【先行上映組】宇宙戦艦ヤマト2199 第199話

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298名無しさん@お腹いっぱい。
京田知己 ?@kyoda_contact
ちょこっとだけ2199の最終回のコンテについて呟こうかな。

2199の話を聞いたのは、かなり昔の話で、機会が合えば手伝って欲しいと出渕さんから言われてたのですが、
制作がエウレカAOとモロ被りだったので無理だった……はずなのですけど、何故か参加出来てしまいました。

連絡が来たときは、状況的に出渕さんのヘルプだと思ってたんですけど、まぁ最近ちょっと不義理だったので、
何でも手伝おうと思って会いに行ったら、渡された脚本に「最終回・脚本:出渕裕」と書いてあって、この人は何を考えてるんだと(笑)

頭を抱えたのは事実なんですけど、何でも引き受けるつもりで出向いたのと、きっと出渕さんの作戦があってこそだと思ったので引き受けたのですが、
何と言うか10年ぶりに読んだ出渕さんの脚本が、10年前と何も変わってなくて「ああ、これなら描ける」とも思ったのですね。

10年前……つまりラーゼフォンの頃もそうだったんですけれども、出渕さんの脚本って基本的に尺に収まらないんです。
その溢れる出渕さんの作品愛を、どうにか整理して……要は省略なんですけれども……尺に収めるかがコンテマンの最大の仕事だったりするんですね。

今回の2199という作品も、作ってる過程を垣間みた立場から言えば「よく尺に収めたなぁ」と毎回感心しながら見ていました。
コンテ段階であったシーンがごっそり抜けたりしてるところもあったけれど、全然気にならなかったし。

最終回に関しては、特に苦心したのが、オリジナルで存在しているシーンと新規のシーンのバランスの取り方でした。
最終的には沖田周りはオリジナル・リスペクトで、古代周りはオリジナルに捕われない形でのシーン設計を選択しました。

なので幾つかコンテ上でのアドリブが存在しており、それが出渕さんのチェックを通ったのは素直に嬉しかったです。
ちなみにどこがアドリブなのかは言明しません(笑)

ちなみにオリジナルに比べて、今回のオリジナル・リスペクトシーンのカット割りは半分くらいに減らしています。
書き終わった後で見返してみたら、こんなにカットを割ってたのか……と驚嘆しました。

今回コンテを描かせてもらって思ったのは、最初は出渕さんは(ガミラス愛は横に置いておいて)沖田に思い入れして物語を作ってるのかな……
と思ってたのですけど、実は違ってやっぱり古代進に一番思い入れしてたんだなぁ……と。

で、たぶんそれを描いて欲しいから、これまで参加していない僕を最終回で呼んだのだろうな……と。

それはそれで個人的に抵抗もあったんですけどね。でも引き受けるって言っちゃった以上、やらなきゃいけない。

いや、だとしても、今回ばかりは非常にプレッシャーのかかる仕事でした。これを毎回感じていた現場のみなさんを本当に尊敬します。お疲れ様でした。

ちなみにコンテ打ちで一番時間がかかったのがラストカットの見せ方で、どうあがいてもオリジナルの赤い地球から青い地球にオーバーラップする
画には敵わないんですけど、それでもやっぱり別な形にしたいと思って現状の形になりました。