はじまりの町 その@
―冬休み
冬休みが始まってから2、3日過ぎたころ僕は『普段どおりに』居間でテレビを見たり、
部屋で宿題かネットで遊んでいる。というより、宿題はほとんど終わってしまいネットで遊ぶのが大半だった。
学校に行く前死ぬ気で何回も復習したのが幸運だったせいか授業でもスラスラ問題を解けて以前と大して変わらない学力に戻っていた。
僕はその日珍しく遅く起きていた。
時計を見るとすでに11時を回っているし、なおかつあのうるさい人形たちも部屋からいない。
『ベット』であるトランクもきれいに並んで静かに床に置いてある。
少しボーっとした後に僕はそそくさと着替えを済ませ居間に向かった。
早くしないとまた真紅がいつものように「紅茶をお願い。」などと言ってくるだろう・・・
はじまりの町 その@
―冬休み
冬休みが始まってから2、3日過ぎたころ僕は『普段どおりに』居間でテレビを見たり、
部屋で宿題かネットで遊んでいる。というより、宿題はほとんど終わってしまいネットで遊ぶのが大半だった。
学校に行く前死ぬ気で何回も復習したのが幸運だったせいか授業でもスラスラ問題を解けて以前と大して変わらない学力に戻っていた。
僕はその日珍しく遅く起きていた。
時計を見るとすでに11時を回っているし、なおかつあのうるさい人形たちも部屋からいない。
『ベット』であるトランクもきれいに並んで静かに床に置いてある。
少しボーっとした後に僕はそそくさと着替えを済ませ居間に向かった。
早くしないとまた真紅がいつものように「紅茶をお願い。」などと言ってくるだろう・・・
3 :
1 ◆lXMd305Fj6 :2008/03/27(木) 11:37:42 ID:xvp80Y8w
居間に降りていくとすでに騒ぎが起こっていた。
雛苺と彗星石がいつものように口げんかをしている。
いい加減朝から騒ぐのはやめてほしいと思うし蒼星石も止めに入らないのだろうか?と思った。
そしてソファーでちょこんと座っている真紅が待ちくたびれたような顔をしていった。
「ジュン、遅いじゃない・・・早く紅茶をいれて?」
「はいはい・・・」
「『はい』は一回でよろしいの!」
それから普段どおりに時間が過ぎあっという間に夜の7時になった。
暇だったので久しぶりにゲームでもしようと思い、居間に降りていく。
幸い「くんくん探偵」も終わっていたし、なおかつ誰もテレビを見ていない・・・
しかも居間には真紅が一人だけだった。僕が起きてきた時と変わらず本を読んでいる。
違うといえばソファーから食卓に移っていたことだ。あとのメンバーの行先は大体予想はついたのだが
そんなことを考えるよりも先にこれからやるゲームの方へ集中していた。
僕は手早く準備をすますと「プレステ2」の電源を入れソフトをセットした。
『デジモンワールド』・・・以前から流行っているモンスターの育成ゲームだ。
以前とあることで断念しまったく進めていなかったのだ。
4 :
1 ◆lXMd305Fj6 :2008/03/27(木) 11:49:30 ID:xvp80Y8w
前のデータが残っているのだが久しぶりにやることもあるので新しくデータを作ることにした。
プレイしてから30分くらい経過したとき、ふと横を見るといつの間にか真紅が隣に座っており
じーっとテレビに映っているデジモンワールドのゲーム画面を見ていた。
「ジュン、なにをやっているの・・・?」
ビー玉のように光る綺麗な青い瞳で僕の方へ顔を向けた。
無表情だがこいつの好奇心ははかりしれないことを僕は知っている。
「デジモンワールドっていうゲームだよ、モンスターを育成して冒険するゲームだよ。」
「ふーん、じゃあジュン。ちょっとやらせなさいよ、気分転換にピッタリだわ。」
ここで断ったら間違いなく張り手を喰らう・・・
とりあえずコントローラーを真紅に渡した。
