三重県のゲーセン

「ＴＡＲＧＥＴ」とは？
「ＴＡＲＧＥＴ」（ターゲット）とは、かつて三重県最大の都市「四日市」に存在した
伝説のゲームセンターの名称である。
正式名称は「インベーダーハウス　ＴＡＲＧＥＴ」といいます。
営業時間　ＡＭ８：００〜ＰＭ１２：００　定休日　ラッキーの定休日に準ずる
ＡＬＬ　５０円
店舗営業期間　１９７９〜１９９３年　７月２７日迄
もともとは俗に言う「インベーダーゲーセン」だったわけなのですが、
まるでゲーセンの歴史に習うように、インベーダーに始まり、
最終的には超大作「グラディウスIII・伝説から神話へ」がメインでやり込まれるゲーセンにまで変貌していきました。
私達の所属団体名「ＴＡＲＧＥＳＴ」も、「この素晴らしいゲーセン「ＴＡＲＧＥＴ」の魅力を
最高の極みにまで高めよう！」という気持ちの現れから、団体名が「ＴＡＲＧＥＳＴ」となりました。
ターゲストの団体としての設立は１９８９年に行われました。
ここではインベーダーハウスＴＡＲＧＥＴの歴史を見て行きたいと思います。

邂逅
１９７８年に株式会社タイトーから名作「スペースインベーダー」が発売され、列島騒然となり
時代はインベーダーブームを迎える。このブームによって「ＴＡＲＧＥＴ」は誕生した。
そして後の１０年間に渡り、数々の歴代シューティングが続々と入荷される事になる。
ＴＡＲＧＥＴは「ラッキー」という鷲尾産業が運営するパチンコ屋のゲーセンだったので、風紀も乱れており、
当時の「暗い・汚い・不良の温床」というゲーセンの典型的イメージを　これでもかとばかりに持っていました。
それが為、当時のＴＡＲＧＥＴでは、不良による暴力・恐喝事件が後をたちませんでした。
かくいう私も、当時のＴＡＲＧＥＴの荒み具合を知っていたので、あまり行く気にはなれませんでした。
しかし、革命児「沙羅曼蛇」が入荷された時、初めて筐体に映る沙羅曼蛇の
あまりの美麗なグラフィックにド肝を抜かれた私は、荒んでいたＴＡＲＧＥＴに通ってでも
是非このゲームをクリアしたいと思うようになりました。
それが私のＴＡＲＧＥＴとの出会い、そして　この素晴らしい環境にある「ＴＡＲＧＥＴ」というゲーセンを
少しでも良い方向に変えて行き、みんなが安心して楽しめる空間を創造しようという決心をつけた時です。

グラIII攻略にあたっての日本一の好条件！
ターゲ最大の売りは、「立地条件の良さ」だと思います。
ターゲにグラIIIが入り、あれほど盛り上がったのも、この立地条件が功を奏しているといっていいでしょう。
近鉄四日市駅という、三重県で最大級の乗降量を誇る駅から徒歩５分で、
四日市アーケード街の中央に位置する為、周囲はあらゆる店で満ち溢れています！
ラーメン屋・うどん屋・定食屋・スーパー・本屋と百貨店と　なんでもござれの状態でした。
その為、客層も本当に幅が広く、小学生からお爺さん（名人戦をプレイされる）まで色々です。
イメージファイトのみをやり込む、「ＡＮＤＥＲＳＯＮ」さんという外人さんまで常連だったのです。
グラIIIは高校生層に一番絶大な人気を誇っておりまして、学校帰りの時間帯（ＰＭ３：００〜５：００）になると、
絶対に誰かがプレイしていて、順番待ちしないとできないぐらいの状態でした。
当時はストIIが流行っていましたので、ストIIの対戦で両替機を利用しにくる人々が多数いるのですが、
幸い　グラIIIは両替機の前、ターゲに入って突き当たり真ん中付近に位置していた為、
両替に訪れた人々がグラIIIの前で足を止めるといった光景が、多々みられました。
その為、ギャラリーには絶対に困らず、常に誰かがギャラリーしているといった状態でした。
ギャラリーをする事によって、興味を導き出し、そして結果的にギャラリー→プレイヤーという
理想的な図式が、ターゲでは頻繁に成立していました。
これは「ターゲの立地条件の良さ」のみならず、グラIII自体のカリスマ性と、
筐体がベストな最もギャラリーしやすい場所にあったからというのが大きいと言えます。
グラIIIは殆ど常に誰かがやっていたので、新規プレイヤーも情報には殆ど困ることは無く、仮に誰もやってなくても、
店内には「ＴＡＲＧＥＴ　ＮＯＴＥ」というコミュニケーションノートがありましたので、
情報交換には事欠きませんでした。
ターゲでグラIIIが異常なまでの盛り上がりを見せたのも、ゲームだけの魅力に留まらず、
こういった背景も加味されて、大ヒットに繋がったと言えるでしょう。
個人的な理由としては、当時　自分は高校二年生でしたので、学校が四日市の南にあり、
自宅の羽津から自転車で通う通学路にターゲがあったというのが一番の利用しやすかった理由です。
しかもＡＬＬ５０円でＥＡＳＹ７機設定！
ターゲはグラIIIをやり込むにあたって、恐らく日本で一番恵まれた環境だったといえるでしょう！

