769 :
STO:
夕食も終わりシャオユウはキッチンで後片づけをしている。
「二人きりなんだよなあ」
何気なしにSTOが呟いた。
ドキッ
シャオユウの心臓が大きく脈を打ち、洗っていた食器が床に落ち粉々に砕ける。
「すみません」
慌てて破片を拾おうとするシャオユウ。
「イタッ」
「大丈夫か、シャオ」
STOはシャオの手を取ると傷口を口に含み血を吸い出し始めた。
「STO様」
顔を赤らめながら傷の手当をしているSTOを見つめるシャオ。
割れた皿の片づけを済ませたSTOはシャオの視線に気がつく。
「どうしたんだシャオ」
「私、最近変なんです」
「変ってどこが?」
「STO様の事を考えただけで胸がドキドキして苦しくって堪らなくなるんです」
「じゃあ俺と同じだ」
STOはシャオユウの手を取ると自分の胸に当ててみる。
「俺も大好きなシャオの事を考えると胸が張り裂けそうになるほどドキドキするんだ」
STOの心臓の鼓動がシャオの手に伝わる。