もうなんか叩いてる連中見てると不快だ。過去ログ倉庫はお前らのために作ったわけじゃないだろ?
うざいだけで読む気にもならないよ。クズ共の野次レベルの書き込みなんてね。
やっぱりさ、擁護してる(してんのか?)連中もさ、まずは言おうよ「おつかれ。」って。
めざわりな書き込みで埋め尽くされた以前みたいな事態招くのはごめんだ。
ようはさ、礼儀と立場を弁えた住人が必要なんだよ。叩きは消えろ。来ても放置してあげるけど(w
うるさい議論も、そういう人だけで行えばきっと意義のある物に変わるよ。
ぜったいに。だからさ、前向きな連中でこのスレの流れを変えようぜ。
ありえないだろ、このスレのために容量削って作られたものにこんな反応しか出ないのは。
とにかく、こんな事でレス消費はまっぴらなんだよ。俺は仕方が無くやってるけど!
はぁ。もうめんどくさいからやめた。もう寝る。明日からまたマターリ投下待ちしようぜ。
職人が来にくい殺伐とした空間はもう終わりにしようよ、真面目に。
人
待
ち
>137
最後まで作れヘタレ
もうなんか叩いてる連中見てると不快だ。過去ログ倉庫はお前らのために作ったわけじゃないだろ?
うざいだけで読む気にもならないよ。クズ共の野次レベルの書き込みなんてね。
やっぱりさ、擁護してる(してんのか?)連中もさ、まずは言おうよ「おつかれ。」って。
めざわりな書き込みで埋め尽くされた以前みたいな事態招くのはごめんだ。
ようはさ、礼儀と立場を弁えた住人が必要なんだよ。叩きは消えろ。来ても放置してあげるけど(w
うるさい議論も、そういう人だけで行えばきっと意義のある物に変わるよ。
ぜったいに。だからさ、前向きな連中でこのスレの流れを変えようぜ。
ありえないだろ、このスレのために容量削って作られたものにこんな反応しか出ないのは。
とにかく、こんな事でレス消費はまっぴらなんだよ。俺は仕方が無くやってるけど!
はぁ…なんかこのままだとこのスレに職人もう来ない気がしてきた。
職人が来にくい殺伐とした空間はもう終わりにしようよ、真面目に。
人間なんだからさ、職人も。叩かれると見切れる所には書かないって。
待ってたって何も始まらないよ?ROMも書き込んで、スレを盛り上げようぜ。
ちなみに、俺はこのスレ毎日チェックしてるよ。これからは何か書き込んだりするつもりだ。
ヾ(≧∇≦ )ブハハハ!ヾ(≧∇≦)ノブハハハ!( ≧∇≦)ノブハハハ!
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ヾ(≧∇≦ )ブハハハ!ヾ(≧∇≦)ノブハハハ!( ≧∇≦)ノブハハハ!
シロたんてさぁ、2chには向いてないと思うんだよね。
何度も何度も同じこと注意されても全然理解してないっぽいし
過度な馴れ合いが嫌いな2chねらに対して、空気読めない構って厨だし
なんつーか、素で敵を作る性格っていうの?そういうつもりは無いんだろうけど。
自分のサイト作ったみたいだし、BBSチラっと見たけど
同盟からお客さんもボチボチ来てるみたいだし
もう作品うpとかは自サイトで全てやってもいいんじゃないの?
見たい人はこのスレのリンクから飛ぶなり、ブクマするなりするでしょうし。
これ以上敵を増やしながら2chに居座るのもなんだかなぁと思うんですがね。
厨槍が出来上がりそうだよな。
いや、槍は厨だけど、それとは違うベクトルの厨と言うか。
ただ2chに片足浸かった人なんて、良識のある人(2cher含む)からは好かれないだろうね。
外に2ch臭出すのを恥ずかしいと思わない厨房どもには好かれるだろうけどね。
>141
同意。2ch全体とは言わないが少なくともここは敵が多い以上、彼はもう来る必要は無いと思う。
ここがSS公開の場だと仮定すれば自分のサイトがあるわけだし、アクセスもそれなりにある。
ここが力試しや才能を育てる場であるとしても、結構な技能はあるんだから。
それに、嫌われ者になるのは馴れてる人間以外には辛すぎるものがあるよ?