だが僕はこれからの毎日で真底疲れることになるとは思いもしなかった。
というより、宿題をほとんど終わらせておいてよかったということだ。
アメリカのとある地方に野球観戦の大好きな、でも、目の見えない少年がいました。
少年は大リーグ屈指のスラッガーである選手に憧れています。
ある日、少年はその選手にファンレターを送りました。
「ぼくは、めがみえません。でも、まいにちあなたのホームランをたのしみにしています。
しゅじゅつすればみえるようになるのですが、こわくてたまりません。
あたなのようなつよいこころがほしいです。 ぼくのヒーローへ」
この手紙がマスコミの目に留まり、二人の対面が実現する事になりました。
カメラのフラッシュの中、ヒーローと少年はこう約束します。
今度の試合でホームランを打てば、少年は勇気をもって手術に臨む、と・・・
そして、その試合でヒーローによる最後の打席。未だヒット無し。2ストライク・3ボール。
テレビや新聞を見た多くのファンがスタジアムで固唾を呑んで見守り、少年自身もテレビの中継を祈る思いで、聞いています。
しかし、ピッチャーの投げた最後のボールは大きな空振りとともにキャッチャーミットに突き刺さりました。
そして全米から大きなため息が漏れようとしたその時、スタジアムの実況がこう言いました。
「・・・ホームラーンッ!月まで届きそうな大きな大きなホームランですっ!!!」
6 :
1 ◆lXMd305Fj6 :2008/03/27(木) 11:57:24 ID:xvp80Y8w
はじまりの町 そのA
「ジュン、どうやって操作するの?」
「お前馬鹿だろ・・いきなり説明書を読まないでプレイするやつがいるか?」
真紅が長い金髪で思い切りビンタをした。
「・・!このやろぉ!!!コントローラー返せよ!!」
無理やり奪い取ろうとするも真紅がその小さい手でコントローラーを守っている
姿を見て本能的に手が出せなくなった。
観念して説明書を渡す。
7 :
1 ◆lXMd305Fj6 :2008/03/27(木) 12:24:33 ID:xvp80Y8w
それから毎日のように真紅がデジモンワールドにのめり込んでいった。
自分のデータでやれる暇なんてあったもんじゃない・・・!
とりあえず宿題は全部終わったので、後は真紅の隙を狙ってコントローラーを奪えば
いいのだが・・・・
8 :
1 ◆lXMd305Fj6 :2008/03/27(木) 12:43:32 ID:xvp80Y8w
↑訂正
真紅がデジモンワールドにはまってから2日が過ぎた。
この間に起こった変化といえば、真紅意外のメンバーも興味津々とテレビ画面を見続けていることだ。
「うにゅー、雛にもやらてよぉー」
「だめよ雛苺、あともう少しで私のアグモンが進化するところなんだから。」
真紅が攻略本片手にコントローラーをいじっている。
あの小さい手が意外にもぴったりとおさまり、ボタンをちょこちょこと動かす動作に
僕は少し見入ってしまった。
今真紅がやってるゲームでは主人公の名前が「くんくん」になっている。
どこまで「くんくん」が好きなんだこいつは…
「もぉー!いい加減にするデス!!さっさとその黄色いチビを進化させるのです!!!」
彗星石がキーキー声でわめく。
いい加減うるさくなってきた…
9 :
1 ◆lXMd305Fj6 :2008/03/27(木) 12:48:19 ID:xvp80Y8w
すると急に画面が止まり辺りが暗くなった。
進化だ。僕にはすぐわかった。
「で、何に進化させようとしてるんだ?」
「グレイモンよ。」
真紅が自信たっぷりにほほ笑んだ。
そして画面一杯が光に包まれた後に現れたのは・・・
例の『あいつ』だった。
気持ち悪い鳴き声とともに進化したのはヌメモンだったのだ。
え?同じやつがあったの?
