ガンダムビルドファイターズは乱入OK交代OKのルール無用糞アニメ

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止
『ガンダムビルドファイターズ』のアンチスレです。

<公式サイト>
http://gundam-bf.net/

前スレ
ガンダムビルドファイターズは脚本家の発想が不自由な糞アニメ5
http://mastiff.2ch.net/test/read.cgi/anime/1392773182/
2名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/07/13(日) 13:39:28.44 ID:qrF8wpla0
このスレは6スレ目
次立てる方は7でお願いします
3名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/07/13(日) 13:52:06.11 ID:upUJFAz40
>>2
とりえあえず前スレを埋め立ててからの方がdat落ちしないで残るから良いと思います
そして、アンチアニメのローカルルールがそれなりにできて本格的な運用ができるようになる
もしくはBF2期が始まってから移るなり自由ですが、他板本スレに迷惑がかからないようにお願いします

ガンダムビルドファイターズ アンチスレ
http://hope.2ch.net/test/read.cgi/antianime/1404904862/
4名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/07/13(日) 19:44:39.89 ID:GsL3HDxA0
ガンダムビルドファイターズは乱入OK交代OKのルール無用糞アニメ6

・試合最中に選手交代してもOK
・試合最中に突然乱入してもお咎めなし(キット&ビルトでは乱入しようとしたら警備員に止められる描写がちゃんとある)
・試合相手に妨害工作してもお咎めなし
・試合決着後に相手をいたぶってもお咎めなし
・試合中に対戦者同士が罵倒しあってもお咎めなし
・試合前に大会にエントリーしてすらいない奴と選手交代しても問題なし
・規格や武装の制限は曖昧。どう改造したら武装の効果が反映されるのかもほぼ説明なし
・勝敗の判定すら曖昧
・ルールらしいルールは「選手のドーピング、外部からのガンプラ操作禁止」
「バトルが制限時間を超えた場合先に攻撃を当てた方が勝ち」
「1分間の補修猶予()」くらい
・公式審判員は一応いるが運営側の不正に結局なにも仕事しなかったので、いないものと考えてよろしい
5名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/07/13(日) 20:03:32.05 ID:GsL3HDxA0
【プラフスキー粒子まとめ】
・PPSEが10年前に開発。ガンプラバトル以外では使われていない
・ガンプラの表面に粒子が反応して機体を動かす(表面を金属で覆ってしまうとダメ)
・BF世界では粒子対応型の専門塗料、プラ板、パテ等が売られている
・ファンネルはもちろん付属のミニチュアまで操作することができる
・粒子変容によってビームや爆発などのエフェクトも再現できる
・ガンプラがバトルフィールドから外れると動かせなくなる
・ガンプラを動かす粒子の力は強力で、ガンプラが打ち返したボールがフィールド外の観客が握っていたジュース缶を貫通することも

【世界大会の実力者はこんなこともできるぞ!】
・粒子の特性を理解したうえでガンプラを作れば、ビームを盾で吸収したりできる
・粒子の特性を理解したうえでガンプラを作れば、刀やマニピュレータから衝撃波を生みだせる
・粒子の特性を理解したうえでガンプラを作れば、チャージした粒子を解放して超スピードや大規模な砲撃を可能にする
・粒子の特性を理解したうえでガンプラを作れば、粒子でゲートを生成し、ゲートを通過した物体を加速させる事ができる
・粒子の特性を理解したうえでガンプラを作れば、粒子でビットを形成して相手を攻撃できる
・粒子の特性を理解したうえでガンプラを作れば、実体剣に冷気や火炎を纏わせることができる
・粒子の特性を理解したうえでガンプラを作れば、粒子をガンプラの内部まで浸透させてパワーアップできる
・粒子の特性を理解したうえでガンプラを作れば、自機内の駆動熱を粒子を媒介にして排出する事ができる(外伝参照)
・粒子の特性を理解したうえでガンプラを作れば、自機内の粒子を敵ガンプラ内に送り込んで破壊することができる
(ただしビルドナックルのように粒子を通さない瞬間接着剤を施すことで対策されてしまう)
・粒子変容塗料を刀に塗って、刀の向きで粒子帯を変えればビームを切り裂くことができる。ビームサーベルでも応用可能
(ただしビルドナックルのように、拳の加速による粒子帯の変化で逆に実体剣の方が破壊される事もある)
・粒子の流れを目視することができる人間がいる。特殊スーツを着用することでより正確に感知できる
(ただしビルドナックルのように視界を覆うほどの粒子を纏った攻撃は予測が難しいようだ)

【プラフスキー粒子の結晶体・アリスタ】
・レイジやマシタが持つアリスタは粒子が結晶化した物体だった
・PPSEはスタジアム地下に秘匿されている大型アリスタからバトル用粒子を各地に供給している
・アリスタを使えば別世界にワープすることができる(ただしアリスタが消えるとアリアン人は元の世界に引き戻されてしまう)
・アリスタに想いを込めると粒子が増大して所有者同士が意識を通わせることができる。(無線機のようになる事もあり、会話がダダ漏れになることも)
・アリスタを所有する者の想いを大型アリスタで増幅させ、改良型エンボディシステムを着用した者を操る事ができる
・大型アリスタが暴走すると、放出された粒子が物質化したりしてとにかく危険だから破壊した方がいいらしいよ!←←New
・大型アリスタが破壊されると、バトルフィールド内の粒子や小型アリスタもなぜかしらんけど一緒に消えるっぽいよ!←←New
・大型アリスタが無くなってもべつに粒子はフツーに人工生成できるんだって!←←めでたしめでたし
6名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/07/19(土) 23:28:50.45 ID:hgWKrvDq0
――ガンプラの登場のさせ方にはどのようなこだわりがありましたか?

長崎「最初のほうの話数では「さすがにこのガンプラを出すのはもったいないんじゃない?」という話があり、登場させるのを渋った
ガンプラもありましたね。でもどんどん出すチャンスが減っていくのがわかったので、途中からは「とにかく出しちゃおうぜ!」という考えになりました。
特に、第11話でのガンプラバトルロワイヤルでは、「これでもか!」と言うくらい詰め込んでます(笑)。
でもガンダムシリーズの主役機は、登場のさせ方が結構難しかったです。作り手も、各シリーズのファンの方も、思い入れがある人が多いですし、
何より「主役機にヘタな負け方はさせたくなかった」というのが一番苦労した点ですね。第14話で「V2ガンダムを出してください」とバンダイさんから
要望があったのですが、その時点ではいろいろと決まっていて、やられ役しか空いてなかったんです。
V2ガンダムがやられ役というわけにもいかない。「それだったらギャグにしよう!」と思い、カラーリングをザンスパインカラーにしたり、
ファイターを敵勢力のキャラクターだったカガチにしてみたり……。でもV2ガンダムが本編で使った光の翼のような効果を発生させて、
ハイパーサテライトキャノンを防ぐ描写を入れて「本当は強いんだぞ!」というアピールは入れました。
7名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/07/21(月) 16:43:26.54 ID:Bka+lwS+0
          ,,,      ,,,,,,      
       _ = ~~ ``ヽ_,=''~´  ´~ヽ    ひと様の創造したキャラクターが
    _= ~               ヽ  不幸な末路をたどったからといって
    ~=、    ミゞ、  , -彡     ヽ. 
       ~=、、、Cl~evj <e~}6)_   、、、ミ  自分の作品で蘇らせて
        ミ.~~ /', ゚ ;'7  ミ7ヾ~- 、  「幸せに暮らしている」とは
       ≡   (','゚, '.人  ゝ |  ヽ  おこがましいとは思わんかね…
        `=  `ー'   iノ'  | / |
         ~ーノノノノノ'′
8名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/07/21(月) 17:01:31.83 ID:2JoTaSD30
>>7
思わないだろ普通
9名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/07/21(月) 19:40:30.18 ID:YuV8DIH/0
まぁ同人臭くはある
10名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/07/22(火) 22:07:59.98 ID:rYpdZ6Em0
――全25話の放映も終わり、おつかれさまでした。
長崎「終わってホっとしているところです。毎回アクションが多く、しかも、毎回違うヤツ(メカ、キャラ)が出てくるんで、
作画も時間もかかる作品でした。作業は大変な思いだったんですけど何とか最後まで『最初から最後までクライマックスのテンションでやるぞ!』
っていう目標をやりきれてホッとしているなあ、と(笑)

――シナリオの黒田さんはどういったかたちで参加されたのでしょう?
長崎「最初にプロデューサーの小川さんと話をしていて、「こういう話だからガンダムに詳しい人がいいんじゃないか」っていうのがまずひとつ。
あと僕は00に関わっていたので、黒田さんを個人的にしていたというのでやりやすいな、と。それに、テンションの高いフィルムにしたい
という要望が僕からも小川さんからもありまして。初期は「人の死なないスクライド」って言ってたんですけど(笑)。それも黒田さんが
脚本をやってらしたんですが、そういったいろんな物が重なって「ぜひ黒田さんにお願いしましょう」と。

――「最初から最後までクライマックス」を支えていた、豪華な作画陣も本作の大きな魅力でした。
長崎「もともとサンライズの第3スタジオという、SEEDからガンダムをずっとやっているスタッフがいて、00に関わっていたので
知っているスタッフがたくさんいたというのがひとつ。それにAGEに関わっていた人たちというのがさらにまとまっていきました。
メカ描きの人達がみんなガンダムを好きなので、「いろんなガンダムやモビルスーツが描けるから」ということで参加されたのも、
さらにひとつの理由です。あとは、普段メカ描きさんが参加するかどうかで悩まれるところに、作品ごとにモビルスーツの動かしかたが
違うというのがあるようで。例えば00だったら00なりに「こういう風なやりかたで作画をやりますよ」っていうのをまず決めるんです。
でも、今回はそういったのを決めてなかったんですね。影付きなのも好きなのでいいよ、動かし方も2コマでもいいし、3コマでもいい、
昔のガンダムっぽくしたかったらしてしまってもいいよ、と。最低限の影付きや、ライト、透過光、そのぐらいしかこちらからは決めていません。
その辺はもうお任せにしちゃって、演出意図の範囲であれば好きにやってもらってもいいですよ、という体でやっていたんです。そういうけっこう
自由な現場だったので、参加してみたい、やってみたいなといううお話もお聞きしました。

――『やってみたい』というかたちでいろいろな方がいらっしゃったんですね。
長崎「バーニアなどのエフェクトも、一応作画参考はあるんですけど『こっちのほうが格好いいじゃん』となったら、全然いままでとは違う形でも
OKという……(笑)。ゆるゆるなかたちでやっていました。第24話のスタービルドストライクのディスチャージのシーンもシナリオ上では
ライフルを撃つシーンだけだったんですが、メカ作画監督の金さんとコンテ担当の大塚さんが『もっとディスチャージシステムのアクション描きたい』
と言っていたので、『膨らませてもらっていいですよ』という話をして今のフィルムになっていきました。基本的に自由度はかなり高かったんで、
メカ作画さんも色が出せたと思いますし、その完成形、『こうやって上がってきたんだ』っていうのを見てても楽しかったです。
そんなお話を聞いていた人たちがさらに関わってくれる、ということもあったので、
今回はたくさん上手い方に参加してもらえて、フィルムの完成度もあがって行きました。
11名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/07/26(土) 17:25:36.00 ID:vsvZtkqt0
――音楽も、いままでのガンダムにはない新鮮なものでした。
長崎「とにかくバラエティ感のある音楽にしたかったんです。音楽もこの作品だからできるものにしたかった。何なら演歌をBGMにしてメカアク
ションでもOK,くらいの気持ちで(笑)、映画キルビルみたいなイメージというか、『なんでこの場面にこんな音楽が流れるの!?』という部分が
あるけれど、あわさったらドライブがかかって格好いい……という。それを頭文字Dみたいな音楽の付け方にして、バトルが始まったらテンション
を上げるぜと。ボーカル曲もありますが、これももう歌でいいよと。マクロスじゃないですけど、BGMじゃなくて、曲でいいよ、と。音楽にガンガン
前に出てきてもらって。ガンプラバトルだけど音楽アニメにしちゃおう、と。ミュージッククリップみたいにしちゃおう、と考えてました。だから初期か
ら『この作品は今まで以上に音楽が肝だ』という話はしていたんです。なので林さんの音楽が出来上がったときうれしくて小躍りしました。(笑)。
12名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/08/11(月) 20:08:53.02 ID:2dJVjHAx0
――全ガンダムが参加する、お祭り企画ならではの苦労話などがありましたらお聞かせください。
長崎「バランスは一番苦労しています。あんまり特定の作品がひいきにならないように、というのもあるし、かといって機体数が少ないシリーズも
あるんです。あとは版権的な問題、出したくても出せなかったりとか、そこをお願いして出させてもらったりしたりとか、本当にバランスで苦労しま
した。基本的には出来るだけたくさんの人たちに楽しんでもらいたいので、バランス良く出したいんです。『これを出したい』という候補は
たくさんあったんですけど、『主役機をチョイ役で出すのはちょっとなあ』とか、そういった苦労もありました。例えば、第14話でバンダイさんから
V2を出して欲しいっていう話があったんです。『でもこれチョイ役でしか出せませんよ、やられ役だし』と言ったんですが、俺もV2好きだし(笑)、
やられ役だといかがなものかなと思って……。そこで助監督の角田さんと相談して、ザンスパインっていう同じ系列の機体のカラーにして、
Vガンダムに登場するカガチっていうおじいさんを乗せて、ギャグにしてしまうようなひとネタを仕込んだり。
みんなそれぞれ機体に思い入れがあるんで、出す以上楽しんで欲しい、というのは気をつけて作業をしたつもりですね。

――ゲストメカはとにかく大量に登場して、画面狭しと暴れ回っていました。
長崎「今まで映像化されていなかった機体もこの作品だから出せたのは特にうれしかったです。でもMSのムックを見ながら、『これもいいけど、
以前に出したしなあ。前回は宇宙世紀から出したから、次回は宇宙世紀じゃないヤツがいいかな』と試行錯誤をしたり、SEEDは機体が多い
から出しやすいんですけど、逆にやられ役にSEEDが多くなっちゃうのでその辺は悩みましたね。しかし、本当はいちいち設定を起こしていくんですけど、今回、設定は昔のヤツを掘り起こせばそこにある。過去の膨大な財産があるんで、やっていて本当に楽しかったですね。

――主役メカはどのように決まったのでしょう。
長崎「ビルドストライクとX魔王、ウイングガンダムフェニーチェ、それにザクアメイジング。この4つはバンダイさんから話があったはずです。
メイン関係はバンダイさんから来て、それ以外のギャンやスモーだったりとかのゲストメカはこっちで決めていきました。

――MSとキャラクターの人物像は、どのように擦り合わせて行ったんでしょう?
長崎「根幹的なキャラクター造形には、操るガンプラは何も関わっていないです。でも、『使っているなら好きなんだろう』ということで、部屋に
パッケージのポスターが貼ってあるだとか、セイの場合は結果的にお母さんが三石さんであるとか、後付的に膨らませています。まずガンプラ
の種類ありきで、作劇として必要なキャラクターのディテールを演出でくっつけてやって行きました。
13名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/08/27(水) 18:16:08.91 ID:kwF95QEB0
〜〜本編を彩ったキャラクターたち〜