槍は自分が厨と自覚している厨
シロは無自覚の天然厨
さて、今後どうするかはShiroの自由だが
このまま居座っても叩きは残るだろうし、Shiroが好きな人はそれを見るのも嫌だろう。
スレも荒れるだけ。
引っ込むにしても、いちいち「うpしますた」なんて報告に来れば
サイト閉鎖したセリカスレの彼女みたいに
「いちいち宣伝Uzeeeeee!!」となるだろうと事前に忠告しておくよ。
ああ、そういえば死漏って絵師もいたなぁ。読み方が似てるのは実に皮肉だ。
で、過去ログ倉庫はどーなんだ?彼が去るなら倉庫も消すべきだと思うが。
追い出した上で「倉庫整理やれ」はあんまりだしさぁ。
>147
死漏じゃない、死汁。「し」しか似てないって。
149 :
147:03/04/06 22:24 ID:???
逝ってくる…Λ‖Λ
>149
藻前カワイイ
151 :
ゲームセンター名無し:03/04/08 09:44 ID:cvQ8YOwJ
>149
藻前カワイイ
Shiroタン、乙〜
そしてまたmurmur投下。ちょっとでもスレ活性化のお手伝いになればと。
-------------------------------------------------------------
画用紙を横切る一本の線。まりは、それを水色と青に塗ったものと、オレンジ色と赤に
塗ったものに分けた。二色の長方形が上下に並んだとしか言いようのない絵に、ちひろが
首を傾げる。
「それは何?」
「こっちは、この間海で見た水平線。こっちは図鑑で見た地平線」
「水平線が青いのは分るけど、何で地平線がオレンジと赤なのさ」
「だって図鑑に載ってたんだもん」
唇を尖らしながら、まりが大きな図鑑を開く。何度も見たページらしく、地平線に沈む
太陽の写真のページはすぐに開いた。
「ね、赤とオレンジでしょ」
「そりゃそうだけど」
地平線がどういうものかまりに説明しようとして、ちひろはすぐにその考えを放棄した。
ちひろも、図鑑でしか地平線を見たことがなかったし、見てもいないものを見たように説明
するのは気が進まない。
「水平線は見れたけど、地平線はまだ図鑑でしか知らないから見てみたい。どこへ行けば見
れると思う? 一番高いマンションの屋上に行けば見れると思う?」
「高いとこに昇っても地平線は見えないよ。地面の他は何にもないとこへ行かないと。海が
丸ごと地面になったような、そんな広いところじゃないとね」
ちひろの言葉を聞いて、まりががっくりと肩を落とした。持っていたオレンジ色のクレヨン
を指で弾く。
「それじゃ、蟻にならないと無理だわ」
まりが、地平線を描いた絵を机の前に貼っているのを見て、ちひろはしばらく考え続けた。
親にも訊いてはみたが、現実味のない場所の名前が返ってくるばかりで、ちひろがまりを
連れて行けるような場所は聞き出せなかった。
大きな団地の屋上ならどうだろうか? 目の下に画用紙を地面と平行するように置いてみ
るとか? 様々な代替案がちひろの頭に浮かんでいっては、沈んでいった。
やがて、まりがちひろに地平線を見てみたいと言ったことも忘れた頃、ちひろが唐突に
まりの名を呼んだ。まりが見たちひろは泥だらけで、手も少しすりむいていた。自転車ごと
どこかで転んだらしく、自転車の泥除けやタイヤもひどく汚れていたが、ちひろはそんなこと
どうでもいいからと、まりを自転車のステップに乗せてこぎ出した。たった今帰ってきた
ばかりだというのに、ちひろはただ急ぐばかりで、まりが何度行き先や理由を尋ねても「見つけ
たんだ」と言うだけで、具体的な答えは返さなかった。
「どこまで行くの? 暗くなる前に帰らないと、夕ご飯が食べられなくなるよ」
「だったらもっと急がないと! 夕陽が沈みきっちゃう前に行かないと!」
「どこへ行くのかだけでも教えてよ」
「行けばわかるよ!」
坂道を二人で自転車を押して上がり、近道に団地の中を通り抜け、歩道のない道を歩いて、
ちひろはようやく橋の下で自転車を止めた。
まりには見覚えのない川だった。大きな橋の下は芝生になっていて、ところどころにベンチ
が設けてある。芝生の広場は川を取り囲んでいて、更に広場は高い土手に囲まれていた。広場
から見ると、土手の上を走る車の屋根が少し見えるだけになる。