12 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/27(木) 17:21:15 ID:Fszyum+u
え?終わり?続き希望
え?板違いだろ
続きはもうちょっと待ってて。
15 :
1 ◆lXMd305Fj6 :2008/03/27(木) 18:50:40 ID:MQL6gF8Y
「なによ・・・これ。」
最初に口を開いたのはヌメモンに「進化させた張本人の」真紅だ。
顔がこわばり小さな手からコントローラーが落ちそうだ。
「あーあ、ヌメモンになっちゃったか。」
僕はお腹から沸き起こる笑いを必死にこらえながら呟いた。
「ちょっとジュン!これはどういうことなの!!?私のアグモンがあんな・・あんなケダモノになるなんて!!」
「やっぱり真紅もチビ人間と同じで失敗ばかりですぅー!せっかくのパートナーがかわいそうですね!!」
歓喜の笑いをあげながら彗星石が叫ぶ。
こいつの言うことは普段から頭にくるがこういうときは真紅に対して日ごろの恨みを晴らせたもんだ。
「おだまり!あなたに私の気持ちがわかるもんですか!!・・ちょっとジュン!」
金切り声で僕の方を向いた真紅の顔はまるで人間のように赤くなっていた。
しかも眼がうるんでいる。こいつの性格からして失敗は許されないがそんな性格じゃなくてもあんなのになれば
誰でもショックを受けるだろう・・・
「ちゃんとHP・MP以外の能力を100以上にしたか?
・・いっとくけどグレイモンにさせるには素人にはムズ過ぎるね。なんせデリケートだからな」
「チビ人間が何を偉そうに喋ってるんですかー!!」
「アホ!僕は何回かグレイモンにしたことがあるんだよ。」
「キー!!!」
16 :
1 ◆lXMd305Fj6 :2008/03/27(木) 19:31:02 ID:MQL6gF8Y
彗星石とこれ以上喋っても埒が明かないので僕は真紅の方へ話を寄せた。
「ま、とにかくあきらめずに育てることだね真紅。まだ最初なんだから途中でデータ消してやり直すとかするなよー」
「う、うるさいわね!わかってるわよそんなこと!」
「真紅ぅー!今度は私がやるー!!早く変わってよー!!」
雛苺がわめくので一旦真紅はセーブをしてコントローラーを渡す。
案の定雛苺のいつもの反応が見えた。
「雛苺もとにかく早く進化させることですね、私は・・そうねぇ〜」
彗星石が放心状態の真紅から攻略本を無理やり取ってとあるページを僕に見せた。
「私にふさわしいのはこの『ホウオウモン』です。チビ人間は私のデジモンにひれ伏すがいいです!!」
と、自信たっぷりに言うものだから
「お前じゃム・リ・だ。」
彗星石の顔に思い切り凸ピンをしてやった。
半狂乱に狂った彗星石を見るのはいつみてもおもしろい。
なかなかいいですね!オレはどちらもファンなのでコレは楽しみです…雛苺はなんだろ?
18 :
1 ◆lXMd305Fj6 :2008/03/27(木) 19:53:49 ID:MQL6gF8Y
育成状況
ジュン=モノクロモン 3才
真紅 =ヌメモン 4才
雛苺 =アグモン 0才
彗星石=見学
19 :
1 ◆lXMd305Fj6 :2008/03/27(木) 19:56:34 ID:MQL6gF8Y
訂正
冒険範囲=全員はじまりの町〜グリーンジム
ドリルトンネル その@
翌日早く目が覚めたので居間に降りてくとそこには意外な光景があった。
なんとすでに真紅がデジモンワールドをやっていた。
朝からゲームとは・・と思ったのだが、これをやる前は朝から『読書』なので趣味に没頭していることに変わりはなかった。」
「もうやってるのか・・どこまで進んだ?」
真紅は画面を見ながら冷静に答える。
「そうね・・迷わずの森でパルモンとクネモン、それとシーラモンを仲間にしてトろぴかジャングルに行ったわ。
けどまだ私のヌメモンはあまり強くなってないし、街に戻ってトレーニングしてる所よ。」
「ふーん」
ぼくと真紅は一緒になって画面のヌメモンの様子を見ていた。
進化した(どちらかというと退化か?パラメータが減ってるし・・・)時よりかなり強くなっている。
現在ヌメモンはALL2000・200以上で年齢は9歳だった。
素人にしてはかなりの腕前だし、あのヌメモンをここまで育てたのはすごいと思う。
たぶんパルモンとクネモンの戦利品であるチップを使ったのだろう・・
もしくはボーナストレーニングで倍以上の成果だったのだろうか?