――メカと同じく、多数のゲストキャラクターも登場して場を盛り上げていました。
長崎「まずラルさんは特別枠で、声もご本人にやってもらおうというのはラルさんだけ、という話で。名前も出身も何も分からない人のまま
終わっちゃったんですけど。それ以外のゲストに関しては、演出的に都合がよかったんですね。バトルものなので、戦っている時に相手のリアク
ションも拾っていかなきゃいけない、というのがあって。何もないモブって書きづらいんです。バックグランドが見えてこないから。ところが、最初
の地方大会の相手がマラサイというMSに乗ってたんですけど、このガンプラを買って使うということはマラサイの登場するアニメ、『Zガンダム』
が好きなんだろう、と。劇中ではカクリコンとジェリドっていうパイロットが乗っていたんですけど、『それっぽいパイロットの人が使ってくるんじゃ
ないの?』っていう風にしてしまえば観てる人も何となく納得するんじゃないかなと。『ああ、コイツはこのMSが好きだから使ってるんだ』と。な
ので、最初はマラサイを使うカクリコンとかジェリドとか、ガンダムDXを使うジャミルとかっていう、そういう演出的な部分と、あと作画しやすいって
いう部分、そしてサービス的な部分、っていうかたちで客演をさせていきました。ただ、あんまり出しすぎるとゲストにばかり目が行くので、
メインキャラがいるところには出さないようにしましょう、と決まりごとを作って。作画の皆さんも好きなので、いろいろ描きたがるんですけど、
『どこで出すか、どこで出さないか』っていうポイントは演出段階でコントロールしつつ、出来るだけ出していく、というかちで進めました。

――ちなみに、ラルさんはなぜランバ。ラルを連れてきたんでしょうか?
長崎「あれは、黒田さんの希望で……(笑)。単純にこういう話だと説明役が必要なんですね。そういう役割のキャラクターが必要だ、という話は
ずっとあった。もうひとつ、前半戦は子供たちがメインで、後半戦はいろんなキャラクターが、大人も子供も含めて登場する。その世界に行くとき
に、外の世界とセイたちをつなげる役割の人がいるな、と。中学生のセイたちと社会とをつなげる人、というときにやっぱり大人が必要で、ただ、
何か知らないオッサンがいうと分からないけれど、『ランバ・ラルの知り合いだから』となると、何となく貫禄があるから説得力は出る。ランバ・ラル
なのはそのあたりなんじゃないのかな、と。ランバ・ラルを知らない人は変なオッサンが何か言ってるな、くらいで構わないし、そうでない人には
ファンサービス。あくまで最初は役割ありきから入ってきてはいるんだけど、そこにランバ・ラルを持ってくるのは黒田さんが好きだったという話
なんですけど(笑)。結果的には大正解でした。いろいろバックボーンはあったんです、本編には出ませんでしたけど。キャラ原案のヤスダさんが
自主的にハモンさんもデザインを上げてくださったんですけど、出さずじまいで。日本人なのか、ハモンさんがいるのかいないのか、そのあたりも
不明のまま、謎のおじさんでいいんじゃないの、と。職業も分からないですからね。『金持ちのボンボンなんじゃないか』とか、『大学の先生なん
じゃないか』とか。いろいろあったんですけど、謎のままで落ち着いた感じです。レイジ以上に謎キャラでした(笑)。

――キャラクターでは、カップルが非常に多かったのも特徴的でした
長崎「(笑)。カップルが多いのは、まあ結果論なんですけども、特に『カップルを作るぞ!』というふうにやったわけではないんです。黒田さんの
作劇の部分でも、最初にあったのはチナとセイくらいですね、アイラも、キャロラインもそういう感じではなかったし。キララなんて1回だけでもう
出ないという話でした。最初のインチキアイドルで終わっていて(笑)。ただ作劇していくうえで、キャラクターの心理描写を考えると、そういう流れ
が自然だったというのと、やっぱり子供たちの姿が見てて微笑ましいな、と。父親的目線でした。カップルっていっても子供で、セイとチナとか
中学生ですからね。中学生の初恋は淡いまま終わっちゃうんじゃないかな……とか心配してみたり(笑)。恋人ととってもらってもいいし、友達と
とってもらってもいいのかもしれないでんですけれど。
14名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/08/27(水) 18:17:18.44 ID:kwF95QEB0
――メインのビルダーに男性が多いのも、最近の作品としては珍しい傾向でした。
長崎「初めのスタンスが『人の死なないスクライド』ですし、実際にガンプラを楽しんでいる比率が圧倒的に男性のほうが多いから、
そちらのほうがより共感してもらえるだろうと考えてました。ただ、女性の方にも楽しんでもらいたいので、チナやキララ、キャロにアイラも初めは
興味なくてもセイたちと絡んでいくうちに興味を持っていくと言うふうになってます。
それ以外でもモブのファイターにも女性のキャラ結構いますよ。そうなって欲しいな、という希望をこめて(笑)。
15名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/08/29(金) 22:57:39.16 ID:tanTtmdl0
――ガンプラバトルのルールというのは、どういったものなんでしょうか?
長崎「あんまり厳格には決めていないんですね。いわゆるガンプラ自体の魅力を見せよう、というのではなくて、まず格好良いメカを見せましょうよ、
というスタンスでした。格好いいメカアクションを見て、プラモが欲しいと思ってもらえばいいんじゃないかなと。それで実際に作ってみて、楽しさを
感じてもらえたらいいな、と思ってました。なので、格好いいアクションができるフィールド、ルールにしましょう、と。『ガチガチに決めちゃうと
アクションの流れが組み立てにくくなるかも?』という不安があったんですね。かといって、ルールが無いとなかなか物語に入り込めない部分
というのもある。そこを、キャラクターの魅力で入り込んでもらえないかな、と。例えばレイジだったらこういうキャラクターだから、
正々堂々と戦いたい、っていう。もちろんレイジの戦い方が必ずしも正解というわけではなくて、
こういうキャラクターだからこういう戦い方をするんですよ、っていうような持って行き方でアクションを見せていけばOKかな、と。

――ルールはあえて細かく決めずに。
長崎「はい。メカアクションを立てるのが第一、ということですね。そういう風にしたから、いろいろ盛り上げることもできました。
ライブ感覚で作っていった、という部分ですね。細かくやっていくとルール説明だけで時間がなくなっちゃうというのもあるんで、
『その時間はねえ!』と。最初は戦ってもガンプラは壊れない、という話もあったんですが、やっぱり大切にしているものが壊れちゃうとか、
そういう部分を残した方が入り込みやすいんじゃないかなと思い今の形になりました。実際に戦って、撃たれたら潰れる。そして、
そういったことの積み重ねでバトルとして勝敗が決まる、という。
最終的にはキャラクターの心理描写の盛り上がりのなかで、ルール的なものを匂わせていく、というかたちに落ち着いていきました。

――過去のチャンプや実力者は大型の機体を使ってましたが、そこに世代ごとのトレンドがあるようにも見えました。
長崎「黒田さんが作った過去の世界大会の優勝者リストみたいなのはあるんです。『過去の大会はこういうふうな感じでした』という。
ただ、あえてそこには触れずに前回大会で優勝したという体のカルロス・カイザーとか、本当は強いんだぞ、って言うのもあるのですが、
ぶっちゃけ、世代ごとのトレンドとかは決まっていないんです。たとえば、地上げ屋のタツが使っていたアプサラスVは、
最初はアッザムだったんです。ただ、面白いんだけどあまりにも弱そうじゃないかと(笑)。だったら単純にでっかい方が強そうに感じるんじゃ
ないのかなあと。でっかいモビルアーマーってなにかあったっけ、とアプサラスVの登場になったんですね。それだけの話で……(笑)。
16名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/09/10(水) 16:02:45.49 ID:JkEjyasy0
こだわりの無いマクガフィンとかマジファック
17名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/09/21(日) 18:25:16.03 ID:+LakKryF0
――いちどメガサイズのザクが乱入してきましたが、大きいのがいいならみんな大きいのを使わないのかな? と。
長崎「唯一決めていたのが、HG、1/144スケールを使いましょうというルールです。実際にはプラモになってないやつも多いんですけど(笑)。
それ以外のスケールはダメ。11話のガウとかも、1/144ということにしてます。メガサイズのザクも、具体的に『1/144じゃないから違反だ』
ということには触れていませんが、違反だというのは劇中でさんざん言っているので。あと、ザクに関しては劇中で1/48という台詞はあったんですが、
作画してみるとそのサイズじゃないな、っていうことになりまして(笑)。実際1/48ってあそこまで大きくはない、正確にするとあんまり巨大感が
出ないかなと。絵的には大きい方が面白いので、じゃあそっちを優先してはどうか、という演出でああいった描写になりました。

――大人の目で見るとMGだと小学生とかは参加できないのかな、とか。
長崎「(笑)。RGとかも上級者向けですしね。要はそれだけです。実際にガンプラになってなくても、ガンプラになっている世界なんだ、という。
1話でも、もうそれは出しているんです、イーゲルとかランバーガンダムとか、あきらかにプラモになっていないMSも出したい、と。
実際にプラモになっているか、なっていないか自体は大した問題ではありません。明確な参加のレギュレーションは『1/144かどうか』
っていうだけですね。それもセリフではなく、GPベースのモニターに表記されているだけです。
18名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/09/21(日) 18:33:06.78 ID:+LakKryF0
――この世界って、ガンプラが物凄く普及していて有名な世界なんでしょうか。
Q長崎「あくまでも現代の延長線上の話なので、あの世界でもガンプラはあくまで趣味的なものです。例えばメイジン・カワグチとかは、現実の
川口名人のように、ガンプラ世界ではたいへんな有名人なんだけれど、オリンピックみたいに、みんなが知っているというわけでもなければ、
普通の人がそれで食っていけるわけでもない……それぐらいの世界です。2話でユウキが初登場したときに、女子高生がユウキ会長の噂を
してるんですけど『お金持ちで格好よくて、生徒会長、勉強も出来て……、なのに趣味はガンプラなのよね、残念ね』みたいなことをいうんです(笑)。
音楽の世界、バンドのほうが格好いいのにっていう。そういう世界観なのに、だけどそこに、趣味に熱くなる人たちがいるほうが想いの強さを出
せるのでいいな、と。ガンプラやってる人=英雄とかになっちゃうと、『なんか動悸が不純かな?』みたいな(笑)。あくまで好きだからやっている
んですよ、っていうのを出すのだったらそっちのほうがいいんじゃないかなと思いました。

――好きな人たちが、好きだということを、確かめるために趣味に触れている。
長崎「そう、好きだと叫んでいる世界。だからガンプラを作っていながら、バトルをやってなくてもそれはそれでいいだろうし。
ラルさんも言っていたけれど、作って眺めるだけという遊びかたもある。別にガンプラバトルだけじゃないですよ、っていう。
そういう世界観でやっていますね。みんながガンプラで世界一になる、世界をとった!的な話だと何か違うな、
というのが、スタッフみんなのコンセンサスとしてあったんで。(笑)。

――ほかのホビー漫画だと、それが即ちヒーロー、世界の花形になる。本作ではそうではないんですね。
長崎「『だからこそいいんじゃないか!』っていう話ですね。止めたきゃ止めればいいんじゃない、という。無理してやるもんじゃない、
好きだからやるんだ、そうなれば『スポーツと同じだな』と。サッカーが好きだからサッカーをやるだけで、イヤならやめちゃえばいい。
義務とか使命とかではなく、好きだから夢中になれるんだろうし、何よりこのガンダムだからこそ出来る世界観だと思います。

――それぞれ主義主張あって、レナード兄弟のような戦い方でもユウキのような戦い方でも楽しいと。
長崎「レナード兄弟は悪役チックなふうに言われているんですけど、全然そんなつもりはなくて(笑)。そういう戦いかたをするヤツも居るけれど、
それはお互いの主義主張なんです。否定や衝突もするだろう、と。戦いかた、主義主張、目標みたいなものは、ユウキたちとセイたちでも
違うんで、それはそれでいいんじゃないかなと。マオとセイ、フェリーニが少し似ているくらい。あとはみんなバラバラで、でもその主義主張の
異なるいろいろな人と出会って変わっていくキャラクターたち、っていうのがドラマを作るにも盛り上がるし、
キャラクターにそういう幅をもたらせられたので良かったなと感じてます。
19名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/09/23(火) 13:56:40.81 ID:Z5PYqmIO0
――価値観は変わっていくけれど、お互いの否定にはつながらないというのも楽しいところでした。
長崎「ぶつかって戦って、認め合う、仲良くなりましたでいいじゃん、というね。仲良くならない人もいるけど、それはそれで全然問題ない。
そういうもんだと。

――全キャラクターが幸せなうちに最終回を迎えた物語なのは、そのへんとも関係があるんでしょうか。
長崎「少し話は飛ぶんですが、僕は学生時代にサッカーをやっていました。夏の練習とか、しんどいんです。面倒臭いし、ゲロ吐いて
走ってるし、負ければ悔しいし。でもいま振り返ってみて、それもよかったなって。負け試合の帰りにチームメイトと食ったハンバーガ旨かったな、
とか、イヤなことも良かったことも結果的にはそれがいい思い出になることなんだろうな、という。そういった、振り返った時に幸せになること、
というのがイメージなんですね。レイジや、マオや、フェリーニに、ひとつひとつの勝敗はもちろんあるんですが、それは次の勝負や未来に
繋がっている、と感じてもらえればいいな、っていう。それで彼らが、幸せになっていけばいいなと。負けたから俺は否定されたんだ、とか、
価値がないんだとか、そうではなく。そうではなくて、ひとつひとつに負けたり、悔しいことがあっても、それが自分を豊かにしてくれる、
みたいなかたちに落ち着ければいい。だから、「幸せにしよう!」というよりも、「結果的に幸せになってくれた」という感じがします。

――最初から決まっていたわけではなく。
長崎「死人が出ない楽しいフィルムにしようという話があったんで、無理矢理やろうとか、シビアにしようというわけではありませんでした。
もちろん、そうなっても別に構わなかったんです。アイナはそういう部分もありましたし。ただこういう作品だったらできること、というのもあります。
『戦争がテーマのガンダムだったら死んでるよね、これ』みたいなところもあるんですけど。あえてそうならない部分のよさが出ています。
主義主張がぶつかっていったうちに、みんなが幸せになってくれたというのが印象かなと。落ち着くところに落ち着いてったなというのが感想ですね。
負けて悔しかったら、次に勝てばいい、頑張ればいいと。それだけの話なので、『頑張れよ』と。ドロドロした足の引っ張り合いとかは、『面白く
ならないよな』とカットしています。キララが最初にちろっと、くらいですかね。まあそれも負けちゃいましたから。悪さすると負けるっていう法則が
発動すると(笑)。マシタ会長やベイカーさん然り!
20名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/09/23(火) 14:04:28.21 ID:Z5PYqmIO0
〜〜ホビーものと同時に、ジュブナイルである〜

