですよ。(石器製作はそういう単純なもんじゃない)
そんで話を元に戻すと、現代でも石器を多用してる人たち(フィリピン、南米、ニューギニア、その他)はいますから、
石器の時代的オーダーってのは250万年前から現代まで脈々と続いてると見ることができる。
でも、石器製作自体は学習や模倣によって相伝していってるものだし、
人類の遺伝プログラムに勝手に石器を作り出すような痕跡を見出すことができない以上、
遺伝に刷り込まれたものではないだろうってのは今まで述べた通りです。
もしそれに似たような因子があるとしたら、
せいぜい石を割ることを覚えた時点で、
どうやって尖らせたほうが美しく感じるか?というような
美的センスみたいな刷り込みが遺伝的に行われていたに過ぎないんじゃないですか?って話です。
人類は何故黄金比率を美しいものと感じるのか?って感じで、
アプローチとしては、ファジーやエルゴノミクスといった研究をした方が近道なんじゃないのかな?と思うわけです。
で、直立二足歩行をした時点で、ネアンもクロマもその他の絶滅種も、
早産、晩成になり脳を進化させていったわけで、ビーバーのダム作りに言われるような
遺伝プログラムで行われるようなことは当然のことながら退化してたはずです。
ホームページを読みましたが、序盤の部分は「なるほどー」と読みすすめていたんですけど
ビーバーのダム作りと石器製作あたりから「ちょっと飛躍させすぎでは?」と思ってしまった次第です。
人類にその遺伝プログラムの痕跡を見出すことができない以上、
石器製作遺伝子の仮説についてはまだまだ詰めが甘いと思うのです。
巣作りに関していえば、ビーバーでなくてもヨシノボリのような魚類だってものすごく複雑なことをやってのけます。
でも、現代人のエゴで考えるから複雑に思えるだけで、誰に教えられるでもなく本能でやってのけてしまうわけです。
これはアライグマのリンゴ洗いもそうだし、猫が動体を見たときの狩猟本能の覚醒だってそうです。
言ってみれば理性とは無関係な部分でやっとるわけです。
つまり、そこを石器製作とごっちゃにしてしまうのはかなり違和感を感じるって話です。
石器製作遺伝子を仮説として立てるのであれば、その痕跡を現代人に見出すことができるかどうか、
まずそれを実証するところから始めなければならんでしょうと。
797 :
出土地不明 :05/01/22 03:21:34 ID:mdz7Vr3n
迷い込んですいません
798 :
出土地不明 :05/01/22 07:30:35 ID:uAwE6r/g
肉食・寒冷地適応というとイヌイットだな。 イヌイットも他の現代人と同じようにクロマニョンの子孫だけど
799 :
出土地不明 :05/01/22 11:48:26 ID:ihQq/AXE
>>796 787様
792=750です。いつもご教示頂き、ありがとうございます。
ビーバーのダムは営巣行動の一貫だから、本能やら遺伝で説明できましょう。
蜂の幾何学的な巣作りもそう。ピラミッド造営とは違う。
800 :
出土地不明 :05/01/22 13:03:42 ID:ihQq/AXE
>>788 お節介ですが
この論文の肝は、アルディピテクス・ラミダスの二足歩行の証拠となる、
足の指骨の化石が出たこと。
>These phalanges are similar in overall morphology to those from Hadar,
> with two differences: a more transversely broad proximal articular
>surface and longer absolute length14. The pedal proximal phalanx
>fragment retains the proximal third of the bone.
