クーラ萌えスレ〜僕等はタチムカウ〜

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294くーら親衛隊No.81
そして今、クーラはK'の部屋のドアを前にしている。
…いざ入るとなると、やはりどうしても躊躇してしまう。
紅丸の言っていたことは、確かにわかる。考えてみれば、K'は照れ屋で口が悪くて
ひねくれ者なのだ。あの言葉が本心だったとは、どうしても思えない。
しかし、もしも――もしもあれが本心だったら?
今またあんなことを言われたら、きっと自分は立ち直れない。絶対に。
その怯えが、クーラの意思に反して筋肉を硬直させる。
だが…結局そうしていたのはわずかな時間だった。
「(一歩動かなきゃ、何も始まんないんだよね…お兄ちゃん)」
クーラは思い切ってドアのノブを回す。鍵はかかっていなかった。
ゆっくりと中へ入るや否や、部屋の奥から驚きの混じった声が聞こえた。
「クーラか……!?」
K'だった。声とともに、彼は弾かれたように玄関へと姿をあらわした。
「来て…くれたのか…」
ほんの数時間前に会ったばかりなのに、あきらかに彼の顔はやつれて見える。
いつもの覇気に満ちた表情は消え、かわりに疲労と戸惑いの跡がそこにはあった。
クーラは大きく深呼吸して、K'に言った。
「……話して。あたしが知りたいと思ってること、全部話して」
295くーら親衛隊No.81:02/01/10 04:54 ID:avvDo0Sb
「ウィップさんが、K'の…」
やはり何かを決意していたらしいK'が、クーラにとって意外なほど落ち着いて
すべての事情を話し終えた後、驚きとともにクーラが呟いた。
「俺も、お前も、ネスツの記憶操作は一応解けたみたいだが…やっぱり
まだあやふやな所があるらしい。お前は…知っているはずなのに、
まだ思い出せていなかったんだ」
「じゃあ、K'とウィップさんは…あたしが、変な誤解してただけってこと?」
「ん…まあそういうことになるかな…でもな」
K’はベッドの上にあぐらをかいたまま、膝に手を置いて深々と頭を下げた。
「どういう理由にせよ、俺が言ったことは悪かった。お前を傷つけちまったと思う。
この通りだ…すまない」
クーラは安堵で胸がいっぱいになると同時に、軽い驚きを覚えた。
K'がこれほどまでに素直な態度をとるのは、少なくとも彼女が覚えている範囲では
初めてのことだったからである。
「うん。すっごい傷ついた。でも…」
そんな彼を見て、クーラは笑顔を浮かべる。
「もう直っちゃった。K'の気持ち、わかったもん。あたしの方こそ、
誤解してゴメンナサイっ!」
クーラはぴょこんと頭を下げた。そして、右手を差し出しながら言う。
「仲直りのあくしゅっ!」
一瞬の戸惑いの後、K'は素直にその手を握った。
296くーら親衛隊No.81:02/01/10 04:57 ID:8LisMiiQ
「なあ…あのケーキ…お前がつくったんだよな…いや、俺が悪いんだが…
なんかもったいないコトしたな…」
すっかり明るくなってはしゃぐクーラにさすがについて行けず、
なんとか少し落ち着かせようとK'が言った。
「だから悪いのはK'だけじゃないよぉ。でも、確かにもったいないね…」
「…ちょっと待ってろ」
K'は大事に冷蔵庫にしまっておいたそれを持ってきた。
「あ…捨てたんじゃ、なかったんだ」
「捨てるかよ。本当は、どうしていいかわからなかったから
とりあえずしまっといたんだけどな。…食ってみてもいいか?」
「え。潰れちゃってるよ?…ヤじゃないの?」
K'は無言で箱を開け、クリームとスポンジが崩れて混ざり合ったケーキを
指でひとすくい取って口に入れた。
「ん…うまいぜ」
「えー?ほんとにぃ…?やだ、ほんとはもっとちゃんとしてたのに…
そっちの方がおいしいよ。またつくったげる」
多少慌ててクーラが言う。そんな彼女を見ながら、K'は何事かを思いついたように言った。
「いや、マジでこれもうまいって…お前も食ってみるか?」
「うーん…ちゃんと味見はしたんだけど…えへへ、じゃ、一口だけ」
K'はうなずいてもう一度指でケーキをすくうと、そのまま自分の口に入れた。
「え…?」
クーラが疑問を口にしようとした瞬間、K'がその口をふさいだ…。
297くーら親衛隊No.81:02/01/10 04:58 ID:2OXgx68D
「んっ…」
触れ合った唇の間から、甘く暖かいものが流れ込んでくる。
そして、柔らかく滑らかな舌がそれに続く。
「んん…んぅ…」
クーラの口の中で、二人の舌が絡み合う。その感触に、彼女の頭の芯は
心地よくぼやけていく。
どれくらいそのままでいたかわからない…クーラが気づいたときには、
すでにK'の唇は彼女の下から離れていた。我に返ったクーラは、
顔を真っ赤にしてふてくされたように言う。
「……ふいうちは、ヒキョウだぞぉ……」
K'は笑顔で答える。
「嫌だったのか?」
クーラはぶんぶんと首を横にふって言った。
「ヤなワケ、ないでしょ…!でも…」
さらに赤くなる。
「ビックリして…その…」
「何だよ」
「……変なん、出てきた」
今度はK'が赤面する番だった。
「変なんって、お前…」
「違うもん!おもらしじゃなくて、違うのだもん!」
「……!!」
298くーら親衛隊No.81:02/01/10 05:02 ID:vKeK5Oq9
さらに激しく否定するクーラを見て、K'は悟って言った。
「わかった。わかったから。…なあクーラ、俺は、お前の事が…好きだ。
お前は、どうだ?」
「……大好き」
その返事にうなずき、K'は優しくクーラを抱きしめた。
「なら…お前の事……抱いてもいいか?」
「抱くって…」
「意味、わからないか?」
しばらく間が空く。その時間が、K'にはひどく長く感じられた。
「わかった……K'なら……いいよ」
二人の心臓が高鳴る。その鼓動を互いに感じながら、彼らはゆっくりとベッドに倒れこんだ。
K'はひとつひとつ丁寧にクーラのブラウスのボタンを外す。
続けてスカートのホックを外し、下着にも手をかける。
すぐにクーラの体は、一糸纏わぬ姿でK'の前にさらされた。
「なんでだろ…?なんか、すごく恥ずかしいような気がする…」
クーラは顔に手を当てながら言う。
「灯り、消すか?」
「…お願い」
あたりが暗闇に包まれる。その中、自らも衣服を脱ぎ捨てたK'が
クーラのしなやかな肢体に覆い被さる。
299くーら親衛隊No.81:02/01/10 05:03 ID:KYv10WWF
……互いの息遣いが、やけに大きく聞こえる。
「やっ……!」
K'がクーラの下半身に手を伸ばすと、彼女の口からささやかな声がもれた。
「はぁ……んんっ…」
「(もう…いいみたいか?)」
K'はそのとろりとした質感を確かめて、心の内に呟いた。
「(あーっと…アレは確か…)」
K'はベッドの脇にあるサイドボードの引出しを手探りで漁る。
「(これだ…)」
彼は以前「一応念の為」買っておいたそれの箱を開け、中から包みをひとつ取り出す。
使い方はわかっている。買ってすぐ半ダースを無駄にして練習したのだから。
「(ええと…ここだよな…あれ、もっと下か…?)」
準備を済ませたK'は、ゆっくりとクーラの中に入ってゆく。
「いっ……」
と、半分ほどまでつながったところでクーラが声を上げた。
「たぁぁぁぁぁい!ちょ、ちょっとK'!痛いってば!」
「悪ぃ、しばらく我慢しててくれ…そういうもんなんだって」
「我慢って…知らないよあたしそんなの!」
「知らないって…お前、意味わかるって…」
300くーら親衛隊No.81:02/01/10 05:04 ID:Ha2tahEf
「なんかよくわかんないけど、色々えっちぃコトするだけだと思ってたのに…
こんな痛いコトするなんて聞いてないよぉ!」
「……すまん、ケガとかそういうんじゃねえから…我慢しててくれねえか?」
「……」
クーラはあきらめて口を閉じ、必死に痛みに耐える。そして、我慢のために
力をこめられた下半身は、一層きつくK'を締めつける。
「う……」
その刺激に、あっさりとK'はクーラの中で果てた。脈動がクーラにも伝わり、
彼女はいっそう身を強張らせる。