――ホビー漫画って最終的に世界を救うような展開になるんですが、今回はあくまでスポーツとしてのガンプラバトルがメインで、
これが現代のフォーマットかとも感じました。
長崎「本編のガンダムってだいたいそうなんですけど、戦わなきゃいけない状況があるんですよね、使命だったリ命令だったり、
親が殺されたり……。状況に巻き込まれているので、本人の意志がまず関係ないんです。それはそれで面白いし、僕も大好きなんですが、
ただ、今回は『ガンプラっていうものをガンプラとして扱って欲しい』というのが最初の前提としてありました。ある日空から降ってきた、とか、
粘土で作ったらガンプラになった、とかではなく。あくまで商品として売っているものを、ガンプラそのものとして扱ってほしい、というのがあった。
もちろん、作劇はある程度限られてくるのですが、それさえ守れば自由だ、というのもあったんです。そこで、僕がスポ魂ものが大好きな
人間だったので、これはテーマになるし、巻き込まれるのではなく、できれば自発的に勝負に関わるキャラのほうが、溌剌として面白いんじゃ
ないかなと。『関わらないといけない』っていう義務とか使命とかじゃなくて、好きっていうバイタリティで関わっていく方が楽しめるんじゃないかなと。
『ガンプラが素晴らしいからやろう』、じゃなくて、『ガンプラをやってるこの子たちって凄く楽しそうだな、自分もそういうのをやってみたいな』と
思ってもらえるような作品にしたかったんですね。それはたぶん、ホビーものの王道とは少し違うんだろうな、という感覚はあったんですけど、
あえてそこはスポーツ物だよ、と。だから最初、『ガンダムだから人が死ぬんじゃないか?』って散々言われたんですけど、死にませんから、
スポーツ物ですから!って(笑)。これに関してはあくまで、ジュブナイルのようなテイストの話にしたかった。『セイ君の中学1年の夏はこうやって
過ぎていきました』という話だよ、と。セイが成長するきっかけの、出会いの話なんですよ。だからレイジも、『このキャラはなんか使命があって
こっちの世界に来たのか?』って散々言われたんですけど、『何もないんだよ』と。ガンダムってタイトルがつくと何かあるんじゃないか、
あっちの世界、アリアンで戦争があるんじゃないか、とか思われるんですが……。
違うんだよ、食べてばっかりの居候だよ、レイジはお化けのQ太郎みたいなもんだよ!と(笑)。
21名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/09/24(水) 08:31:12.10 ID:uASgStvc0
〜〜好きを仕事にしたユウキ・タツヤ〜

――ちなみに監督がお好きなキャラクターって誰でしょうか。
長崎「そうですね。全部をフラットに見てるんで、どのキャラにも思い入れはあるのですが……主人公のセイやレイジはもちろん、レナートも好き
だし……。あえて、とするなら……ユウキですかね。ユウキは、全然ベクトルがセイたちと違っていて、やっていて楽しかったですね。彼も主人公になれるくらいのキャラクターだったんです。好きな事を仕事にした人間の話、という。

――PPSEのワークスという社会の枠組みに入ってまで、ガンプラをやっている。
長崎「そういう人の話だったんで、仕事に煩悩する感じは非常に好感が持てて、凄く好きでしたね。だから思い入れもつよいです。……少し変な
キャラになってましたけど(笑)役割を演じているあたりは。

――中学校の後輩から『どうしたんだ……?』と言われても、ビシリと役割を演じるあたりは格好いいところでした。
長崎「好きなことを仕事にするのは、なかなかね、大変ですよ。仕事で自分の好きなことだけが出来るわけじゃないですからね。『求められる
仕事をやりつつ、どうやって自分を出していくか』っていうユウキの葛藤は、監督としての私のテーマでもあります。その部分はやっていて
楽しかったですね。いままでこんなキャラクターとか関わったことがなかったんで。メイジン・カワグチという名前も含めて。

――初代はやっぱり……
長崎「明確には決めていませんが、バンダイの川口さんですよ(笑)。
22名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/09/25(木) 18:26:54.36 ID:EgtkDwXW0
〜〜あらためて『ビルドファイターズ』〜

――これからメディアなどで見直す方もいらっしゃると思うんですが、2週目ならではのポイントってありますか?
長崎「そうですね。2回目を観るんだったら、濃い見方をするんだったら、メカやキャラの出自を観ると楽しいんじゃないかなと思います。
カクリコンも格好いいんだよ、ジャミルも格好いいんだよ、とかね。そういった楽しみかたもできるはずです。あと、音楽もぜひ意識して聞いて
貰えれば。音楽の振り幅もあって、Aパートの日常とBパートのバトルは全然違う、とか。
そのへんも意識してもらったら全然違う、見えてくるものがあるんじゃないかなと。

――最後に、視聴者の皆様になにかメッセージがありましたら。
長崎「最初に監督のお話を頂いた日に思ったんですが、本当にお祭り騒ぎみたいなアニメにしたいな、と。家に帰ってきて、パッとみて、『あー
面白かったな、ワッハッハ!』とすっきりするようなアニメにしたかったんです。そう思いながら作っていったら、スタッフも、観ている人も
盛り上がってくれたので、そんなかたちで半年間楽しんで頂けたなら幸せだったなと。何年かした後に、あのアニメ面白かったな、また観たいな
と思い出してもらえたなら作り手としては感無量ですね。これを機にガンダムシリーズを観ていただくのもいいなと……。
いまは、『全部乗せどんぶり』の味はいかがでしたでしょうか? みたいな気持です(笑)。
23名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/10/08(水) 18:52:44.92 ID:FNNuwnvp0
ガンダムビルドファイターズトライは糞アニメ 6
http://mastiff.2ch.net/test/read.cgi/anime/1412761730/
24名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/10/08(水) 23:06:37.28 ID:sTR+Bh6E0
サンライズ第3スタジオプロデューサー 小川正和
 現場と密な関係を築きながら、情報のコントロール、指揮に奔走した小川氏。その話は多岐にわたった。

――本作の企画となりたちをお聞かせいただければと思います。
小川 「ガンプラものとしては以前別の担当がガンプラビルダーズビギニングGという作品をバンダイのホビー事業部さんと記念映像として
ガンプラものを作っていました。今回はTVシリーズということでしたが、前々からバンダイさんから、やりたいという話は聞いてはいたんですが、
こういうかたちで実現することになりました。ガンプラを題材にしたTVシリーズは初めてだったので、バンダイの担当で馬場さんにも
入ってもらって。立ち上げの段階でメインのMSというか、ガンプラをどうするかとか、主立った要望を聞きつつ、スタッフを決めていきました。

――ユーザーのコア年齢はどのあたりと捉えていたんでしょう?
小川 「ビルダーズはある意味マニア向けのアニメだったと思うんですけど、今回はベースターゲットは中学生というか、主人公くらいの年なのかな、と。
逆に30代とかで、昔からガンダムが好きで見てもらえる人にも侮られないようなつくりにしよう、とも思っていました。特段ターゲットを提示せず
ある意味全方位向けに作っていきました。ガンダムが好きな人だったり、昔から見ている人たちは気付いて楽しめる部分もあるでしょうし、
ガンダムを観たことが無い人でも単純にホビーアニメとして楽しめる。王道の作り方をしているので、興味を持ち始める最初の段階で極力見やすく
しよう、と。途中からはけっこうネタ的な部分も含めて、コアな部分も強くなっちゃったんですけど。最初はかなり気を遣ってやっていたんです。
1話を作り終わったとき弊社の佐々木と見た感想が『こんなにあっさりしていて大丈夫かな?』でした。ただ意外に初見の人も、昔からのファンの
ひとたちもすんなりと受け入れてくれたので、この感じならいけるな、と。そこは監督の力量に因るところが大きかったですね。

――1話はギャンが出てきたり、上の世代へのサービスがしっかりしている印象もありました。
小川「そこまでファンサービス的な意味でギャンを選んだわけではなかったんです。想像以上に受け入れてくれたな、というのがこちらの正直な反応で。
言ってしまえばギャンを使っているサザキなんて、最初のチョイ役だったはずが、気づいたら最終話あたりでもチラッと出てくるかたちになりました。
黒田さんはサザビーから名前をとった、と言ってました(笑)。そういう意味では作りながらキャラも成長していった作品だと感じています。
ストーリーラインの基本としてセイとレイジ、二人の少年の成長物語があるというホビーアニメの王道的なところは踏襲しつつ、35年なる
ガンダムのメリット、利点を使えるか…。そこの組み合わせが今回上手くいった部分であると思います。
25名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/10/08(水) 23:09:42.21 ID:sTR+Bh6E0
――セイとレイジのふたりというのは、バディものを思わせます。
小川「同じ社内ですけど、TIGER&BUNNYとか、バディものが流行っていたからふたりに割った、という意図はありませんでした。
主人公がひとりだと、プラモを作るのも上手くて、バトルも強い完璧なキャラクターになってしまって、ストーリー的に作りづらい。また、

プラモを作ったことがないような人、ガンダムを知らない人もなかなか入り込みづらくなってしまう。
そういう意味でセイとレイジのふたりに分けたのは、黒田さんの発案でしたが大きなポイントでした。

――知らない人へのレイジ、知っている人へのセイという。
小川「主人公の要素を二人にどう上手く分けたら、ガンダムに詳しい人も、そうでない人も入りやすいか、
というところをいろいろと考えた結果でもあるということです。

――7月の発表からの反応はいかがだったんでしょうか。
小川「発表したときには、まだ皆さんの期待値がそんなに高くなかったと思うので、作り手側としては変なプレッシャーがなくのびのびとやれた
部分でもあり、いい方向に作用したかなと。期待値だけが上がりすぎて、実際に始まると……、というのは辛いですから。

――見る側がフラットに作品を見られる状態を、ということですね。
小川「通常のガンダムのシリーズだと、世界観設定など別の意味でハードルが高い部分がありますけど、
今回はまずガンプラというところで新しいことをいろいろできる前向きな空気がありました。
ただ、戦闘シーンに関しては通常のガンダムに劣らないように、いままで見てきてくれた人たちにも満足できるような作りを目指していきました。
26プレシオモン@転載は禁止:2014/10/09(木) 02:19:15.58 ID:hYU1NKH+I
僕もガンダムビルドファイターズが大好きだよ
私もガンダムビルドファイターズが大好きだよ
俺様もガンダムビルドファイターズが大好きだよ
27名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/10/09(木) 13:33:50.25 ID:AX5SNbBt0
〜〜ガンプラバトル、手描きならではの破壊の魅力〜

――好評の戦闘シーン、やはり大変だったかと思うのですが。
小川「基本はガンプラですけど、バトルに入って以降の描写自体は通常のMSの戦闘シーンに近いんです。また、毎回、少なからずバトルが
あるように構成してもらっていたので、いろいろなことがやれる反面、そのぶん負荷もものすごくかかったわけで……。AGEや00などSEED
DESTINY以来ずっと手書きでメカを描いてもらってきたスタジオでしたので、『なんどかやれるだろう』と思ってはいたんですけど、
やはり大変なことは大変でした。

――全力で戦って、壊れていく描写も戦闘の迫力を増していました。
小川「本当のガンダムだったらあれだけ壊れたらパイロットが死んでしまいますし、ストーリー的にも重くなってくる。その点ガンプラバトルだから
こそできることの利点を今回は上手く活かせたということです。また、メカアニメーターによる作画だからあれだけ上手く壊すことができました。

――いわゆる3DCGで作っているものだと、あんなに上手く壊すのは難しいところですね。
小川「3DCGだと、壊れた場合はそれにあわせてモデルを作り直さないといけないですし、3DCGの利点と、そうじゃない部分をしっかり踏まえ
て、今回は作画でやったことをいい意味で映像にフィードバックできました。この作品に関して言うと、作画でメカを描く、っていう部分では3DCG
としてのメカものが増えて来ているなかで、多くのメカアニメーターに協力してもらえたのは非常に大きかったです。

――そうそうたる顔ぶれですよね。
小川「同じ社内でガンダムUCとか制作されているなかでもTVのスケジュール単位でこれだけやってもらえたのはありがたかったですね。
作品が受け入れられると、やった甲斐もあるので、制作としても関わってくれたスタッフに報いることができます。
作品のなかには労力はかかったけど……、という場合もあるので。そういう意味でも幸せな作品です。
28名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/10/09(木) 18:24:56.09 ID:AX5SNbBt0
――ガンプラを壊す描写って、メーカーであるバンダイさんのほうからNGとかはなかったんでしょうか。
小川「今回は実機をプラフスキー粒子という謎の粒子で操る形式をとっており、確かに映像演出としては派手に壊しています。しかし粒子がなく
なったときのプラモデルの壊れ具合は、映像での壊れかたよりも軽減されている感じで表現しています。パーツがメカ戦闘の描写では完全に
壊れているところも、単に外れているだけである、という感じで若干描写としてはやさしくしています。(壊すということに対して)そこはホビーさん
も気にはされてましたけど、許容してもらったというか。どれだけ派手にやっても“粒子がなくなったらもとのまま”だと、果たして思い入れ的に
どこまで入り込めるのか、という問題もあります。そこは、普通のガンダムシリーズにも通じる、大事なものが壊れることの哀しさみたいな感じを
ある程度残したかったので。スポーツで考えてもらうと分かりやすいんですけど、真剣勝負だからこそ怪我をしたりもするじゃないですか。
また、ガンプラ自体は自分で組み立てるものなので、作っている最中に壊したり完成した後に不注意で壊してしまったり…。
“ものを作ること”を表現するには、逆の“壊れること”もきちんと表現しないと成り立たないのかなと。
そういう意味で今回ホビーアニメのスポンサーという立場でも表現として許容してくれたバンダイさんには大変感謝しています。
ただニッパーなど実際の刃物を取り扱うというところでは危険な部分の描写はしっかり気を使ってやりました。

――フェニーチェの殺陣などは壮絶でした。
小川「あれぐらいでないと、ガンダムを見慣れている人にとっては感情移入できないのではないかと。変な話ですけど、自分たちが子供の頃に
見ていたアニメで、壊れないのってそんなになかったよね、っていう。むしろいまよりもっと壊れていたんじゃないかなと。ちゃんと、意味のある
壊しかたというか、意味なる映像表現、演出として成立させていれば、作品として良い方向に働くはずです。下手な表現をすると、スポンサー
からは怒られる、観ている人は残念に思うという結果になってしまいますが。でも、フェニーチェや、6話の戦闘も、良いかたちで表現できた
のかなと。バトルが終わった後にセイやレイジだけでなく相手であるユウキも含めて、ある意味清々しい感じになっているのが今回の
ガンプラバトルで目指したところです。スポーツ的でいい試合をしたら勝ち負けはつくけど、この作品のテイストを表現できた話数でした。
29名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/10/09(木) 19:54:41.29 ID:AX5SNbBt0
〜〜多彩なバトルバリエーション〜

――15話に限らず、テンションの高い戦闘が続きました。
小川「1年ぶっ続けでやれと言われたら絶対無理だと思いますけどね(苦笑)。感覚的に言うと、そのまえが1年通してやる作品を制作していた
ので、半分であればなんとかなるだろうと思ったんですけど……大変でしたね。黒田さんに気を遣ってやってもらっていたのは、
1話にかならず1バトルあるということと、極力1話完結の話にして見やすくするということ。そこをキッチリやってくれました。ただ、1話で終わら
せることはあまりできないので。レース回だったリ野球回だったりと、いろいろやったのは、映像演出的に1対1というのがギミックをいろいろ
盛り込んでも最終的にどこかで限界がくると考えていたからです。そういう意味では、1年だと変に間延びしていた気もするので、2クールでむしろ良かったかと。きっちり駆け抜けることができました。

