コードギアス反逆のルルーシュR2バレスレturn1205
メディア対談より
(前半部は略)
――今年の歴代作品の発表では、”絆”をキーワードにしているんですが、この物語で”絆”と言えば?
谷口 例えばジェレミアは、ほかのキャラクターと”絆”があるようで、実は無いんですね。彼が一方的にあると
思っている”絆”でしかない。たとえばルルーシュのギアスは、個々の心のベクトルを遮断して、”絆”を
無視してしまう。逆に強制的に”絆”を作ってもしまう。
福山 「心の友を増やすギアス」。
谷口 そう、強引にね。そういう意味ではみんな仲良しの”絆”ではない。登場人物がおのおの持っている”絆”は、
また別のところに存在しますしね。
本来の心のベクトルがどこへ向かうのか、それが肝心なところです。
福山 最近、回を増すごとに、ルルーシュがみんなに依存し始めている気がするんですよ。1話の頃なんか、
リヴァルを平気で見捨てる男だと思っていたんですが・・・。
ルルーシュって、友人の定義が相当甘いですよね。友人になるまでのハードルはすごい高いくせに、
越えちゃったらグダグダ(笑)。それがこのところ、特に生徒会に対しては加速している気がするんです。
谷口 そういう風に作ってるんですけど、生っぽすぎるかな。ルルーシュはゼロとして追い詰められていますからね。
ストレスもかなりあるはずで、心理的に何かに依存したくなってくる、という考えなんです。
――ナナリーが新総督になって、彼のモチベーションは大丈夫なんですか?
谷口 それは大丈夫ですよ。 きつい言い方かもしれないけれど、妹に人格があるとか意思があるとか、
気づいてなかったんですよ、ルルーシュは。だから、妹は妹として大事にした上で、どういう道を選ぶのか
というだけですから。
福山 そこに気づけば自尊心の強い人間ですから。
谷口 それがパワーになっていきますよ。
――では、女性ファンの多くが気にしている、スザクとの”絆”はどうなる?
谷口 さっき福山さんが言ったように、ルルーシュは「友情」というものに対する定義はとても甘い、というか、ゆるいんです。
私なりに考えるに、ルルーシュとスザクが本当に友人になれるとしたら、これからだろうと思っています。――ただ、私なりに
というのは、どうも世間一般の定義と違うらしいんで(笑)。
福山 これ以上言うと、たぶん、首しめることになりますよ(笑)。
――では、後半のこれからのキーマンは誰になりそうでしょう?
谷口 シュナイゼルかな。話数的に近いところでは、カレンですね。カレンに関しては、私の中では作品のテーマ性、
その一部を背負っているキャラクターなので。まあ、最後まで生きている・・・というようなことはいえませんが・・・
それなりにがんばってくれると思います。死ぬとも言えませんけどね。
福山 目の前の展開で言うと、シャーリーもですよね。「とりかえしのつかないことは、とりかえしがつかない」・・・。
――これからのルルーシュには、どんなところを期待したらいいでしょう?
谷口 みんなに「ごめんなさい」と言えるかどうかかな。
福山 ルルーシュの「みんな」って、どこまでですか(笑)。
谷口 毎回探してるんだよ、脚本打ち合わせのときに。「ルルーシュ、誰かに『ごめんなさい』と言ってみろ!」(笑)。
言わせたいけど、毎回、入らない(笑)。
福山 ルルーシュって減点方式なんですよね。人の良いところを見つけて、点を加えていくという観点が無い。
そこが変えられたら「ごめんなさい」と言えるのかな。
谷口 ルルーシュの心情を読み取るのであれば、次回予告を聞いてもらうしかないでしょう。そのためにあるんですから。
福山 毎回ヒドイ事ばっかり言ってますからね(笑)、都合のいいことばかり。
谷口 一歩間違うと、放送禁止の領域に近づいていきそうで。
福山 今だって、十分、ギリギリアウトじゃないですか(笑)。
(対談ここまで)