「ここに何を見つけたの?」
「いいから、いいから。ここに寝転がってみなよ。ちょっと服が汚れるけどさ」
怪訝そうに顔を歪めながらも、好奇心には勝てず、まりはちひろに言われるまま、土手に
もたれるようにして横になった。その口が、大きく丸く開かれる。
まりの目に映ったのは、少し伸びた雑草が覆う地面と、視界を真横に分断するオレンジ色の
一閃、そしてその向こうにある灼熱色の夕陽だった。急な斜面の土手を真下から見上げている
ため、土手の上を走る車も、川沿いにある広場も目に入らない。ただ、視界いっぱいの地面が、
オレンジ色の光に横断されてぷっつりと終わり、代わりに濃さを増していく夕焼け空が広がって
いる。まるで、自分の額へ隠れていくように沈む太陽を目で追っていくうちに、オレンジ色の光は
薄い青紫になり、やがて地面の影がそれに代わっていく。薄暗い空と、影絵を思わせる地面の
コントラストは、目に焼きついたオレンジ色が強烈だからこそ、一層青く暗く見えた。
「偶然だよ、偶然自転車で転んで土手を滑り落ちたんだよ。そしたら見つけたんだよ、本物じゃ
ないけどさ」
まりは無言だった。
もう陽は沈みきっており、光景は何も変わらないが、まりはずっとちひろが見つけてくれた「地
平線」を飽きることなく見つめていた。
そんなまりの横顔を見て、ちひろは満足そうに小さく頷いた。
終わり。
155 :
ゲームセンター名無し:03/04/09 23:35 ID:ux5P8rHD
アギャ
だからキモいからageるなや
>>152-154 投下、お疲れです。
「幼い子供」が考えてしまうような疑問に、彼らが「幼い子供」なりの答えを探し出す…
そんな「子供の世界」の様な雰囲気が面白かったですよ。
ただ、何故「地平線」がテーマなのでしょうか。murmurのムービーにありましたっけ?
>>156 どうでもいいことに反応する前にSSに反応汁
>157
子供の視点を前面に押し出したかったんで嬉しいお言葉でつ。ありがd
地平線は、ムービーの原っぱを見て連想しますた。
ほ
も
牛
肉
骨
ぬるぽ
( ・∀・) | | ガッ
と ) | |
Y /ノ 人
/ ) < >__Λ∩
_/し' //. V` A´)/ ←
>>164 (_フ彡 /
166 :
山崎渉:03/04/17 16:03 ID:???
(^^)
167 :
山岡晃:03/04/19 17:57 ID:???
(笑)
(`ω´)
(((´ー`)))
170 :
山崎渉:03/04/20 01:04 ID:???
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
171 :
山崎渉:03/04/20 03:03 ID:???
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
172 :
山崎渉:03/04/20 07:19 ID:???
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
173 :
74:03/04/20 22:35 ID:???
名無しでがんがるとは言ったが、ややこしくなるといけないので一応74で
固定することにしますた。
――――うっ、ひっく……
この子は…誰?
――――怖かったよ…ひとりぼっちはやだよ……
何故この子は泣いてるの?
――――…ちゃん、ここどこ?…お姉ちゃん…
お姉ちゃん…私のこと?
「 」
174 :
74:03/04/20 22:36 ID:???
窓から差し込む光。
白く透明に濁った日差しに瞼を刺され、眠りから覚めた。
頭が酷く重い。
「……夢…?」
ぐらつく頭を振り、さっきまでの掠れた記憶を懸命に辿る。
思い出そうとすればするほど遠のいていく。
遥か時を遡った、幼い頃の曖昧で頼りない追憶。
記憶かどうかも怪しくて、本当にただの幻想なのかもしれない。
なお閉じようとする瞼をこすりこじ開けると、
酷くやるせない感覚に襲われた。
突如、ベッドの傍らのサイドテーブルに置かれた携帯が
バイブとともに鳴り響いた。
夢から覚めても覚めきれていない浮遊感を、一気に吹っ切るように。
『おはよう。最近詰め込みすぎなんじゃないか?