――レース、野球、バトルロワイヤルありの。1対1の回も見せかたのバリエーションは凄く多かったですよね。
小川「セイとレイジのバトルだけじゃなくて、ユウキやフェリーニといったキャラクターたちそれぞれと連動するガンプラで様々なバトルを描けた
ので。なかには騎士ガンダムとベアッガイVのようなものもいて(笑)、いろんなバリエーションができました。
特にベアッガイVは、ここまで売れるとは思ってもいませんでした。どう見てもこれはMSとしてはかわいくなりすぎだろうと(笑)。
これに関しては海老川さんがいい感じでデザインしてくれましたおかげなんですが。もとのベアッガイあってのことなのはもちろんですけどね。
新規層へのつなぎはベアッガイVが一番だったかもしれません。

――バトルのバリエーションも多岐にわたっていて、見応えがありました。
小川「商品が出ているけど活躍しないパターンは怖いので、そこは上手いこと振り分けて商品として想定されていた機体はそれなりにきっちり
出せたかなと。18話のジムスナイパーK9とケンプファーアメイジングの戦闘は、昔からのガンダムファン向けにと作りましたが好評で何よりでし
た。ただ、『Gガンダム』のような殴り合いも見せたかったので、15話みたいな肉弾戦や、戦国アストレイとの戦闘など、幅を持たせていきました。
ガンダムファンも、子供にとっても、好きな戦闘シーンってあるはずなんですけど、基本的には格好よくないと見ないわけです。
今回は、それをいろんなパターンで描けたので……作るのは大変でしたけど。

――戦国アストレイの決着は『これぞ!』という仕上がりでした。
小川「もともとアストレイ自体が、線が多すぎて本来アニメ向きじゃないデザインなんです。今回もけっこう線を減らしたうえで、撮影処理も入れ
たりして対応はしたんですけど、それでも厳しかった。今回は本当にアニメーターさんたちが頑張ってくれた部分は大きいです。Sガンダムも
動かす予定がないのが動いちゃったりしましたし、そういう意味では作画さんたちを中心にみんな、大変だけど楽しみつつやってくれたのが
大きかったですね。動かそうと思えばもっと動かせるのかもしれないですけど……それはもうTVでやることじゃないなというのも含めて(笑)。
とはいえ、ケンプファーやジムスナイパーUなど、今まで観られなかった部分を新規映像で見られるという、戦闘シーンとして映えるものを
選んでいったというのはあります。
30名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/10/10(金) 22:08:51.81 ID:ygGCrhz90
〜〜通常のガンダムと異なるガンプラだから出来ること〜

――ガンプラ、というテーマもあってか、全体に明るく爽やかな作風でした。
小川「そうですね。今回、ガンプラでさすがに人が死ぬようなことは……。
通常のガンダムが、人が死んでしまう“戦争もの”なので、正直な所ガンプラでそれをやっても仕方がないだろうと。
ガンプラだったら通常のガンダムじゃできない方向にストーリーを振っていけるんじゃないかという意味で上手く転換できました。

――悪役ですらハッピーな。
小川「基本、悲劇的な感じにはしていません。前回大会の王者のカイザーは出オチだったので可哀想といえば可哀そうなんですが(苦笑)、
でも、あのあともきっとガンプラバトルをやっている気がするので。負けた人たちもなんだかんだで続けているはずです。基本みんなガンプラが
好きですから(笑)。マシタ会長のキャラクターも、気を遣ったところですが、ホビーアニメでも作品によっては世界征服を目指す悪役もいるんです。
でも、敢えて老後の生活とか、裕福に暮らしていければそれでいい、と言わせて、ストーリーでは悪役だけど、憎めない悪役というか、若干
その、バカだなと、笑えるラインに落とし込むためにああいう扱いに持っていった、というのもあるので。
結果的に憎めない悪役として成立したのではないかと。通常のガンダムシリーズだとだいたい変な野心を抱いて酷いことになっていくのですが。
そういう深刻になりすぎない部分がいまのアニメファン的に受け入れやすかったのかもしれません。

――スッと受け入れられる部分ですね。
小川「制作当初から、働いている人には家に帰ってきてビールを呑みながらでも、子供たちにはふつうにお菓子でも食べながら気軽に見られる
ような作品にしよう、と。そういうところは本当にガンプラだから実現した部分ですね。見終わって嫌な気分になる話数は少なかったはずです。
いま、アニメの本数が本当に多くて、2、3話見て面白くなければ見てもらえなくなってしまう。
そこで、次の話への引きはちゃんとつくらないといけないんですけど、嫌な引きを多くしない。これはガンダムが35年続いてるおかげですが
ファンの人たちには『次にどんなメカが出るかな』という引きもできますし、ストーリー部分でも純粋に上手い引きを作る。
黒田さんも監督も、考えて作ってくれたおかげでサラッと見られる作品になりました。
31名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/10/11(土) 12:27:02.53 ID:tUK5g2PS0
〜〜ガンダムシリーズ=とんこつラーメン   ビルドファイターズ=塩ラーメン〜

――表面には見えない、たいへんな舵取りが行われていたんですね。
小川「監督は大変だったと思います。いま、本当に視聴者の目が肥えていて、引きを見透かされてもダメだし、かといって分かりづらくしても
難しい。これはGBFに限った話じゃないと思いますが、作り手側として相当難しいところです。

――選択肢のなかで、あっさりしたものをいかに提供するか、という。
小川「言ってしまえば、ガンダム自体がメチャクチャ濃いとんこつラーメンみたいなもので。好きな人はクセになるような感じですけど、
かといってそのラーメン屋は、常連ばっかりで入りづらいじゃないですか。しかも味について下手に語ろうものなら、凄くいろいろ言われそうな。
そういう意味で今回は、あっさりした塩ラーメンで。まあ、好きな人はトッピングで濃くしてください、みたいな(笑)。
そんな感じで今回はやれたんじゃないかなと思います。

――その激戦区に立ち入る難しさたるや、というお話ですね。
小川「ただ、他がしっかりとしたとんこつラーメンだったから良かったという話でもありますl。昔で言うと『Gガンダム』がそうだったんじゃないかと
思うんですが、ひと味ちがうものを作れたんじゃないかなと。あとは本当に、ファンがシリーズ同士で対立して欲しくない、という部分もあって、
そこがガンプラで消化できたなと。扱える部分と扱えない部分も、権利関係を含めていろいろありましたけど、極力バランスをとって出していけた
ので。SDガンダムを出せたのも今回ならではだと思います。

――SDガンダムの参加はインパクト充分でした。
小川「PVの時点で騎士ガンダムやベアッガイを混ぜ込んだのも、今回はいろいろ出しますよ、という宣言も込みで作りました。
変にハードルが上がらないようにしつつ、興味を持ってもらうように段階を踏んで……。
よくも悪くもガンプラですけど、ガンダムっていうタイトルがついてる以上下手なことはできない。

――たいへんなバランスをとって、そのうえで本筋を進めていったという。
小川「セイとレイジの話という部分では、ああいう形でレイジを異世界人という設定にして。最終的にふたりの別れも含めて、劇中では4月から
数カ月の物語です。そういう意味では監督のやりたかった、ガンプラとは違う部分のストーリーラインもあるので。そこはちゃんとミックスできたん
じゃないかな、と。キャラクター作りに関しては黒田さんが本当に上手くやってくれました。ふたり以外にもキャラクターデザインの大貫さん、
デザイン協力のヤスダスズヒトさん、そしてこの作品に関わってくれた各スタッフみんなが各々のフィールドでやれることをやりきってくれた、
というのが一番大きかったと思います。
32名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/10/11(土) 13:27:03.20 ID:tUK5g2PS0
〜〜TVアニメに求められる情報提供のタイミング〜

――続々と発売されるガンプラが、次次画面に登場してきました。
小川「どんな商品展開をするか、というのはホビー事業部さんと突き詰めたうえでやっていきました。ホビー事業部さんの方から『追加で商品化
したい』というガンプラもありましたけど、そういう話も作品に取り込んでいきながら。そこは、ホビーアニメとしては絶対に外せないところで、
要するにアニメに登場したときに売り場に並んでいない、というのがないように。唯一気を遣って貰ったのは、ネタバレ的な部分に関しては、
放映に先駆けてプラモが出たときに、解説などで極力バレないようにしてもらいました。お互いが協力して、一番楽しめるかたちで視聴者に見て
もらい、プラモデルに入っていけるようなカタチにしたんです。昔と違って、いまはすぐに情報がネットに挙げられて、パッと広まってしまうので。
バレてもいい情報とそうじゃない情報をうまく取り分けて、観てる人ががっかりしないような形にはしようとやり取りをしていきましたね。
サブタイトルとかも監督が気にして、急遽代えさせてもらったことも。今回に限ったわけではないんですが本当に視聴者の皆さんを想定して
(予定を)組んでいかないと危ないな、というのは改めて感じました。それはガンダムという作品を扱う上では特に気をつけないといけない。
昔ほど、絶対に作品を観てくれるとは限らないので。これはいろんなジャンルで生じていることだと思うのですけど、
いろいろな食べ物があるのと一緒で、これを食べなきゃいけない、というわけではなくなってきている。
そのなかで選んでもらって、しかも美味しい、といってもらうためには作り手側も漠然とやっているわけにはいかなくなってきている。
そこは本当に、PVも含めて情報をどう出していくか。映像を制作する会社はどこもそれで頭を悩ませているとは思うのですが。

――多作の時代の、新しい問題ということですね。
小川「今は放送されたらすぐ反応がある。かといって、それで軸をブレさせるわけにもいかない。
作るほうも大変な時代になった。というのは間違いないと思います。


〜〜軸を貫いたキャラクター描写〜

――小川さんのお気に入りのキャラクターは、誰になるんでしょうか?
小川「一番衝撃的だったのはラルさんですけどね(笑)。企画打ち合わせの時に黒田さんが出してきて。ただ、黒田さんが自分の方に確認して
欲しいと言われたのは、もともとの広瀬さんが演じてもらえるか、ということでした。いけるのであればラルさんを使おうということで。
……そのラルさんを別にすれば個人的には何と言ってもセイでしょうね。ストーリー的にも成長物語として分かりやすいキャラですし。
ただ、他にもフェリーニの、駄目な大人なんだけど、ガンプラへの思い入れとかは共感する部分があって。
各世代にひっかかるキャラクターが一人はいたと思います。Xが好きな人はマオだという人もいるでしょうし。
そのへんは人によって違う部分ですけど、最終的にはセイとレイジの話で追われたんで、そういう意味ではセイですね。
セイが成長していく物語という、その軸はブレていない。
33名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/10/11(土) 13:31:09.58 ID:tUK5g2PS0
〜〜そして、これからのビルドファイターズ〜

――今後の展開についてお聞かせできますか。
小川「ブルーレイボックスの2巻目が6月に発売になりますが、特典映像に加え、特典の特典で、ちょっとオマケをつけました。
それを見てもらえれば、もしかするといい話が先々……あるかもねと、思えるかと。いい話が近い、とだけ。おかげで現場は大変です(笑)。
ハーフマラソンのつもりが……と。

――ファンの方へ向けて、メッセージをお願いできますか。
小川「サンライズのガンダムプロジェクトでも、予想外といえば予想外の展開になったと思います。ガンプラのアニメでしたけど、
ガンダムをこういう形でも楽しんでもらえれば、そしてまたこういうアニメが作れればいいな、と思います。
34名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/10/14(火) 23:08:18.85 ID:vsQnFJfW0
プラスチックを動かし、爆発やビームなどのエフェクトも発生させる粒子なんて凄いじゃん
現実の現代水準の科学レベルの世界でその研究をするのは最先端を飛び抜けた最先端だろうに
ドレッドの天才君に天才の君ともあろう者がおもちゃの研究を〜とか嘆いてたアホ教授は本当に教授なのか
35名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/10/15(水) 19:59:36.81 ID:5V1S6/290
バンダイホビー事業部番組担当 馬場俊明
 馬場氏は、ガンプラの本舗であるバンダイ側から、作品のために初期段階より強く関わってきている。


〜〜タイトル初期案は『ガンプラビルドファイターズ』〜

――本作は、どういったコンセプトで臨まれたのでしょうか。
馬場 「僕自身がガンプラ側の人間じゃないんですが。ガンダム側の人間ではなく、バンダイでプラモデルを作っている。もともとバンダイに
入ったのがプラモデルが作りたいっていうか、モノ作りがしたいっていう発想から入っている人間なんで、サンライズさんで映像に関わられて
いる方と違うところにモチベーション、発想があったと思うんです。正直に言うと、ガンダムを 作ろうという発想が無かったというか。ガンダムを
取っ払って、視聴者に向けた素材としてガンプラっていうのを考えていたので、どちらかというとまずガンプラ、モノ作りの楽しさ。なので、ガン
ダムから入ってモノ作りっていう流れではなく、モノ作りから入ってガンダムに行きつくっていうのを目指したんです。ちょっとそれはガンダムとは
違うかなと。当初は「ガンダムビルドファイターズ」ではなく、「ガンプラビルドファイターズ」っていう仮タイトルでやってたんで、
元々はガンダム作品というかたちでもとらえていなかったというか、それとは違う物としてみたいという発想が一番はじめにはあった。
最終的にタイトルは「ガンダム」になりましたが。

――結果的にガンダムのアニメの、新しいものになった。
馬場 「とはいえ、新しい切り口としても、Gガンダムが今までのガンダムとは一線を画していたのと同じくらいのクオリティで、アピールできるん
じゃないかなと。ガンダムっていう4文字は付きましたけど、はじめの発想としてはガンダムシリーズを作ろうと言うよりも、新しい、ガンダムを
素材にしたガンプラのアニメを作るというのが大きかった。すでに2011年にガンプラビルダーズという作品で同じテーマを扱っているのですが。
36名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/10/15(水) 20:02:01.88 ID:5V1S6/290
――ガンプラビルダーズが今回の作品の雛型であったという事ですね
馬場「まず、ガンプラのアニメを作りましょうと。それで、ガンダムの、いままでのモビルスーツが総登場するカタチにしましょう、というのは
けっこう初期の段階では長崎監督とか小川プロデューサーとか黒田さんと共有していて。ホビー事業部としては出したいガンプラはこれです、
あれですというある程度のカタチは提案させてもらったんですけど、後はシナリオとかキャラクターに引っ張られていった部分が
すごく強いかなと。ふつうのホビーアニメみたいなかたちには多分、なっていないと思うんです。
作るっていうのがテーマであっても、ガンプラを実際に作るシーンが出てきたのはもう年を明けて、16話とか。レイジとアイラが一緒に作るところ
までずっとやらなかった。普通のホビーアニメだと、たぶんないと思うんですよ。そういうところをあえてと入れないようにしていったのが、
今回はちょっと違うところかなと。作るのが楽しいぜ、というのを言葉では言っているんですが、
実際にそこを教育的に見せる部分っていうのは敢えて外していたところで、ホビーアニメの切り口でやりつつ、でもホビーアニメじゃない、
みたいなところに持っていったから、ああいう作品になったんじゃないかなと思います。

