【安彦良和】クラッシャージョウ・アリオン・ヴィナス戦記…

このエントリーをはてなブックマークに追加
297見ろ!名無しがゴミのようだ!
これか

https://twitter.com/kakansaku
永瀬唯 ?@kakansaku
安彦良和『この道』東京新聞12月14日夕「時代の中で」

なぜ『ヴィナス戦記』はDVDも出さず封印したか。
物語作家っていうのは非常に挑発的なところがあるから
「退屈でしょ、青少年諸君。もうちょっとドラマチックに夜の中が変動すると君たちの活躍の場があるよ」
みたいな挑発を絶えずするわけですよ。
「戦争が起きました。敵が攻めてきました。頑張れ、君もヒーローになれる」みたいな。
そういうことはある種、平和が前提だからできる挑発なわけで、なんてことない、そういう前提の下で無責任な話なんかつくってきたんだなあ、と。
青少年ていうのは、やっぱり太く短くというのか、劇的に生きてかっこよく死ぬのが理想だ、みたいにおもいがちで、それで、死に急いだりもする。
それに対して物語を提供する側がしっかりした性根をもってその物語を提供してるのか、という反省ですよね。
ヴィナス戦記も「どうだい、こんな設定は。君も面白いだろう」っていうゲーム感覚みたいなものがあってね。
あれはだから、その後はDVDなどを出さないんです。封印してます。
ベルリンの壁が崩壊した。そんな変化があるっておもわなかったし、その後でユーゴが内戦に入っちゃうわけですよね。
オリンピックをやった町で市街戦をやって狙撃手が市民を撃つなんて、そんな時代の残酷な激動が今でもあるんだって、驚きだった。
その時に作り事とはいえ何て緩い物を作ったんだって。
ユーゴ内戦後の世界では成り立たない、あってはいけない物語を作ってしまったという自己批判ですね。
それが『ヴィナス戦記』封印の理由だった、と。