ゲーセンで起きた出来事や日常などを村上春樹的に語るスレ。
他板で微妙に流行していたのでアケ板でも立てるべきだと思う。
「あなたは本当に対戦で勝つ気があるの?」
彼女が真剣な目で僕を見ていた。
「どうだろう、よく分からないな。正直なところ、僕にはさしあたって勝たなければならない理由が無いんだ」
途端に彼女の表情が険しくなった。
「どうして?」
「金があるからさ。たとえ負けても乱入すればいつかは勝てる」
「対戦が終わってお金が無くなったらどうするの?弱キャラ使って負け続ければすぐに対戦は終わってるわ。
それに、一日中ギャラリーとして見てばかりのようなあなたに一体何が出来るっていうのよ?」
彼女の言うとおりだった。僕は彼女と目を合わさないようにビールを一口飲んだ。
「やれやれ」
「今度『やれやれ』なんて言ったら殺すわよ」
・・・・・・やれやれ。
2げっと!
3ゲット!
4 :
ゲームセンター名無し:04/04/04 00:48 ID:1F/Y24+S
かっこう
「だ、だ、だ、だめだよ」
「何がだい?」
僕は突撃隊に聞いてみた。
「ア、アケ板の連中が村上春樹なんか読むわけないさ」
なるほど、と僕は思った。
「じゃあ、何なら読むんだい?」
僕は隣にいる男に聞いてみた。
「エロゲーかな。」
なるほど。村上春樹を読むやつはいなくても、エロゲーをやるやつはいる。
それがアケ版だった。
>>1 村上春樹なんて読んだことないけど、面白いw
村上春樹って誰?
ageてみればいい
「ずっと待ってた。間合いに入りなよ」
チッチッチ、駄目だよ、そりゃ。
実際にレバーをにぎらなきゃ駄目さ。
攻略HPを読んだって孤独になるだけさ、
そうだろ?
僕たちは一年ごと、一月ごと、一日ごとに腕をあげていく。
時々僕は自分が一対戦ごとに腕をあげていくような気さえする。
そして素晴らしいことに、それは事実なのだ。
目を閉じてSNK作品をNAM-1975から最後のkof2001まで数え、声を出して「おしまい」と言って、椅子から立ちあがった。
それで敗北感は吹き飛んだ。
これが僕のおまじないなのだ。
一人でゲーセンに来る人間は知らず知らずいろんな能力を身につけるようになる。
そうしないことには生き残っていけないのだ。
人が誰かに乱入するのはしかるべき相手が居たからであって、
その誰かが相手に楽しんでほしいと望んだからではない。
懲りるのは良いことだ。
腕の良いプレイヤーは心に一つだけ傷を持ってるもんだ。
とりあえずノルウェイの森から読んでみる
再びageてみようと思う
1973年のピンボール
2004年のKOF2003
スーパーハイウェイの森
ゲーセンの終わりとネトゲーランド
「私、ガイル使ってる人って信用しないの。ガイル使いってどこかべつの
ところでダン使ってるんじゃないかって気がするんだけど、どうなのかしら?」
「ソニックブームが好きなんだよ」と私は言った。ソニックブーム。
「ソニックブームが得意なのね、きっと」
「サマーソルトキックも好きだよ」
「待ちながらサマーソルトを出すのも得意なのね」
私は言うことがなくなったので黙って肯いた。
「どうしてなの?あらゆる戦法は不確定だから?」
ソニックブーム→サマソは強いよ、と私は頭の中でつぶやいた。
やれやれ
このスレは面白い気がする
スプーソニクの恋人
セッションの南、ポップンの西
完璧な強キャラなどといったものは存在しない。完璧な弱キャラが存在しないようにね。
「あなたのこと話してよ」と彼女が言った。
「僕のどんなこと?」
「そうねぇ・・・どんなものが嫌い?」
「糞ゲーと厨キャラとガード後の確反しかしない奴が嫌いだ」
「他には?」
「キチンとメンテしてない筐体とDQNの台蹴りが嫌いだ」
「他には?」
僕は冷めたコーヒーを意味もなくスプーンでかき混ぜながら答えた。
「オタが後ろを通るときに当たるリュックの感触かな」
彼女は黙っていた。
そんなわけで、ポップンから足を洗おうか、と考えたとき、僕は6922本目の煙草を吸っていた。
入り口があって出口がある。大抵のものはそんな風にできている。郵便ポスト
電気掃除機、動物園、ソースさし。もちろんそうでないものもある。
例えば麻雀格闘クラブ。
ゲーセンは、再就職の対極に位置していた。
だからと言って、僕はゲーセン通いを止めるわけにはいかなかった。
朝方、「かっこう」と僕は言った。薄汚いカラスの鳴き声しか返ってこない。
重い腰を上げて、僕は暗色のスーツに着替えた。行き先を考えると眩暈がした。
「やれやれ、またゲーセンか」
今でもゲーセンに行くたびに、僕は思い出す。
SVCのことを。2003年、我らが年。
オーケー、認めよう。SVCが糞ゲーだということを。
何も変わってやしない。いつだっていつだっていつだって、格ゲーの在り方は同じなのだ。
ただゲーセンが変わって、プレイする人が入れ替わっただけなのだ。
