壱、宗教
誰か僕に巧いお菓子を
毒で本望 嘘で元々さ
可成なら甘いものが善い
湯呑勘定 蟲歯も厭はない
「立て」「撃て」「切り裂いても敬ひ去れ」「@(や)むな」「惡(にく)むな」
「吐け」「出せ「引き摺つても歩き行け」「振り向くべからず」
色彩
丁度好い洋盃(コツプ)が何処に行つても見つからないのだ 如何して
こんなにビルも道路も増えて居るのに
飲むでも飲みきれぬ@(ボツトル)で不条理を凝視せよ
(続く)
季節は廻つて急ぎ足
花は咲いた 蜂を呼寄せた
幾度も繰り還しをする
實る様で 枯れるのが常と
「待て」「伏せ」「不可解でも崇め逝け」「病むな」「憎むな」
「見ろ」「嗅げ」「不愉快でも味わひ識(し)れ」「覚悟を極(き)めろ」
芳醇
長壽の勝訴が何時になつても見@(みあ)たらないのだ 如何して
品位が麗しいのは事實なのに
泣いて負けを認むる獣の条理を調刺せよ
あ、通り雨 憂ひ菩薩 雲 行きて また 晴れて
配置されし 僕の記号 期待すれば氣付いてしまふ
模範だらけ 模倣だらけ 続いて 往く 此の 營み