とにかく自分も始めて自力で強くなったヌメモンは初めてなので少し
真紅の育成が楽しみになってきた。
「そうだ真紅、ドリルトンネルには入ったか?」
「ええ。けど入口を見ただけで少し怖くなったて街に戻ったわ・・・」
「こわくなった?真紅にしてわ珍し・・・痛っ!!」
真紅の張り手をもろに喰らいかけてた眼鏡が落ちてしまった。
「この・・・とにかくドリルトンネルに行ってみろよ。」
「・・嫌よ!私のヌメモンが死んじゃったらどうするのよ!!」
少しヒステリック気味になって無意識にコントローラーをかばった。
昨日はあれほどヌメモンになったのをショックに雛苺や彗星石に八つ当たりするわ
話しかけても無視するなど非常に腹ただしかった。
なのに今のこいつはヌメモンに愛着がわいている。
まあどんなデジモンであれ強くなってくればわからんでもないが…
「そこ!ヌメモン、キックよ!!」
とモドキベタモンなどの雑魚戦でいちいち声に出している。
と、こんな調子が続いてゲームの中で2日が過ぎた。
ようやく決心がついたのかゲーム内のお昼になったころに、
真紅もとい主人公クンクンはドリルトンネルへと向かうのだった。
ドリルトンネル入り口
「・・・」
真紅は深呼吸しながら入るチャンスをうかがっている。
「早く行けよ。時間がもったいない。」
「わかってるわよ。」
そしてドリルトンネル内部に突入すると、さっそく真紅は僕の方に顔を向け攻略法を聞きだした。
画面にいる緑の物体に対して指をさしながら
「あれは何ていうデジモンなの?」
「あー、あれはゴブリモンだよ。」
「強いの?」
「んー、強いといえば強いけど今のヌメモンなら余裕で勝てるね。」
僕は意地悪にも自信たっぷりに言う。これは確かなことだ、しかしヌメモンでは説得力が欠ける。
「そぉ、なら少し相手にしてみましょう。」
真紅がメニューを開きアイテムの確認をしてゴブリモンに接触した。
敵の戦闘直前メッセージが流れる。
「ま、なんて下品なのかしら・・・汚いところにはやはり汚いモノね・・・」
お前のヌメモンも相当なものだよ。
と、言おうとしたがまた張り手を喰らうのは勘弁なので黙って見守った。
つーか、こいつの必殺技に真紅は何も思っていないのか!?
23 :
1 ◆lXMd305Fj6 :2008/03/27(木) 20:55:48 ID:MQL6gF8Y
ゴブリモンが開始早々マグマボムを使ってきた。
この技に僕は最初幾度恐れ憧れただろうか?
デジモンで戦闘中ワザを覚えたときの感動は忘れがたいものだ。
「くっ、こんな技があるなんて・・けどそんなに大したことはないわね。」
真紅が勝ち誇ったように静かにほほ笑みその後ヌメモンのエンガチョキックで戦闘は終了した。
「余裕ね。」
「・・・・・」
次のフロアで真紅が驚く顔を見たいものだ。
24 :
1 ◆lXMd305Fj6 :2008/03/27(木) 21:06:11 ID:MQL6gF8Y
ちょっと休憩します
25 :
1 ◆lXMd305Fj6 :2008/03/27(木) 21:52:57 ID:MQL6gF8Y
つぎのフロアでは道が3つに分かれている。
がそのうち二つの道(左・下)を行くには中央を囲むように居座っている
三匹のゴブリモンの間をすり抜けなければならないのだ
「生意気ね、この私に対して3匹もいるなんて・・・」
「勝負すれば?」
「言われなくてもそのつもりよ。私のヌメモンは強いんだから・・
全く家来として私の腕を甘く見に出ほしいわ・・・」
すいません眠くなってきたので続きは明日です。
これは>1乙と言わざるをえない
真紅の愛情があればヌメも完全体にれるさ!