こういう意味のない糞ゲーは 、いつの時代にも存在したし、これから先も存在するのだ。
月の満ち干と同じように。
あなたはゲームだけしていればいいと思ってるの?」
と彼女が訊いた。
「君はどうもよくわかってないようだけれど、僕がゲームをするのは
他の事をする気がないからであって、やる気が出てきたなら、しないわけではない」
「じゃあ私が、仕事探しをして欲しいと望むのは間違ったことなの? たとえばあなたに?」
「いや、べつに間違っていないよ」と僕は答えた。
「まともな人間はそれを就職活動と呼ぶ。もし君が僕に職について欲しいと思うならね。
ゲーオタのシステムはまともな生活のシステムとはずいぶん違うんだよ」
「結局あなたは就職活動をする気はないのね?」
「だから君はゲーオタのシステムを−−−」
「システムなんてどうでもいいわよ!」と彼女がどなった。
彼女がどなったのを見たのはあとにも先にもこの一度きりだった。
ゲーオタよ
お前はどこにいくのだ?
世界はお前のねじを
巻かなかったのか?
ゆっくりとタバコの煙をくゆらせ、僕は「さてと」と言ってみた。
誰も相手がいなくなった対戦台に僕の声は煙のように残るはずもなく消えていく。
なんだってそうだ。残るものなんて何もない。
それでも何かを残そうとして僕らは対戦をし未来へと希望を持ったりしてみる。
オーケイ、それが人生なんだろう。僕もその列車に乗るのだろう。
僕はコンピュータが対戦相手のモニタをぼんやりと見てみる。
勝ち数ばかりが増え、誰も対戦に入らないモニタを。
「最近調子はどうなの?うかない顔をしているけど。」
彼女は尋ねた。
「悪くないよ」
僕は、Here come a new Challenger! と表示されたモニタを見ながら答えた。
「そう…」
彼女は一瞬黙った。
「ねえ、あなた本当に格ゲーを楽しんでる?」
彼女は僕の顔を覗き込むようにして言った。
「通りっこないさ。闘劇は君が考えているよりずっと人気があるし、
志願者だって何千人もいるんだよ。そんな中からどうやって32人の出場枠を
勝ち取ればいい?不可能だよ。たとえ君が強くてもさ」
「64人よ」
「64人?」
「決勝大会の出場枠よ。普通は64人かチーム戦で、鉄拳だけ32人しかいないの」
「どうしてそんなことになったんだ?」
「鉄拳は人気が無いのよ」
僕はため息をついた「悪いゲームじゃないんだけどな」
|x・)
こっそり応援。このスレは生き残ってほしいなぁ。
僕はいつものように筐体にコインを入れ、
いつものようにスタートボタンを押した。
ハメ勝とうという欲望をむき出しにした対戦相手がいた。
いつものように僕はキャラを決め、いつものようにキャラ順を決めた。
OK、認めよう。僕もデュオロンを使っていることを。
「総体としてのプレイ・スタイルを単純にタイプファイすることはできないけれど、
人のゲーム・スタイルはおおまかに言ってふたつにわけることができると思う。
完全なゲーム・スタイルと限定されたゲーム・スタイルだ。 僕はどちらかというと
限定的なゲーム・スタイルを取ってきた人間なんだ。その限定性の正当性はたいした問題じゃない。
どこかに線がなくてはならないからそこに線があるんだ。でもみんながそういうスタイルを
取るわけじゃない」
「そういうスタイルを取る人でもその線をなんとかもっと外に押し広げようと努力するものじゃないかしら?」
「そうかもしれない。でも僕はそうじゃない。みんなが勝率を上げなくちゃいけないという理由はないんだ。
まず『アルカディア』を読んで次に2ちゃんの攻略スレを読んだって、それで勝率がとくに上がる
というものではない。イメージを喚起するための手段が複雑化したにすぎない」
「あなたは頑なにすぎるんじゃないかしら?」
「彼も同じこと言ったよ」
「同じチームの人ね?」
「そう」と僕は言った。「勝利における目標が明確だと融通性が不足するんだ。ビールは?」
「ありがとう」と彼女は言った。
くだらない糞ゲー論争を持ちかけていきまいている。
僕は煙草をふかしながらそのスクロールしていく画面を眺めている。
煙草の灰が長くなり、音もなく崩れてキーボードの上に落ちた。
やれやれ、またKOF2003か。
僕は今日もゲーセンにいられることに安堵し、同時に深い哀しみを感じる。
毎年多くの新規プレーヤーがゲーセンに集い、そして去っていく。
そうしてこのゲーセンの存在は記憶の中からすっぽりと抜け落ちてしまう。
18の時つきあった女の子の顔をまったく思い出せないのと同じように。
「あなたは冷たい人間なのよ。」
「あるいは」
僕は一呼吸おいてこう続けた。
「雪男だという可能性も捨てがたいね」
「ところで、あなたの最高連勝数は?」
「3」と僕は言った。
「そりゃ少ない。」とウメハラは表情も変えずに言った。
「実に少ない。」そしてまた耳を掻いた。
「ああ、もうこれで最後だ。」
ユーフォー・キャッチャーの前で僕はまたそう思った。何度目なんだ?
