【三発目アルバム】加爾基 精液 栗ノ花 〜其ノ參〜

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●今回はそこらへんからの話をさせていただきたいと思う
んです。 まず2ndアルバム『勝訴ストリップ』が出ました。
あの作品は、世の中に出る遥か前から、完成していて。

「そうですね」

●で、世の中に出る頃には、もはや椎名さん、疲れてまし
たよね。

「まあ、あんまりどうでもよかったという、うん。 疲れて
しまったんです」

●最後に僕がインタヴューさしていただいた時には、なに
しろ「あたしはほんとに24時間椎名林檎をやってなきゃいけ
ないんですよ、今は」と。 それが辛いって話と、あと
辛いんだけど、それを上手にできちゃう自分ていうのもわ
かっていて、それを上手にやっちゃうっていうのも辛いと。

「ああ、そうですね(笑)」
444名無しにして頂戴:02/12/28 00:11 ID:???
●どっちに転んでも、かなりしんどい状況の中で、あの作
品が世の中に出るタイミングだったと思うんですよね。

「ああ、うん、でも、とっても病んでたと思うので。実質
そういうことがあったわけじゃないと思うんです。ちゃん
と、べつに睡眠時間がまったくないとかいうわけでもなか
ったと思うし。まあ、子育てとかしてみると(笑)、べつに
そんなに大変なことじゃないと思うんだけど。でもあまりに
その一年間とか、デビューしてほんとに、『こんなんじゃダ
メだ』とかって。自分は実際全部ドサ回りして、生で聴い
ていただかなきゃダメだから、インストア・ライブを絶対
たくさん組んでほしいとか、そういうこと言って。とにか
く実際、稼動がすごくって。実際問題の休養日っていうの
は、休み取ろう、休み取ろうねって言っていただきながら
も、倒れるまで結局なくって。デビューして”歌舞伎町(の
女王)”が出て以来ぐらいは。そういう脅迫観念に----負け
てただけだと思うんですけど。ただ単に・・・・・もともとそう
いうタイプだけど、仕事から帰って、その合間の時間にど
うしてもこの友達と会いたいとか思って、会ったりした時
にはもう、なんていうんだろ、両親とか、ちょっとだけ関
われる人に対しても全部もう、なんか投げ出しちゃうよう
な嫌さがあるっていうか」
445名無しにして頂戴:02/12/28 00:12 ID:???
●要するに、会ってる大切な時間が全部愚痴で埋まってい
くみたいな(笑)。

「ような。まあ実際そうだったと思うんですけど。その圧
迫加減が自分で情けなかったからヤだった、っていうこと
だと思うんですけど」

●例えば、『無罪〜』から『勝訴〜』までの間でいろんなこ
ともやれたし、いろんな人に見られたし。表現をしてる人
っていうのは、見られて聴かれてくっていうことは、僕は
それなりのエクスタシーがあると思ってるんですね。

「ああ、そうですよ、それは」

●椎名さんは、それはそれで僕は楽しめてた人だと、実は
思っていました。

「そうですね、ええ」
446名無しにして頂戴:02/12/28 00:12 ID:???
●そのへんと自分とのバランスは、どうだったんですか。

「えーとですね・・・・たぶん、『まだここからなのにぃ』みた
いな。なんつうのかな・・・・『まだなんのその』みたいな気
分が、なんかこう・・・・うん・・・・かっさらわれちゃう感じが
したというか。『勝訴〜』でヤマを迎えて、”ギブス”〜『勝
訴〜』っていう流れを作るんだとか、そういうこと考えら
れる方もいらっしゃるけれども。うーん、まあ・・・・そうい
うふうなものに組み込まれてる世界にいること自体がもう
・・・・・思ってたよりも、あたしが想像してたよりも・・・・・
音楽の仕事をするということが、思ってたより音楽的なこ
とじゃなかったと思って(笑)。当時、周りも勉強してくん
ないなあというのもあったし。早いサイクルの中で、例え
ばイントロからサビまで、アウトロまで、ものすごい展開、
展開で楽しい曲、みたいなよさもあるけど、まったく隙間
がないというか。まああたしの『無罪モラトリアム』とか
『勝訴〜』とか、まさにそうですけど、曲間もなければ。リ
リースのプランもそうですけど、自ずと私生活というもの
はないし、そうなってしまうのが当然で。で、結局、それ
はわたしが仕掛けたことだ----というのが事実だろうなと
思って。自分で修正しなければ、これはもう止まらないな、
と思って。うーん・・・・非常に焦りました」
447名無しにして頂戴:02/12/28 00:12 ID:???
●で、それが世の中に出ました。その時に椎名林檎さんは、
既に疲れていました。でも世の中は、それを派手に消費し
ました。それを見ていてどうだったんですか。

「うーん、見ていてって言っても、・・・・(笑)どうなのかな。
『テレビでいつも観てます』とか言われたりすると、『テレ
ビ出てないけどなあ』とかって思うじゃないですか。テレ
ビにいかに出ないで、いかに汚されないでいくかっていう
ことっていうか、まあ語弊がありますけど。なかなか伝わ
りにくい、濾過される時代に、いかにこう、ね・・・・無駄な
ものがない状態を見ていただくか、楽しんでいただくか、
っていうことばっかりに気をつけていても、結局あたしは
芸能人かよという、そういうものなんだなって。どっちか
というと実状は、なんだかんだ言って、こういう曲があっ
て、こういうふうに出さしていただけたらなと思っていま
すとかいうことをお話しするまで、なんかこう、『そろそろ
さあ』とかいうお話を伺って。実際にはなんかさ、職人て
いうかまあ工場でしかないわけで、わたしは。実際にはた
だの職人でしかないんですけど、・・・・まあすごくギャップ
があるなあとは思いましたよね。実際には人前に立ってる
っていうことはものすごく、少ないんで。普段味わってる
感覚っていうのは、まあ、常にそうではないですよね」
448名無しにして頂戴:02/12/28 00:12 ID:???
●うん。要するに椎名林檎という音楽をすごく消費しても
らいたかったんだけど、椎名林檎というキャラクターであ
り、そのキャラクターがフィギュア的にどんどん増殖され
ていく(笑)世の中っていうものを前にしてしまった、って
いうことですよね。

「そうですね、うん・・・・うん・・・。まあでも、いまだに信
じてますけど。べつにそうでもないんじゃないかなってい
うのは思ってますけどね」

●うん、その切り替えができたのはほんとによかったと思
う。その切り替えと、もう一回、もっとピュアなところに
立ち戻る姿勢を作ろうと思ったからこそ、この作品ができ
たんだと思うし。

「そうですね。そうなんです、ありがとうございます」

●ただ、当時はそう思えなかったし。それで椎名さんは、
もうリリースが出る前に、『不思議・猥雑・エキセントリッ
ク』という-----。

「あははっ!」
449名無しにして頂戴:02/12/28 00:12 ID:???
インタビューはまだ12ページ続きます。林檎タンのグラビアもいっぱいDEATH
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