bemani長編・漫才・二次創作総合スレッド -5th-
>>296-297の続き。山岡ネタで一旦オチがついたのを無理やりシリアスに持っていくという強引な展開ですが。
第2話:電波とアート
KAKKI「チョキンザンダカヲオマエガオシエタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」
KAKKI、開発室をひとしきり走り回った後、あっけにとられたKAGEとVJ GYOの前にちょこんと座る。
VJ GYO「か…KAKKI、撮影はどうだった?」
KAKKI「なんか、もう、すごくて(笑)
初めの方は淡々とやってたんですけど、テンションが上がってきたら
みんな跳んだりはねたり笑ったり泣いたり、山岡さんなんて
『揚げパンとラッパズボンの狭間で揺れるオタマジャクシが、見たいんだー!』
とか叫んでたり、ダンサーの人とか、うっ、うぅっ…」
KAGE「どうした? 大丈夫?」
KAKKI「ポチが、ポチがぁぁぁっ…、死んじゃったのぉぉぉっ…!
あたしが、あたしが散歩の途中で目を離さなければ…
あたしが悪いの、あたしのせいよぉぉぉっ…(号泣)」
VJ GYO「落ち着いて! KAKKI…」
KAGE「と、とりあえず応接室のソファーで少し休ませてあげようや。」
KAKKI「うぅっ、うぅぅっ…」
GOLI「大丈夫ですかね。」
KAGE「ずいぶん興奮してるみたいだな。言ってることも半分は意味不明だし…。」
GOLI「一体どんな撮影だったんでしょうね。こっそり見ちゃいましょうか?」
KAGE「あ、それ名案。」
KAKKIのバッグからこっそりDVを取り出し、再生してみる。モニタに映ったのは、激しく演奏するバンドメンバーの姿。
GOLI「かっこいいっすね。」
KAGE「うん。迫力ある。」
VJ GYO「山岡さん、歌詞と全然違うこと歌ってますね。よく聞こえないけど。」
GOLI「今ドラマーさんスティック投げましたよ、ライブでもないのに。」
KAGE「おわっ! ダンサーの女の人、服脱ぎ始めた!」
GOLI「(;´Д`) ハァハァ」
VJ GYO「こ、このシーンはさすがに使えないって!」
ビデオ終了。
KAGE「うーん、確かにKAKKIが興奮するのもわかるような気も…。あ、KAKKIの様子は?」
VJ GYO「ソファーで爆睡中。まさに全力使い果たしましたぁ、みたいな満足げな顔してますけど。」
KAGE「彼女をここまで追い込む山岡さんって…」
VJ GYO「…やっぱり…」
山岡「電波なのかなぁ、って思ってるでしょ(笑)」
一同「…山岡さん!」
山岡「人間の心は、振り子みたいなものだと思うんです。
普段は規則正しく揺れている振り子が、嬉しいとき、悲しいとき、怒りを感じたとき、
突然激しく揺れだすことがある。
その揺れが一番大きい瞬間を捉えて、何らかの形に残す。それが、アート。
だから、アーチストがモノを創ってる瞬間は、みんな電波なんじゃないかな(笑)」
KAGE「なるほど…。撮影中の DE VOL の皆さんは、まさにその状態だったんですね。」
山岡「厳密に言うと、DE VOL のメンバーと、KAKKIさんがね。」
VJ GYO「撮影中のKAKKIはどんな感じだったんですか?」
山岡「今日が初対面だったんですけど、かなり『イイカンジ』でしたね。
何の計算もなく、体全体で僕らのサウンドを受け止めてくれたと思います。
もしかしたら、スタジオの中で一番『ハッスル』してたのは、彼女かもしれない。
いやほんと、IIDX史上最高のムービーになると思いますよ。毎回言ってますけど。」
山岡はひとしきり語った後、打ち合わせがあるから、と言い残して去る。
KAKKIはまだ、応接室のソファーですやすや眠っている。
KAGE「彼女はきっと、大物の『アーチスト』になるな…。」
次回に続いても、いいですか(笑)
続きが読めると、よいニュアンスです。
>>memories作者様
譜面作成数は最低で4つですよ!
DP忘れないで……
そこ!ただバラしただけとか言わない!
>>330-332の続き。
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最終話:PINK DREAM 〜 rainbow flyer
KAKKIは、鮮やかに色取られた夢を見ていた。その景色は、さっき見たスタジオの中の風景。
山岡氏率いる DE VOL のメンバーがもの凄いテンションの中、歌い、踊り、叫ぶ。
KAKKI自身も、あたかもメンバーの一員であるかのように、体中でサウンドを感じ、
そのすべてをカメラに収めようとしていた。
突如、山岡氏が叫んだ。
「Attention please, attention please, 『彼方』へと飛び出す準備はできているか?
発射5秒前、4、3、2、1、blast off!」
ギターの轟音と共に、スタジオは地上から飛び立った。
重力の束縛から逃れ、今や宇宙船と化したスタジオの中でフワフワと飛び回るメンバーたち。
窓の外には、緑色の地球が輝いていた…。
ガバッ
KAKKI「今の…何…変な夢…?」
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翌日。
TAKA「KAKKI、昨日は大変だったみたいだね。大丈夫?」
KAKKI「すいません、何か心配かけちゃったみたいで。昨日、早めに帰らせてもらったんでもう大丈夫です。」
TAKA「そうか、そりゃよかった。」
KAKKI「でも、何か心地いい余韻が残ってるんですよね。
二日酔い…ともちょっと違うんだけど、例えるなら、オールナイトのイベントが終わった朝、
始発の電車で家に帰るときの感じ?」
TAKA「オールナイトのイベントか…。最近行く機会もなくなったなぁ。
徹夜の仕事帰りに始発の電車で…ってのはしょっちゅうだけど、それとは違うのかな?」
KAKKI「うーん、同じような違うような。
あ、そうそう話変わるんですけど、TAKAさんの新曲用のイラスト描いたんです。これ。」
KAKKIが開いたファイルには、虹色の人間が空を飛ぶ絵が描かれていた。
KAKKI「昨日、変な夢を見たんです。山岡さんバンドのメンバーが、宇宙遊泳してる夢。
その夢をモチーフにして書いたんです。
さすがに夢で見たそのまんまだとつまらないから、顔とか背景はだいぶアレンジしてるけど。どうですか?」
TAKA「へぇ…。面白い夢だねぇ。
(虹色の夢を見たのか…。この子ってやっぱりちょっと…)」
KAKKI「電波なのかなぁ、って思ってるでしょ(笑)」
TAKA「…え!?(ギクッ)」
KAKKIのPCには、その日の朝に届いた1通のメールが表示されていた。
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From: KAGE
To: KAKKI
Subject: 山岡さんからの伝言
「アーチストがモノを創ってる瞬間は、みんな電波なんじゃないかな(笑)」
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(完)