> The transversely broad oval proximal facet is oriented dorsally,
>a character diagnostic of bipedality and a trait also seen
>in the latest Miocene hominid Ardipithecus kadabba.
yahooのニュースも
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050120-00000008-kyodo-int >ラミダス猿人の最初の化石は今回の現場である「ゴナ地区」の約90キロ南で
>1994年に諏訪元東京大助教授が発見。それ以外で化石が出たのは初めて。
>足の指の関節が反るように曲がる構造であることが判明、この猿人が
>2足歩行していたことを裏付ける初の直接的証拠として注目される。
801 :
PC原人(787あらため) :05/01/22 18:17:24 ID:OVAwL6Ph
>>797 >792=750です。
あ、そうだったんですか。
ちなみに、分かりにくくなるので整理すると
私が書いたのは以下です。
>709>710>711>712
>713>718>720>721
>722>739>741>743
>746>747>748>752
>753>759>760>763
>764>765>766>770
>772>773>774>775
>778>781>782>783
>784>785>786>787
>794>795>796
分かりにくいので今後はコテつけますね。
>いつもご教示頂き、ありがとうございます。
考古学や人類学とか勉強してきたわけでも
趣味で勉強しているわけでもないので
聞きかじりの引用や話が多くて申し訳ありません・・・
おおはずし的なこと言ってたらその都度指摘してやってくださいまし。>皆さん
>ビーバーのダムは営巣行動の一貫だから、本能やら遺伝で説明できましょう。
>蜂の幾何学的な巣作りもそう。ピラミッド造営とは違う。
分かりやすいですね。
私が書くとどうもくどくなりすぎですね。
802 :
PC原人 :05/01/22 19:05:09 ID:OVAwL6Ph
>>793 >お猿は「見よう見まね」で芋洗いを群れ全体に伝えられるが、そこまで。
うーん・・・とは思いません。
私はイモ洗いに関しては、模倣と学習のミックスの行動だと思ってます。
実際、泥のついたイモはジャリジャリしててマズイという学習をしてますし、
塩味をつけたほうが甘みが増すという学習もしているからです。
つまり、扁桃体を使って「旨い」「不味い」の学習を経験的にしていってるわけです。
インコやオウムが、人から教わった昔話の桃太郎を模倣して喋るだけなのとは明らかに違うってことです。
>チンプのアリ釣りも、仲間にアバウトな技は伝播するが、より効率的な方法は
>各個体が各々工夫するしかない。
それはその通りですね。
勘のいい個体もいるし、勘の悪い個体も当然ながらいますね。
うまくできるかできないかというのは年齢や経験度にもよるかと思います。
>アイちゃんアユム君親子が、販売機にコイン入れられても、
>その技術をどこまで伝え残せるか疑問。
場合によりけりだと思いますよ。
要するに、その実験室が存続する限りは続くでしょうってことです。
もしもそのチンパンジーたちを野生に戻したとしたら
販売機にコインを入れることなんてのは生きていく上で不要な知識以外の何物でもないわけですから、
それを伝え残せるかどうかってのは当然疑問です。
何しろ生活環境が一番関わってくるものですから。
それは、猫やカラスの生ゴミ漁りもそうです。
人間が出した生ゴミが無ければ、ネズミやハトを食ってるでしょうからね。
で、海辺の猫なんかは釣り人からエサをもらえることが経験的に分かってるので、
そういった学習をしてるわけですが、
エサをくれる釣り人がいなければ、釣り人の近くをうろつくとか
人間に媚びるなんてことは最初からしないでしょう。
人間に飼いならされて無い野良猫やヤマネコなどは人間に近寄りもしませんからね。
で、ですね、これは「人類にハルマゲドンみたいなもんが起きたら狩猟採集民族だけがかろうじて生き残る」ってのと
同じ理屈なんだと思います。
とりあえずその与えられた環境の中で、生き残るのに必要な最低限度の知識しか伝えていかなくなる。
これは自明の理でしょう。
実験室で育てられているチンパンジーなんかは、
販売機にコインをいれることが彼らの生きる術(食べる術)である以上、
それを伝えていくのは間違いと思います。
人の感情を理解するゴリラなんて、他のゴリラに手話を教えたりしてましたよ。
「こうやるとエサをもらえるからこうしなさい!」って一生懸命教えてあげてるんだけど
既に成人してしまったゴリラじゃなかなかそれを理解できないんですね。
アマラとカマラじゃないですけど、幼少期にどれだけ学習してきたかって部分はかなり重要みたいです。
これは人間でもまったくそうなんですが、適応能力は幼少期に経験的にかなり叩き込まれますからね。
なんかそういうのを考えると、熟年層にPC音痴が多いのも理解できますよね。
経験的にやってきてないことをやれない人って実際多いですから。
でも、そういう人に限ってタケトンボ作りの名人だったりするんですよねw
実に面白い。
803 :
PC原人 :05/01/22 19:10:53 ID:OVAwL6Ph
>>802 すいません脱字してしまいました。
>それを伝えていくのは間違いと思います。
↑
それを伝えていくのは間違いないと思います。
804 :
PC原人 :05/01/22 19:54:24 ID:OVAwL6Ph
>>794 すいません間違って書いてしまいました。
>正直、ネアンが100万年続いたなんて程度のオーダーじゃ済まないっすよ?