――教育的な部分が無いというのは、どういった意図でしょうか?
馬場「お話の中に、商品のシーンが何分なきゃいけない、とか、商品の説明が上手いことストーリーのなかに入ってなきゃいけないとか、そういう
前提があると明らかに「ここって商売っ気があるよね」っていうところはもう裏から見えてしまう。それって実際、自分が子供の頃にすら感じて
いたことなんで、そんな子供だましは通用しないかな、というのがあって。本当にお話の中で必要になる所までは、入れなくてもいいんじゃない
の、というふうに思っていたので。それを入れてください、っていうのは担当者としてスタッフの方々に強く言わなかったというのがあったんです。
そもそもガンプラ自体がけっこう歴史が長いものなので、興味を持って調べようと思えば情報は世の中に転がっているし、幸いなことに売り場も
全国にたくさんあるので、売り場に行けばある程度の情報は転がっているし。そこはバンダイの営業のほうとも協力して、
じゃあその作らなきゃいけない情報はホビーサイトで強化したり、売り場に行ってから、売り場で得られるようなかたちにチラシを作ったりとか。
無理に番組のなかにそれを入れなくてもいいかなという判断でやってみたんです。
そのぶんセイやレイジをいかに生き生きと描くか、成長させていくか、というところを監督をはじめとしたスタッフの方々の力を信じていたので。

――いままでに比べて違うカタチのホビーアニメということで、苦労も多かったのではないでしょうか?
馬場「じつは作るほうの苦労は全然なくて、1話のシナリオとか、プロットが上がってきた時点ですでにキャラクターのドライブ感というのは感じた
ので、このドライブ感を消さない方向で進めてもらった方がいいかなと。オモチャのステップがあったうえで、次にキャラクターのドライブ感という
のは、順番として入り込むには深さが足りないだろうというのは思っていたので、これがいい結果になるだろうな、という確認は初期段階から
あったんです。僕がたぶんそこで失敗したら、仕事的に、個人的にリスクを背負う部分ではあったと思うんですが(笑)、そこは敢えて。
スタッフの方々の力が凄かったので、そこを信頼してやってみようかなと。
37名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/10/16(木) 22:53:43.26 ID:c5D4swZ40
〜〜ガンプラのキャスティングとそのコンセプト〜

――主人公機が改良型、発展型ということの意図は何なんでしょう?
馬場「何かベースがあって、改造した、要は主人公がガンプラが好きな子で改造したんだよ、という流れがあったほうが自然だからです。天から
与えられたものだったりとか、主人公がいきなり天才で第1話から猛烈な実力を発揮して、オリジナルの機体だけでもいいのですが、それを説明
する必要がある。商品的に主人公のガンプラとベースになったキットを両方作れるというメリットはあったので、
そのふたつが上手く融合したなという感じでした。

――ストライクというセレクトには、世代的なものもあるんでしょうか。
馬場「世代的なところでいうと、ファーストガンダムがもうあまりにもガンプラとして象徴的なものになってしまったので、それは一回外そうと。
お父さんのガンプラとして出てきましたけど。もうガンダムSEEDから10年経っているので、当時12歳だった人ももう22歳。だから、12歳に
とっての、生れたて2歳のころの作品なので、新しいガンダムとしても受け入れてくれるだろうし。模型的な都合でも、付け替えて遊ぶことが
できるというコンセプトで、ストライクって背中のパックを付け替えできますよっていう部分が一番簡単に変えられる、という風につながっていた。
あと海外でガンダムSEED、ガンダム00は海外展開も将来的に踏まえて考えたいなといっていたので、その3つが理由ですね。カスタム機
である理由もそういうところです。

――完全新規のキットも登場します。
馬場「幾つかの完全新規のキットも作っています。ベースの機体がありつつも金型的には完全新規。やっぱりもとになったガンダムがあるという
のを全体に統一したテーマとして入れたいと。主人公も含めて全員、なにかしらベースキットがあると。

――そのうえで各作品から持ってくるというかたちですね。
馬場「機体に関してはスタッフの皆さんと話をしながら、これがバランスがいいんじゃないかっていうのでいったんで、指定はしていないんです。
シナリオの打ち合わせをしながらどれが出てくるといいかなと、けっこうキャッチボールしながら決めていくことができました。

――アストレイとかはその段階で。
馬場「アストレイとかはキャッチボール段階で、海外で人気があるから出したいなと。出さなきゃイヤだ、というほどの感じではなくて。世界戦に
なったら武者っぽいのが出てきても面白いね、というのが自然に出てきたところで。黒田さん、長崎監督からするとバンダイから言われて、という
部分はあるかも知れないですけど僕としてはゴリ推しした感じはなくて(笑)。アストレイに限らず、全部が凄く収まっていったという意味で、いま
振り返ってみると非常にビックリしているような状態ですね。
38名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/10/17(金) 20:12:25.74 ID:NQByJRYq0
〜〜ビルドファイターズのメカデザイン・フロー〜

――各メカデザイナーさんとはどのようにお話を進めていったのでしょう。
馬場「たぶんメカデザイナーさんが一番苦労していると思うんです。ランナー1枚を変えてここだけ変えてください、みたいなことをこちらが指定し
ているので。言葉で言うとやることは簡単なんです。前のデザインこことここを変えて下さいと。でも、そこってやっぱりデザイナーさんのこだわり
だったり、バランスの取りかただったりの葛藤っていうのは多分大きかったと思うんですね。
そこはご苦労させてしまって申し訳なかったなと思います。

――例えば「肩を使いたい」となった場合、生産型のランナーとかは全部収まるようにしながら。
馬場「そうですね、具体的にいうと元のメカの設定をもらうじゃないですか。もらってきて、マーカーでこの1ランナー外したらここがなくなります、
代わりにこんなものをつけてみてはどうですか、という提案書をデザイナーさんに渡す。それでデザイナーさんも『こういうこともできるけど、
どうですか』というのを返してみる。そうすると、こちらで『このパーツとこのパーツに齟齬が出てしまいます』というやり取りをやらせてもらって。
逆に出てきたアイデアが面白かったら、じゃあこのパーツは1パーツ余っちゃうけど、とか、ちょっと1ランナー増えちゃうけど、そのぶん面白い
ことができれば、というかたちでランナーが1枚増えてもそれは再現しましょう、とか。と、いうのが今回のデザインの作り方でした。


――多数のメカデイナーさんが参加されていました。
馬場「海老川さんはプラモデルをずっと一緒にやってるんで、けっこう理解してくださって、金型の都合とかも今まで無理を聞いて頂いた経験が
ありました。寺岡さん、石垣さんは悩まれてました。アストレイズさんはもうそういうことしかしてない方たちなので(笑)。寺岡さんと石垣さんは
大きく悩ませてしまったかな、という感じです。
ただ決して、じゃあバンダイが描いたとおりに描いてください、というよりも、ある程度デザイナーさん側からご提案頂いたものに対して、
じゃあうちも変えていきましょう、としつつ、最終的に面白いものになれば……というところでバランスを取っていきました。
39名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/10/17(金) 20:32:02.87 ID:NQByJRYq0
――ザクアメイジングなどはとても良くまとまっていました。
馬場「ザクアメイジング用の追加パーツだけを抜き出すと『アメイジングブースター』という単独メカになる。今までやらなかったことで初期社内
プレゼンでも上手に伝えられなくて困りました。6話の映像を見れば一発で理解できるのですが。

――ガンプラならではのバリエーションというわけですね。
馬場「ザクの変わった部分を別のものに変える、という、そこにガンプラ的な発想を寺岡さんに盛り込んでもらって。ガンダム的な発想だったら
出力がどうか、とか、開発経緯があるから次はこういう形状ではないか、とかが来るんですが、ガンプラ的な発想なので、ここにパテを盛った
とか、ここは流用パーツだとか。本当の兵器だったらありえないだろう、ヒートナタだったりとか、そういうちょっと面白いものに道が逸れていく。
石垣さんもたぶんその辺を盛り込んでもらっていて、Xの次にDXならぬ、Xの世界観ではありえないX魔王を……
サテライトキャノンとソーラーパネルが両方あって、昼も夜も両方使えるという、トンデモないものになっていたんですが、
それはガンプラ的な発想から来ているという。デザイナーさんも苦労されたと思うんですけど、ガンプラならではの本来のガンダムの設定を
盛りこみつつも、逆にそこから外してもいい部分がダブルであるんで。アストレイも、背中に鬼っていう、リアルガンダムではあり得ないデザイン
です。そこのメカ打ち合わせは毎週楽しかったですね、ゲラゲラ笑いながら。
ベアッガイVも、『リボンで飛ぶとかおもしろれ〜!! しかもストライカーパックと交換が!!』とか言いながら。なので、デザイナーさんにはバンダイ側の要望として期待的な部分と、金型的な要望をお伝えして。そこだけですね。

――機体コンセプト的なものはどうやって決まっていったんでしょう?
馬場「そこはいろんな人の発想が混ざっている部分もあって、ジムスナイパーK9は完全に僕が思いつきで、背中に犬を背負わせたい、犬に
変形するメカが売りだ。はじめはもっと普通の犬にしてくれと言っていたんですけど、ストーリー的にレナード兄弟はラリタリーの人だとなった、
寺岡さんはそのミリタリーチックな部分を担ってくれて。あれにフィギュアを載っける、といったのは黒田さんで。ケンプファーは武器をとにかく
載せましょうという話をしていて、カワグチがPPSEという、プラフスキー粒子の扱いに長けた会社のワークスだったので、ビームというよりプラフ
スキー粒子を使って武器を動かすという発想なんですね。なので、石垣さんのほうから、『全身の黄色いパーツから粒子を吸収して、エネルギー
に変える』みたいな発想はどうかというアイデアがって、だからああいう武器になった。

――文字通りのワークスマシンと。
馬場「普通のガンダム作品だとその先にプラフスキー粒子とは、みたいになっちゃうんですけど、ならなかったですね。
40名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/10/18(土) 19:46:35.50 ID:+OgdMftY0
〜〜ガンプラは最終的に楽しむためのもの〜

――プラフスキー粒子で世界がピンチ、みたいにはなりませんでした。
馬場「そこは長崎監督も黒田さんも、みんなはじめにそこはあったとおもうんですけど。裏の神社で伝説のガンプラを発見したら世界を征服しよ
うとしている奴らと出会って、世界を救わなきゃいけないよ、っていうのにならなかった。そこは黒田さんからも発想として出てこなくって、ただ
初期はレイジが地底人とかそんなアイデアがあった気がします(笑)……普段ガンプラを作っていると、架空の兵器という印象がどうしてもある
んですが、今回は兵器じゃない。兵器だとやっぱり戦争の道具だから、最終的に人を殺す道具になっちゃうんですけど、今回は人が
死なないし、誰も傷つけるためのものでもない。そこで、思い切りメカの発想とか、武器の発想がすっ飛んでも、後ろめたさがない、最終的に
楽しむためのもの、っていう感覚はあって。ある意味、そのリミッターを取っ払って発想できたというのは、みなさん同じだったと思うんですね。

――そのジレンマは時折お聞きします。趣味といえど兵器なので、その背景について考えざるを得ない、と。
馬場「僕も格好いいガンプラが開発できたとしても、そのものが銃だったりするときに、なにかちょっとそこに一種の冷静になる瞬間がないとは
いえなかったんですが。こういう作品ではぐっとやっていける、銃のかたちをしていようが、それは競技に勝つためのもので、誰かを傷つける
ためのものではないと。じつは、企画を考えている間に震災を経験しているんです。そこで気持ちが変わっていたんじゃないか、と。終わったあと
で、ガンプラで幸せになってもらいたい。辛い気持にはなってもらいたくない。
現実とのそういったリンクを考えるような気持ちはあった、かもしれないですね。


〜〜自由を体現したキット、ベアッガイV!〜

――特に手応えのあったキットはありますでしょうか。
馬場「ベアッガイVで(笑)。

――(笑)。どのあたりが、というのもあれですが。
馬場「ベアッガイVは自由に作ってもらいたいキットで、ガンダムの設定観から外れてもいいんだよ、というのをずっと前からやりたいなと
思っていて。もっとガンプラだったら自分だけの俺設定みたいなものを入れてっても良いんだよということにしたいな、というのはあったんです。
ガンダムAGEのときも同じようなことをやってたんですけど、徐々に徐々にそれが浸透していった。一気に、ガラッとは変わらなかったん
ですけど、昔に比べて、設定に縛られた作りをしなくちゃいけない、という義務感みたいなものがだいぶなくなってきているような気がして。
それを決定づけたのがやはりベアッガイVかなと。こんなことをしたら楽しいよね、というポジティブな方向に作ってくれる人が多かったので、
まあツイッターとか、個人作品を見ても面白く仕上げていくものが非常に多かった。
もちろん、ビルドストライクが一番売れているんですけど、手応えという意味ではベアッガイVですね。

――今後のプラモデルの展開などは。
馬場「最近発表された後半に登場した機体や、ギャンバルカンの改造パーツ、バリュアブルポッドなども発売します。この手応えを次につなげる
ために頑張っています。プラモデルはまだまだ続きますので、この本のカタログページを含めて、チェックして頂ければと。

――最後にビルダーの、視聴者の皆様に一言お願いします。
馬場「皆様もビルドファイターズの一員だと思います。プラフスキー粒子はまだ見つかってないですけど、ガンプラを作って待っていてください!
41名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/10/28(火) 18:34:05.20 ID:b9CECrbQ0
バンダイホビー事業部 川口克己
 川口名人こと、川口克己氏。第一線のモデラーでもある氏に『GBF』とガンプラの多岐にわたる話を聞いた。

〜〜ビルドファイターズとガンプラ〜

――改めまして、GBFの御感想はいかがだったでしょう。
川口「御覧になっていたみなさんそれぞれ、ガンプラ、もしくはガンダムに対するさまざまな想いをもってらっしゃるとは思うんですけど、
そういう人たちがたぶん、等しく楽しんで頂けたのがGBFかなと。そういう意味でガンダムという、35年続いている歴史のなかで
ちょっとエポックな作品になったんじゃないかな…とは思いますね。

――シニアから若い方まで、という。
川口「いろんなところでお話しさせてもらってるんですが、アニメのケロロに近いかなと最初に思ったんです。細かい、マニアックなネタと
いうのがいっぱいありますよね。それを分っていれば凄く楽しいんだけど、それを御存じでない方でも観たときに作品としてすごく
楽しめるという。だからガンプラにそんなに詳しくないとか、歴代のガンダムについてはときどき観てたけど全体は観てないよね、
という方でも、GBFとしてのお話と、それから細かく深追いしていくこともできる楽しさ、ここらへんの二重になってる構造と言うのは
やはり面白かった。昔からのファンにとっても、いまの作画で自分の好きな時代のガンダムが見れる、というのはすごく支持されている
部分だと思います。番組中盤の、年末くらいには市場のほうで塗料とかツール関係が売れているという話を聞いて、本作を見て『久しぶりに
作ろうかな』とか、『初めて塗装してみようか』とか、要は作ると言うことに対して興味をもってもらえた方もわりと多かったんじゃ
ないかなと実感しました。