28 :
1 ◆lXMd305Fj6 :2008/03/28(金) 10:16:45 ID:FTfJIPbA
真紅が3匹いるゴブリモンのうちの1匹に触れた。
途端に彼女は叫んだ。
画面には戦闘開始を合図する「怒」マークが3つも出ているのだ、つまりゴブリモン3対を1度に相手にすることになる。
もちろん真紅は今までのプレイで1対1が原則だと思ってたらしい・・・
「え!?ちょっと、待って!何で3人も相手になるのよ!!?卑怯よ!戦いは1対1が原則なのに非常識だわ!!」
僕はこの反応を見たかった。自分も始めて1対3になったときはビビったけど、こうも他人の場合となると面白いものだ。
もしこれが彗星石だったらヒステリックになっただろうなー
「この・・・!!私のヌメモンを甘く見ないで頂戴!!」
ヌメモンのエンガチョキックが3対のうちランダムで繰り出されるので中々倒すことができない。
さらにマグマボムが連続で襲ってくる。防御とHPが高くても連続で喰らうと消耗戦になってしまう。
真紅はコントローラーを力強く持って腕をちょこちょこと動かす。(といっても○ボタンの連打だげだが)
人形がゲームに熱くなる。見てて面白いし、なんだが応援したくもなった。
そしてようやく1匹倒した後ヌメモンの必殺技ゲージ「FINISH」の文字が浮かび上がった。
「□・・・これね。」
戦力を減らしたことで冷静さを取り戻したのだろうか、今の真紅の体に力が入っていないことが僕には分った。
□ボタンを押したことによりヌメモンが金色に光り始めた。
この時真紅はすでにR1とL1ボタンを連打している、説明書を一応読んでるようだ。
ヌメモンがウンチを口から吐き出す!
このシーンを見て真紅はどう思うのか?愛情を捧げたデジモンが汚いことをしてどう思うのか?
ゴブリモンが一撃で倒れる、残りは一体になったのでこれも余裕だろう・・・
そして勝利した。
「なあ真紅」
「何?ジュン??」
真紅が微笑みながらこちらを向いた。
よほどうれしいのか声のトーンが上がっているのがわかった。
「ヌメモンの必殺技を見てどう思った。」
蹴りをしてくるのかと思いきや真紅は少し顔を赤くして前に向き直る。
「べ、別にどうも思わないわ。それにヌメモンの生態からしてああいう技があるのはわかって当り前よ!」
「…絶対嘘だね!顔が赤くなってるぞー真紅。」
「・・これはちょっとムキになってただけなのよ!!ゲームなんだから家来のくせに、いちいちうるさいわよ!!」
言葉の通り張り手を喰らった。
ドリルトンネル そのA
結果的には真紅の育てたヌメモンはかなり強くなってきている。
左のフロアに行きドリモゲモンを苦労することなく倒した。
「熱い原因・・何かしら?きっとこの洞窟には何かあるはずだわ」
ビンゴ。真紅もそろそろデジモンワールドの奥深さがわかってきたようだ。
このてのゲームは寿命が尽きるまでにどこまで冒険できるか?というのも楽しみの一つでもある。
そのためか新手の敵デジモンを見ても戦おうという気持ちは起こらない・・・
しばらくトンネル内を探索した後、右側の通路の奥にドリモゲモンからバイトのイベントが発生した。
「・・これは・・・やった方がいいのかしら?今の台詞からして奥の方へ行けるみたいだけど?