行為が終わった後も、クーラはぐったりとベッドの上に身を横たえていた。
「いや…なんか…そんなに痛かった、のか?」
「痛い」
幾分弱気になったK'に向かってクーラはぴしゃりと言う。
「誰もそういうコト教えてくんないし…あたし、せっくすってどんなものか
知らなかったんだもん」
「……でもよ」
「何よ」
「これで、クーラは俺の女だ」
その一言に、クーラは顔を上げる。
「ほんとに…俺はお前の事が好きだから、こうしたかったんだ。俺だって初めてで
良くわかんなかったしよ…これから少しずつ、二人で探っていけばいいじゃねえか」
301くーら親衛隊No.81:02/01/10 05:05 ID:CAt2EL85
「……そうだね」
クーラは少し微笑む。
「でも…今夜はもう遅いから、もう寝よ?」
「だな…でもお前、今日泊まってって平気なのか?」
「いまさら帰るわけにもいかないじゃない。帰れなんて言わないでしょ?」
「そりゃもちろん、な。んじゃ寝るか…」
「K'」
「…何だ?」
「愛してる」
初めてクーラの口から聞くその台詞は、世間ではありふれた言葉であるにもかかわらず
格別の響きを伴ってK'の耳へ届いた。
「……俺も、愛してる、ぜ。……おやすみ」
不器用にK'は言葉を返す。
「うん。おやすみなさい」
クーラもそう返し、そのままどちらからともなく唇を重ねた。
302くーら親衛隊No.81:02/01/10 05:06 ID:pI9szTPe
それきり二人の間に言葉は発せられなかったが、胸の内では
それぞれに様々な思いがよぎっていた。
「(まいったぜ…一回済ませたってのに、ちっともおさまんねえじゃねえか…
このままじゃ寝られねえよ…クーラが横にいるのに自分で、ってワケにもいかねえし…
ちくしょうどうすりゃいいんだよ…)」
一歩、クーラの方はというと…。
「(ってゆーかほんとにまだ痛い…まだなんか入ってるみたい…
あーもう、こんなんじゃ寝られないよぉ…どうしよう…)」
……時刻はまだ日付が変わったところ。
二人の永い夜は、まだ当分終わりそうにない。

                                  第三部 完