いきなりイカ娘がこうなってたら違和感があったかもしれないですね…
こちらもお蔵入り作ですが、イカ娘がミニイカを同胞扱いしなくなるまでの経緯ということで、補完的にご覧ください。
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「イカ娘のブロマイドなんてモンが売れたおかげで、朝っぱらから続編の撮影するハメになっちまったよ…」
「フッフッフ、やっぱり看板娘に相応しいのは私でゲソね。」
「うるせえ、さっさと撮るぞ…っておいイカ娘、お前の足元に何かいるけど。」
「え?ああ、ミニイカ娘でゲソね。」
『オーゲロゲロ!オーゲロゲロ!…』
「ほっといていいのか?溺れてるぞソイツ。ミニイカって泳げないんじゃ…」
「気にしなくていいでゲソ。ポーズはこうでいいでゲソか?」
『ゲショ!ゲショ!ゲシァアア!!』
http://2ch-ita.net/bbs/anime/img/12868474430245.jpg
ミニイカ娘にとって、この砂浜は楽園だった。
エビの豊富な海の家、毎日大量のエビを与えてくれる少女、そして体が何十倍も大きい頼れる「同胞」…
だがそれも今は昔。
ミニイカ娘への餌付けが禁止されたことは、エビ漬けで舌の肥えた彼女たちにとって死刑宣告に等しかった。
結果、多くのミニイカ娘が海藻や小魚の死骸などといった他のエサを食べられずに餓死した。
http://2ch-ita.net/bbs/anime/img/12868474430246.jpg あまりに壮絶な死に様である。
人通りに向かい笑顔で口を開けた状態で死んだミニイカ娘。
かつてのように人間の前まで赴き、大口を開けて笑顔を振りまき、エビを催促したまま死んだと思われる。
海の家に忍び込み首尾よくエビを入手したミニイカ娘も、ほとんどがミニイカホイホイの餌食となり命を落とした。
人間に頼っても、海の家でもダメとなると、残る選択肢は海しかない。
今ここにいるのは、勇気を振り絞ったミニイカ娘の成れの果てである。
「つめたいなー、お前の仲間だろ?助けてやれば?」
「…こんなヤツ同胞でも何でもないでゲソ。むしろ一族の恥さらしでゲソ!」
「えっ!?」
思わず面食らう栄子。
「泳げないし頭も悪いし、自分のことしか考えないし、エビのためなら盗みも働くような意地汚いヤツでゲソ!」
「わかるけど、そこまで言わなくても…大体、エビに目がないのはお前も一緒だろ?」
「私はなんでも食べるでゲソ。好き嫌いして他の食べ物を粗末に扱うこいつらと一緒にされたら心外でゲソ!」
溜まりに溜まった鬱憤をまくし立てるイカ娘。その口ぶりからは、大きな失望と諦めにも近い感情が滲み出ている。
イカ娘たちは、かつてこの砂浜一帯を青白く埋め尽くしていた沢山のミニイカ娘たちから多大な癒しと救済を得ていた。
地上で初めて出会った「同胞」…守りたいと強く願った、しかし守ることができなかった宝物…
かつて海の家れもんには「看板娘」を張るミニイカ娘がいた。
しかしそのミニイカ娘は、夕暮れの中何者かによって連れ去られ、翌朝変わり果てた姿で発見される…
耐え難いショックと自責の念を和らげてくれたのが、その後程なくして現れた大量のミニイカ娘たちだった。
やがて湘南から全国に広がり、人気ペットとして一大ブームを巻き起こすこととなったミニイカ娘。
しかし、人間の庇護を得て増長したミニイカ娘は早くもその本性を現す。
エビの匂いがしないエサを投げ捨て、不快な金切り声でビイビイ泣き叫び、そこら中にイカスミを撒き散らし、エビ欲しさに誰彼構わず媚を売る。
天使とも妖精とも謳われた小動物がこのような蛮行に及べば、まともな感性を持つ人々が関心を失くすのも無理からぬ事である。
それでも、その愛くるしい容姿に魅了された一部の人間は懸命にミニイカ娘を保護し、湘南の砂浜を「楽園」に仕立てあげた。
過保護のツケを、自分たちで払うことになるとも知らずに…
かくして「小さな天使」から「エビを食い荒らす害虫」へと堕ちたミニイカ娘。しかしそれは人災ともいえるものであった。