↑
正直、似たような石器製作が100万年続いたなんて程度のオーダーじゃ済まないっすよ?
805 :
出土地不明 :05/01/23 02:10:35 ID:9Z7luQEj
>712 それを言ったら 今の人種間の差異も異種に近い際が有るよ。 現に黒人のちんこはでかすぎだし。 黒人の女は、俺ら東洋人の男のちんこじゃ満足しなさそうだもんな。
806 :
PC原人 :05/01/23 04:56:10 ID:Z8UrMg+v
>>805 セントバーナードとチワワの例は物理的に交尾に支障がでそうです。
あと、人工授精もOKなら、セントバーナード♂とチワワ♀の交配にはかなり問題がありそうです。
たぶん胎児がでかすぎて内臓が破裂する可能性があるので
きっと動物愛護団体が許さないことでしょうw
807 :
出土地不明 :05/01/23 14:25:19 ID:TDO9Zv58
>>806 胎児の大きさにそんなに差があるのか?たんに、成長が続くか、
そのまま終わるか、の違いだろう。
808 :
出土地不明 :05/01/23 14:50:40 ID:zjssBVhV
さて、一つの可能性だけれど、たとえば、もともと250万年前に 人間が、剥片石器(オルドヴァイ式)を確立した段階で、石器製作 のための、基本的な学習が誘導されるような遺伝子を獲得し、それが 100万年後に、両面加工ハンドアックス(アシュール式)を作る ようになるまで、進化し、それが、100万年かかって50万年前ご ろに、後期アシュールまでいって、さらに、10万年前ごろには、 MSAやムスティエ文化まで進展したとしましょう。これらは進化であって 知的な作業による進歩ではない、と仮定したとすると、後期旧石器 時代に入って、たとえば、石刃技法などが生まれ、さらに石器がいろ いろ細分化されて、さまざまな石器が生まれた理由は、一つには、こ れら、「石器を作る遺伝子がなくなった」ためではないかということが 推定できます。 現代の考古学者たちも、MSAやムスティエ式石器で使われるルヴァロア 技法は、大変難しいものであると認識していて、世界で、これらを ネアンデルタール人なみに作ることができるのは、実験考古学者の中 でも、たった20人くらいだろうといわれています。これは、我々 には、これらの石器を作るための基本的な能力がかなり欠如していて、 努力と根性でようやく達成できるということです。ところが、 ネアンデルタール人や、MSAのホモ・サピエンスは、ほぼ全員がこれら の石器を作り続けたわけですし、また、シャテルペロン文化に移行し、 後期旧石器文化まで達したネアンデルタール人も、実はムスティエ式 の伝統は保持しています。で、最後のネアンデルタール人はムスティエ 式だったというわけです。 7万年前ごろに、たとえば、石器をを作る基本的な遺伝的伝統が突然 変異的になくなったとしましょう。そうすると、そういう中で生き残れ るのは、別の方法を文化的に獲得した人々であると考えられる。 そうすると、その遺伝的伝統を失った人々は、遺伝的な枷から解放され るので、いろいろな石器が作れるようになる。 実際、石刃技法の細石器などは、作るのは容易です。簡単です。日本 でも縄文時代の石器を復元したりする人がいますが、ふつうに作れる ようです。でも、ルヴァロア技法を会得することは難しい。遺伝的 伝統がないからではないかと思えます。 MSAの段階で、あるいはムスティエ文化の段階で、すでにそれぞれの 地域ごとに異なる文化が生まれつつありました。地域性があったと いうことは、石器を作り出す方法について、ある程度の工夫などが 行われていたことになりましょう。しかし、そこで、特定の集団が アシュール式石器やルヴァロア技法のための遺伝子を失ったとすると、 そこで、突然、別の作り方がいろいろ生まれることになる。