もう20回は超えてそうだ。
か細いアームの動く姿。それを追う僕の目。
「もう何も考えるな。全て終わったことじゃないか」
青春の終焉をそっと迎え、無職の仲間入りをする僕がいる。
「オーケー。いいじゃないか」
そんなことをつぶやいて、残り少なくなったコインを
一気に投入した。
「ねぇ、勝てることの最大の利点ってなんだと思う?」
「わからないな」
「勝てないって言えることなのよ。たとえば私がウメハラに格ゲー
しましょうよって言うでしょ、するとウメハラはこういうの
『俺、いま調子悪くて勝てないから駄目」って。逆の立場だったら
私とてもそんなこと言えないわ。私がもし『勝てない』って言ったら、
それは本当に勝てないってことなんだもの。惨めなだけよ。
美人の女の子が『私今日はひどい顔してるから外に出たくないなぁ』
って言うのと同じね。ブスの子がそんなこと言ってごらんなさいよ、笑われるだけよ。」
明日ブクオフ逝ってくる
この巨大な蟻塚のように高度に発展した格ゲーにおいて連勝するということは
さほど困難な作業ではない。
使用キャラや対戦相手について贅沢さえ言わなければ、という事だ。もちろん。
「ねぇ、格ゲーをする上で大切なことって何かしら」
閑散としたゲーセンの中、彼女は冷めた声でつぶやいた。
「勝つための技術?いや、そんなものじゃなくてプレイモラルの方が大切かもしれないわね」
「もしくは」僕は2本目の煙草に火をつけ、無限回廊のように続くコンボを受けている
自キャラにチラリと目を向けた。
「忍耐という答えもあるような気がするね」
「ウメハラってマスターペーションするの?」
「さぁ、どうだろう」
「負ける要素などといったものはない。昇竜拳を破られない限りね。」
僕がZERO3の日米対決の決勝で戦ったあるゲーマーは撲に向かってそう言った。
僕がその本当の意味を理解できたのはずっと後のことだったが、
少なくともそれをある種の格言としてとることも可能であった。
負ける要素なんてない、と。
やはり断っておいたほうがいいと思うのだけれど、
ぼくは春麗に恋をしていた。
最初にキャラを選んだときから強く心を惹かれていたし、
それは後戻りできないできないような気持ちへと少しずつ変わっていった。
ぼくにとっては長いあいだ春麗しか存在しないのも同じだった。
当然のことながら、ぼくは何度もそんな気持ちを春麗に伝えようとした。
でもモニター内の彼女を前にするとなぜか、
自分の感情を正当な意味を含む言葉に換えることができなくなった。
もっともそれは結果的には、ぼくにとってよいことだったかもしれない。
もしぼくがうまく気持ちを伝えることができたとしても、
まわりの友人は間違いなくぼくを精神病患者だと笑い飛ばしてしまったはずだから。
「気になってしかたないの。
無限とループの違いっていったいなんだろうって。
ある人に何日か前にその質問をされて、
ずっと忘れていたんだけれど、
さあこれから寝ようと服を脱いでいるときに、突然思い出したの。
そして眠れなくなっちゃった。
あなたには説明できる?
無限とループの違いが」
音楽の鳴っている間はとにかく矢印を踏み続けるんだ。
おいらの言っていることはわかるかい?
