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メロンさんex@ご利用は紳士的に:
6話の問い詰めのモノローグ(転載)
ぽふ、とニャルラトホテプが真尋の胸に顔を埋めてくる。すりすり、と頬を擦り寄せて甘えて、
まるで子猫のようだ。その仕草に、真尋は不覚にも可愛いと思ってしまう。
普段からこういう態度でいればいいのに、と一瞬考えたが、普段からこうされたら
真尋は自制心を保っていられるかどうか自信がなかった。自分も面倒くさい性格をしていると思う。
相変わらずニャルラトホテプは泣きっぱなしだったので、真尋のシャツの胸元がじんわりと
温かい湿り気を帯びてきた。まあ、仕方ない。これくらいは我慢しよう。
涙は乾くものだし。
ちーん!
思いっきり鼻をかまれた。
結局、ニャルラトホテプが泣き止んで部屋から出ていくまで、数十分の間ずっと。
真尋は抱き付かれたまま、銀色の柔らかな髪を優しく撫でてやっていたのだった。