ジュンはどう思うの?」
「そうだな・・・とりあえずバイトしてみれば?主人こ・・くんくんのセリフに力仕事のバイトはいいかもしれないって
もしかしたらステータスが上がるかもよ?」
と、言ったところ真紅は少し困った表情をしたがヌメモンを愛おしそうに見つめたあとドリモゲモンに話しかけた。
このバイトはデジモンの後ろに土を入れた箱がつき『入口まで行き戻ってくる』ものでかなりシンプルだ。
それに連続でやればトレーニングするよりも能力を上げるのに効率が良い。
1往復してきたところでこのことを告げると真紅は
「あら?私のヌメモンが気に入ったの??」
「べ、別にそういう意味じゃ・・・」
と、僕が言い終わらないうちにとっととバイトを続けていた。
「そうよ。ヌメモンがんばって・・・良い子ね」
こうしてバイトを6〜7回を過ぎたころだ。
「ヌメモン!?」
真紅が立ち上がって叫んだ。
急な大声に僕自身もびっくりだし二階で寝てる雛苺や彗星石が起きてきて余計に騒がしくなると思った。
しかし二人は起きてこない。
「ちょっとジュン!どういうことなの!?私のヌメモンがバイトのやりすぎて疲れがたまってるって!!」
「・・ん?あ、あー・・そんなことか?」
途端に真紅の白い肌がそれこそ苺のように赤くなり青い瞳をギンギンに光らせヒステリックに叫んだ。
僕は思わずのけぞった。
「そんなことですって!!?あなたがバイトしろなんて言うからヌメモンが・・・ヌメモンが・・・・」
僕はこの時の真紅の対応に初めて困った。
真紅が目に涙を浮かべて胸倉をつかんできたのだ。
一体どうなったかと思いテレビ画面の方を向くとヌメモンの上に水が滴るマークが写っていた。
「ジュン!」
「だ、だいじょうぶだよ真紅。すぐジジモンの家に戻って休憩すれば治るから・・・」
途端に真紅は画面のほうに向きなおり、ヌメモンをはじまりの町まで戻しジジモンの家で休憩をとった。
「・・治ってないわよ?」
今度は静かな口調だったが怒りも感じた。
「もう一回休めって!次休んだらヌメモンが寝る時間だしああいう症状は寝れば完璧に治るからさ・・・落ちつけよ。」
真紅が鬼の様な形相でにらんだ。
いくらゲームとは言えこんなに真剣になった真紅に対して少し反省した。
なんせいつもの喧嘩とは気迫が違う・・・
「・・・・・」
真紅は無言のままだ。
何を言っても無視されるか張り手を喰らいそうな状況で僕がとったのは・・・
黙って真紅のプレイを見届ける事だった。
育成状況
ジュン=モノクロモン 6才
真紅 =ヌメモン 12才 もうすぐ進化できるかも?
雛苺 =アグモン 0才 今日一日、巴のうちに遊びに
彗星石=結局やってない 蒼星石とともにおじいちゃん家に
彗星石=興味がないようだ
カナリア=知らん
今日はここまでにしておきます。
ちょっと会話がワンパターン化してきたので・・・
乙
36 :
1 ◆lXMd305Fj6 :2008/03/29(土) 13:32:19 ID:p0d40Rmt
ドリルトンネル そのB
次の日は雛苺や彗星石も居間で遊んでたり、喧嘩をしていた。
僕はというと自分のデータでモノクロモンを育てるところだ。
それはそうと真紅とは昨日の一件で気まずくなったのだが、一応謝り場を収めることができた。
しかし、あいつの性格上なので「家来だから謝るのは当り前よ。」と再び寝るまでは無視される羽目に・・・
とりあえず今日、真紅はゲームを一旦休憩し二階でゆっくり本を読んでいる。
「よ〜し、トレーニングっと。」
まず僕にはちょっとした計画があった。
HPとMPは進化した時のままにし、後のステータスを全て一旦210を目安に挙げておく。
そしてその後は技を覚えさせるためにひたすら賢さとご機嫌をあげ、
これで賢さが380あたりまでする。時間に余裕なら攻防すを順番に一回づつやる。
さらに常時ご機嫌をMAXにしておくとゲームの『システム上の関係』でメタルマメモンになる。(実話)
そして僕の育てているモノクロモンはHPとMPが1400未満だが「攻防すか」が250・260・230・410になった。
完璧だ・・・僕は心の中でガッツポーズをした。
・・・そんなことをしててあっという間にモノクロモンは完全体になる年齢まで成長した。
当日進化までに時間はあるので再びトレーニングを開始した。
一回やるごとに褒めてあげるのも忘れない、体重も自然に1Gまで下がった(あとは肉を食べさせるだけだ・・・)
「はー・・・いつまで同じことをしてるんですかぁ?もう十分強いと思いますけどね。
あ、でもチビ人間のことだから肝っ玉もミジンコ並に小さいと思いますです!」
くっくっく、といやらしく隣で彗星石が笑う。こいつが今から起こることに対して驚くのを早く見たい・・・
こいつをけなすのはその後だ・・・
その彗星石の隣では雛苺がうとうとしながら画面を見ていた。
37 :
1 ◆lXMd305Fj6 :2008/03/29(土) 13:44:16 ID:p0d40Rmt
「それより、なんでずっとトレーニングばかりなんですか!?
