らき☆すた ≡ω≡. part510

このエントリーをはてなブックマークに追加
10名無しさん@お腹いっぱい。
良SSがあったので貼っておく

〜隘路の向こう〜
 空虚な日々を送るかがみには、あれから半月が経ったという実感がまるで湧かない。
むしろ時間など永遠に止まっているのではないかとさえ思わされた。
しかし現実には時間の流れとは不変の法則だ。
泉こなたとは縁のなかった人間はもちろん、B組の生徒の多くも徐々に記憶から彼女の存在が消えつつある。
意識をしなくなるのだ。
使う者のいなくなった机がかろうじてこの教室にこなたがいたことを証明するが、このどこにでもあるような備品が取り除かれた時、
殆どの生徒はいよいよ彼女を忘れてしまうのである。
「こなた…………」
かがみは時々こうして屋上に来ては意味もなく名を呟く。
本当に意味のない――無駄な行動だ。
もしかしたら呼びかけに答えてくれるかも知れない、という想いがそうさせているだけだった。
生者の声に死者が耳を貸すハズがない。
そもそもこの世を去った人間には、声を聴くための耳もなければ答えるための口もない。

「泉こなたを自殺させる方法」を考える34
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1272998122/