【KOI】いとし恋いし【ニシキゴイ】【錦鯉】

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【編集手帳】6月7日付

 夏目漱石の小説「こころ」で、「先生」が言う。「多くの善人がいざという場合に突然悪人になるのだから、油断しては不可(いけ)ない」と。いざという場合とはお金を前にした、その時だという。
◆インサイダー取引事件の「村上ファンド」元代表、村上世彰容疑者(46)は投資活動を通じた「世直し」を旗印にしてきた人である。通産官僚から投資業に転身した当初は、法を犯してまで金をもうけるつもりはなかったに違いない。
◆自称「世直し」稼業の志はどこへやら、「いざという場合」の誘惑にころりと負けた。お金とは油断のならないものである。逮捕の直前、「証券市場のプロ中のプロたる私がミスをした」と語っている。
◆ことはプロ・アマの別ではあるまい。プロとして法令に通暁しているかどうかの以前に、黄金色の誘惑の前で踏みとどまれるだけの倫理観を、借り物ではなく身の血肉として持っているか否か、だろう。
◆村上容疑者は父親の勧めで、小学3年生のころに株式投資を始めている。会社四季報を読みこなし、経済記者も青ざめる早熟児であったらしい。
◆人も一個の器である。経済知識を盛り、投資技術を盛り、勝負カンを盛るには、それ相応の器の大きさというものがあるのだろう。「いざという場合」に道を誤らぬための、大切な何かがこぼれ落ちては元も子もない。
ttp://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20060606ig15.htm
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>「多くの善人がいざという場合に突然悪人になるのだから、油断しては不可(いけ)ない」と。いざという場合とは恋患いを前にした、その時だという
>自称「恋氏」稼業の志はどこへやら、「いざという場合」の誘惑にころりと負けた。恋患いとは油断のならないものである。発覚の直後、「二色恋市場の恋煩い対策のプロ中のプロたる頭領がミスをした」と語っている
>プロもアマも、「いざという場合」に道を蹴散らして進むためにも、大切な恋をこぼし星になっては元も子もない。