こんな夜更けに、ワールドワイドウェブの中にメールを走らせるのは誰だろう。
それはスパマーとアンチスパマーだ。アンチスパマーはにげようとするスパマーをひしと監視している。
ア 「スパマーよ、なぜ送信元を隠すのだ」
ス 「アンチには警察が見えないの。ぼうしをかぶって、制服を着ている・・・」
ア 「あれはたなびく霧だ・・・」
警察 「あわれなスパマー、一緒においで。面白いことになるよ。留置場近辺にはうまいどんぶり屋が並んでいるし、縞の服を刑務所の皆さんがたくさん用意して待っているよ。」
ス 「アンチ、アンチよ!きこえないの。警察がぼくになにかいうよ。」
ア 「落ち着きなさい、枯葉が風にざわめいているだけだよ。」
警察 「いい子だから、私と一緒に行こう。私の仲間たちがもてなすよ。お前をここちよくゆすぶり、泣かせ、自白させるのだ。」
ス 「アンチさん、アンチさん!見えないの、あの暗いところに警察の手の者が!」
ア 「見えるよ。だが、あれは古いしだれ柳の幹だよ。」
警察 「呆れているよ、スパマー。お前の呆然とした姿がたまらない。力づくでもつれてゆく!」
ス 「アンチさま、アンチさま!警察がぼくをつかまえる!警察がぼくをひどい目にあわせる!」
アンチスパマーはまんぞくげに、ネットで経緯を説明することにした。両腕に抱えきれないほどの証拠メールとともに、やっとの思いでまとめサイトを開設した・・・
警察に捕らえられたスパマーはすでにスパム脳に侵されていた。