この仕事をはじめて二十年を超える。ヒット作と呼ばれるものにも何作かは関わってきたが、
いつも同じ失敗を繰り返してきた。それはパート2とか、延長とか、劇場版とか、
そういう仕事からすぐ逃げ出してしまうということで。
そもそもTVの最終回を書き終えるととにかく虚脱状態
その後小説を書けといわれても、続編を企画しろと言われても、なかなか腰があがらない
そもそも最終回に全てをこめたからにはその後ダラダラと何かを作り続けるのは、
作品への誠意が薄れるような気がする性質なのだ。今作も虚脱感は同じ。
しかも作品が当たった途端に、のぼせた天狗野郎が跳梁するのもこの世界の常だ(てめぇは黙って**数えてろ)。
本来だったらとっくに逃げ出しているところだが、いつもと違ったのは南、武田プロデューサーを初めとするアニメ関係者が、
劇場版や冬のイベントを私が書くものと信じ、そのために待ち続けてくれたということだった。
信に堪えるものは唯一、真である。だから、久しぶりに最後の最後までこの作品に関わっている
I川 昇