踏むんだ。踏み続けるんだ。
何故踏むかなんて考えちゃいけない。
意味なんてことは考えちゃいけない。
意味なんてもともとないんだ。
ゲームがうまいですね。
と僕は訊いてみた。
ウメハラは頷いて片方の眉毛を動かし、
目を閉じ、それから微笑んだ。
ゲーセンに長くいたんです。
と彼は言った。
口を開くまで時間がかかる。
「完璧な待ちなどといったものは存在しない。
完璧なガイルが存在しないようにね」
「表へ出ろよ」と僕は言った。
「だって、い、い、いまどき対戦でハメ技を使うのなんて、
じょ、じょ、常識だろう」と彼は言った。
「表へ出ろ」と僕は繰り返した。
もし不知火舞というキャラに出会わなければ同人誌なんて描かなかったろう、
とまで言うつもりはない。
けれど、僕の進んだ道が今とはすっかり違ったものになっていたことも確かだと思う。
あ、あ、あ、ageてみるよ
僕は一時間、そのゲーセンでグラディウスIIのモアイ永久パターンをぼんやりと続けていた。
ちょうど一時間後に菫色の制服を着た店員がやってきて、
閉店時間だと、遠慮がちに僕に言った。僕は肯いた。
さて、と僕は思った。
就職すべき時だった。
「あなたはどちらを応援してるの?」と208が訊ねた。
「どちら?」
「つまり、1P側と2P側よ」と209。
「さあね、どうかな?わかんないね」
「どうして?」と208。
「僕はただの解説厨だからさ」
64 :
ゲームセンター名無し:04/04/08 04:29 ID:RnHzGW3b
「SP八段はバグではないんだ」
と、顎の長い男が言った。
「つまり、八段は仕様だけど、十段にもムンチャとNO.13が入っている、ということですか?」
と僕が尋ねた。男は長い顎に手をやり、ひとしきり剃り残しの感触をたしかめたあと、小さくうなずいた。
そしてNEMESISの中盤のような沈黙が訪れた。僕は曲が再開するのを待たずに、その部屋を出た。
今日は、信号機によって不自然に歪められ、早められた解禁日だった。
「タチの悪いジョークになるのかしらね」と、彼女はつぶやいた。
「何がだい?」僕は聞き返す。
「十年後の人が、カプエス1のゲームセンターステージを見たらどう思うと思う?」
彼女が何を言いたいのか、良くわからない。
「何がだい?」と僕は繰り返した。
彼女はぼくをちらと眺め、視線を戻しながら言った。
「伊勢エビキャッチャーの事よ」
68 :
ゲームセンター名無し:04/04/11 22:48 ID:EeT7Ar/V
語るべきものはあまりに多く、語り得るものはあまりに少ない。
そしてゲームは死ぬ。
一秒ごとにゲームは死んでいく。
ゲーセンで、祭りの中で、道端で、そしてデパートの屋上で、
モニターに明かりを灯したまま、ゲームは死んでいく。
お客さん、新作が来ましたよ!
そして次の瞬間、一つのゲームは死んでいる。
可哀そうに、ゲームには墓石さえもない。
ゲームは唯の基盤に戻り、その上にホコリが積もるだけだ。
報い、と人は言う、
当然のことさ、あいつは他人や自分自身をあまりに利用しすぎたんだもの。
まるで屍肉を喰うようにね。
しかもそもそも、それがゲームなのだ。
誰にそれを非難することができよう?
僕もそんな死者の列の中にいる。
そして死臭はいつまでも僕の体から去りはしない。
死臭、か。
>68-70 乙
72 :
ゲームセンター名無し:04/04/11 23:46 ID:hKSHskwd
僕が高校を出たのは九〇年代はじめの例の格ゲーブームの頃でね。
なにかといえば「波動拳!!昇龍拳!!」という時代だった。
僕もまあそんな波に呑みこまれた一人で、大学に進むことを拒否して、
何年か肉体労働をしながらゲーセンをさまよっていたんだ。
そういうのが正しい生き方だと思ってた。
うん、実にいろんなことをやったな。投げハメなんかも結構やったよ。
ま、若気の至りというかね。でも今から考えてみれば楽しい生活だったよ。
もう一度人生をやりなおすとしてもたぶん同じことをやっているだろうね。
そういうもんだよ。 (カンガルー日和・鏡より)
テクニックと勝負強さとは またべつのものだ。
テクニックというのは 独立した機能だ。
もっと正確に言えば 表層的な機能だ。
それはただの習慣であって、勝負強さとは違う。
勝負強さというのは もっと深く、もっと遠いものだ。
そしてもっと矛盾したものだ。
>>73 強い人間なんてどこにも居やしない。
巧い振りのできる人間が居るだけさ。
