お母さん、大変です!『フルーツバスケット』その3

なぜフルバのアイキャッチにおにぎりが出てくるのか？それはおにぎりが透たんの
人生を左右させた重要なアイテムだからである。
透たんのお母さんは透たんを女手ひとつで育てあげました。毎日毎日か細い腕で
朝から晩まで働き生活費を賄っていました。透たんが仕事で疲れて帰ってくるお母さんの為に、
せめてご飯を作って待っていてあげようと思ったのは自然な成り行きだったのかもしれません。
そんな母親思いの優しい透たんがお母さんの為に初めて作った料理がおにぎりでした。
そのおにぎりはとてもとても不恰好で、塩も振っていない誰が見ても出来損ないのおにぎりでしたが、
お母さんは透たんがその小さい手で自分の為に一生懸命作ってくれたことがわかっていたので、
「おいしいよ、透。透の作るおにぎりは世界一だね」と透たんを褒めてあげました。
その日から透たんの一番の得意料理はおにぎりになりました。
しかし、これが後の悲劇を生むとはその時は誰も予想だにしていませんでした。
夏の或る日、透たんは夜勤に備えまだ寝てるお母さんの為におにぎりを作りプールに出かけました。
しかし、そのおにぎりはお母さんが起きる頃には猛暑ですっかり腐っていました。
蓄膿症のお母さんはそのことに気づかずおにぎりを残さず食べ車で仕事に出かけました。
運転中、お母さんは腹部に突然激痛が走りました。そうです、腐ったおにぎりにあたって
食中毒になったのです。痛みでハンドル操作を誤ったお母さんが再び前方に視線を向けた時、
そこには一本の電柱が回避不能な至近距離にありました･･････。
透たんのお母さんはその交通事故で命を落としました･･････。