巴里はメトロに…【ノワール】VoL10

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今回のエピソードでは、常に徹底した無表情で感情の表出といったものがほとんど見
られなかった「精密殺人機械」の霧香が、一人の青年との出会いをきっかけに人間ら
しい表情を見せていく、といった内容なのですけど、‥‥実は自分、SSか何かの題材
として、この手の展開を前から想定していただけに、本編で実際にこんなエピソードが
出てきたことに、ちょっとビックリ。でも、青年との交流のきっかけとして「絵」というキーワ
ードを用いることは思いつかなかったので、ああ、この手があったんだなあ、と。

というわけで、とある公園で絵を描いている青年に出会った霧香は、絵を描くという行
為に何故か心惹かれるものがあったらしく、やがて自ら画材を買い込んで、青年と同
じ場所で絵を描き始めるようになる(この時の、もの欲しそうに画材店のウインドウを覗
き込んでいる霧香と、画材を買って与えるミレイユとのやりとりは、見ていて微笑ましい
です(笑))。
この、ミロシュと名乗る青年は、元は外人部隊の傭兵であったらしく、人を殺して生き
続ける生活に疲れ、再志願を躊躇っている心境を霧香に語る。これは、同じく血にま
みれた世界に生きている霧香に己が立場を振り返らせるもので、この時の霧香のやや
自嘲的で複雑な表情というのも、今回初めて目にするものである(ちなみに、霧香は
自分の名前を名乗ることすらできない)。
‥‥しかし何より、今回一番やられたのは、ミロシュと会っている時の霧香の表情。何
で何で、こんなに「笑顔」を浮かべているんだっ!?(←ここから、このレビュー、暴走
モードに入ります(爆))
思えば、今までに霧香が浮かべた唯一の笑みって、6話で見せた子猫に対してのもの
だけで、これは相手が無垢な動物だからいいにしても、今回の笑みは断じて納得いか
ん。しかも、霧香の笑顔って凄く貴重なはずなのに、こんなに連発しちゃあいかんじゃ
ないかっっ!!(爆死)
‥‥と、ちょっと理性が飛んでしまったけど(汗)、話を戻して、ミロシュとの会合を偶然
目撃したミレイユは、「もう会わない方がいい」と霧香に告げる。そうだ、姐さん、あんた
は正しい(爆)。