小説「風の歌を聴け」より
75 :
いづ ◆k3a7r2gEUA :04/04/12 10:14 ID:2zrvh6J3
2週間弱くらい旅に出ます。
戻ってきた時に残ってて欲しいので、age( ´∀`)
じゃあまた。
僕たちは会話の少ない恋人同士だったが、
その日は珍しく彼女が興奮しながら喋りかけてきたのだ。
「どんなに好きなスレでも応援と称してコテハンが流れを邪魔するのはどうかと思うのよ」
「それは興味深いね。でも、応援自体は悪くない事だと思うよ。
それに、例えこれがきっかけで問題が出るとしても、それはそうなってしまった、
というだけの事なんだ。川と海の関係に似ているかもね。」
「あなたって不思議ね。昼間私が何をやってるか、とか、そんな事は
全く気にしないのに、こんな他愛も無い話には食いつくんだから」
「そうかな」
「そうよ」
やれやれ
78 :
ゲームセンター名無し:04/04/12 20:47 ID:XY5tTN5s
「ゲームなんて嫌というほどいっぱいやった。もう要らない。
何回ゲームしたって同じだよ。やることは同じだもの」
と五反田君は少しあとで言った。
「SEGAの新ハードが欲しい。ねえ、大事なことを君に打ち明ける。
(以下傍点)僕が欲しいのはSEGAハードだけだ」
僕はぱちっと指を鳴らした。
「すごい。まるで神の言葉みたいだね。光り輝いている。記者会見をやるべきだね。
そして『私が欲しいハードはSEGAだけです』って宣言するんだ。みんな感動する。
総理大臣に表彰されるかもしれない」
「いやノーベルゲーム賞だってもらえるんじゃないかな。
なにしろ『私が欲しいハードはSEGAだけです』って
世界にむかって宣言するんだぞ。普通の人間にちょっと出来ることじゃない」
(ダンス・ダンス・ダンス 文庫本 P.190)
フロアの壁に沿って様々な種類の楽器が並んでいた。
その全ては骨董品といってもいいくらい古びたもので、大部分は打楽器だった。
タンバリンやコンガやマラカスや小型のキーボードなんかだ。
筐体のおおかたは赤く錆びつき、割れ、あるいはまったく紛失していた。
この街ではその代替品を見つけることはできないだろう。
中には僕の見たことのない楽器もあった。
まるで台形のテーブルような形をしたプラスチック製の楽器で、
王蟲の目のようなプラスチックの突起が9個並んでいた。
僕はそれを手にとってしばらく試してみたが、音はまるで出てこなかった。
小さな太鼓をいくつか並べたものもあった。専用の小さなスティックもついていたが、
それでメロディーを奏でることは不可能なようだった。
三味線に似た形の弦楽器もあったが、僕には扱いきれそうになかった。
「だったらあなたはもう一度梅原を襲撃すべきだわ」
「バグが出るのって、素敵よね」
KONMAIは僕のすぐ耳もとでしゃべっていたので、その言葉は
あたたかい湿った息と一緒に僕の体内にそっともぐりこんできた。
「どうして?」と僕は訊いた。
会社はまるで封をするように僕の唇の上に指を一本置いた。
「追及はしないで」と会社は言った。
「それから叩きもしないでね。わかった?」
僕は会社の通達と同じくらい小さくうなずくわけにはいかない。
このスレで、村上春樹が読みたくなった。
>>49同様ブックオフ行ってくる。
83 :
ゲームセンター名無し:04/04/13 04:29 ID:Nl/94mvC
『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』(下巻・35)にはゲーセンが出てくるぞ。
あれは何のゲームだろう。バトルシティー?
私が敗けないことにはゲームはいつまでたっても終わらないし、
いつまでたっても終わらないゲームになんて何の意味もないのだ。
ゲーム・センターだって困るし、私だって困る。
>82
これから楽しんでくれい
いろんな板にこれあるけどアケ版は1,2を争うスレだな
「1、2を争う名スレ?それとも1、2を争う糞スレという意味かい?」
まぁ、どちらにしても本質的には変わりはしない。
そもそもそんな事はこのスレにも、今の僕にも関係ない事だった。
そして再び僕はゲーム画面へと目を戻した。
コンパイルは現実に存在した製作会社だ。
ゲーセンではあまりぱっとしない成績のまま消滅した。
僕は何年か前にこの会社のゲームにはまった事がある。
いや、きちんと思い出そう。
はっきりとさせておこう。あれは何年前だ?