街にいるジジモンがかわいそうです!!年寄りを大切にするのは基本中の基本です!!」
「うるせー!!僕のやり方に文句言うな!!・・・ってちょっと待った!
お前って前にも蒼星石とけんかしてた時あのおじいさんの悪口を散々言ってたじゃないか!?
大切にするのはお前の方だろ!?」
ギクリとして彗星石が冷や汗を垂らす。そして開き直ったかのように平然というのだ。
「フ、フン!おじいさんの事はもう終わったことです!!それに私はおじいさんのことを思ってわざと鬼になってただけですよぉーだ!
チビ人間見たくあれこれかまわず、自分勝手にしてるのはどうかと思いますがねー?」
「う、うるさい!お前みたいなやつに言われたくないぞ!?この性悪人形が!!」
僕はムキになって彗星石の頭のスカーフを取ってやった。
彗星石は最初何をされたか分からなかったようだが自分のスカーフを僕に奪われたことを知ると
いつも以上に甲高い声で暴れまくった。
「そ、それはお父様が作ってくれた大切なもの!!キー!!よりによってあんたみたいなクズにさわれたくありません!!
返しなさい!!」
38 :
1 ◆lXMd305Fj6 :2008/03/29(土) 13:58:10 ID:p0d40Rmt
といつもはもっと彗星石をからかうのだが今はモノクロモンを進化させるために
すぐにスカーフを返してやった。
「・・チビ人間の割には素直ですね?」
「お前とは違うんだよ。」
凸ピンをしてやってトレーニングを開始した。隣でまた彗星石がキーキー声をあげてる。
その横にいた雛苺は眠ってしまったようだ。ふわっとした黄色い髪の毛が彼女がウトウトするたびに
綿のように揺れる。
ジムでトレーニングをして夕方近くになったとき、急に画面がストップした。
そしてモノクロモンの頭に進化マークが現れた。
やった!成功だ!!
画面が真っ黒になりモノクロモンが叫ぶ、そして体が乾いた粘土のようにボロボロとはがれおち
ポリゴンによるシルエットしか残らなかった。
そしてテレビが白い光で包まれた後そこにいたのは・・・・
「よし・・・」
僕はソファーを座りなおした。次のステージへの気分転換だ。
主人公の目の前にパチンコ玉の物体がいるが、右腕にはエネルギーキャノン砲、左手には鉄をも切り裂きそうな
鋭い3連装のクロー、そして顔?と呼ばれる部分には鉄火面をしていた。
おまけに背中にはロケットブースター、全体を見ると戦場を駆け抜けるソルジャーを思わせている。
これは板違いと言われる予感
僕はスレ違いよりも翠星石が彗星石になってるほうが気になるんですけど…
42 :
1 ◆lXMd305Fj6 :2008/03/29(土) 15:32:54 ID:p0d40Rmt
板違いなので
家ゲーRPGに移転しました。
ちなみにこのスレッドには消去依頼を出しておきました。
読んでくださった方々に申し訳ありません・・・
保守
ほ
し
ゅ
う
じ
む
し
た
い
は