論考プラス公式ガイドの国
喋るバイクに乗って、論考プラス公式ガイド(注)の国にやって来た。
(注)
http://blog.livedoor.jp/ronkouplus/ 「なんか、国民が一人しかいないような国号ね」
一人の男に出会った。何だか浮浪者のような格好なので話しかけたくもなかったけど、話
しかけてみることにした。
「こんにちは。論考プラス公式ガイドの国ってことだけど、国号にまでなる論考プラス公
式ガイドって何なの?」
「論考プラス(注)の公式ガイドです。論考プラスは論理哲学論考のスタイルで旧司法試
験について語っています。その公式ガイドというわけです。しかし、まだ一つしか記事が
ありません」
(注)
http://yaplog.jp/ronkouplus/ 「へえ。一つしか記事がないのに国号になってるんだ」と喋るバイク。
「いやあ、実は、書きあぐねているんですよ。ほとんど誰にも読まれていないとはいうも
のの、論考プラスは私の二十代そのものなんです。そんなに時間を掛けてはいないんです
けどね。二十代は司法試験とアニメを除くと何も残らないような日々で」
「へえ。どうして書きあぐねているの?」と喋るバイク。
「伊藤真など業界のスターが言っていることを集めたのが、論考プラスなわけです。とど
のつまり、予備校のいう通りにすれば通る、それでダメなら諦めなさいということなんで
すが、その理由はこういうことです。予備校は試験を解析しました。それで分かったこと
は、試験が論点中心であるということです。だから、予備校は論点中心にカリキュラムを
組みました。試験に対応したカリキュラムなのだから、これをこなせば通るはずです。論
点中心では体系が分からないという批判もあろうかと思いますが、予備校のカリキュラム
でも体系はもちろん教えられます。体系マスターから入るわけですから。このことは予備
校本を読めば一目瞭然でしょう。予備校本は、学者本から抜書きすることで要領よく体系
を述べ、それでも分かりにくいところには伊藤真が語りかけるような欄を設けて、後ろに
論証カードを付しています。つまり、法律を一通り説明しているのです。これを薄っぺら
いというのは容易いことですが、このくらい圧縮しない限り、頭に入らないことは明らか
です。かつてはこのような圧縮を自ら行うことが求められていました。これは「法律学の
森」に自ら道を通すことを意味しますから、大難事です」
「そこまでは分かったわ。でも、どうして書きあぐねているかまでは、まだ辿り着いてい
ないと思う」
「そうですね。あえて不親切に書いたものに対して、親切に注釈を付けるのは躊躇われる
ということでしょうか」