余計なお世話かもしれないけど…
良かったら気晴らしに展望台にでも行かないか?』
心地よい安堵感。
知らず笑みがこぼれる。
士朗はいつも、自分が沈んでいるときや、こうしてどうしようもない
やるせなさとか憂鬱感に陥ったとき、こうしてメールや電話をくれる。
お互い知るはずもないそれぞれの生活でも、共有し合っているようで
胸が安らいだ。
這いつくばって寝こんでいた気持ちが、徐々に起きあがり飛び跳ね始める。
夢のことは心に仕舞っておこう。
考えても仕方ないこと、どうしようもないこともある。
そうやってずっと強かに一人で生きてきた。
ただ一つ、上京してから前向きになれた自分と、
周囲が嬉しくて、温かかった。
準備を済ませ、エリカは家を後にした。
175 :
74:03/04/20 22:37 ID:???
(…えーと、この電車でいいんだっけ?)
待ち合わせの場所に向かうため、時刻の確認をしていると、ふと、
視界に一人の少女が映った。
ホームに一人、俯いて頼りなくどこへ行くとも無くさまよい歩いていた。
忙しなく通りすがって行く人々の波に揉まれながら、
埋もれそうな体を必死に保とうとしていた。
(…迷子…かな?)
昔から世話を焼きたがる性分のエリカには、
そのまま見過ごすことはできなかった。
その少女に歩みより、声をかける。
「どうしたの?ママとはぐれちゃったの?」
なるべく怖がらせないように、腰を折り目線を合わせできるだけ
優しい笑顔を作った。
少女は色素の薄い長い髪を上の方で二つに結び、
大きく丸い目を涙で濡らしていた。
「……うっ…うえーん…ひっく…」
今まで必死にこらえていたのであろう嗚咽を、
安心感からか一気に吐き出すように漏らした。
急に大声で泣き叫ぶものだから、周囲の注目を一気に浴びてエリカは
慌ててなだめる。
「よしよし、もう大丈夫だから。お姉ちゃんが一緒に探してあげる!
だから泣かないで、ね?」
少女の頭を優しくなで、首を傾げて微笑むと、少女も同じように微笑んだ。
「…うん!」
176 :
74:03/04/20 22:38 ID:???
―――……あれ?
少女の満面の笑みに、一瞬かすった既視感。
記憶の隅で静かに、同じように笑う少女が自分を見上げている。
―――大丈夫、お姉ちゃんがちゃんと連れて帰るから!
ほら、泣かないで、…「 」!…―――
ツインテールを揺らし、顔がぼやけた記憶の少女はたしかに笑っていた。
自らの口で呼んだはずのその名は寸前で途切れた。
「……ちゃん、おねえちゃん?」
目の前の少女の呼びかけにはっと我に帰る。
「…ご、ごめんごめん!さ、ママ探しに行こっか!」
妙な胸の突っかかりと、霧がかかった記憶の視界は未だ晴れぬまま、
少し引きつった笑顔は傍目に寂しげだった。
177 :
74:03/04/20 22:39 ID:???
「本当に、ありがとうございました」
しきりに頭を下げて礼の言葉を繰り返す少女の母親は、
とても優しげな表情をしていた。
その母親の手をしっかり握り締める少女の手は、小さくて、儚くて。
それでもそこに宿る熱は尊くすら思えた。
「いいえ…でも、本当に良かったです、見つかって」
遠慮がちに、少し困ったような笑顔で返すと、母親はなお優しく微笑み、
もう一度だけ頭を下げた。
「おねえちゃん、ありがとう!」
小さな手を力一杯振って去っていく少女に、小さく手を振って返す。
178 :
74:03/04/20 22:40 ID:???
「…あっ、いっけない!士朗との約束の時間もう過ぎてるよ!」
待ちくたびれているであろう士朗に心の中であやまり、
足早に階段を駆け登る。
179 :
74:03/04/20 22:41 ID:???
遠く見えるベンチに、士朗は座っていた。
息を切らして駆け寄ると、士朗はこっちに気付いて軽く手を上げる。
「ごっ、ごめんねっ!待ったよね?ほんとにごめんねっ!」
士朗の前に来るなり、息も切れ切れに顔の前で手を合わせて必死に謝る。
「ちょっと、なんてゆーか…準備に手間取っちゃって…ごめんね」
士朗の顔を見たら、さっきの「迷子」の件は言えなかった。
色々な物事が重なって、胸が詰まって、
頭が階段を転げ落ちるようにグルグルと廻って、何も言えなかった。
俯いて黙り込んでしまったエリカの頭に、ポン、と大きな手が置かれた。
「そんなあやまんなくても、気にすんな。俺も今来たばっかだから」
見上げると、穏やかな笑みの士朗と目が合った。
「俺もちょっと急だったしな。…ほら、行くぞ」
「……うん!」
士朗に手を引かれ、おもむろに歩き出す。
どうでもいい感傷が、瞳を濡らした。
180 :
74:03/04/20 22:42 ID:???
