と、その時唐突に玄関口のドアが開き、聞きなれた声とともに人影が部屋の中に入ってくる。
「やっほー♪鍵空いてたから入ってきちゃった。K'ー!おみやげもって来たよー!」
自信作のケーキを携えたクーラが、満面の笑みを浮かべ小走りでやってきたのだった。
しかし、K'とウィップを見て硬直する。
「ウィップさん…?なんで…どうして…?K'、何してるの…?」
二人の姿勢は直す機会を逸し、先ほどのまま止まっている。そこだけ見れば恋人同士が寄り添って
触れ合っているようようにも見えるだろう。しかもK'が座っているのは彼のベッドの上である。
「べ…別に何でもねえよ…!お前こそ何しに来たんだよ。来るなんて聞いてねえぞ」
「あたし…あたし…K'をびっくりさせたげようと思って…」
「ああ驚いたよ。勝手に入ってくるんだもんな。で、用はそれだけかよ?なら続きはまた明日してくんねえか」
「……K'のばかぁっ!大っっっキライ!」
そして、クーラは部屋を飛び出し後にはK'とウィップの二人が残されたというわけである。
後編へ続く