:*・゚・*: 雪の女王 :*・゚・*: その21

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247名無しさん@お腹いっぱい。
「ごめん…なさいっ、ごめんなさいカイ…私、私っ!」
突然口を開いたゲルダの目から少し涙が零れ落ちる。
それをカイは申し訳なさそうに…だがどこか冷ややかな瞳で眺める。
「…どうか泣かないで。あなたの気持ちはあの時はっきりと伺ったのです。
僕はあなたの気持ちを十分承知の上だったんです」
優しく…その雫を拭ってやる。
「ゲルダ、僕はあなたが好きだ。どうか僕にあなたの心のうちをお聞かせください」
「…ごめんなさい…私は…彼のことが、ラギのことが好きなんです」
時はもうすっかり夕刻を迎えていた。赤い光が部屋の中を徐々に照らす。
「…はい、ごめんなさい。取り乱したりして」
「いえ、僕こそ突然…」
ふとゲルダの膝横においてある一輪の赤いバラに目をやる…。
カイの中にその燃えるような色とは対照的な冷ややかな想いが蘇る。
「そのバラは、彼から…ラギさんからの贈り物ですか?」
おもむろに、わかりきったことを訊いてみる。
「…うん。ついさっき…」
ゲルダはふいの問いに何を答えてよいのかわからず口篭り、そのバラを持ち上げようと すると。
すっとカイはそのバラを先に持ち上げ見つめる。
「…綺麗ですね。まるでこの夕焼けの空のような…」
「カイ…?」
「そして彼のような…赤い…バラ・・・・」
そう言ったカイの表情は…切なげで、だが確かにそこには何かがあった。
「…哀れなものですね」
「!?」
その瞬間、カイはそのバラを片手で軽く握りつぶす。ハラハラと赤い花びらが…。
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