展望台につくと、街の景色が視界一杯に映った。
頭で飲みこむでもなく、ただ肌で感じるだけで精一杯で、
その景色がいやに眩しくて。
空は憎たらしいほどの快晴で、雲一つない。
ただそこに在る青は、今のエリカにはひどく残酷に思えて、
見つめることしかできなかった。
ぼんやりと、食い入るように景色を見下ろしていたエリカの横顔を
眺めていた士朗が不意に声をかける。
「…なんかあったんだろ。話してみろよ」
「…え……」
突然の問いかけに、言葉が詰まる。
何もかも見透かされているようで、やっぱり何も言えなくなる。
当の自分よりも真剣な眼差しでじっとこちらを見ている士朗は、
気付けばいつも自分の隣にいた気がする。
でも今は、本当に何があったわけでもない。
ただの自分よがりな思いこみと、どうでもいい感傷にひたっていただけ。
だから今、この澄みきった空が少し羨ましかっただけ。
「…うん、ありがと。でも今はホントに何もないから。
大丈夫。…でも…」
「…ん?」
181 :
74:03/04/20 22:43 ID:???
「ねえ士朗。
……あたしの妹…見つかるかな?」
手摺りを握る力が少しだけ強くなる。
士朗はエリカから街のほうへと視線を向け、しばし黙っていた。
「…どうだろうな」
士朗から返って来た言葉に、少し胸がちくりと痛んだ。
別にどんな言葉を期待していたわけでもない。
慰めて欲しいとか、嘘でも見つかる、と言って欲しかったわけでもない。
ただ、ありのままの士朗の、士朗にしかない言葉を聞きたかった。
「俺には絶対に見つかる、なんて確信のないことは言えない。
…でも、見つからない、とも言えない」
エリカは士朗の言葉を一つ一つ黙って聞いていた。
「だから、俺は信じてる。エリカが探してる限り、俺は会えるって信じてる。
これだけは、絶対だ」
さっきと同じ眼差しで、エリカを見つめる。
「…うん、ありがとう。あたしも…あたしも、士朗のこと信じてる!」
士朗が信じてくれている限り、自分も諦めない、そう誓った。
信頼と、自分自信の意思を決して曲げたくない。
二人で、階段を上り下りして、その先に見つかるものが何であったとしても、
絶対に。
せめて、この空のように霧が晴れるまで。
182 :
74:03/04/20 22:44 ID:???
―――お姉ちゃん、ちゃんと帰ってこれたね!
もう大丈夫。私はいつだって側にいるから。
遠くから小走りに駆け寄ってくるセリカに、大きく手を振る。
「セリカ、遅いぞー!」
「ごめんごめん、ちょっとね!」
いつかの自分と同じように、両手を顔の前で合わせて謝る。
「セリカはすぐ迷子になるからなー。目放せないよ」
「あたしは昔から方向音痴なの!それに、迷子になってもちゃんとエリカが
迎えに来てくれるもんねー!頼りにしてるんだから!」
にっ、と歯を見せて悪びれもせず無邪気に笑う。
「まったくもー!ほら、行こ!「セリカ」!」
記憶の隅で、少女は確かに笑っていた。
>>174ー182
関係無いかもしれないけど、
小説スレで「エリカが生き別れの妹に会いたいと思う」関連の話は、
確か4作ほどあったと思いますが、それぞれのエリカを見比べると、結構面白いです。
妹に会いたいと思いながら「落ちこんでもいられない」と思う気持ち、
迷子の(どことなく生き別れの妹を彷彿とさせる)少女を助ける「お姉ちゃん」らしさ
これらの健気な部分と、
士朗(男性)の前では「どことなく縋りたくなってしまう」と思う弱々しい部分
エリカをその女性らしい2面で綺麗に纏めているのがとても良かったです。
ばーか
保守!!
なんでこのスレこんなんなったんだろうな