「1、2を争う名スレ?それとも1、2を争う糞スレという意味かい?」
まぁ、どちらにしても本質的には変わりはしない。
そもそもそんな事はこのスレにも、今の僕にも関係ない事だった。
そして再び僕はゲーム画面へと目を戻した。
コンパイルは現実に存在した製作会社だ。
ゲーセンではあまりぱっとしない成績のまま消滅した。
僕は何年か前にこの会社のゲームにはまった事がある。
いや、きちんと思い出そう。
はっきりとさせておこう。あれは何年前だ?
5,6年前。いや、正確に言うと5年前だ。僕はその時まだ中学生だった。
僕はある女の子と二人でデパートの屋上に行った。彼女が屋上を選んだのだ。
ぷよぷよをやってみようと彼女が言ったのだ。
ぷよぷよをやってみなくては、と彼女は言ったのだ。
もし彼女が要求しなかったら、僕はコンパイルのゲームなんてまずしなかっただろうと思う。
それはろくに、連鎖も出来ない、先に進めない、初心者には間の持たないゲームで、
僕らのほかにはプレイヤーの姿はほとんど見あたらなかった。
僕が2時間半の滞在中に隣の筐体でプレイした客は二人か三人かそれくらいだったし、
それだってぷよぷよのファンなのかどうかわかったものではない。
でもスコアを表示する画面には「AAA」以外の名前と不規則な数字があったのだから、
僕らのほかに遊んだ人はいたはずだと思う。
「ゲームの良いところはね、全部点数になって出ちまうことだね。
2エクステンドボスで全堕ち、何も残りゃしない」
鼠はそう言って、ビールを飲み干した。
「テストといっしょだよ」
「ところでお前、コナミにグラの新作出すなって忠告したんだって?」
「あたり前でしょう」
「そうだな、まぁ」
「あれはストイックなゲームですよ」と僕は17アイスをかじりがら言った。
「知ってるよ」と店員はため息をついて言った。
「今の『コンマイ』にはいささかストイックすぎる」
89 :
ゲームセンター名無し:04/04/14 01:23 ID:bcJiDG7s
僕はウメハラさんに向かって
これまでに格ゲーをして誰かをハメたことはありますか?と尋ねてみた。
ウメハラさんは何かまぶしいものでも見るように目を細めて僕の顔を見た。
『どうしてまたそんなことをお聞きになるんですか?』と彼は言った。
(レキシントンの幽霊、沈黙より)
やれやれと僕は思った。
ノルウェイの森と梅原と大貫とスト2が同世代だったなんて
いったい誰が信じるんだ?
ばがげてる。
オーケー、認めよう。それらが僕の青春だったということを。
「惨め」と彼女が言った。
「確かに」と僕は言った。
だが彼女は知らないのだ。
いまだに格ゲー最強を決めるために彼らが戦っていることを。
ボブ・デュランの歌が聞こえる。
ageてみるとしよう
今さ、イギリスでスプートニクの恋人読みながらウメ様と一緒に行動してるんだw
このスレの事思い出してはニヤニヤしてるw
たとえば叩ければかっこいいからオートバスであると考えたところで、
日常生活のレベルで一体どれほどの不都合があるだろう?
もちろんコレはかなり極端な例であって、何もかもをそんな風に
自分勝手に作り変えてしまうわけではない。
しかし、叩ければかっこいいからオートバスであるという
便宣的な考え方が、厨房が調子に乗ることによって生ずる
様々な種類の瑣末な問題−たとえば連コや回しやクラッシャーといったような
たいしてマナーもよくないできごと−をきれいさっぱりと
引き起こしてくれることもまた事実である。
ごく普通の生活を送っている人間にとってクラッシャーなどという問題に
かかわらねばならないことが一生のうちに何度あるというのだ?
(世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド エレベーター、無音、肥満より)
指が4本しかないウメハラ
95 :
ゲームセンター名無し:04/04/16 09:17 ID:gMLcFNP2
「そうじゃなくて」と僕は言った。
「そうじゃないなら一体何なの?保守をするのがそんなに悪いことかしら?」
やれやれ。まったくここはひどいインターネットだ。
保守されなかったスレはそのうち――結構な数のレスが付いているのにもかかわらず――dat落ちしてしまう事くらい僕にだってよく分かっている。
しかし何かが違うのだ。
保守。そう、保守だ。
ただ保守、と書き込むことは、この場所にはひどく不似合いなように思えるのに、
かといってそこに書き込むべき言葉がいったい何なのか、僕には見当もつかないのだ。
どうすればいい?と僕は思った。
僕は氷が溶けて薄まったオレンジ・ジュースの残りを一息に飲み干すと、静かにキーを叩いた。
『age』――いや、そうじゃないんだ。
まっノルウェイの森は基本だよな?
カフカ文庫落ちまだー?