5,6年前。いや、正確に言うと5年前だ。僕はその時まだ中学生だった。
僕はある女の子と二人でデパートの屋上に行った。彼女が屋上を選んだのだ。
ぷよぷよをやってみようと彼女が言ったのだ。
ぷよぷよをやってみなくては、と彼女は言ったのだ。
もし彼女が要求しなかったら、僕はコンパイルのゲームなんてまずしなかっただろうと思う。
それはろくに、連鎖も出来ない、先に進めない、初心者には間の持たないゲームで、
僕らのほかにはプレイヤーの姿はほとんど見あたらなかった。
僕が2時間半の滞在中に隣の筐体でプレイした客は二人か三人かそれくらいだったし、
それだってぷよぷよのファンなのかどうかわかったものではない。
でもスコアを表示する画面には「AAA」以外の名前と不規則な数字があったのだから、
僕らのほかに遊んだ人はいたはずだと思う。
「ゲームの良いところはね、全部点数になって出ちまうことだね。
2エクステンドボスで全堕ち、何も残りゃしない」
鼠はそう言って、ビールを飲み干した。
「テストといっしょだよ」
「ところでお前、コナミにグラの新作出すなって忠告したんだって?」
「あたり前でしょう」
「そうだな、まぁ」
「あれはストイックなゲームですよ」と僕は17アイスをかじりがら言った。
「知ってるよ」と店員はため息をついて言った。
「今の『コンマイ』にはいささかストイックすぎる」
89 :
ゲームセンター名無し:04/04/14 01:23 ID:bcJiDG7s
僕はウメハラさんに向かって
これまでに格ゲーをして誰かをハメたことはありますか?と尋ねてみた。
ウメハラさんは何かまぶしいものでも見るように目を細めて僕の顔を見た。
『どうしてまたそんなことをお聞きになるんですか?』と彼は言った。
(レキシントンの幽霊、沈黙より)
やれやれと僕は思った。
ノルウェイの森と梅原と大貫とスト2が同世代だったなんて
いったい誰が信じるんだ?
ばがげてる。
オーケー、認めよう。それらが僕の青春だったということを。
「惨め」と彼女が言った。
「確かに」と僕は言った。
だが彼女は知らないのだ。
いまだに格ゲー最強を決めるために彼らが戦っていることを。
ボブ・デュランの歌が聞こえる。
ageてみるとしよう
今さ、イギリスでスプートニクの恋人読みながらウメ様と一緒に行動してるんだw
このスレの事思い出してはニヤニヤしてるw
たとえば叩ければかっこいいからオートバスであると考えたところで、
日常生活のレベルで一体どれほどの不都合があるだろう?
もちろんコレはかなり極端な例であって、何もかもをそんな風に
自分勝手に作り変えてしまうわけではない。
しかし、叩ければかっこいいからオートバスであるという
便宣的な考え方が、厨房が調子に乗ることによって生ずる
様々な種類の瑣末な問題−たとえば連コや回しやクラッシャーといったような
たいしてマナーもよくないできごと−をきれいさっぱりと
引き起こしてくれることもまた事実である。
ごく普通の生活を送っている人間にとってクラッシャーなどという問題に
かかわらねばならないことが一生のうちに何度あるというのだ?
(世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド エレベーター、無音、肥満より)
指が4本しかないウメハラ
95 :
ゲームセンター名無し:04/04/16 09:17 ID:gMLcFNP2
「そうじゃなくて」と僕は言った。
「そうじゃないなら一体何なの?保守をするのがそんなに悪いことかしら?」
やれやれ。まったくここはひどいインターネットだ。
保守されなかったスレはそのうち――結構な数のレスが付いているのにもかかわらず――dat落ちしてしまう事くらい僕にだってよく分かっている。
しかし何かが違うのだ。
保守。そう、保守だ。
ただ保守、と書き込むことは、この場所にはひどく不似合いなように思えるのに、
かといってそこに書き込むべき言葉がいったい何なのか、僕には見当もつかないのだ。
どうすればいい?と僕は思った。
僕は氷が溶けて薄まったオレンジ・ジュースの残りを一息に飲み干すと、静かにキーを叩いた。
『age』――いや、そうじゃないんだ。
まっノルウェイの森は基本だよな?
カフカ文庫落ちまだー?
