マリンブルーに輝くネックレスを受け取りながら、少女は苦しかった1年を思い出していた。
優勝候補の筆頭と言われながらまさかの初戦敗退を喫したあの日。
自分を持ち上げていた人間はまるで沈没船から逃げ出すかのように去っていった。
残されたのは罵声と嘲笑だけだった。
その中には責任を放棄し、敗北の要因を作った上に掌を返し
彼女を在日扱いして罵倒しているクズも居ると言う。
屈辱と絶望に打ちひしがれ、自暴自棄になりそうな自分を支えてくれたのは
自分を心から慕い、自分の元に踏み止まってくれた僅かばかりの人達だった。
躍進し、脚光を浴びる同僚の影で血反吐を吐き、血の汗と涙を流し続けた。
茨の道の先には光の泉が待っていた。
ISML2010をノーシードから這い上がり、予選から破竹の11連勝で期間王者にまで駆け上がったのだ。
クズは発狂しイカサマだ不正だと喚き散らした。
しかし真の仲間と共に勝ち取った紺碧の勲章と誇りを胸に。
少女は今日も謳い続ける。