★仝 ゲーセンで起きたちょっといい話スレ 第4章 仝★
俺が工房だった頃の話
田舎の地に一緒に暮らしてる俺のばあちゃんは、いつも
「死ぬ前に一度は東京に行ってみたい」と洩らしていた。
ある日、おかんから「ばあちゃんを東京に連れていってあげよう」と持ちかけられた。
丁度その頃、自分は秋休み期間(うちの学校は2学期制で、中間試験終了後に一週間くらいの休業期間があった)ので、
折角の機会なので同行する事にした。
夜行列車に乗っていざ一泊二日の東京見物だ。
初めて東京に来たばあちゃんはそれはもう喜んでて、色んな名所を歩き回った。
俺もおかんも、活き活きとしたばあちゃんを見れて嬉しかった。
そんな東京見物もあっという間で、とうとう帰る時間に・・・
東京駅内でお土産を無事購入し、適当に三人で時間を潰していたら、
一角にゲームコーナーを発見した。そこにあったのは・・・
drum mania 5th mixだった
帰りの列車の時間にまだ余裕があったので、
「ばあちゃん!俺これやってあげるから見てて!」と、意気揚々とプレイ
邦楽を中心にプレイしていき、クラパシリーズもこなす。
ばあちゃんは、家でよくクラシックを聴いてたので、
「あ、この曲知ってるわぁ」と大はしゃぎだ。
(続く)
一通りやり終えた後、エキストラでSを出し、いよいよアンコールステージ「子供の落書き帳」ADV・・・
俺「今からやる曲は、ばあちゃんのお気に入りの『主よ、人の望みの喜びを』のアレンジ曲だからよく聴いててね!」
ばあちゃん「わぁ〜、それは楽しみだねぇ」
しかし、当時の自分の腕ではこの曲のADVでも難しく、クリア出来ない割合の方が多かった。
いつしか、後ろには大勢のギャラリーも・・・
俺(落とすわけにはいかない・・・!絶対クリアしてやる!)
前半部分はなんとか乗り切り、フルゲージで後半に突入。よし、いける!
しかし、乱打地帯で痛恨のミス。そこから一気に崩れてしまい、終盤のタム連打で
STAGE FAILED...
俺(・・・しまった・・・・)
俺(ばあちゃんに、最後まで聴かせてあげる事が・・・出来なかった・・・)
俺(後もう少しだったのに・・・畜生!)
ばあちゃんへの申し訳無さと、自分の未熟さに泣きそうになった。
ギャラリーからも「あ〜あ・・・」「惜しいな・・・」等の落胆の声が聞こえる中、
ただ一人、精一杯の拍手を送る人物が・・・・
ばあちゃんだった
(続く)
ばあちゃん「うわぁ〜すごい上手ね〜、感動したわ〜」
・・・どうやらばあちゃんは、「曲の終了=ゲームオーバー」という事に気付いて無いらしく、
俺が普通に演奏しきったものだと思ってたらしい。
周りの視線をよそに感嘆の声をあげるばあちゃん・・・
ばあちゃん「よく腕をそんなに速く動かせるねぇ〜、上手いもんだわ〜」
俺「・・・・・でしょ!?俺、この曲結構練習したんだから!(笑」
ばあちゃん「いや〜、これで思い残す事はないわぁ〜」
俺「何言ってんのさ!また今度一緒に東京行こうよ!さっきの曲またやってあげるからさ!」
ばあちゃん「そうねぇ、それまで長生きしないとねぇ(笑」
おかん「そろそろ電車の時間よ〜」
俺&ばあちゃん「は〜い(笑」
・・・そんな俺でも、今ではなんとかSP10xxまで上達できた。
今度、ばあちゃんと東京旅行に行く時は、EXTでクリアしようと思う。
(終)
徹夜明けの状態で文章打ったので、誤字脱字等あったらごめんなさい・・・