ACキャラバトルロワイヤル 番外編

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次々と1回戦を突破するゴール地点にまた2人が到着した。
ガッチリとしていて、顔には隈取をし、浴衣を着ている男性と、
その肩の上に乗っているブレザー服の少女である。

肩の上からキサラは降り、エドモンド本田にお辞儀をした。
「ありがとうございました。」
「ガハハハハ、なんのなんの。お礼をいいたいのはワシの方じゃ。」

ゲーム開始直後、キサラは考えていた。自分が優勝したら何をしてもらうかを。
その答えは決まっている。有名になること。
「ガンガン行進曲」そして「ネオジオコロシアム」にしか出ていない自分を、
知っている人は少ないだろう。
そんなことを考えていたら、迷路の角の曲がろうとしたところで、
誰かとぶつかって跳ね飛ばされてしまった。

キサラがぶつかった相手の方をみると、顔に隈取をした、いかにも『お相撲さん』といった
容貌の男性が心配そうにこっちをみていた。
「外人さん、大丈夫かいのぅ?」
「ご心配なく。」キサラは立ち上がろうとする、だが、「あいててて……」
足をくじいたようだ。
「フム、ワシがもっと気をつけておればのぉ。そうだ!」
お相撲さんはまるで猫のようにキサラを掴むと、肩に乗せて歩き出す。
彼女は訝るアランの腕を掴んだまま、神妙な表情を湛えてぼそりと呟いた。
「ご指名有難う御座います。ヒカリです」
「………いや指名してないし」
「いいからいいからぁあ〜ヒカリを信じてぇ〜」
「誰だよ!!!」
「え〜と私はですねぇ、実は睦月カヤの双子の妹なんですよぉ」
「ああ。散々既出だな」
「ふふ…ワイとあのアマは相対する存在。いずれ片方が消滅せなあかん…こいつは宿命や」
「待て待て何か途中からキャラ変わってるぞ」
「お黙りこの腐ったミカンが!!」
「人格攻撃かよ!?」
アランは思わず彼女の手を振り払い、音速の裏拳を放った。
ヒカリは鋭い突っ込みを額で受け止めつつ、
「まあそんな訳で私は姉者に下克上食らわせたいわけですよ。アーユーオーケー!?」
「うん…何かよくわからんがオーケーだよ…」
「ふん、豚めが…分かればよろし」
額からだらだら流れる血を拭う。
「なので今回の大会の優勝は絶対私が頂きますから。では失礼します」
急に普段通りの口調に戻ったヒカリは迷路の出口に向かって颯爽と走り去った。
(おかしいよあいつマジおかしい絶対変なキノコ食ったに違いないよ)
アランは戦慄で震えながら彼女の後ろ姿を見送った。
結局2人の寒いやり取りのせいで参加者達は周りから完全に引いてしまっていた。
皮肉な事に、お陰でアランは労せずしてゴール地点に到達する事が出来たのだった。

【睦月ヒカリ 一回戦突破 願い事:姉に下克上を食らわせ帝王となる】
【アラン・アルジェント 一回戦突破 願い事:教会敷地内にハーレムを建設】