<<80梅原再襲撃、ワラタ。
勝ちたいのなら、強キャラを使ってみればいい
「ねえ、俺たち二人でチームを組まないか? きっと何もかも上手く行くぜ。」
「手始めに何をする?」
「金最強を作ろう。」
風の歌を聴け:20P
「ねえ、俺たち二人でチームを組まないか? きっと何もかも上手く行くぜ。」
「手始めに何をする?」
「DPトップランカーを作ろう。」
「ねえ、俺たち二人でチームを組まないか? きっと何もかも上手く行くぜ。」
「手始めに何をする?」
「マジックユーザーで。」
そして再びage
「ねえウメハラ君、永久と即死コンボの違いをきちんと説明できる?」と突然僕に質問した。
「できると思うよ」と僕は言った。
「ちょっと訊きたいんだけれど、そういうのが日常生活の中で何かの役に立ってる?」
「日常生活の中で何かの役に立つということはあまりないね」と僕は言った。
「でも具体的に何かの役に立つというよりは、そういうのは物事をより系統的に捉えるための訓練になるんだと僕は思ってるけれど」
彼女はしばらくそれについて真剣な顔つきで考えこんでいた。「あなたって偉いのね」
age
ageとく
108 :
ゲームセンター名無し:04/04/27 00:21 ID:hsZjftLm
age
そしてある日、店へ向かう自転車の上で、この時間、この街さえもが突然そのリアリティを失いはじめる。
……そう、あそこは僕の場所ではない。
仲間はいつか消え去り、夢は遠く崩れ去るだろう。
あるいは、もう、すでに。
あの永遠に続くようにも思えた対戦格闘の熱狂が何処かで消え失せてしまったように。
何もかもが亡び、姿を消したあとに残るものは、おそらく冷たい筐体とブラウン管の闇だけだろう。
過ぎた日々‥‥‥。
日々というものは、あの流離の挌闘家が呟くように、どれほどの時間をかけても失うのは一瞬でしかないのかもしれない。
おそらく、どこにも残るものなどないのだ。
それでも僕はかつての1プレイヤーとしてのささやかな誇りをコーヒーと共に飲み干し、
河原の石段から腰を上げ、夕焼けの砂利道をいつか姿を現わすかもしれない挑戦者のために走ろう。
そして人ごみに囲まれた二台の筐体を想い、あの歓声に満ちた店内を想いだそう。
だからもう何も恐れるまい。
シューターが弾幕を恐れぬように、パーフェクトを破られた者が傷つくことを恐れぬように。
もし、もしそれが本当にかなうものなら‥‥‥
友よ、
友よ、あの時間はあまりに遠い。
遥かな日々、想いを胸に、この場所で君を待とうか。
112 :
ゲームセンター名無し:04/04/29 02:57 ID:KRuTpUQF
感動した
蛍光灯の光がさす色化けした画面端。
将来の分岐点にしては、あまりにもチープだ。
これから僕は百数十の選択を迫られるわけだが、悲しいことに、どれも5つの選択肢しかない。
なぜ2つや3つじゃ駄目なのだろう?
人生で選択肢が5つもあったことなんて、あったためしがないのに…。
「ギィィィ」
ネジを巻く鳥が、どこかで鳴いた気がした。
「ほら、このコンポだよ、あの格ゲーのと同じコマンド入力だろう?」
「そ、そうだな。たしかにそうだな。気がつ、つかなかった」
「だからさ」と僕は椅子の上に腰を下ろして言った。
「その入力を飛ばせば良いんだよ。その技をださなければ効率よく最後まで繋がるんじゃないかな」
「駄目だよ」と彼はあっさりと言った。
「この技だけ抜かすってわけにはいかないんだよ。
10年も毎日毎日やってるからさ、やり始めると、む、無意識に全部入力しちゃうんだ。
一つでも技を抜かそうとするとさ、う、う、腕が動かなくなっちゃう」
>>114
うまい!
今でもゲーセンに行くたびに、僕は思い出す。
2000円札のことを。
2000年、我らが年。
オーケー、認めよう。
よく使う両替機が未だに新500円を拒むいうことを。
俺はゲームについての多くをSNKに学んだ。
殆ど全部、というべきかもしれない。
不幸なことにSNK自身は全ての意味で不毛な製作会社であった。
見ればわかる。画面は粗く、制作期間は短く、ゲームはワンパターンだった。
しかしそれにもかかわらず、この会社は過去の遺産を武器としてゲームをつくることができる、
数少ない非凡な製作会社の一つでもあった。
カプコン、ナムコ、そういった同時代の会社に伍しても、
SNKのその戦闘的なモチベーションは決して劣るものではないだろう、と俺は思う。
ただ残念なことにSNKは最後まで自分の製作スタイルがファンに飽きられている事を理解することはできなかった。
結局のところ、不毛であるということはそういったものなのだ。
「たぶん対戦に勝つのって思っているより簡単なことだと思うな」
「勝ち方にもよるだろうね」
「簡単よ。だって一回攻撃を当てたら、後は逃げ続けるだけだもの。
何もしなくていいんだもの。
ねえ想像してみなさいよ。
レバーはしっかり握っているのにゲームに飢えて乾いて、じわじわと時間を干されていくのってものすごく辛いわよ。
そんなにアッサリとは死ねないわよ」
「そうだろうね」と僕は言った。
「ねえ、あなた本当には信じていないでしょう。
私にそんな残酷なことなんて実際にできるわけないと思っているでしょう」
「僕にはわからないよ。君にそういうことができると信じているわけでもないし、できないと信じているわけでもない。
対戦ではどんなことだって起こる可能性がある。そう思うよ」
「私は可能性の話なんかしてるんじゃないのよ」と彼女はものすごく冷たい声で言った。
「あのね、今ちょっと思いついたんだけど、いい考えがあるわ。せっかくこの店に勝利を求めて来たんだから、
あなたがもっと勝てるようにしてあげましょうか?」
「どんな風に?」と僕は質問してみた。
「こんな風に」と彼女は言った。そしてわずかだけ残っていた選択時間で、とあるキャラにレバーを止めた。
そのようにして、次から僕は中国風の少年を使っていた。
ユンのことかー!
