http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20120307/1039952/ スマートフォン人気のけん引役であるアップルの「iPhone」。国内ではソフトバンクモバイルが2008年7月に発売を始め、2011年10月からはau(KDDI)も
「iPhone 4S」の取り扱いを始めた。「iPhoneが欲しい!」と思った人は、ソフトバンク版が良いか、au版が良いかと比較検討することになる。
確かに、日本国内で使うなら最寄りのケータイショップで購入でき、サポートもしっかりしているソフトバンク版やau版のiPhoneがラクチンだ。でも中には、
他人とは違うiPhoneを使ってみたいとか、NTTドコモの通信網でiPhoneを使いたいと考える人もいる。そんなマニアックな人たちの間で選ばれてきた、第3の
選択肢がある。それが海外で販売されている“SIMロックフリー版のiPhone”だ。
海外向けのiPhoneといっても日本語に対応しているし、国内で使える通信端末としての審査も通っている。電話やデータ通信に必要なマイクロSIMカードは、
NTTドコモや日本通信などが提供している。端末さえ手に入れば、海外版のSIMロックフリーiPhoneということを気にせずに利用できるのだ。
筆者は今年1月、自腹でSIMロックフリー版iPhone 4S を購入した。その実体験を通し、SIMロックフリー版iPhoneの良し悪しについてまとめてみたい。
わざわざSIMロックフリー版iPhoneを使うメリットは何か。最も安く購入する方法は? 毎月の利用料金、さらには、NTTドコモ回線利用時の通信速度まで、
気になるSIMロックフリー版iPhoneのポイントを4回に分けて紹介していく。
最初に「SIMロックフリー版iPhoneとは、どういう端末なの?」という読者に向け、基本的な疑問に答えていきたい。
そもそもの疑問として、「ソフトバンクとau、2つのキャリアからiPhoneが販売されているのに、なぜ海外で販売されているSIMロックフリー版iPhoneを購入するの?」と
思われるだろう。海外版というだけで、「日本語が使えないのでは?」とか、「難しそう……」というイメージを持つ人も多いはずだ。
でも心配は無用。SIMロックフリー版のiPhoneといっても、中身は国内で販売されているiPhoneとほとんど変わらない。外観を見ただけで国内版かSIMロックフリー版かを
区別できる人はいないし、「iOS」という基本OSが使われている点も共通だ。利用できるアプリも同じ。メニューも日本語化できる。使い勝手に差はなく、国内版iPhoneを
使っていた人なら、違和感なくSIMロックフリー版のiPhoneに乗り換えられる。
SIMロックフリー版iPhoneでは、au版iPhoneでは未対応の「iMessage」や「FaceTime」機能も利用できた。一方で非対応になるのは、「MMS」(キャリアメール)や、
緊急地震速報を通知するエリアメール機能くらいだ(いずれもNTTドコモのSIMカード利用時)。
筆者自身、iモードメールは一切使わないし(必要な人は「iモード.net」サービスを使えば良い)、緊急地震速報も「ゆれくる」アプリで代用しているので全く問題はない。
SIMロックフリー版iPhoneならではのメリットは何か? 当然だが、第一は“SIMロックフリー”という点だろう。国内にいる限りあまり恩恵を受けないものの、海外旅行に
出かけたときはSIMロックフリーか否かで、大きく変わる。
なぜか? SIMロックフリー版iPhoneでは、渡航先の国内のキャリアを利用できるからだ。プリペイドタイプのSIMカードを利用すると、通信代金を節約できる。ソフトバンクや
au版のiPhoneも、国際ローミングにより海外でも使えるようにしているが利用料金がとても高い。
国内で利用する場合でも、NTTドコモのSIMカードを挿して使えるほか、NTTドコモ回線を借り受けて通信サービスを提供する日本通信などのSIMカードが選べる。
電話機能が不要で通信料金を1円でも抑えたいなら、日本通信などが提供する「b-mobile SIM U300」や「b-mobile 1GB定額」など、データ通信専用のマイクロSIMカードを
利用する方法もある。
端末とキャリアがセットになっている国内版iPhoneと比べ、SIMロックフリー版は自分で自由にキャリアを選べる。地味に感じるかもしれないが、最近はマイクロSIMカードを
提供する、モバイル通信サービスが増えてきているので大きなメリットだ。
SIMロックフリー版iPhoneでしか使えない機能も、いくつかある。代表的なのは「テザリング」機能だ。テザリングとは、スマートフォン(ここではiPhone)自身がモバイル
Wi-Fiルーターとなって、ほかの端末をインターネットに接続させる機能だ。Wi-Fi版のiPadやノートパソコンと組み合わせることで、屋外にいてもインターネットを利用できる。
NTTドコモのAndroid端末、auのWi