純粋無垢な性格とミスマッチなあの風貌が嗜虐心を掻き立てる。
それにあの小ささで白いイカ帽子がゲショゲショ言いながら蠢いてるのを想像すると
ある種の生理的嫌悪感を催すんですよね。イカ娘や黒ミニイカでは全然そう感じないのが不思議だけど…
特に伊勢海老をイカ帽子だけ露出させて喰い進むシーンは、あたかもエビの体内を食い荒らす寄生虫のようで
思わず目を背けたくなります。
ミニイカ娘の国際貢献
ミニイカ娘ブームが過ぎて、今では街の至る所に捨てミニイカを見かける
あらゆる手を尽くし、人間に可愛らしさをアピールして再び飼ってもらおうとしているが、誰も見向きをしない
それどころか唾を吐きかけたり、足払いをしているような状況だ、このミニイカは街を墨で汚すので、非常に嫌われ、駆除されているが、なかなか追いつかない状況である
私は役所の捨てイカの駆除の部署に着いた
この捨てミニイカは、飼われていたときに不摂生しまくったせいで、食用にするには不味く向いていない
私は、このミニイカの有効な利用方法は無いかと考えた
テレビを見ていると、地雷除去をNHKでやっていた。
地雷除去は高額な機械や、撤去している人間自体が地雷によるダメージを受けたりするため、なかなか進んでいないとのことであった
私はいいことを思いついた、捨てミニイカでも地雷の除去が出来る
方法は簡単だ、地雷の形をした模型を作り、スイッチを踏むと大きな音とエビが出てくるようにすればよいのだ
大きな音は爆発音だが、爆発音にびびってしまわれては、そこらかしこに散らばる地雷の撤去を複数のミニイカで出来ないのである
まぁ、地雷のスイッチを踏めばエビが出てくることを頭にたたき込ませれば何の問題も無いだろう
実際の地雷からでてる来るのはエビではないが…
わたしはさっそく街に行き、捨てイカ娘を片っ端から集めた
また飼ってもらえることに大喜びしているようだ
水槽には約50匹のミニイカがいる、餌を与えようとすれば、どのイカも可愛さアピールをして我先にエビをもらおうとしている
皆にエビをたっぷり与えると、お腹をさすり、みな大喜びしている
汚れた体をぬるま湯で一匹ずつ洗ってやると、ゲソゲソ言いだし、みな大喜びである
新たなご主人様の登場に心から喜んでいるようだ
自分が地雷爆破に使われるとも知らずに
さて、十分になついたところで、まず餌をえびせんに変える
最初はギャビギャビ騒ぎ抵抗していたが、また捨てられるのを恐れたせいか、さほど騒ぎ続けなかった
まず、野原にミニイカ達を連れて行った
地雷の模型を見せて、中にエビを入れる。上部のスイッチを押すと、ポン!という音の後にエビが出てくる
当たりとはずれを作り、はずれはスイッチを押しても音が鳴らず、エビは出てこない
ミニイカは理解したようだ
これを草むらに隠してミニイカ放つ
ミニイカは我先に当たりのおもちゃを見つけようと駆け出し探し出す
途中、カエルやバッタ、小鳥達と遭遇するが、ミニイカには、これらの動物は君たちを暖かく見守ってくれるお友達だと十分に教えておいた
動物に恐れては、現地で地雷除去出来ないからだ
ポン、という音と共に、ゲショゲショミとニイカの笑い声が聞こえてくる
エビにありつけたようだ、負けたミニイカは悔しがって泣いているが、これから何度でも遊べるから落ち込まないように伝えた
ミニイカの中には一緒に探して捕ったエビを仲良く食べようとする者がいたが、これらは注意してやめさせた
一ヶ月もすれば、多い茂る草むらの中、我先にと素早く探すことが出来るようになった
ミニイカは毎日えびせんをいっぱい食べ、水遊びが出来て、野原で駆け回り遊べることに大変満足して幸せそうだった
このミニイカ達は、人間の安全な生活を取り戻すために命を捨ててくれるんだから、このぐらいの待遇でも悪くはないだろう
いよいよ地雷除去を始める日が来た、現地のボランティア団体や、平和維持活動の司令官が観に来ている、安全に地雷を除去出来るのは現地で作業にあたる人達の夢だからだ
私は現地の活動家達に幸せそうなミニイカを見せた、本当に出来るのかと不安そうになっていたが、私が、ミニイカちゃん達、お友達だよ、挨拶しなさいと言うと、みなにっこり笑ってゲショゲショと挨拶した
活動家達は驚き、また期待を持つようになった
ミニイカちゃん、今日はこの草むらで運動会だよ、おもちゃはいっぱい隠れているよ、今日は特別な日だから大きな音と、伊勢エビが出てくるんだよ、たくさん観客もいて幸せだねー、というとみなゲソゲソ騒いで喜んでいる
だれからおもちゃ探したいかなー、と言うと、水槽の中のミニイカが騒ぎ出す
とびきり元気な10匹を選ぶと、地面に置いて、スタートの合図を待たせる、我先にエビを食べようと飛び跳ねている
準備はいいかな?それじゃ、よーいスタート!
そう言うと、ミニイカ達はばらばらになり、一目散に地雷を探しに行く
普段は何も出来ないノロマだが、エビの事になると、考えられないぐらい俊敏になる
しばらく私と現地の活動家が、固唾を飲んで見守る
するとどこからともなく、パァーンという音が次々に聞こえてくる、われわれは歓喜し、皆拍手をした
ミニイカ達は水槽の中で、次は自分の番だとアピールをしている、次々に投入していく
鳴り響く地雷の音、50匹全部放したとき、地雷の音は鳴らなくなった、この地帯数キロにある30個程度の地雷のを破壊しつくしたようだ
われわれは万歳万歳と歓喜した、あまりの低コストに、大きすぎる効果、周囲を歩いていると、地雷でダメージを受けたミニイカが横たわって、仲間のミニイカが、私に助けを求めていた
私はよく頑張った、ありがとうと言い、立ち去った
ミニイカは泣いていたが、どうでも良い
どうせ処分されるはずだったのを、死ぬ前に最高の思いをさせてあげたんだから、もう十分だろう、捨てイカは自然で生活できる能力は皆無だから、悪さもできず鳥や蛇に、食べられだろう
現地の国の政府の役人は、画期的な方法の開発に歓喜し、私は勲章を頂いた
別にミニイカの処分方法を考えただけなんだが
日本に帰ると仕事が増えそうだ、ミニイカの公害で苦しむ人や地雷で苦しむひとがいる、どんどんこの仕事を進めていこう