★仝 ゲーセンで起きたちょっといい話スレ 第2章 仝★
44 :
1:
長文になるよ。
中学生の頃からよく通ってたゲーセンがあったんだ。
そこは店員が例外無く親切でいい人ばかりで、
ゲームごとに同時押しボタンがあると操作が楽なゲームなんかは
進んで同時押しボタンを作ってくれてたりしててさ、
(6ボタンの真サムライスピリッツは逆にやりにくかったけど)
まあとにかく、「俺達もゲームが好きだ!君達も存分にゲームを楽しみな!」
ってのがなんとなく伝わって、とにかく居心地が良いゲーセンだったんだよ。
よく学校の昼飯代浮かせては足繁く通ったっけ。
それでしばらく通って対戦とかしてるうちに他の常連と仲良くなって、
そのうち外で一緒に遊んだり語ったりする友達にもなったんだ。
その頃はまだ携帯も普及してなかったけど、いちいち連絡しなくても
そのゲーセンに行ったら大体の友達が集まってわいわい対戦会とかしてた。
この中には未だにずっと会ったり遊んだりしてる奴もいるよ。
もちろん最後まで話すことが無かった他のグループなんかもいたけど。
そんなこんなでこのゲーセンに通いはじめて4〜5年くらい経った頃かな。
突然そのゲーセンが潰れることになった。
地元にはゲーセンなんて沢山あったし、ゲームするところには
はっきり言って事欠くことはなかったはずなんだけど、
当時はそこ以外でゲームする気なんて何故かあまり起きなかった。
皆ゲームは好きだったけど、そこが潰れたら今までほどゲーセンに
通うことはなくなっちゃうだろうな、って感じてた。
そのゲーセンだから、通ってた。そんな感じで。
多分それは他の常連達も同じように感じてたんじゃないかな、って思ってた。
それこそ前スレであったいろんな「いい話」、
俺達にとってそんな体験が山ほど詰まったゲーセンだったはずだから。
45 :
1:02/02/27 00:16 ID:qQZY63eW
(続き)
もうすぐ、ニ度とこのゲーセンで遊べなくなる。
それでも皆、いつもと同じように毎日対戦したり、語ったり。
結局いつもと変わらないゲームライフを送ってるうちに遂に閉店の日が来た。
閉店の日もやっぱりいつもと変わらぬように知り合いや、他の常連の人が遊んでた。
いつもと変わらない様に語り、対戦し、ノートを書いたりしてた。
閉店の日、っていってもそんなに皆変わりないものなんだな、なんて少し寂しく思ったよ。
でも閉店時間の午前12時が近づいたころ、俺はいつもと違う店の雰囲気に気付いた。
いつもならガランとしてるはずのこの時間。
よく見たらほとんどの筐体が埋まってたんだ。常連グループだけでなく一般客も混じって。
(多分この人達もこのゲーセンに思い入れがある人達だったんだろうな)
いつもは人気のないゲームや、古いゲームの対戦台までも、ほとんどが人で埋まってた。
なんだよ、やっぱ皆寂しいんじゃないか。このゲーセンが好きなんじゃないか。
なんてちょっと嬉しくなった。皆、俺と同じなんだな、なんて。
そして閉店を知らせる「蛍の光」が流れるなかで遂に午前十二時を迎えた。
これでここでゲームを遊ぶのも最後か、なんて感慨にふけってたとき、
店内に店員のマイクアナウンスが響いた。細かいことは覚えてないけど、
「みんな来てくれてありがとう。これからフリープレイにするから暫く皆で遊ぼう!」
そんな感じだったように覚えてる。
普段、居残りでゲームなんて絶対させない店だったから驚いたっけ。
店員が店のシャッターを閉め、宴の開始。知り合いの常連グループも、他のグループも、
店員とあんまり仲良くなかった人達も含めてみんなではしゃいでた。
いままで勤務してた店員や非番だった店員も集まって、
普段だったら絶対やらないようなゲームで皆でバカ騒ぎして、盛りあがって。
普段話したことのない常連の人ととなり合わせになった時、お互い軽く会釈した。
心が通じた気がしたよ。
46 :
1:02/02/27 00:18 ID:qQZY63eW
(続き)
それからどれくらい経ったかな、1〜2時間?
そんなに長い時間じゃなかった気がする。
再び「蛍の光」と、閉店を知らせる最後のアナウンスが店内に流れ、
全てのゲームの電源が切られた。
休憩用の椅子に座り窓の外見ながら、「蛍の光」を聞いて軽く泣いちゃってたよ、俺。
数年、毎日のように見てたここからの眺めももう見れなくなるんだな、って。
本当の閉店後、店の前でさっきまで遊んでた全員で写真を撮って、とうとう解散。
グループ関係無しに常連同士がこんなにまとまるのは最初で最後だったんじゃないかな。
時には、友達関係や恋愛なんかで問題起こしたり、
空いてる椅子に座ったりとかマナーが悪かった時期もあったと思う。
当時の店員さんゴメン、今は反省して人一倍マナーに気を配るようになったよ。
なんて今更懺悔しても見てないか・・・・
あの時一緒に遊んだ常連達、今はほとんど見なくなっちゃったけど元気かな。
まだゲームやってるのかな。俺はまだまだ現役なんだけど。
あのゲーセンには大事な青春のほとんどを捧げちゃったけど、後悔はない。
むしろ今の俺を作ってくれたことに感謝してるよ。
大好きだったあの店が閉店してからかなりの月日が経って今、
俺は違うゲーセンの店員をしてる。
俺の意見なんてなかなか通らないけど、
あの店みたいに皆に愛されるゲーセンに出来たらいいな、って思ってる。
俺も又、遊びに来てくれる皆に「いい話」を作ってやれるように頑張るよ。