TVアニメ版AIR -The 61th. summer-
「………」
「往人さん…」
「ウチが夢を見はじめたんは、きっと偶然じゃあらへんよね?」
俺を覗き込む。
なんでか俺は、答えることがでけへん。
「ウチ、今年の夏は特別やって思とった」
「きばって、友だちをつくろって思とった」
「ほしたら、往人さんに会えた」
「ほうして、夢を見はじめた」
「きっと全部、ひとつにつながってるんやね」
「………」
「やから、がんばりたいな」
「この夏を、いっちゃん幸せにしたいから」
「往人さんと出逢えた夏やから」
観鈴が俺んことを見る。
陰りのあらへん、真っ直ぐな瞳。
俺はなんて答えるべきなんやろうか。
「…わかった」
俺はそう答えた。