――GBF全体が、作っているシーンが少なくてもガンプラの楽しさや作っていることが伝わるフィルムになっていました。
川口「そのへんは凄くバランスがよかったんですよね、始まったころは『がっちり作っているところを見たいよ』という視聴者の声を
ネットでもよく見かけたんですけれど、それをやっていくのはエンターテインメントとしてはちょっと別の方向になっちゃうんだろうなと。
 本編中で表現するものというのはあくまでもドラマを表現していただくのがいいのかなとおもいます。でも、作画さんのご尽力で、
16話のアイラとレイジがタケシの教えのもとに作るシーンで、出来上がったものを観ると、『あ、ここのところはゲートの跡だな』
というのが分るんですよね、ガンダムなんだけどそれがガンプラに見えるような作画というのはもちろん意識されたというのもありますし、
それが観ている人にも通じるところだったと。
42名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/11/06(木) 00:41:04.91 ID:ng/h/jAh0
――川口さんの、メイジン・カワグチとしての活動も印象的でした。
川口「こういう妖しい、通称アメイジンググラスと呼んでいますが(笑)、去年の夏のキャラホビで初めてのビルドファイターズステージって
いうのがあったときに、(サングラスを渡されて)「川口さん、これでいきましょう!」みたいに突然。まだTVも始まっていないし、ユウキ・タツヤが
メイジンになるっていうことすらまだ誰も知らない状態で、「いきなりこれはいいの!!?」「いいや、ネタですから!」みたいなかたちで
やったんです。番組スタート前から、プラモデルが好きなひとたちが、
何となく「観ておかなきゃいけないな」と思ってもらえるような仕込みというのはいろんなかたちでやらせてもらっています。

――長崎監督に「初代は……」とお聞きしたら、「初代は川口名人です」とおっしゃってました。
川口「(笑)ただね、そのへんはけっこう、曖昧なカタチにしている部分というのが敢えてあって。劇中でも半世紀前にブームのなかでそういう
人がいた、と言ってましたけれど。黒田さんにも、要は子供たちが目標とするガンプラの凄い人、という象徴的なところで、実際に居る人間の
わかりやすさを、使ったほうがいいんじゃないかなというご思案があったようなので、もう、僕も同化しているように見せつつ……。
そういう意味でも僕も『メイジン』を振舞いながら、骨が折れるなあといいながら(笑)。やらせて頂いた感じですよね。そこのところで「俺は初代
だから」と言ってしまうと、凄く陳腐化しちゃうかなという気がしたんです。だから、あくまでも怪しい関係性にしておいたいいかなと。
43名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/11/08(土) 17:09:12.51 ID:9P105S+N0
〜〜名人の推しキャラとエピソード〜

――いちばんお気に入りのキャラクターは誰でしょうか?
川口「これでユウキ会長を入れてしまうと絵に描いたような話なんですが。でも、一番最初のキャラホビのときに声優の佐藤さんとご一緒させて
いただいたり、打ち上げでは、ふたりで一本締めをやらせてもらったりとか。そういう意味では、ユウキ・タツヤに関して思い入れは強いんです
よね、僕としても。実際に彼が使う、PPSEの最後に立ちふさがる機体はどうしよう、っていうときに、幾つかの候補のなかから『エクシアどうです
か?』『僕もエクシアはMGでつくってるから全然OK!』という話をしたり。そこのところで若干気持ちを反映して頂いた部分もあったんで。
そういう意味ではダークマターもそうですし、ケンプファーアメイジングもそうなんですが、気持ちはかなり入っています。劇中での彼の振舞い
というのが、ある意味ネタ的なところも含めて、すごくガチで行くんだけども緩いところはあったりして、
そのギャップなんかも楽しんでいる方は多かったと思います。

――やはり、心に残ったエピソードもユウキ絡みに……?
川口「いや、心に残ったのはやっぱり15話です。あれは本当に、あそこでCパートを見なかったら、たぶん完結しないよねと。自分自身、GBFを
ずっと見ていて、これは個人的な部分ですけど『Gガンダム』と重ねてた部分ってあるんですよ。実際、仲間であったりとか、戦いだったりとか
そういうモチベーションは凄く近いものを感じていて、自分自身も当時、商品担当ということでサンライズさんとやりとりさせて頂いて。
そういう環境もちょっと、自分のなかで沸々としているイメージとかぶっていたので、そのなかで15話のあのバトルのシーンっていうのは、
『これがバトルだよな』という、王道的な。戦闘というよりバトルですよね。そこのところは熱くならざるを得ない。でも、あそこで誰も死ぬことは
なくて、Cパートでふたり並んで、プラモを修理している。そこは全編通してでも、すごく印象に残ったお話ですよね、あれは模型を作って
らっしゃる方にとっては凄く納得のできる回で、特にふたりが肩を並べて作っているというので凄く上手く表現して頂けたなと。僕らもいろんな
カタチでお客様にガンプラを作るのって楽しいよ、というのをお伝えしてるつもりなんですけど、ああいうかたちで見せていただけたっていうのは
凄く大きいですね。
44名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/11/10(月) 10:18:49.33 ID:7B0BcbI70
〜〜GBFのガンプラ展開〜

――展開としては、どこにピントを合わせていったのでしょう。
川口「僕らだとやっぱりガンプラになるんですが、出てくるガンプラをどれだけ魅力的に僕らが作れるか。手にされた方が、ガンプラをはじめて
手にしましたという方、という前提で僕らは考えます。その時に、ちゃんと完成するところまで持って行ってもらえるようなものを作っていこう、
それをベースにしたプロモーションを考えていこう、という。なるべくお話そのものには立ち入らないで、あくまでもガンプラをフィーチャーする
かたちで実際にはご案内させていただいたところですね。

――今回のガンプラシリーズのポイントはどのあたりになるでしょうか?
川口「まず、シリーズとしては1/144で揃っているというところは、大きな魅力だと思います。実際に作ってみて、ケンプファーアメイジングだとか、
戦国アストレイあたりは模型としても面白いし、すごく様になります。全般的にデザインされたものがプラモデルに凄くマッチしているので、もし、
これを機会にガンプラを作ってみようかなと思ってらっしゃる方がいるのであれば、ぜひ。好きなキャラクターでもいいですし、このシーンが
好きなんだよ、というところで手に取ってもらえれば、間違いないと思います。

――商品展開も多岐にわたっていました。
川口「ホビー事業部として複雑なオペレーションだったのは確かなんですよ。番組が始まるまえにHGオールガンダムプロジェクトと言うことで、
歴代のガンダムをHG化していきましょう、というのと並行しながらGBFっていうところでリンクさせていく。更に、GBFに出てくるMSが使っている
装備をまたオプションとして立体化していこうと、3つのラインをリンクさせながらスタートしたのが現実ですよね。だから実際に番組がスタート
した段階では、ネットのほうでギャンが品切れしているらしい…というような話はありましたが、まだ期待値には至ってなかったんです、正直な話。
ただ、その後作品に登場したMSたちも好調に販売につながっていて。やっぱり最初スタートした段階では『本当に大丈夫かな』みたいな感覚は
抜けていなかったんです。GBFのオプションだけをいままで販売していた商品と両立させていけるのか、とか。組み合わせというものをGBFで
ご提案させて頂きながら、そこをお客さまに理解して頂いて楽しんで頂けるか。そういうところまで持って行ければいいよね、という絵を描きな
がら、また、実際に劇中にも登場するよと言うことで、ガンプラを組み合わせてオリジナルファイター応募もやって、実際にかなりの数が来ました
んで、楽しんで頂けてるんだな、というのもそのなかで実感できました。ちょっと複雑なオペレーションだったけれど、それっていうのはお客様に
はちゃんと伝わったんだねと認識してますし、結果が出せたのかな、とは思いますね。
45名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/11/11(火) 19:10:09.05 ID:h5p9MgEU0
〜〜名人の語る、楽しいガンプラ〜

――模型をより楽しく作るためのポイントって、どこにありますでしょうか?
川口「買っていただいたものを作り始めてもらって、完結できるもの、というのを念頭に僕らはモノ作りしています。ただそこで終了するのでは、
作り始めてから完成するまでの工程というのはただの作業になってしまう。要は誰が作っても同じものにしか成らないわけです。だから、
誰が作っても同じものが完成する、ひとつの完成形からもう一歩先に進むことができるのがガンプラなのかなと思います。
完成させるところまでは、たぶん皆さん一緒。それをどう楽しみますか? というのがガンプラの楽しみ方かな、と思います。

――完成したのを観ながら、「どうしようか?」と考えるのも楽しいと。
川口「今回の僕のケンプファーにしても、PPSEのワークスモデルなので、最新鋭の機体であればたぶんピカピカだろうし、企業がバックに
ついているようなものであればデモンストレーション機であるから、PPSEのロゴがでっかく入ったりしてね、みたいな考え方はあってもいい
んじゃないかなと。それはアニメにも出ていないし、模型についていないけれど、じゃあ僕が、ユウキ・タツヤの、三代目の立場だったら、もしくは
アランだったらこういう風にするよな、というのがひとつの表現だったわけですうよ。それはたぶん、テレビで御覧になった方なら観て頂ければ
納得はしていただけるかなと。表現は自分だけで完結してしまうとただの自己表現になっっちゃうんですけど、いまはネットを含めて、
いろんな方と共有できる環境がありますから、そういうところで共有して頂ければ、『そういう考えかたなら、こういう考えかたもあるよね』という、いろんな
ガンプラに対してのアプローチというのが産まれてくるのかなと思います。

――模型ならではの楽しみかたですね。
川口「細かい設定とか難しい歴史、知っていればそれに越したことはないんですけれど、知らなくてもここからスタートできるハズなんですよね。
例えばグフR35の場合は『グフが宇宙を飛んでもいい』という発想ですが、そのときに『グフは宇宙用じゃないから宇宙にはいけないんだよな。
でも、ここのところをアレンジしてるからあいつは行けたはず』とか。設定というのは上手く使うと凄く楽しいんですけど、それに縛られると凄く辛く
なっちゃうと思うんです。それを一回ほぐしてくれたのがGBFでもあるし、そこから『じゃあここの設定って、そもそもどうなってるんだっけ』
みたいなところに立ち返ってみてもいいと思うんですよね。そこを行ったり来たりしながら、ガンプラをどれだけ楽しんで頂けるのかなというのが、
キモの部分ではないかなと思います。
46名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/11/21(金) 11:25:04.12 ID:9sJ2BHha0
〜〜海外にも広がるガンプラとネット〜

――オンタイムでケンプファーを作るなど、活発に活動されていましたが、インターネットの双方向での手応えはいかがだったでしょう。
川口「ツイッターでフォロワーさんがいらっしゃるんですが、それまでは書き込んでくださるコメントを見る限りでは、やっぱり30代、40代くらいの
方って多かったんですけども。特にGBFから、中学生、高校生くらいのフォロワーさんもついて頂いてるんですよ。『メイジン・カワグチというのが
劇中でいる、どうやらそれは本物がいるらしい』とか、噂レベルで広がってきて。で、みんな検索すると、『あ、居るんだ本当に!』みたいなかたち
で辿り着いてくださった方というのが、わりと本当に多いんですよね。(劇中のメイジン・カワグチとの)関係性みたいなものを明確にして
いなかったというのはもちろんあるんですけど、そのなかで『どうもやっぱり、もともと川口名人は実在しているらしい』と。いっぽうで、
最後にパーフェクトガンダムが出てきて、涙を流して喜んだひとたちもいるんです。そういういろんな世代の方というのが反応してくださる。
国内だけじゃなくて、いまは海外でも配信になったりしていますから、オンタイムで御覧になっている方も多いんですよ。
ガンダムインフォを通じて字幕の入った配信をかけたりもしていますから、彼らもお話をよく分かっている。
なので、GBFに関しては国内だけでなく、海外でもすごく認められている状態になっていると思います。

――海外といえば、GBWX(ガンプラビルダーズワールドカップ)も非常に盛り上がってきています。
川口「国内では、ワールドカップが3回と、歴史的にはまだまだ長くはないんですけど、ワールドカップを始めた時はウェブを介して情報発信し、
作品の受け付けもウェブを通じて行っていました。去年はプロショップさんで作品を上げてきていただいて、その作品を最終的にウェブとあわせ
て決めるというやり方をしたんですけれど、去年の大会のときに応募数が飛躍的に増えたんですよ。実際に販売させて頂いた商品をお客様に
手にとってもらって、それを作って頂く。そこまでちゃんと何とかフォローしていかないと、というのが僕らの課題ではあったので、
そのひとつのかたちがやっぱりGBWC、そして世界大会。それまで2回は海外が優勝だったのですが、3回目にして日本が悲願の優勝を勝ち
取ることが出来ました。それに対して海外のユーザーさんもそうですし、国内でも、今年の大会に対して、『今年は僕らがもらうんだ!』みたいな
意気込みはすごくありますね。GBFだけでなく、そこをきっかけにいままでやってきた『作ろう』という、僕らのアクションも結びつけていきたい。

――メッセージが届き始めている、ということですね。
川口「SNSツールっていうのは、情報発信の道具と言う位置づけで考えています。オフィシャルであるホビーサイトは、御覧になる方も構えて
来られますから、『オフィシャルサイトで掲載されている作例だから、これが正解』と言う風になってしまう。そこで、オフィシャルではないけど
中の人、みたいなグレーなところで情報発信に努めました。考えかたはいろいろあって、いろんな人がいろんな楽しみかたをしているので、
それを全部包括してしまうのは無理、と最初から思っているので、基本的には全肯定なわけです。そのなかで細かい発信をするのは、
個人の緩いほうがやりやすいかなと。僕もある意味、例えば劇中でラルさんの言葉を借りてとか、タケシの向き合いかたであったりとか、
そこのところ(『ビルドファイターズ』)に寄り添いながら、ネットでのやり取りをやらせてもらった感じというのはあります。
47名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/11/21(金) 11:29:59.32 ID:9sJ2BHha0
〜〜ガンプラの未来と展開〜

――今後のガンプラの展開と、ビルダーの皆さんにメッセージをお願いします。
川口「今回の作品というのは、映像とキャラクターというのが、とても突出していたと思うんです。本編は終わりましたけど、終盤にも多くの
ガンプラが出てきましたので、そういったものを皆さんにこれからお届けする、というかたちです。ガンプラを今回作って、『俺、出来るじゃん』と
感じて頂けた方は、GBFを大事に持っていてもらいたいな、という風には思っているんですね。お客様にはぜひ作り続けて
もらえるとありがたいなと思っています。特に今年のGBWCでは、日本だけでなく、海外もGBF関連の作品というのは多くなると思います。
そういう意味では、ガンプラ世界大会がある意味リアルに行われますから。今の時点では残念ながらプラフスキー粒子はないので、
ファイターは現れないんですが、ビルダーはもう皆さんですから。そこで世界を目指してもらうというのは夢ではない。
そういう意味でガンプラというのは本当に小さな所ではなく、世界というものも含めた所で見たときに、今共有できる物になっているというのは、
お話だけの世界じゃないよ、というのを感じて頂ければとおみます。そうしたときに、じゃあ本家日本のビルダーさんたちは何を作るかなと。
俺だったらこうする、というのをぶつけてもらえれば有難いし、プラモデルって楽しいじゃん、と思ってもらえればいいんじゃないかなと思います。
48名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/12/04(木) 13:19:50.87 ID:v8F/cgZ/0
――まずはじめに、長崎監督の『ガンダム』との出会いを教えてください。
長崎「僕はアニメからではなく、昔、カード販売機にあったSDガンダムのカードダスや、ガンプラのBB戦士シリーズから入ったんです。
そのあとにリアルな『ガンダム』を見て、「全然違う……」と衝撃を受けました(笑)。ただ、そういうギャグやオールスター的な要素が強い作品を
見慣れていたので、GBFでほかのシリーズ作品の機体が同じ場面で並んでいても、特に違和感がなかったですね。

