舞-乙HiME 〜マイスターオトメへの試練その277〜

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308名無しさん@お腹いっぱい。
502 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2006/06/29(木) 15:34:05 ID:4bREm6dk
経験者は語る。
寝ている間に放つのは格別だ、と。
経験者はさらに語る。
夜中、早朝に、己の下着を洗う虚しさも増すことになってしまうが、と。
日付が変わろうかという時刻。
「あ」
マシロ・ブラン・ド・ヴィントブルームは快感よりも打算を勝たせてしまう。
幾分かの後悔を持ちながら。

反物、と言う言葉がある地方に伝わる。
一定の長さの布を用いて、服を仕立てる。
縫製作業としては当たり前のことだが、ただ一点違うのは、その布を余すところ無く使うところだろう。
しかし、余そうが使い切ろうが、被服学を不得手としているニナ・ウォンにとっては、
大した差ではなかったのだが。
そのため、この時刻になっても、思うように作業が進められず、小休止を取っていたところだった。
だが、それでも頭を冷やすことが出来なかったことは、
「…ニナちゃん」
後ろから袖を引かれるまで、その人物に気付かなかったことでも分かる。
「マシロ様。こんな時間にどうなさいました」
もじもじしながら、上目遣いのマシロに、己の焦りからか、つい口調がきつくなる。
流石にマシロも、「出し損なったから抜いて」など言えるはずもなく、
ニナもその様子を見て「夢精し損なったのですね」など気付くはずもなく、
…そんなことに気付かれては、ちょっと怖い。
とにかく、何も言い出さないマシロに、焦れたニナは
「今忙しいですから」
突き放してしまう。
ここでマシロも、わがままの一つでも言えれば、二人の関係ももう少し変わるのかも知れないが、
昼の課題のことを思い出し、
「…そうだよね、ごめんね」
とぼとぼと、その場を後にした。

「ああ、もう!」
作業が進まない。
進展しないのではなく、手が付けられないのだ。
あのような背を目にして。
主人と呼んだ人物を、理由も聞かず追い払い、その様な状態に追い込んだ、自分に腹が立つ。
主人ならば主人らしく、己の意を通し、意見を口にしない、マシロにも腹が立つ。
そうだ。
その事を意見するのも自分の勤め。
そう自分を納得させると、ニナは被服室を後にした。
309名無しさん@お腹いっぱい。:2006/06/30(金) 01:47:13 ID:bpzY5E+J
503 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:2006/06/29(木) 15:35:16 ID:4bREm6dk
自分はつくづく物陰が好きなのだと、ため息をつく。
時間など気にせずベンチに座ればいいものを、気付けば植え込みの中、
人目に付かぬ所に座り込んでいた。
この時間なら何処にいても、人目に付くことなど無いのに。
もう少し夜風に当たってから、部屋に戻ろう。
明日になったらニナちゃんに、邪魔をしたことを謝ろう。
そんなことをマシロは、とりとめもなく考えていた。
大体、自分はどうしたかったのだ。
ニナの元へ行き、理由を話せば、手ずからしてくれるとでも思っていたのか。
でも、あの手でやってくれたら気持ちが良いことだろう。
そんなことを考えているときに、
「マシロ様…」
ニナの呼びかけが聞こえた。らしくなく、後ろから軽く抱きつきながら。
心配していたのだろう。それは声と雰囲気で分かる。
だが、マシロにしてみればタイミングが悪かった。
いけない妄想に入っていたところなのだ。
声とその行動に思わず股間が反応し、見えるはずがないのにそれを両手で隠してしまう。
そのあからさまな行動に、ニナの心配そうな雰囲気も消し飛び
「…ぷっ」
しかしニナの口からは、罵声は聞こえず、吹き出した笑いが漏れた。
ニナの右手が、マシロの股間に伸び、
「どうなさったんですか?」
右手が股間をさする。
何度も往復し、十分大きくなると、寝間着を右手だけで引き下ろし、マシロのモノを直接掴む。
「こんなに腫れていますが」
「ダメだよ、ニナちゃん」
口では否定するが、間違いなく期待していたのだ。口調は弱い。
「外でこんな」
「マシロ様。声を立て誰かに見つかると、事が事ですので」
マシロの言葉を遮るように、ニナは
「これを口に含んで、声を出さぬようにしてください」
己の左手の人差し指を、マシロの口に差し入れた。
その間もニナの手の動きは止まらない。
先端をしごきながら、根本まで手を下ろす。
何度も何度も。特別なことは何もない。
でもニナのその手が、自分のモノを掴んで、しごき上げる。
ただそれだけで、マシロの頭は白くかすんでいく。