<<80梅原再襲撃、ワラタ。
勝ちたいのなら、強キャラを使ってみればいい
「ねえ、俺たち二人でチームを組まないか? きっと何もかも上手く行くぜ。」
「手始めに何をする?」
「金最強を作ろう。」
風の歌を聴け:20P
「ねえ、俺たち二人でチームを組まないか? きっと何もかも上手く行くぜ。」
「手始めに何をする?」
「DPトップランカーを作ろう。」
「ねえ、俺たち二人でチームを組まないか? きっと何もかも上手く行くぜ。」
「手始めに何をする?」
「マジックユーザーで。」
そして再びage
「ねえウメハラ君、永久と即死コンボの違いをきちんと説明できる?」と突然僕に質問した。
「できると思うよ」と僕は言った。
「ちょっと訊きたいんだけれど、そういうのが日常生活の中で何かの役に立ってる?」
「日常生活の中で何かの役に立つということはあまりないね」と僕は言った。
「でも具体的に何かの役に立つというよりは、そういうのは物事をより系統的に捉えるための訓練になるんだと僕は思ってるけれど」
彼女はしばらくそれについて真剣な顔つきで考えこんでいた。「あなたって偉いのね」
age
ageとく
108 :
ゲームセンター名無し:04/04/27 00:21 ID:hsZjftLm
age
そしてある日、店へ向かう自転車の上で、この時間、この街さえもが突然そのリアリティを失いはじめる。
……そう、あそこは僕の場所ではない。
仲間はいつか消え去り、夢は遠く崩れ去るだろう。
あるいは、もう、すでに。
あの永遠に続くようにも思えた対戦格闘の熱狂が何処かで消え失せてしまったように。
何もかもが亡び、姿を消したあとに残るものは、おそらく冷たい筐体とブラウン管の闇だけだろう。
過ぎた日々‥‥‥。
日々というものは、あの流離の挌闘家が呟くように、どれほどの時間をかけても失うのは一瞬でしかないのかもしれない。
おそらく、どこにも残るものなどないのだ。
それでも僕はかつての1プレイヤーとしてのささやかな誇りをコーヒーと共に飲み干し、
河原の石段から腰を上げ、夕焼けの砂利道をいつか姿を現わすかもしれない挑戦者のために走ろう。
そして人ごみに囲まれた二台の筐体を想い、あの歓声に満ちた店内を想いだそう。
だからもう何も恐れるまい。
シューターが弾幕を恐れぬように、パーフェクトを破られた者が傷つくことを恐れぬように。
もし、もしそれが本当にかなうものなら‥‥‥
友よ、
友よ、あの時間はあまりに遠い。
遥かな日々、想いを胸に、この場所で君を待とうか。
112 :
ゲームセンター名無し:04/04/29 02:57 ID:KRuTpUQF
感動した
蛍光灯の光がさす色化けした画面端。
将来の分岐点にしては、あまりにもチープだ。
これから僕は百数十の選択を迫られるわけだが、悲しいことに、どれも5つの選択肢しかない。
なぜ2つや3つじゃ駄目なのだろう?
人生で選択肢が5つもあったことなんて、あったためしがないのに…。
「ギィィィ」
ネジを巻く鳥が、どこかで鳴いた気がした。
「ほら、このコンポだよ、あの格ゲーのと同じコマンド入力だろう?」
「そ、そうだな。たしかにそうだな。気がつ、つかなかった」
「だからさ」と僕は椅子の上に腰を下ろして言った。
「その入力を飛ばせば良いんだよ。その技をださなければ効率よく最後まで繋がるんじゃないかな」
「駄目だよ」と彼はあっさりと言った。
「この技だけ抜かすってわけにはいかないんだよ。
10年も毎日毎日やってるからさ、やり始めると、む、無意識に全部入力しちゃうんだ。
一つでも技を抜かそうとするとさ、う、う、腕が動かなくなっちゃう」
>>114
うまい!
今でもゲーセンに行くたびに、僕は思い出す。
2000円札のことを。
2000年、我らが年。
オーケー、認めよう。
よく使う両替機が未だに新500円を拒むいうことを。
俺はゲームについての多くをSNKに学んだ。
殆ど全部、というべきかもしれない。
不幸なことにSNK自身は全ての意味で不毛な製作会社であった。
見ればわかる。画面は粗く、制作期間は短く、ゲームはワンパターンだった。
しかしそれにもかかわらず、この会社は過去の遺産を武器としてゲームをつくることができる、
数少ない非凡な製作会社の一つでもあった。
カプコン、ナムコ、そういった同時代の会社に伍しても、
SNKのその戦闘的なモチベーションは決して劣るものではないだろう、と俺は思う。
ただ残念なことにSNKは最後まで自分の製作スタイルがファンに飽きられている事を理解することはできなかった。
結局のところ、不毛であるということはそういったものなのだ。
「たぶん対戦に勝つのって思っているより簡単なことだと思うな」
「勝ち方にもよるだろうね」
「簡単よ。だって一回攻撃を当てたら、後は逃げ続けるだけだもの。
何もしなくていいんだもの。
ねえ想像してみなさいよ。
レバーはしっかり握っているのにゲームに飢えて乾いて、じわじわと時間を干されていくのってものすごく辛いわよ。
そんなにアッサリとは死ねないわよ」
「そうだろうね」と僕は言った。
「ねえ、あなた本当には信じていないでしょう。
私にそんな残酷なことなんて実際にできるわけないと思っているでしょう」
「僕にはわからないよ。君にそういうことができると信じているわけでもないし、できないと信じているわけでもない。
対戦ではどんなことだって起こる可能性がある。そう思うよ」
「私は可能性の話なんかしてるんじゃないのよ」と彼女はものすごく冷たい声で言った。
「あのね、今ちょっと思いついたんだけど、いい考えがあるわ。せっかくこの店に勝利を求めて来たんだから、
あなたがもっと勝てるようにしてあげましょうか?」
「どんな風に?」と僕は質問してみた。
「こんな風に」と彼女は言った。そしてわずかだけ残っていた選択時間で、とあるキャラにレバーを止めた。
そのようにして、次から僕は中国風の少年を使っていた。
ユンのことかー!
