魔法遣いに大切なこと - 35th Dreamer -
ユメの誕生 ver.3.0
<1>
時は、西暦2002年・・・。
2002年9月にキングゲイナーが放送開始。
2002年10月から機動戦士ガンダムSEED、灰羽連盟放送開始。
2002年12月18日灰羽連盟(※)放送終了。
そして、クリスマスを前後して、2002年ベストアニメトーナメントが行われており、
アニメ板が荒れた時期であった・・・。 (といっても一部のスレだけだが)
確か、1位キンゲ/2位灰羽だったと記憶している。
その時、奴はすでに胎動していた・・・。
※ : 大変評判が良かったが、同じくらいアンチが存在し、他のアニメスレでは一部嫌われていた。
明けて、2003年。テレ朝木曜26:12〜という、画期的な時間帯(※)に
「魔法遣いに大切なこと」 が放送開始された。
※ : 当時、関東の木曜深夜はアニメを放送していなかった。
「魔法遣いに大切なこと」 は前評判が高かった・・・。 というより、期待が過剰だった。というべきだろう。
絶賛の内に終了した「灰羽連盟」 とキャラデの雰囲気が似ていたからだ。
そして、監督(※)「3階から人が落ちたら死ぬ世界ですか?」 プロデューサー「はい。」 (うろ覚え)
のやりとりの情報が放送開始前に流れるとともに、魔法遣いスレは元灰羽視聴者や灰羽アンチ
の方々によって期待と不安で埋め尽されていた。
※ : 下田正美 代表作は『藍より青し』。 当時好感度大?
※ : 山田典枝 原作者にして脚本を担当。全12話を独りで書き通した強者。
アニメーション作品に関わるのは本作が初めて。 ただのおばさん。
<2>
1話放送終了後、同じ原作者による漫画(よしずきくみち氏)が先行していたこともあるが、
魔法遣いスレは賛否両論の真っ二つに分かれ、長文による熱い議論が一晩中繰り返された。
木曜深夜はこれしかアニメが放送されなかったというのも理由の一つだろう。
――時代は現在。 リアルな世界観。 遠野から魔法研修の為に上京してきた東北弁の高校生菊池ユメ。
通称あほ毛と呼ばれる壮大な寝癖を持つ彼女は、その世界の中でとんでもないことばかりしでかしてしまう。
勝手に依頼だと解釈し魔法の依頼を無理矢理引き受けてしまうなどの空気の読めなさも拍車をかけた。
ちなみに『あほ毛』は『くカ』とも呼ばれるが、それはあほ毛の形が『くカ』という文字に見えるからである。
毎回幾多の疑問を残し、世界観がリアルであればあるほど違和感がある脚本が展開されていった。
そして、その度に熱い議論が昼夜を問わず繰り返されていった・・・。
一方、魔法遣いスレには、ユメAAが登場した。
元々よくあるタイプのAAだったと思うが、灰羽連盟でも同じタイプのAAが存在しており、
その主人公ラッカのAAを改編して作られたのがユメAAだと記憶している。
そして、問題の第4話。 ユメは魔法で月へ行ってしまった。(実際に月に行ったかは不明)
さらに、第8話の東京タワー曲げ。 くどいようだが世界観がリアルであればあるほど疑問が残る脚本。
「超脚本」 という言葉が定着し、原作者 山田典枝の名は他の超脚本家さまと並び称され
2chで不動のものとなった。
しかし、もし直前に灰羽連盟が放送されていなかったら・・・、
魔法遣いに大切なことは、まったく違う評価を受けていたかもしれない。
<3>
2003年3月 放送終了。
これで、魔法遣いネタは沈静化すると思われていた。 ところが・・・。
とあるアニメの実況スレにおいて・・・、
「○○だったらいいのに・・・。」 的なカキコを誰かがしたら、それにレスがついた。
「それは、魔法の依頼だね?(*1)」 ユメのAAが、扉を開けてやってきた。 誰かがそれにレス。
「お前は遠野に(・∀・)カエレ!!(*2)」 *1:ユメが勝手に依頼だと解釈し魔法の依頼を受けた時の台詞
*2:ユメは魔法の研修を終え遠野に帰った
つまり、ユメが来るということは、すなわちこのアニメを超脚本にしていいですか?
ということなので、どこに出現しても嫌われるようになった。
元々このようなやり取りはアニメ板でもされていたはずだが、このやり取り自体が次第に横行していった。
ユメAAは一種の荒氏行為であり、ユメAAでからかうと本気で憤慨する住人がみうけられた。
しかしそのうち、なんだかんだ言ってユメAAがお約束のようになっていき、ある意味人気がでてきた。
人気が出ると、バリエーションが豊富になっていき、今に至る・・・というわけです。
といっても、ここ最近はめっきり目にする数は少なくなったが。
昨年あたりには、ユメが銃を持ってこちらに突き付けているAAで犯罪予告カキコがあり
各局ニュースでTV放送され全国デビューも果たした。
最近では少なくなったが、「○○できたらなあ〜」 「魔法」 「夢/ユメ」 「あほ毛」 「超脚本」
などのカキコがあるとどこからともなくユメAAが現われる。
他にも同タイプの他のキャラのAAが存在していたはずが、ユメのAAの存在感が高くなったせいか、
一部例外を除いて、同タイプのAAがアニメ板で見かけることは少なくなった。
余談ではあるが、2003年4月に放送開始したカレイドスターの主人公の名前が、
「ゆめ」から「そら」に変更されたのが、「魔法遣いに大切なこと」の所為だったかの真偽は
定かではない。(実はそらの名は数回変ったらしい。またユメは当初ウメという名だった。) 了