コアとし てのルヴァロア技法を会得するための遺伝子が欠如しているが、基本 動作としての石器を作ることは文化的伝統としてのこる。そこで、 いきなり、最初に石を複数の棒状のものに分割して、そこに刃をつける なんていう技法が始まる。 実際、ルヴァロア技法は、大変です。最終的な石器の姿を完全に思い 描き、それ目指して、一つひとつステップを踏んでつくりあげていく わけです。そのステップ一つ一つはアシュール式の伝統である何度も 剥片を取り除いて、石器を形成していくもので、これまた遺伝的伝統 ではないか。そして、最初の剥片を取り除くというのは、石から剥片 石器を作り出すのと同じ遺伝的伝統です。ところがそれがなくなったら コアの部分の周縁の技術で適当なものをこしらえないといけない。 それが、石刃技法ではないかと思うのです。
809 :
横ですが :05/01/23 15:20:56 ID:Y/zqKkn1
愚息が中学受験したので、お受験板の住人だったのですが、 毎年決まって話題になるのは「頭のよさは遺伝するか?」でした。 話題になる度に、東大マンセーのお受験ママン達はそれを肯定し、 住人の女医さんや研究者の人たちが、遺伝ではなく環境、後天的な学習です と、冷ややかに否定してたのを、思い出しました。
810 :
出土地不明 :05/01/23 15:53:43 ID:qn3BjMnn
>>809 最近では、逆に、いろいろな学習障害を定義して、それぞれに
対応する、最適な学習プラン、カウンセリングを行う方向に
話が変わってきていると思う。
学習障害のいくつかは、確実に遺伝的要因がある。最近では、
特定の学習障害に対する、遺伝子が発見できた、とする研究も
でている。たとえば、KE家族の言語障害に対して、FOXP2遺伝子
が特定できた、という例があったりするだろう。
また、日本では問題が起こりにくい難読症についてもいろいろ
研究がある。
いままでは、単に「頭が悪い、とろい」などといわれてきたのだ
が、実際に、学習障害、認知障害として、とらえれば、克服方法
もみつかるかもしれないし、また克服できない場合は、それを無理
にやらせず、より「適性にあったもの」を学習させて、その能力を
のばすなどのほうが、ふさわしいというふうに変わってきたと思う。
東大マンセーな話は東大合格は確実に家系的なものだ。
一般に、父親が東大なら、息子は半数が東大に入るという。
ところが、まず、全国の大学別「親の所得」でみれば、東大はダントツ
で多い。大企業の偉い人、公務員のかなりの上級、医者、弁護士など
高収入の人たちが多いのは、それは東大出だから、という理由になる。
当然子供の教育にも、熱心で、また必要な教育に金をかけるだけの余裕
もある。かつ、家族全体の知識水準も高いので、学習意欲が刺激される
ことも多い。家庭内に置かれた書籍や、趣味の方向性なども子供を刺激
する。もちろん、遺伝的要因もあるだろう。だから、東大は家系的にな
る。
811 :
出土地不明 :05/01/23 16:02:29 ID:yA5zHOWV
>>810 >東大マンセーな話は東大合格は確実に家系的なものだ。
そう思うよ。ホントの馬鹿混入が増えてきてる。
そろそろ弊害が大きくなってきたから
東大は解体してもいい頃だと思う。
東京都品川区の小笠原諸島にでも全学移転すればいい。
ひたすら勉強に打ち込めるし、お茶津田トンポンの娘と
インカレ活動に燃えることもなくなる。
家族と離れたくないマザコンは慶應に行くだろうし、
官学としての本来の姿を取り戻せるかもしれない。
812 :
出土地不明 :05/01/23 16:47:55 ID:KsD0n/WZ
>>809 受験に適した頭脳というのもある様な気がする。
なので、東大に現役合格しても、受験に適した頭脳であるとは言えるが、頭が良いとは必ずしも言えない。
813 :
PC原人 :
05/01/23 17:46:51 ID:Z8UrMg+v >>807 ???