――GBFはガンダムシリーズの映像作品でも数少ないガンプラを題材とした作品でした。物語作りはどのように進められましたか?
長崎「GBFは、すでに商品化されているガンプラはもちろん、これまでのガンダムシリーズに登場したMSの多くを使用することができました。
それならばいっそのことお祭り要素の多い作品にしてしまおうと(笑)。最初は「コロニーを舞台にした案」や「ガンプラ放浪記というような案」もあったんですよ。
さすらいのガンマンではないですが、主人公が行った先々でガンプラを使って悪を退治するみたいな。あるいは「ファンタジー要素を入れよう」というアイデアもありました。
そういう感じでいろんな作劇のパターンをシリーズ構成・脚本を担当された黒田さんに出してもらって、みんなで話し合った結果、本作の形になりました。
実はレイジが異世界から来たという設定やプラフスキー粒子などは、最初にあったファンタジー要素の名残りなんです。

――ファンタジーというと、魔法などが登場するということも?
長崎「そうです。当初はGBFの『異世界編』として、シナリオの構想にもありました。1クールを普通のガンプラバトルにして、もう1クールを
魔法バトルにしてしまおうと。ただ話し合いを進めていく上で本作の形がベストということになりました。
49名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/12/10(水) 20:25:29.94 ID:54P/hjw80
一期のキャラクターは出したくない世界観がーとかほざいてて次回も出してくるんじゃん

殴りの展開はやめていくと言ったな。あれは嘘だ
一期のキャラクタはー出したくないと言ったな。あれは嘘だ

こいつ誌面で語ったことすら忘れてるの?
50名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/12/13(土) 11:10:28.17 ID:SaXuDvlt0
――そういう意味では、GBFはガンダムシリーズのSF的な要素に捉われずに作ろうと考えられていたのでしょうか?
長崎「とにかく様々な要素を入れたかったんです。単純に熱血な作品もやりたいんだけど、さすがに熱血ばかりでは単調になるので、時には
シリアスな要素や感動する話も入れたり、さらに、ギャグも入れたいしラブコメ要素もあったらいいなと思い、最終的に「入れられるものなら、
なんでも入れてしまえ!」という気持ちでやっていました(笑)。戦争ものではない、このアニメだからこそできた部分だと思います。

――長崎監督は本作のシリーズ構成の黒田洋介さんとは、00シリーズで一緒にお仕事をされてましたが、
脚本をお願いすることは小川正和プロデューサーとの話し合いで決められたと聞きました。
長崎「そうですね。モチーフがガンプラということもあって、できるだけガンプラやガンダムに精通している人がいいだろうと。そして小川プロデューサーとの話し合いで
『サンライズ制作の、人が死なないスクライドのような作品』と言うイメージができたので、それならばスクライドの脚本を手掛けていて、
かつ、ガンダム作品にも精通している黒田さんしかいないだろうと。

――長崎監督は00シリーズで助監督を務められましたが、GBFを手掛けるうえで、ガンダムシリーズの制作を経験していたことが活かされたこ
とはありましたか?
長崎「メカアクションの殺陣の作り方は00で学んだことが役立ちました。何より実力のあるメカアニメーターさんも制作に参加してくれたので安心でした。物語に関しても黒田さんが
ガンダムシリーズ、ガンプラ共に大好きな方なので、知識を豊富にお持ちでしたし、ギャグ要素についても『ラルさん』を入れ込むなど、
ガンダムファンに理解してもらえるような話のツボを理解している方でした。その知識と経験は本作にとても活きたと思います。
51名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/12/13(土) 11:12:11.57 ID:SaXuDvlt0
――ガンプラをテーマに作品を作る上で苦労されたことは?
長崎「一応ガンプラをテーマにはしていますが、作り手としてはあまりガンプラを意識して作品を作ってはいないんです。というのも、同じくガンプラをテーマにした漫画
『プラモ狂四郎』が連載されていた当時は、今よりもガンプラに親しんでいた方が多かったと思うんです。でも現在はガンプラを作ったことがない子どもたちが多いので、
ガンダムやガンプラのネタを知ってる前提で作品を作っても理解しづらいかなと。かといってガンプラの説明を入れ過ぎてしまうと話が間延びしてしまう。だから『ガンプラ作り』の
魅力は後半に配置してまずはGBFの映像を観て、単純にガンプラのアクションやデザインがかっこいい!と思ってもらい、その上で自分も作ってみたいと思って貰えたらいいかなと
。そういった意味ではガンプラのアニメを作ってはいるけれど、メカの魅力の見せ方は『ガンダム』のアニメを作っている感覚と大きな差がないんです。

――ガンプラバトルのシーンはまるでMSのバトルシーンのように、メカバトルとして迫力のある映像でした。
長崎「ありがとうございます。ガンプラバトルは小さなガンプラが戦っているし、ゲーム的なものですが、あえて迫力優先で作りました。
バトル中に引いてみた絵を入れると客観的に見えてしまうんです。それがギャグシーンであればいいんですが、真剣に戦っているシーンでは
バトルに見入って欲しかったので、バトルシステムのコントローラーの周囲をコックピットのように覆ってしまい、バトル中にガンプラとファイターが一緒に映らないようにして、ガンプラの小ささを感じられないようにすると言った絵作りにしました。

――登場したガンプラの種類が豊富で、SDガンダムや映像化されていないMSのガンプラも多く登場していました。
長崎「それができるのもこの作品の魅力だし、様々なガンプラを見たいファンの方も大勢いると思うので意識して多く出しました。
『これを出してくれ!』というスタッフの声も多かったです。
52名無しさん@そうだ選挙に行こう@転載は禁止:2014/12/14(日) 08:33:39.80 ID:pvcd7gee0
――ガンプラの登場のさせ方にはどのようなこだわりがありましたか?
長崎「最初のほうの話数では「さすがにこのガンプラを出すのはもったいないんじゃない?」という話があり、登場させるのを渋った
ガンプラもありましたね。でもどんどん出すチャンスが減っていくのがわかったので、途中からは『とにかく出しちゃおうぜ!』という考えになりました。
特に、第11話でのガンプラバトルロワイヤルでは、「これでもか!」と言うくらい詰め込んでます(笑)。
でもガンダムシリーズの主役機は、登場のさせ方が結構難しかったです。作り手も各シリーズのファンの方も、思い入れがある人が多いですし、
何より『主役機にヘタな負け方はさせたくなかった』というのが一番苦労した点ですね。第14話で『V2ガンダムを出してください』とバンダイさんから
要望があったのですが、その時点では色々と決まっていて、やられ役しか空いてなかったんです。
V2ガンダムがやられ役というわけにもいかない。「それだったらギャグにしよう!」と思い、カラーリングをザンスパインカラーにしたり、
ファイターを敵勢力のキャラクターだったカガチにしてみたり……。でもV2ガンダムが本編で使った光の翼のような効果を発生させて、
ハイパーサテライトキャノンを防ぐ描写を入れて「本当は強いんだぞ!」というアピールは入れました。

――やられ役でも主役機が登場するとガンダムファンはうれしいですよね。
長崎「本当は、主役級のガンダムは全部出したかったんですが、そこは難しかったですね。Zガンダムやνガンダムも、もっとしっかり登場させたかったんですけど……。ただ、作品が偏らないようにガンプラが登場する配慮をしたつもりです。
53名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2014/12/24(水) 16:28:46.80 ID:1oEy8PAh0
――黒田さんから、『監督はZZガンダムを登場させたかった』というお話をうかがいました。監督の好きなガンプラは登場しましたか?
長崎「なにより演出的な要素を一番に考えますが、どうしても個人的な趣味が出るところはありましたね(笑)。第2話に登場したガンプラ『ゴー
ルドスモー』がそうです。ZZガンダムは僕が初めて作ったガンプラで思い入れも強かったんです。ZZガンダムの合体シーンを描きたかったんで
すが、それは尺の都合で結局できませんでした。

――最終話では、セイ役の小松さんとレイジ役の國立さんがガンダムブレイカ―で作られたガンプラも登場しましたね。
長崎「最終話のエンディングで珍庵師匠とマオがお互いガンプラを見せ合って笑っているシーンですね。シナリオ打ち合わせの時に、普通の
ガンプラを出すのはガンプラ心形流らしくないなと思ったんです。そこでファンサービスも込めて登場させました。小松さんには打ち上げの時に
尋ねたら『ぜひぜひ!』という話だったので。

――ちなみに、本作で登場したセイたちなど、キャラクターが使うガンプラ以外のガンプラのアレンジは、監督からオーダーされていたのでしょうか?
長崎「ケースバイケースです。セイたちのガンプラに関してはメカデザイナーさんにお任せしていますが、
各話に少ししか登場しないガンプラに関しては、自分が各話の作画監督と打ち合わせをして決めることもあれば、
演出さんのアイデアの時もあるし、アニメーターさんが自発的に描いてきてくれることも多かったです。
54名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2015/01/14(水) 01:03:34.45 ID:0C2i7hI40
小学生向けだから色々破綻してる
天才君とのバトルでは、どういうわけか「みんなを馬鹿にしてる!」とか怒り狂っていたし
それぞれバトル理由が違うのに謎を解きたい天才君の理由だけは認めないとか意味不明
戦闘後に誤解していたと仲直りするのも理解不能
最初から誤解のしようが無いのに…
瞬間接着剤を使うと敵の粒子は届かないが自分の粒子は届く!という謎論理で勝利するとか、監督の脳みそには障害があるはずだ
55名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2015/01/25(日) 15:26:10.15 ID:NeDd26NW0
多分内部フレーム使用だから外側が粒子非対応でも内部が粒子対応だから動くって話なんだろうけど
HGのサイズでどうやって指の中身のフレームまでプラで作ったんだ、って言うのとパンチするだけなら指が動く必要無いしって話になるよね
56名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2015/01/29(木) 18:40:11.78 ID:uZpTi3Z/0
――ガンプラの改造を描く上で、どのようなところを意識していましたか?
長崎「ガンプラの醍醐味でもある改造描写については、序盤はリアルな改造テクニックを描くのではなく、
ユウキやマオたちのすごい改造ガンプラに感化されたセイが、ガンプラ作りをはりきるための“きっかけ”になるようにしました。それこそ、
マオの「ガンダムX魔王」の「ハイパーサテライトキャノン」を見たセイが感化されて、次の試合でビームライフルをさらに強化していたり、
チナの「ベアッガイV」の内部に綿をつめているのを見てスタービルドストライクの「RGシステム」を思いついたり。
セイとレイジが様々なファイターと出会って変わっていくのと同時に、ガンプラも改造されて変わっていくという描写にすれば、『ガンダム』シリ
ーズを知っている方はもちろん、『ガンダム』シリーズを知らない人たちにも楽しんでもらえるのではないかなと。

――キャラクターもガンプラも一緒に成長していくというところが重要だったと。
長崎「はい。セイとレイジが、マオやフェリーニ、アイラたちなど、様々な人の価値観に触れることで、人間的に成長し、
そしてガンプラもパワーアップしていくという形になればいいなと。そうすれば、ガンプラをテーマにした成長劇になると思いました。
57名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2015/01/29(木) 18:45:34.24 ID:uZpTi3Z/0
〜〜ガンプラバトルをモチーフにした『ジュブナイル』〜

――本作を通して、セイの成長していく姿が描かれましたが、その成長を促していたのは紛れもなくレイジですよね。
長崎「そうです。これは黒田さんたちとの話し合いの中で出てきたのですが、GBFの日常部分にはオバケのQ太郎やドラえもんのような要素を
取り入れたかったんです。Q太郎のように、ある日突然、主人公のもとに変な奴が現れて、主人公を成長させるきっかけを作って、
やがて帰っていく。だからレイジはQ太郎なんですよ。

――國立さんは監督からレイジの説明を受けた時に『「Q太郎」だと言われてもわからなかった』と仰っていました。
長崎「國立さんは『レイジは幽霊なの?』とか、『何か大事な使命があってこの世界に来たんじゃないか?』と色々と考えていましたね。
スタッフも、どうしても『ガンダム』というタイトルがついているので、キャラクターが裏に何か秘めているのでは、と思っている様子でした。だから
わかりやすいように『レイジにはドラえもんみたいに、どら焼きでも食わせよう!』ということで、大食いキャラになりました(笑)。

――セイやレイジだけでなく、ほかにも個性的なキャラクターがたくさんいましたね。
長崎「マオはセイのガンプラビルダーとしてのライバル役、またはガンプラ心形流継承者候補と言う面白さを持っていました。
フェリーニはレイジの師匠の側面と、ガンプラでナンパするっていう面がある無茶な男でした。フェリーニはガンプラの魅力でモテると思って
いますが、僕は単にイケメンだからとにらんでます(笑)。でも黒田さんの『カッコイイ大人像』がよく出てるいいキャラになりました。
そしてGBF最大の功労者とも言えるラルさんは本当にすごかったですね。

――ラルさんはガンダムシリーズを知る人にはうれしく、知らない人にとっては物語のガイド役を担うキャラクターでした。
長崎「よくわからないキャラクターに説明されるよりも、『ランバ・ラルが言うんだったらそうなんじゃないの?』と思えますし、なおかつキャラクター
の絵としてもファンの方に喜んでもらえたので、一石二鳥でした。それ以外にもほかのファイターたちとセイたちを繋げる橋渡しとしての役割も
担ってくれていましたね。第7話に登場した地上げ屋の辰造もそうだし、第22話でいきなり登場したジョン・マッケンジー卿も
『ラルさんが敬語を使うんだからきっと凄い人』という形で、視聴者の方たちも納得してくれたと思います(笑)。
58名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2015/01/29(木) 19:34:36.07 ID:uZpTi3Z/0
――チナやアイラは、恋愛要素を担うキャラクターになっていましたね。
長崎「そうですね。チナは、最初からセイとのプラトニックな恋愛関係を描こうと思っていました。ただ、アイラの方は、当初はそれほどレイジとの
仲を親密に描く予定じゃなかったんです。結果的にアイラの人間性を描いていったらそうなったんです。

――最終話でアイラがレイジと一緒に異世界アリアンへ行ってしまうというのは、構想外だったということですか?
長崎「はい、結果論です。アイラは元々悲劇のヒロインのように描く予定だったんです。でも、
重い要素を重く描くのではなくギャップが出るようにしたかったので、あのふたりについては少しラブコメチックに描いてみたんです。
59名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2015/01/29(木) 20:07:48.95 ID:uZpTi3Z/0
〜〜仮面キャラクター、その宿命も欠かさず描く〜