メンテナンスに関して
これもターゲで恵まれていた要素の一つです。
ターゲでは、ゲームのやり込まれ具合が尋常ではないので、故障も多々ありました。
しかし、ターゲは「浅野電気商会」という電気屋さんと契約しているので、
店員のＥＤＩ．Ｅ（エディー・イー　本名：金子さん）に故障箇所を伝えると、
ＥＤＩ．Ｅから浅野さんの所に連絡が行き、約５分で駆けつけてくれます。
そしてパパパッと職人芸の腕で台を修理し、ゲームの設定も確認し、最も快適に遊べる設定にしてくれます。
もちろん音量に関するリクエストもＯＫでして、頼めば大抵のリクエストに答えてくれるという
とても親切な修理屋さんです。
グラIIIは音楽が大人気だったこともあり、ターゲでは最も大音量で設置されていました。
ですので、グラIIIのＯＰ．テーマ曲である「Ｐｒｅｌｕｄｅ　ｏｆ　Ｌｅｇｅｎｄ」は、
ターゲのメインテーマでもありました。
まさしく「ゲームというものを純粋に楽しむ」といった上で、ターゲは最適な場所であったと言えるでしょう！

ターゲの従業員について
ターゲは有限会社鷲尾産業という会社が経営しているパチンコ屋「ラッキー」所属のゲーセンなのですが、
実際　店舗の従業員をしていたのは、最初は明るいオバちゃんでして、後期は谷津（通称：Ｔ・Ｚ　ティーゼット）という
変なオッサンがやってました。谷津に関しては、色々と問題点が多く　客に嫌われていたので人気がなかったのですが、
谷津に続いて、店舗の運営・見まわりをしているＥＤＩ・Ｅ（金子さん）というオッチャンはナイスな人でした！
そして、修理業者の浅野さん。浅野さんはターゲから家がすごく近いので、
ＥＤＩ・Ｅからの呼び出しに迅速に応じてくれます。

インベーダーハウス「ＴＡＲＧＥＴ」従業員構成図
　　　名称と★評価 　　　備　考
ターゲのおばちゃん　★★★★★ とても明るい感じのゲーセンのおばちゃんです！
ＥＤＩ・Ｅ（金子さん）　★★★★★★★ 本来はラッキーの店員さんなんだけど、ターゲの面倒も見てくれてます！
ターゲで行われる大会などのイベントも企画の相談に乗ってくれて、
浅野さんと共に実行し、ターゲの活性化に努めてくれています。非常に物分りのいい店員さんで、
ターゲの細かな小道具（ノートの筆記要具等）も買い揃えてくれたりします。
ただ本業はラッキーの店員さんな為、ターゲに常駐している訳ではありません。
浅野さん　★★★★★★★★★★ ターゲ専属の凄腕修理業者。
そしてターゲのゲーム入荷オペレーターも兼任していらっしゃるので、あの有名な「ＡＭ　ＳＨＯＷ　８９’」に
自ら出向かれてグラIIIの名作さを見抜き、発売後　いち早くターゲに入荷し、大ヒットに繋げたという、
年齢（６０過ぎ）からは信じられない眼力の持ち主。
ゲームが入荷されると、オペレーターマニュアルに最も親切な設定と思われる部分に丸がふられ、
「アサノ設定」という最強の設定にて設置される。例：グラIII　ＥＡＳＹ　７機設定
谷津　-★★★★★★★ ピシャーン！Ｔ・Ｚに関しては多くを語りたくないです、、、。

ターゲでの過去取り扱いゲームラインナップ
シューティング
スペースインベーダー
スクランブル
デンジャラスシード
Ｍｒ．ＨＥＲＩの大冒険
イメージファイト
戦場の狼

アクション
大魔界村
ＪｕＪｕ伝説

格闘ゲーム
双截龍　DOUBLE　DRAGON
双截龍II　Ｔｈｅ　Ｒｅｖｅｎｇｅ
Ｄｏｕｂｌｅ　Ｄｒａｇｏｎ　３
ファイナルファイト
ストリートファイターII　II’　II’ｔｕｒｂｏ
キャプテンコマンドー

パズルゲーム
ＴＥＴＲＩＳ
名人戦

スポーツゲーム
ハイパーオリンピック
Ｔｅｅｄ　Ｏｆｆ

レースゲーム
Ｏｕｔ　Ｒｕｎ

グラディウスシリーズ
グラディウスI
沙羅曼蛇
グラディウスII・ＧＯＦＥＲの野望
グラディウスIII・伝説から神話へ

自分は、ターゲを越えるゲーセンは今後現れないんじゃないか？と思っています。
グラIIIという「ゲーセン人生最大最強の怪物」と真っ向から相対するには、ターゲぐらいの好条件がなかったら、
私も挫折していたかも知れません。ここでの仲間との交流・攻略が無かったらクリアは不可能だったと思います。
みなさんも色々と思い入れがあるゲーセンがあると思いますが、たとえ　そこが現在は壊滅してしまっていても、
みなさんそれぞれで　その大切な場所で得た「思い出」をいつまでもいつまでも大事にし、忘れないようにしてください。
そういった思い出や経験は、これからの人生の中で　きっと役に立つ部分があると思います。
ＴＡＲＧＥＳＴ