121 :
ゲームセンター名無し:04/05/02 01:49 ID:hDQMqeDw
タイフォンだと思った。
良スレ
ネタ探そっと
>>120-121 まぁ時期的にタイフォンかと。ユンはタイフォンほど圧倒的じゃなかった気がする。
「こいつはいいゲームなんだが」彼は冷たい声で言った。
まるで倉庫に何年も眠り続けた基盤が起動したときの様な、寒々しい冷たい声だった。
「今の僕にとってこれは何の存在意義もないんだ。「無」なんだ。
なぁ世界中でこれだけ空虚な関係ってあるんだろうか。
何度やっても全く先に進む事が出来ないんだ」
確かにその通りだった。彼とそのゲームは既に、もうとり返しがつかないほどねじれ、ひねくり返った関係にあった。
「ねじれの位置」と彼は言った。
「中学の幾何で習ったよ。これと僕は、つまりねじれの位置にあるんだ」
この言葉は、彼とそのゲームの半年間の関係に終止符を打った。
攻略を諦めたた男が―――たとえ自分で別れを望んだのだとしても―――
少なくとも3日間は姿を見せないというのは、この店での揺るぎ無い定説だった。
それは、黒い胴着なら勝率が上がるとか、逆に桃色なら圧倒的に下がるとかいうのと同じ、自然の摂理だった。
そして彼はもちろんその自然の摂理に従ったし、あえてその摂理に反しようとも思わなかった。
ひっそりと
そのGW最終日の夜にはばたばたといろんなことが起こった。奇妙な日だった。
ポップンの筐体のすぐ近くで喧嘩があって、
僕らはDDRの台にのぼってそれを動画で撮り、
そしてなんとなく警察に同行した。
そんな風に言ってしまうと馬鹿みたいだけど、物事は実にそのとおりに進行したのだ。
今全部読んだ
33.109.117
がツボだった。
ノルウェイとダンス(80円)買ってきた。読みふけまつ
でもウメハラは遅かれ早かれいつかは消えるはずのものだったんだ。
俺や君や、それからいろんなプレイヤーたちの中で何かが消えて行ったようにね。
しかし、それでもやはり新しいキャラクターを使うという段になると、いつも絶望的な気分に襲われることになった。
僕が扱える領域はあまりにも限られたものだったからだ。
例えば近年退学した万年学生は使えても、暴力嫌いのバンドマンは使えないかもしれない。
結局は、そういうことだ。
それは、そう、よくあるいつもの事だったのに。
「あなたはなんで」
「仕方ないだろう、僕はこれしか無理なんだ」
「でも、でもなんで。私はCサガットなのよ。あなたがKグル使ったら
上デヨを振れなくなっちゃうじゃないの」
「わかってるよ」
「上デヨはJDすれば逆にKサガットの上デヨが反確なのよ。
あのサガットの大Pなのよ。それを、それをなんで。反確なんて。」
またか、僕は深くため息をついた。そんな事はわかっているのに。
「なんで、なんでなのよ」と彼女。
「噛み合わないもんだよな」と僕。
突撃隊ウメハラ
「入っていいかな?」
「どうぞ」と僕は言った。他に言いようもない。
彼は隣の筐体に腰を下ろすと、ポケットから煙草とライターを取り出し、火を点けるでもなくテーブルの上に置いた。
「調子はどうだい?」
「良くも悪くも無いよ」
僕はそれ以上技を続けるのを放棄してあっさりとそう告白した。
「悪いけどいつもそうなんだ。波があるほど自分が強いとは思えない」
「昔のことを忘れたがってるんだよ、それは。毎日同じなんて、ありえないはずなのに、ね」
「そうかもしれない」と僕は認めた。
たしかに そうかもしれない。
たとえば具体的に言うと、目の前に座っている誰かのことを
「ああ、この人立ち回りならよく知っている。いちいち考えるまでもないや。大丈夫」
と思って乱入してみると、わたしは(あるいはあなたは)手ひどい裏切りにあうことになるかもしれない。
私たちがもうたっぷり知っていると思っているゲームの裏には、わたしたちが知らないことが同じくらいたくさん潜んでいるのだ。
- 理解というものは、つねに誤解の総体に過ぎない -
それが(ここだけの話だけれど)わたしのささやかな世界認識の方法である。