――本作で監督のお気に入りのキャラクターは誰でしょうか?
長崎「主人公のセイとレイジは思い入れが強すぎるので、ふたりを外すとすればユウキ・タツヤですね。セイやレイジとは違いプロになることを
選んだ人。歌が好きだから歌手になったとしても、実際は歌いたい歌だけを歌えるわけじゃないのと同じで、色々な苦労があるのだろうけど、
そんな中で『メイジン』という自分の役割を演じつつ、己の信念を貫いていく姿に共感できました。

――ユウキの扱うガンプラの変遷も印象的でした。
長崎「ガンプラのベースとなったMSで言えば高機動ザクUから始まって、ケンプファー、そしてガンダムエクシアと乗り換えていきましたね。
機体の乗り換えというのはガンダムシリーズでいう仮面キャラクター(ライバルキャラクター)の定番です。
基本的にセイたちはずっとストライクガンダムを使い、機体の変化は改造を通じ見せましたが、ユウキの方はガンプラごと変えていくという
形にして、セイたちと対比できればなと思いました。

――ユウキとメイジンのガンプラに関しては、監督や黒田さんで決められた?
長崎「シナリオ打ち合わせで決まりました。ザクアメイジングはすぐに決まったと思うのですが、次のガンプラをケンプファーに決めるまでは結構
難航しました。候補として、ケンプファー以外にサザビーとジムスナイパーがあったはず……。打ち合わせで『サザビーを最後の機体にしよう』
ということになって、『ならばザクアメイジングの次の機体は?』となったときに打ち合わせのメンバーの話し合いでケンプファーになったんです。

――惜しくも落選した『ジムスナイパー』も、メイジンが準々決勝で対戦したレナード兄弟が使用していましたね。
長崎「ジムスナイパーもケンプファーに負けず劣らず人気がある機体ですから(笑)。結果的にケンプファーとジムスナイパーで夢の対戦になり
ましたね。その第18話のシチュエーションもメイジンらしさを表したものなんです。市街戦で雨が降っているなか、泥まみれで戦っていましたが、
メイジンはセイやレイジたちのようにスーパーな技を使わないキャラクターと決めていました。
あくまでも武器の選択やテクニックでガンプラバトルに挑むというスタンスです。一応プラフスキー粒子を応用した武器も持ってはいるので
使おうと思えば使えるんですけど、あえて使わない。そこにユウキ・タツヤのメイジンとしての矜持があるんですよ。
60名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2015/03/11(水) 08:42:49.85 ID:1mKFVqQg0
〜〜存在感抜群の見覚えあるモブキャラクター〜

――本作では、ガンダムシリーズに登場したキャラクターを彷彿とさせるキャラクターが、モブとして描かれていますよね。
長崎「まず演出的な理由があります。第3話で登場したガンプラ「マラサイ」なんですが、マラサイを使っているファイターを描く上で、『どういう人
だったらマラサイを使うんだろう?』と悩んだんです。MSとしては機動戦士Zガンダムの劇中でカクリコン・カクーラーとジェリド・メサが搭乗して
いたので、それなら彼らに似た人使っていると自然だなと。
それからモブキャラクターと言うのは大抵設定画がないので、アニメーターさんが描くときにすごく苦労するんです。歴代のキャラクターを
使用すれば、設定があってなおかつキャラクターとしても映えるので、効果的に表現できました。また、第7話でガンプラ「ガンダムダブルエックス」
が登場したときには、『ファイターはジャミル・ニートでいいじゃん!』というように打ち合わせで自然と決まりました。ジャミル・ニートが機動新世紀
ガンダムXのキャラクターだと知っている人にとっては説得力がありますし、知らない人にとっては、モブキャラクターの割にすごく味のある
キャラクターに見えるかなと。
ただ、あんまりやりすぎてしまうと、主役キャラクターより目立ってしまうので、そこは注意しました。

――セイやレイジと同じ場面にはあまり映っていませんでしたね。
長崎「『セイたちがいるときは出さないように!』とスタッフに伝えていました。個性的なモブキャラクターなので、同じ場面に映っていると、目が
いってしまうんですよ。スタッフもみんなガンダム好きなので、『隅っこにシャアを出してもいいですか?』って尋ねてくるのですが、
『それだとみんなシャア見ちゃうでしょ!』って却下したりね(笑)。とにかくモブキャラクターの扱い方はかなり気をつけていました。

――第23話では、ガンダムシリーズの歴代キャラがモブとして大勢登場しました。
長崎「ガンプラバトル選手権世界大会決勝戦の前夜祭と言うこともあって、もうお祭り騒ぎにするしかないなと(笑)。もちろんそれだけではなくて、
その後にユウキが「エンボディシステム」によって操られてしまうので、先に楽しい感じを描くことでより衝撃度を高めるという演出意図でもあります。

――不幸な家庭で育ったキャラクターや死別したキャラクターが多かったですね。
長崎「機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争のバーニィっぽい人とクリスっぽい人、そしてアルっぽい人が3人で仲良く楽しんでいました。
これもこの作品だから出来たことです。
61名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2015/03/11(水) 08:43:50.20 ID:1mKFVqQg0
〜〜変わっていく立場から変えていく立場に〜

――全25話を振り返って、印象的なエピソードはありますか?
長崎「やっぱりメイジンが絡んでくる話ですね。彼はずっとセイやレイジの壁となる存在なので、第2話のガンプラバトルでレイジを瞬殺する
シーンや、第6話でレイジと再戦して死闘を繰り広げているところなど、常にふたりのターニングポイントとなるエピソードで、 
立ちはだかっていたのが印象に残っています。

――セイとレイジのエピソードで印象深いエピソードは?
長崎「このふたりのストーリーは、自分の中では三部構成というイメージです。第6話までが第一部で、第15話までが第二部。そして、ラストまで
を描いたのが第三部という形です。その中から選ぶとすれば、やっぱり第一部ですね。第2話でレイジがユウキに負けたあと、第6話でラルさん
に『嫌ならやめてもいい』という言葉をかけられたことがきっかけで、自分から能動的にガンプラを動かすようになる。
それと同時に、セイとレイジがビルダーとファイターとしての信頼関係が築けるようになったので、すごく印象深いです。

――第二部と第三部はどのようなテーマがあったのでしょうか。
第15話までが、ガンプラバトル選手権世界大会の予選が大体終わるんです。そこまでで、『ガンプラバトルをする人ってこういう人たちなんだよ』
ということを見せるのと同時に、第15話のフェリーニとのバトルを描くことで『どのキャラクターもいろんな思いを背負って戦っているんだ』という
ことを見せました。
それ以降の第三部では、アイラやニルスといった当初はガンプラが好きではないファイターたちと戦いました。これまでセイやレイジはいろんな
人に支えてもらって成長して変わっていきましたが、ここにきてアイラやニルスなど、ガンプラ愛を知らない人たちを変えていくという立場に変化
しているんです。また、第17話ではマオが主役になったり、第19話ではニルスが主役になったり、各話ごとに主役を変えて描きましたね。
62名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2015/03/11(水) 09:09:48.55 ID:1mKFVqQg0
――本作を振り返って、監督にとってGBFはどのような作品になりましたか?
長崎「『成長劇』というのがこの作品の根底にあったので、“ガンプラバトルをモチーフにしたジュブナイル”という作品になればいいなと思ってい
ました。それからガンプラに限らず『好きなものがあるということは本当に素晴らしいことだ』ということをしっかり描いた作品になったと思います。

――ガンプラバトルに挑戦するとして、監督が使いたい、作ってみたいガンプラは?
長崎「ZZガンダムは昔作っちゃったからな(笑)。だったらゴールドスモーですかね。あとは機動戦士Vガンダムの登場メカも好きなんですけど
……シャッコーとか! これは第1話に登場させましたが、もっと後半のほうでしっかりと出せばよかったと少し後悔しましたね。

――監督にとって、ガンプラの魅力とは?
長崎「一番は『物を作ること』の面白さだと思います。パーツを組み立てているときに時間を忘れてしまうほど集中し過ぎてしまうところとか、
さらに自由に改造できるところ、パーツがうまくはまらなくて折ってしまったりする苦労も含めて(笑)。それに何より実際に自分で作るとより愛着
が深くなるんです。オンリーワンの機体になる。第16話のレイジみたいに。ぜひガンプラを作ってもらいたいですね。
GBFがそのきっかけのひとつになっているとうれしいです。

――最後に、半年間の放送を見ていた視聴者に向けて、メッセージをお願いします。
長崎「視聴者の方々はもちろん、作っている我々スタッフも楽しめるような、お祭り感のある作品を作りたかったので、『最初からクライマックス』
というテンションで最後までやりきることが出来ました。今は、とても充実感がありますね。毎週の放送を楽しみにしていて、GBFを観ているとき
にはテンションが上がって、放送が終わって『ああ、面白かった』と思っていただけたのならうれしいです。欲を言えば、5年後、10年後に観返し
てもらえたなら、これ以上幸せなことはないです。
63名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2015/03/11(水) 10:14:17.58 ID:1mKFVqQg0
シリーズ構成 黒田洋介

〜〜初心者からマニアまで幅広い層に向けて描く難しさ〜

――全25話が終了しましたが、本作を振り返ってみていかがですか?
黒田 「感想としては「大変でした」の一言ですね。脚本を書き終わった時は、思わず泣きそうになりました。考えるべき点が多くて、
通常の脚本執筆より時間がかかってしまいました。スタッフのみなさんにはご迷惑をかけてしまったので申し訳なかったなと。
長崎監督をはじめ、スタッフの皆さんが本当に頑張ってくれたおかげで、ここまで質の高いアニメーションが作れたんだと思います。
スタッフの皆さんには「本当にお疲れさまでした」と言いたいですし、ファンの方々にも「ありがとうございます」と言いたいです。

――今回、特に苦労された事は?
黒田 「GBFは35年近く「ガンダム」を愛して下さっている方はもちろん、ガンプラが好きな方や、初めてガンダム作品に触れる方など一口で
ガンダムファンと括れないくらい多様なファンに向けて作った作品なんです、興味が様々なファンに対して、どういうバランスで楽しさや
面白さを提供すればいいのか、考えるのが大変でした。

――これまでのガンダムシリーズの続編などではなく新作のオリジナルですからね。
黒田「ガンダム作品を初めて観る視聴者にもわかりやすく、そして面白くするという考えが根底にありました。ただガンダム作品としての質も
ちゃんと保たなくてはいけない。またガンプラをテーマにするにあたり、過去のガンダムシリーズ作品のオマージュを採り入れることにしましたが、
選択肢が多すぎてネタを選ぶのに苦労しました。過去作品をもう1回見直すだけで相当な時間がかかりましたね。

――長崎健司監督からは、脚本についてどのようなオーダーがありましたか?
黒田「長崎監督からは「大会に出て勝つ」というストーリーだけではなく、何かワンダーなフック(引っかかり)がほしいという強いオーダーが
ありました。それをどうしようかと色々アイデアを出した結果、レイジが異世界人という設定になったんです。
64名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止:2015/03/11(水) 13:15:19.39 ID:1mKFVqQg0
――単純にガンプラバトルだけではない要素を望まれたのですね。
黒田「ふたりの主人公でドラマを作るための要素として、「ガンプラバトルで勝利していく」という柱とはまた違った要素がほしいということでした。

――ふたりの主人公というのは、黒田さんのビジョンにあったものなのでしょうか?
黒田「はい。以前、ビギニングGを制作したときは、主人公は一人だったんです。でも主人公が一人だと「ガンダム」という作品の豊富な情報量が
カバーしきれなかったんですよ。そこで「ガンダム」に詳しいキャラクターと、詳しくないキャラクターでコンビを組ませれば、視聴者のとっかかりも
広くなると考えたんです。「ガンダム」を知っているファンにとっては「当然知ってるよ」と少し興醒めするような内容があるかもしれませんが、
だからといって作中でマニアックな「ガンダム」の会話ばかりをしていたら、「ガンダム」を知らない視聴者がポカーンとしてしまうような気がしたんです。
そこで「ガンダム」に詳しい人はセイの視点で、初めての人はレイジの視点で、この物語を見ていただければという思いを込めて、
主人公を二人にしました。それに「ガンダム」の35年分の歴史を背負うのには、ひとりの少年では負担が大きすぎるので、ふたりの少年という
形がベストだったかんと。もう1回この作品を作れと言われましても、主人公をふたりにしますね。

――黒田さんは機動戦士ガンダム00の制作にも参加されていましたが、その経験は本作にも活かされましたか?
黒田 「00をやっていたからこそ、わき目を振らずにこの作品に集中することができたのだと思います。僕も「ガンダム」が大好きな人間なので、
00を担当する前にGBFの企画を頂いていたら、もしかしたらGBFをリアルな戦争ものにしてしまったんじゃないかな。今思うと、00でリアルな
戦争モノをやりきれたので、GBFでは、ホビーとしての「ガンプラ」の楽しさや、キャラクターの成長ドラマを書くことに注力できたのだと思います。
65名無しさん@お腹いっぱい。@転載は禁止
〜〜ガンプラの楽しさを伝えるキャラクターたち〜

――黒田さんの中で、もっとも印象に残っているエピソードは?
黒田「第15話のフェリーニとのバトルで、セイは「戦う」という覚悟を身に付けることができたんですが、最終回で言ったように、それまではガン
プラが好き過ぎて、傷つけることを無意識に拒んでいたんですね。でもガンプラバトルを続ける中で『勝利を目指すには、大切なものでも捨てる
覚悟が必要だ』ということをレイジから教えてもらって。逆に第16話でレイジは、セイからガンプラバトルの純粋な楽しさ、モノを作る人の気持ち
を教えられた。このお互いの成長のエピソードが印象に残っています。

――ガンプラ初心者のレイジが、「ファイター」としてガンプラの楽しさを知っていくのも重要な要素となっていました。
黒田「レイジは普通の子よりかなり言動が激しいんですが、それは、現代の社会では考えられないくらい、異世界アリアンでいろんな勝負ごとを
経験しているからなんです。勝負に対するこだわりの強さみたいなものを持っているというか。
そんなレイジのキャラクターが、「ガンプラの楽しさを知っていく」という作品のテーマを描く上で、うまく機能してくれたなと思いますね。

――『遊びだから真剣になれるんだよ』というレイジのセリフも印象的でした。
黒田「趣味だから本気になれるんですよね。第6話のラルさんのセリフ「別に辞めたって構わない」というのも、遊びの本質的なところを
示していますよね。これらのセリフを通じて、どんなことも楽しんでやればいいということ、
どんなに苦しいことがあっても全力で取り組むことの大切さが伝わればいいかなと。

――いっぽうのセイは「ビルダー」として描かれていましたが、どのような部分にこだわってキャラクターを作られましたか?
黒田「『趣味人である』というところですね。セイはガンダムとガンプラが好きで、どの作品も分け隔てなく大好きなんです。そして好きなものに
対する興味が人一倍あって、それがガンプラを作る原動力にもなっている。だから、好きなものを語り出すと止まらなくなるところや、
ガンプラ製作を楽しんでいるシーンはこだわって描きましたね。本当に楽しそうな主人公を描くことによって、視聴者にガンプラに対する興味を
持っていただければなと。レイジがセイに「そんなに楽しいのか?」と尋ねていたみたいに、視聴者にも「これはそんなに面白いのか?」と
入ってきてもらえたらいいなと意識して脚本を書いていきました。