とりあえず、セントバーナードとチワワでぐぐってみてください。
>>808 >「石器を作る遺伝子がなくなった」
人類ほど遺伝プログラミングを捨ててきた種はないですから、
そういうことも可能性としてゼロではないんじゃないか?というのは
私も実は考えていたところなんですよね。
ところが、では何故「石器を作る遺伝子がなくなったのか?」という解が今度はまったく得られないわけですよ・・・
人類が失ってしまってる本能と言えば、その殆どが、ビーバーのダム作りみたいな営巣本能だったり、
ハトの帰巣本能みたいなもんであって、石器製作みたいなもんとは明らかに違うと思うからです。
だから、石器製作遺伝子があったのならそれは痕跡として絶対になくならないと思うし、
反射的に理性では制御できない部分で痕跡が残るはずなんです。
たとえば、人間の乳児だけをみても、樹上生活のなごりで鉄棒にぶらさがれるとか、乳が欲しくて夜泣きするとか(悲しいわけではない)、
新生児微笑をするとか、幼児期だけ舌が乳首を搾乳するように動作するとか、生れた直後からうまく泳げるとか、
顔の肌が水に濡れると心拍数が減り体の酸素消費率が低下するクジラやアザラシのような反射をするとか、
そういう痕跡がそれこそたくさんあるわけで・・・
つまり、「石器製作遺伝子があったことを肯定→今は痕跡も無くなったので証明しようがない」としてしまうと、
どんどん石器製作遺伝子の仮説が泥沼化の様相を呈してしまうと思うわけですよ。
要するに、実証無しに「今は石器を作る遺伝子がなくなったのだ」と乱暴に結論付けてしまうと、
「石器を作る遺伝子が当時はあったのだ」ということの実証さえも同時に放棄することになってしまうわけです。
これではあまりにも本末転倒ですよね?
なので、これらをもっと単純にスマートに考えていくなら、
100万年の似たような石器作りのもどかしさといったものは、
そりゃ現代人から見れば遅々としているかもしれないが
彼らなりにはちょっとずつ精密に仕上げられるようにはなったし
エポックメイキング的に進化を遂げていると考えるべきでしょう。
これは、現代人がチンパンジーを見て「所詮は人間の3歳児程度だよ」と感じるか
「猿に3歳児程度の知能があるなんて驚きだ」と感じるかの違いですね。
で、極めつけとしては、現存する人間以外の(人間よりも劣る)霊長類の行動学を考えてみればいいんですよ。
たとえばチンパンジーなんかは系統的に人類と分岐したのが直立歩行種と比べれば遥かに古い時代なわけですよ。
だから、チンパンジーの遺伝プログラミングに因らない道具の作り方とか使い方を考えてみれば単純に答えが出るんです。
決してそこには「○○道具専門の道具製作遺伝子が関与した」なんてことはありえないわけですからね。
で、何かしらの理論立てがあった上なら、「石器製作遺伝子が当時に限ってだけ存在したのだ」という仮説は一向に構わないんですが、
その理論立てが弱ければ、「今は石器製作遺伝子がなくなってしまったから証明しようがない」というような乱暴な結論で終わってしまいがちですよね。
これではご都合主義的解釈になってしまうので「石器製作遺伝子」を提起した意味さえなくなるというものです。
なので私は、石の割り方については、ファジーやエルゴノミクスの観点に立ったほうが、
遺伝プログラミングとして説明しやすいと思っているわけです。
人間には黄金比率みたいな美的感覚なんかが実際に刷り込まれてるのは事実ですからね。