劇場版「涼宮ハルヒの消失」の自己BEST 5シーン
5.
俺は戸口の長門に囁いた。
「明日も部室に行っていいか? 放課後さ、ここんとこ他に行くところがないんだよ」
長門は俺をじっと見つめ、それから……。
薄く、だが、はっきりと微笑んだ。
目眩がした。
4.
固く目を閉ざした長門の横顔、陶器のように白かった頬に朱が差している。
薄く開いた唇から小刻み版溜息のような息を吐き、ふと気づくと
俺がつかんでいる華奢な肩は、寒さに凍える子犬のように振動していた。
震える声が耳に届く。
「やめて……」
3.
俺はポケットからくしゃくしゃの紙片を取り出し、
「すまない、長門。これは返すよ」
差し出した白紙の入部届けに、長門の白い指が緩慢に伸びた。
一回失敗して、二度目にやっとつまむことに成功する。
俺が手を放すと、入部届け用紙は風もないのに震えていた。
「そう……」
声まで震わせて、長門は睫毛で目の表情を隠す。
2.
ふと我を取り戻せば、俺は長門の手を強すぎる力で握りしめていたようだった。
だが、読書好きの有機アンドロイドはその行為に対しては何も言わない。
長門はただ、俺をじっと見つめたまま、ゆっくりとうなずき、
「伝える」
やはり平坦な声で呟いた。
「ありがとう」
1.
「心配かけたようだな。すまなかった」
「わ、解ってるんだったらいいわよ。そりゃそうよ、団員の心配をするのは団長の務めなんだから!」
なんだよ 一位がハルヒか おれの長門をほめろ