〜物語〜
手遅れだった。何もかもが遅かった。廃虚と化したスレッドを、
>>1は感情の無い瞳で見詰めていた。
珍しいPCの故障の為、修復に時間を費やしていた。ほんの数日の留守。ブラウザを開いたときから
この前立てたスレッドの不安を察し、
>>1は検索を急いだが―――手遅れだった。
「ドキュメントの検索が完了しました。」
>>1は過去ログ倉庫に向かって再び検索してみる。過去ログの間を、たったひとつの一桁、レス数(3)
のスレがヒットした。スレを開き、
>>1は「2」「相手が弱いだけ」という2つだけのレスに涙した。
良い思い出は無い。幼くして家族は疎遠となり、友も無く、人々に疎んじられ――それでも、楽しめる
ものはたった一つ。スレの廃虚跡を瞳に焼き付けて以来、初めて
>>1は自らの意思で2chから身を引く
ことを決意した。「……鬱だ氏のう」ギシギシアンアンという音が、流れてくる。それは、隣のアパート部屋から。
〜設定〜
生まれつき頭が弱く、現代社会の支配者になるべく奮闘した。しかしその低過ぎる知能ゆえに人々から
疎んじられ、
>>1は徐々に笑顔を忘れていった。唯一の友達――むしろ家族、といえるのは、物心ついた
ころから行動をともにするインターネットの2ch。引きこもるばかりの人生を開花させた
>>1は、若くしてコ
テハンを名乗り、邪なる駄スレ立てを生業とする。