海の家れもんでもミニイカ娘によるエビの食害が頻発しており、そのことでイカ娘は心を痛めていた。
それでも栄子たちは「同胞」イカ娘の手前、捕まえたミニイカ娘を大っぴらに処分できずにいたのだが…
「…これからは情け無用でゲソ。栄子たちも私に気を使うことはないでゲソよ。」
「ああ、そうだな。姉貴にも言っとくよ。」
『アビュビュビュ!ホビュッ!…ウブッ!……ウ…』
「よし、写真も撮ったし帰るか!」
『…………』
力尽き海面に浮かぶミニイカ娘を、冷たく触手ではねのけるイカ娘。心から蔑む視線を向け、突き放すように吐き捨てた。
「同じ侵略者なら助けてやったのに…残念でゲソね。お主らの悪行は侵略者の美学に反するでゲソ。」
もうあの頃とは違う。人間の前でいい格好をすれば好きなだけエビが貰えた頃とは違うのだ。
周りの目など気にするだけ無駄なこと。目の前に同胞の水死体があろうと、気にせずワンピースの裾をたくし上げるミニイカ娘が1匹。
今、野性を解き放つ。
『ゲショ〜♪』 プシャー…ジョボジョボ…
http://2ch-ita.net/bbs/anime/img/12868474430247.jpg (オシッコきもちいーでゲショ♪でもウンチがでてこないでゲショ…
エビがないからワルイでゲショ…さいきんだれもエビくれなくなっちゃったでゲショ…
もうずっとおなかペコペコでゲショ…エビいっぱいたべたいでゲショ…)
前言撤回。このミニイカ娘はエビのために命を懸けようともせず、ただ人間の施しを待つだけの愚図だった。野性など消え失せていた。
浜辺に棲む同胞の多くがそうであるように、このミニイカ娘も肥えた舌が海藻・小魚等を受け付けず、衰弱していくだろう。
そしてバカの一つ覚えのように人間の前へ赴き、媚びた笑顔を振りまき、大口を開け、エビを催促したまま死んでいくのだろう。
「…おい、ミニイカが立ちションしてっぞ!」
「どーする?踏み潰す?海にぶん投げる?」
「駐車場まで拉致って車で轢こうぜ!」
「じゃカラスとか来る前に捕まえてくるわ。」
「殺すなよー。」
また前言撤回。人間の気まぐれで野生のミニイカ娘が理不尽に殺されることも、最近では決して珍しくない。
数分後、駐車場には男たちの歓声とけたたましいエンジン音、そしてミニイカ娘の甲高い悲鳴が響く。
『ピギャアアアアアアアアアアア!!!キャイイイイイイイイイ!!!キャ』
パァン!!…
やがて小気味良い破裂音とともにミニイカ娘の悲鳴が止んだころ、1羽のトンビがミニイカ娘の水死体をかっさらって行った。
そう、地域住民がミニイカ娘保護活動の一切を打ち切ったことで、ミニイカ娘はトンビやカラスらの脅威に晒されることにもなったのだ。
そして、地域の安全や個人の悦楽のために、ミニイカ娘を殺そうとする人間にも。
サメを天敵として恐れるミニイカ娘だが、真の天敵は今やそこら中にいる。
イカ娘でさえも、もはや味方ではないのである。
前回出した作品「れもん狂想曲」と
>>435-437で出した「エビ風!ミニイカ娘」の補填的な作品です。
『れもん狂想曲』
http://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/350217.zip [pass:ika]
先に述べた通り前作からエビイカ娘でいきなりイカ娘の態度がコロッと変わっていったのは違和感あると思いましたね。
なので今回の話はその補填的な役割として持っています。
ん、公式絵の加工はいけないって?
ミニイカが全ての悪ですからミニイカのせいで加工されるんです。我々は何も悪くありません。
ミニイカという害虫がいるから加工する。逆に言えば公式絵だろうと二次創作絵だろうとどんな画像でもミニイカを絡ませればそれは我々が加工してもいいということです。
全部テメーの責任にしちゃえばいいんだよクソイカが!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!