121 :
ゲームセンター名無し:04/05/02 01:49 ID:hDQMqeDw
タイフォンだと思った。
良スレ
ネタ探そっと
>>120-121 まぁ時期的にタイフォンかと。ユンはタイフォンほど圧倒的じゃなかった気がする。
「こいつはいいゲームなんだが」彼は冷たい声で言った。
まるで倉庫に何年も眠り続けた基盤が起動したときの様な、寒々しい冷たい声だった。
「今の僕にとってこれは何の存在意義もないんだ。「無」なんだ。
なぁ世界中でこれだけ空虚な関係ってあるんだろうか。
何度やっても全く先に進む事が出来ないんだ」
確かにその通りだった。彼とそのゲームは既に、もうとり返しがつかないほどねじれ、ひねくり返った関係にあった。
「ねじれの位置」と彼は言った。
「中学の幾何で習ったよ。これと僕は、つまりねじれの位置にあるんだ」
この言葉は、彼とそのゲームの半年間の関係に終止符を打った。
攻略を諦めたた男が―――たとえ自分で別れを望んだのだとしても―――
少なくとも3日間は姿を見せないというのは、この店での揺るぎ無い定説だった。
それは、黒い胴着なら勝率が上がるとか、逆に桃色なら圧倒的に下がるとかいうのと同じ、自然の摂理だった。
そして彼はもちろんその自然の摂理に従ったし、あえてその摂理に反しようとも思わなかった。
ひっそりと
そのGW最終日の夜にはばたばたといろんなことが起こった。奇妙な日だった。
ポップンの筐体のすぐ近くで喧嘩があって、
僕らはDDRの台にのぼってそれを動画で撮り、
そしてなんとなく警察に同行した。
そんな風に言ってしまうと馬鹿みたいだけど、物事は実にそのとおりに進行したのだ。
今全部読んだ
33.109.117
がツボだった。
ノルウェイとダンス(80円)買ってきた。読みふけまつ
でもウメハラは遅かれ早かれいつかは消えるはずのものだったんだ。
俺や君や、それからいろんなプレイヤーたちの中で何かが消えて行ったようにね。
しかし、それでもやはり新しいキャラクターを使うという段になると、いつも絶望的な気分に襲われることになった。
僕が扱える領域はあまりにも限られたものだったからだ。
例えば近年退学した万年学生は使えても、暴力嫌いのバンドマンは使えないかもしれない。
結局は、そういうことだ。
それは、そう、よくあるいつもの事だったのに。
「あなたはなんで」
「仕方ないだろう、僕はこれしか無理なんだ」
「でも、でもなんで。私はCサガットなのよ。あなたがKグル使ったら
上デヨを振れなくなっちゃうじゃないの」
「わかってるよ」
「上デヨはJDすれば逆にKサガットの上デヨが反確なのよ。
あのサガットの大Pなのよ。それを、それをなんで。反確なんて。」
またか、僕は深くため息をついた。そんな事はわかっているのに。
「なんで、なんでなのよ」と彼女。
「噛み合わないもんだよな」と僕。
突撃隊ウメハラ
「入っていいかな?」
「どうぞ」と僕は言った。他に言いようもない。
彼は隣の筐体に腰を下ろすと、ポケットから煙草とライターを取り出し、火を点けるでもなくテーブルの上に置いた。
「調子はどうだい?」
「良くも悪くも無いよ」
僕はそれ以上技を続けるのを放棄してあっさりとそう告白した。
「悪いけどいつもそうなんだ。波があるほど自分が強いとは思えない」
「昔のことを忘れたがってるんだよ、それは。毎日同じなんて、ありえないはずなのに、ね」
「そうかもしれない」と僕は認めた。
たしかに そうかもしれない。
たとえば具体的に言うと、目の前に座っている誰かのことを
「ああ、この人立ち回りならよく知っている。いちいち考えるまでもないや。大丈夫」
と思って乱入してみると、わたしは(あるいはあなたは)手ひどい裏切りにあうことになるかもしれない。
私たちがもうたっぷり知っていると思っているゲームの裏には、わたしたちが知らないことが同じくらいたくさん潜んでいるのだ。
- 理解というものは、つねに誤解の総体に過ぎない -
それが(ここだけの話だけれど)わたしのささやかな世界認識の方法である。